それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:鮪薙

750 / 794
せっかくガングニール持ってきたからヒーロームーブしようぜ!


大規模救出作戦 Session3

防衛線を突破しタリンに突入したランページゴースト及びオートスコアラー、仕掛けてくるなら間違いなくここだと確信すら持っていたが故に、今の展開には

 

「やっぱりなって感情以外は持たないからな!」

 

「だが強化型は厄介だな、弱体化がされていないのもあるが機動力も装甲も段違いだ」

 

だからだろう、ゲーガ-は先程から長剣の二刀流ではなく、短剣に、バックラーも単発火力とストッピングパワーが高いショットガンタイプに変えて応戦をしている。

 

しかも別の箇所では約50体の新手の反応が発生、報告によれば兜を被り、大鉈を持った血塗れのコートを着込んだ大男らしく、しかも廃墟をすり抜けて来るとのこと、つまりは

 

「前回の大規模作戦の時に現れたイレギュラー、またややこしい事になりそうですね」

 

「M82A1が『アブノーマル』って言ってた奴だよねそれ、っとと!」

 

不意に現れた強化型ストレリツィの攻撃を躱し反撃をするRFB、余裕そうに見える彼女たちだが強化型が現れてからの戦闘は先程まで以上に気が抜けないものになっている、更に言えば保護及び救出対象であるアイソマーのこともある。

 

一度状況を確認しようと、周囲の敵を殲滅し一時的に落ち着ける時間を作ったランページゴーストはナデシコからの情報を整理、どうやら大多数はタリン奥に存在する優曇華の花畑に居るようなのだが一部少数は都市部に隠れるように点在、恐らくは移動の際に逸れた、もしくは動けないほどに衰弱していると考えられるとキャロルから通達されればRFBが真っ先に

 

「だったら、私達はその子達の救援に向かおうよ」

 

「キャロル、そいつらの現在地を送ってくれ」

 

《すぐに送ろう》

 

送られてきたアイソマー達の現在地を全員が見てみれば、都市部全域に点々としており一つのグループはそこまで多いという感じではないということが一つ、中には生命反応が他に比べると弱々しいものがあることがあり移動させるのは難しそうなグループがあるということ、もう一つが

 

「パラデウスの一部が隠れ場所に向かってるのがあります、このままでは」

 

「時間がねぇな……キャロル、ラーニョチームとオートスコアラー、それと他の基地で動けそうな奴ら全員に現状を共有してくれ、あたしらランページゴーストは散開してパラデウスを叩く」

 

《各個撃破の危険はある、2、2でチームを組んででは駄目か?》

 

「んなことしてたら助けられるグループが少なくなるだろ、一つでもグループに向かってる小隊が潰されたとなりゃ向こうは即座に殺しにかかるぞ」

 

ノアの言い分も分からなくはないのだが強化型とアブノーマルが現れている状況で一人行動は危険度が高すぎる為に許可は出来ないとキャロルが返そうとしたとき、RFBから進言があり、現在はと言うと一人パワードスーツを駆り生命反応が弱い箇所へと急いでいた。

 

《全く、RFB殿がそのような案を出すとは中々に驚かせてもらったぞ》

 

「でもあの状況で取れる最善手ってこれしか無いと思うよ」

 

彼女が出した案はなんてこと無い、自分とノアが単独で動くということだった。だがそれでは勿論ながら却下されるのだがRFBの場合はパワードスーツの存在によって許可が降りることに、と言うのも今まで機会がなかったので情報が出せなかったが彼女のマキシマムスーツは学習型の高性能AIが積まれており、高度な自律行動が可能でその性能は決して侮れるものではない。

 

因みにノアの単独行動に関してだがこちらはキャロルは悩みはしたがすぐに許可を下ろした、曰く『まぁ今のお前ならば無茶はしないだろうし』とのこと、ある種の信頼度の高さである。

 

故に単独ではあるがマキシマムスーツをAI稼働にしてしまえば擬似的ツーマンセルの完成というわけである、もっとも本来ならばRFB自身の戦闘力が落ちるのでツーマンセルとはならないのだが今の彼女は例の盾である【R.ガード】とアーキテクトから貸してもらっている【ガングニール】の2つがあるのでその懸念は消化されている。

 

ともかく今彼女は出せる最大速度で目的地まで走っているのだが、ふとウロボロスがマズイなと呟いてから

 

《奴ら、こちらの動きを察知したようだ、速度を上げたな……っ!急げ、このままだと向こうが早いぞ!》

 

「クソっ!!」

 

グンッと更に速度を上げればパラデウスと否、向こうのほうが数瞬早かったのか、隠れている廃墟に向け射撃体勢に入っており、明らかに間に合わないという場面にRFBは即座にマキシマムスーツをAIモードに切り替えて抜け出しヘルメットを脱いでからマキシマムスーツが開いた掌に乗ってR.ガードを装備してから

 

「私を投げろ、ハイパームテキ!!」

 

これだけの指示でRFBがしてほしいことを瞬時に理解、マキシマムスーツはその通りに彼女を投擲すればRFBは盾を前に構えて窓枠から廃墟に侵入、そこには丁度アイソマーが四人ほどか、その全員が衰弱した様子で動くことも出来ないのは一瞬でも分かるほどであり、こんな状況の彼女たちに容赦なく武器を向けるパラデウスに向けて

 

「ざっけんなよ!!」

 

と叫びながらR.ガードを展開、同時にレーザーやロケット弾による砲撃の嵐が彼女を襲うがそこで分かったのはこれでは不十分だという事実、確かに防ぐだけならば問題ないのだが弱っているアイソマー達には爆炎や爆風ですら致命傷になるかもしれないと判断した彼女は覚悟を決めた表情で

 

「頼むよガングニール!【Balwisyall nescell gungnir tron(恐 れ を 乗 り 越 え 繋 が る 手 を 伸 ば す)】」

 

認証コードを謳うと同時に爆発が彼女を襲った、この凄まじい衝撃と音によりウロボロス側、つまりはナデシコから彼女の反応が途絶え、電脳内は騒然とするが……

 

詩が聴こえた、衰弱し意識が朦朧としながらもやっと死ねると思っていたアイソマーの一人の耳に届いたのはこの場に似つかわしくないほどに綺麗な聖詠、一体誰がと目を開けば映ったのは

 

「はぁ、はぁ、はぁ……うん、大丈夫みたいだね」

 

マフラーをたなびかせ、黒に白いラインが入ったアイソマーからしてみると見たことのない装備を纏った知らない少女が肩で息をしながらも自分たちを見てニコリと笑みを零していた。

 

結論から言えばガングニールの展開は間に合いR.ガードの魔力障壁と小手を大盾に変化させることにより全てからアイソマー達を護り切ったのだ。

 

代償としてほんの一瞬だけ間に合わずにRFB自身の体を盾にしたので右頬や両腕に見ただけで分かるくらいには軽い火傷と傷を負ったがそれ以外は無傷であり問題ないと自分に言い聞かせつつ、マキシマムスーツと共にパラデウスの小隊を蹴散らしに入る。

 

向こうとしては防がれることすら想定外だったはずなのだが怯む様子はなく、ドッペルゾルドナーが次の攻撃を行おうとするがまずそれをRFBは盾を投げつけて阻止、続けて飛び蹴りからの右足をそのまま軸にして左脚を思いっきり振り上げ踵落とし、即座に盾が刺さっているドッペルゾルドナーに向け飛び抜いてからマキシマムスーツに投げ渡し、自分はそのまま

 

「でりゃぁぁぁぁ!!!」

 

叫びと同時に砲身を掴みジャイアントスイングで周りの敵を薙ぎ払ってから投げ飛ばすが背後からグラディエーターが青い電気球を叩きつけようとしてくるがマキシマムスーツが殴り阻止、続けてRFBが右手の小手をパイルバンカーのような形状に変形させて

 

「これで、終わりだ!!!」

 

グシャ!と言う装甲からとは思えない鈍い音を立てればグラディエーターは倒れ沈黙、周囲に敵の気配が無いかと警戒したタイミングで

 

《こちらナデシコ、ウロボロスだ。漸く繋がったか、大丈夫かRFB殿!》

 

「うん、アイソマーの救出に成功、衰弱してるけど無事だよ」

 

《イチイバル、こっちも成功した、目立った怪我もなさそうだな》

 

《こちらシンデレラ、敵の殲滅を完了、アガートラームが確認に向かってます》

 

《問題なさそうだ、だが衰弱が激しい、動けそうにはないな》

 

どうやら他の箇所に向かった面々も無事に成功したらしく安堵の息を吐き出してからアイソマー達のところに戻って

 

「もう大丈夫、もう少ししたら救出のヘリが来ると思うから」

 

「……なんで」

 

たった一単語ではあるが、それだけでRFBには全てとは言わないが大体は察してしまった、絶え間ない苦痛を味わい続け、ここから逃げることも出来ずに、恐らくは漸く死ねるというところで今こうして助けられた、故の『なんで』という言葉にRFBは

 

「助けてって、聴こえたから」

 

「?」

 

「多分、言葉にはしてないと思う、でもなんとなくだけど感じ取れたから全力で助けに来た、不思議な話だけど私って臆病者だから、他人のそういうのにも敏感、らしいんだよね」

 

困った感じの笑みを浮かべながら答え、とにかくちょっと待っててと告げてからマキシマムスーツを彼女たちの護衛のために待機させてRFBは合流のために走り出す、その背中をアイソマーはただ見つめているのであった。

 

一方その頃、オートスコアラーはと言うと割と洒落にならない激闘を繰り広げていた、もしかしてルージュとジャウカーンが暴れすぎて目立ってしまっているのではというくらいには敵が押し寄せてきては、二人が薙ぎ払い、スユーフ、ダラーヒム、トゥーマーンが残党を蹴散らしていると

 

「……あー、はい、あれがマスターが言ってた例の反応ね」

 

「まるで幽霊みたいです!」

 

元気に言うことじゃねぇんだわと一体の大鉈を持った大男と対峙する、向こうは咎人が何とかと言ってくるがオートスコアラーからしてみれば、そんなこと言われるまでもないと言う感想しか抱けないので得物を構えた瞬間、待ってたとばかりにトゥーマーンが持ってた例のお守りが

 

「な、ななな、なに!?めっちゃ光ってるんですけど!?」

 

【そう驚かなくとも、時が来たら分かると伝えたではありませんか、今がその時と言うだけです】

 

「は!?え、ちょ、ちょちょちょっと待て、影が!!??」

 

通信という形ではなく頭に直接響く感じにM82A1の声がトゥーマーンに聴こえ、驚く声を上げようとするが足元の影が自身を包むように蠢いていることに驚愕する

 

【少々、身体を借りますね、ご安心を、意識は共有としますし事が済めばきちんと返しますので】

 

そういう問題じゃない!!と叫ぶよりも先に影が完全にトゥーマーンを包み、形を作っていく、身体自体はトゥーマーンのままでありながら髪は冒涜的に蠢く長く黒い長髪に、頭には禍々しい、山羊とはとてもではないが呼べない漆黒の角が象り、そこでトゥーマーンが居るはずの背後からなにか別の気配を感じたスユーフが振り向けば

 

「……トゥー、マーン?」

 

「誰よあんた、トゥーマーンはどうした」

 

「そうですね、【黒山羊】と呼んでもらえれば、それと彼女とは意識を共有してますのでご安心を、私はただあのこの世ならざるもの、えぇ、アブノーマルと呼ばれるあれらを抑えてあげようかと思っただけですよ」

 

【うへぇ、何この空間、普通のやつが来たらあっという間の発狂よこれ】

 

だがそう簡単に信じられるかとダラーヒムが武器を構え、るよりも前に黒山羊と名乗った存在はアブノーマルの前に移動、そして

 

「ふふふ、やはり、あぁ、これはいい……」

 

贄ですわね、呟いた刹那、彼女自身の足元の影が対象を包み込み、だが直ぐに弾けたと思えばアブノーマルは姿を消しており、黒山羊はと言うと不満そうな表情を浮かべ

 

「……逃げられましたか、仕方がありません」

 

辺りから鈍い何かが潰されるような音が響き渡る、何が起きているのかと全員が警戒していると、彼女は呟く

 

「パラデウスの中身を贄として貰い受けましょう、アブノーマルは可能ならばと言うところでしょうかね」

 

【えぇ……なんか送られてきたんだけど~】

 

とりあえず、味方ってことでいいらしい、スユーフがそう判断してからナデシコへ報告、同時に基地ではG3が教会に居るM82A1の元へと向かってみれば彼女は困った笑みを浮かべ、今回は見逃してくれと言うが無慈悲に説教をされたとか何とか。

 

タリンでの戦いはまだ続く、次に何が出てくるのか、それは誰にも、そう、今ここに不完全ながら顕現した彼女にすら分からない。




出たわね(P基地きってのオカルト)

とりあえずランページゴーストは都市部に点々としているアイソマー達の救援とノアは隙きあらば対空兵器の破壊工作も手伝う感じですかね。

オートスコアラーは敵戦力の撃滅、ラーニョチームは多分何処かの援護とかそんな感じですかね(描写不足

RFB版ガングニール
色が違うだけのXVガングニール、マフラーもヘッドギアも完備しており彼女自身が格闘技なども特訓しているだけ合ってアーキテクトよりも遥かに使いこなしている。

【黒山羊】
M82A1が事前に不思議なお守りに封じ込めていた彼女に卸されている力の断片がトゥーマーンをベースに顕現した姿、意思疎通は普通にでき、敵以外には特に何かをするわけではない、また断片なのでまだまだ弱いとのこと。

基本的に影を操り対象を取り込むと言う攻撃を行う、これは複数同時が可能、長髪を蠢かしての迎撃も普通にできたりするので遠近隙が無い、またトゥーマーンは彼女と意識を共有しており、本編でもトゥーマーンがボヤいているが常人ならば即座に発狂するような空間にいるらしい。

現在はアブノーマルを贄に取り込まればいいなとか考えているが出来ないなら別に構わないとも思っている、また長時間は顕現できないのでそのうち勝手に解除される模様。

因みにお守りの発動条件はアブノーマルとかのこの世ならざるものの出現だったりしました
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。