それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!! 作:鮪薙
C級ELIDを撃退はしたものの、それぞれが少なからずのダメージ無いし消耗をしてしまったオートスコアラー及びジャウカーンに確かに自分とごと撃てとは行ったがあそこまで本気で撃たれるとは思ってなかった結果、3機も失ったラーニョチームはアイソマー達が保護されている地点に撤退し回復のために待機していた。
《と言うのが現在の状況だ、何とかギリギリ優勢で押し進めてはいるが何が原因でひっくり返るかが分からん、故にオートスコアラーはトゥーマーンとジャウカーンが回復が終わり次第、味方と合流、都市内の敵勢力の排除に協力しろ》
「了解、聞いてましたね。トゥーマーンはどうです?」
「あたしはもう大丈夫よ~、ただジャウカーンがもう少し掛かるんじゃないあれ?」
トゥーマーンの視線の先、そこにはパラデウスの残骸に囲まれているジャウカーンの姿、よく見れば鉤爪からは細いコードがいくつも伸びており、それらは残骸のコアと思われる場所に繋がっている、何をしているのかと言うと先の戦闘で消耗した電力とバッテリーの充電である。
本来であれば時間が掛かるはずなのだがそこはP基地のブレーキが存在しない技術部は少ない電力からも最高効率で増幅させてジャウカーンに溜め込むという機構を開発、結果として
「あと3分ちょうだーい!」
「凄いよね~、適当な電気からでも十分な充電が出来るとか、何だっけ、未来の電力不足に対しての備えだっけ?」
「らしいわね、まぁ原理聞かされてもあたしにはチンプンカンプンだけど~」
これからまた過酷な過酷な前線任務ということでやる気が死にかけているトゥーマーンはそう気怠げに返してからちらっと保護されたアイソマー達に視線を向けてから唐突にため息を吐き出した。
そこにあったのは『お父様』という存在に見捨てられたという事実に顔を俯かせる、もしくは悲観した表情や眼をした彼女たちの姿、トゥーマーンも彼女たちがなぜここに居て、そして何が目的だったかは既に聞いている、聞いた上で
「むかつくわね」
「トゥーマーンって、ちょ!?」
吐き捨てるように呟いてからダラーヒムが止める声も聞かずに彼女たちの前にトゥーマーンは歩を進めてから全員に聴こえるように
「あんたら、何時まで下向いてるつもりなのかしら?」
が、ダラーヒムが思った声の質とは何かが違った。彼女としてはトゥーマーンのことだから馬鹿にするような声で何かを言うつもりなのだろうと思いためたのだが、出てきたのはそれとは違う、語り掛けるかのような声に動きが止まる。
一方トゥーマーンは自分の言葉で何人かが自分を見たのを確認してから表情を真面目なものから変えずに
「確かに、あんた達はその『お父様』ってのに捨てられた、それはどうしようもない事実ね。で、それであんたらは終わり?」
「なにが、言いたいの?」
「面白くないわよね、自分たちの勝手で作られたと思ったら、不適合なんて一方的な烙印を押してこんな廃都市にポイ捨て、挙げ句、今は証拠隠滅のために殺しに来るなんて、正直あたしだったら腸が煮えくり返る話よ」
言葉の最後に怒気が混ざる、トゥーマーンとしては彼女たちの姿が崇拝に近いレベルで忠義を誓っているマスターであるキャロルと被っているのだ、しかし被っているからこそ彼女はこう続ける。
「でも、あんたらは今こうして生きている。お父様ってやつが居る組織の思惑とは外れてね」
「……だから、何なの?」
弱々しい一人のアイソマーの声にトゥーマーンはその口元を三日月のように歪め、それはもう悪い悪い顔で無垢なる彼女たちに囁いた、折角運命の悪戯で拾った命だ、そして話からすれば彼女たちが秘めている才能は磨けば光るはずだと直感したトゥーマーンは
「なら、お父様が心の底から後悔するような存在になってみないかしら?」
ニコリと先程までの三日月のように歪めた口元を消して穏やかな、見た目相応の優しい笑みを浮かべ、優しい声で彼女たちに語りかけた。
「捨てたことを後悔するような偉業を達成するのよ、きちんと愛していれば自分たちにとって有益だったというのにこうして雑に扱ったことを心の底から後悔するような、ね?」
両手を広げ、アイソマーたち全員を見据えながら無論、一人じゃ難しいかもしれないからここにいる全員でだけどと続ける、(アイソマーたちから見れば)真剣に自分たちに語り掛けてくる彼女の言葉に自然と耳が傾けられ、先程まで俯いていたりした者たちも顔を上げ、トゥーマーンの言葉を聞いている様子にダラーヒムは口元を引き攣らせながら
「あれって、煽動じゃ……」
「なぁなぁ、トゥーマーンが思いっきりマスター達の秘匿研究の話ししちゃってるけど大丈夫なのか?」
「核心に触れるのは語っていないので問題ないと言えば無いのですが、これは……」
彼女が何をしているのかはスユーフもダラーヒムも分かっている、未来を悲観している彼女たちに少しでも前を向いてもらおうという親切心が3割、マスターの役に立つだろう存在を焚き付けてやろうというのが3割、そしてこうすれば絶対にマスターに褒められるでしょこれ!と言う感情が残りの4割だということを
と思っている内にジャウカーンは充電を終えて、トゥーマーンはと言うと
「最後にどうするかを選ぶのはあんた達の意志、でも悪くない生き方だとあたしは思うわよ、ただこれからの未来を生きるだけよりも何倍もね」
「……」
「いい眼になったわね、折角拾った命とチャンス、活かさないと損、生きてこの場から戻ったら考えな、燻るか、見返すかをね」
締め括るように告げてから、彼女たちに背を向けてスユーフ達と合流するのだが、そこで彼女は全員から
「あんた、詐欺師の才能あるわよ」
「革命家とかの煽動って感じだったゾ!」
「トゥーマーン、貴方後でリヴァイブさんから怒られるかもしれませんよあれ」
「ハァ!?あたしはアイツラに寧ろ生きる糧を与えただけですけどー!!それで怒られるなんて心外よ心外!逆に感謝される立場あたしは!」
駄目そう、オートスコアラー3人の気持ちが一つになった瞬間であった。ともかく彼女たちは直ぐに作戦に復帰することになるのだが、その数分後にはトゥーマーンがいつものようにツッコミ役として叫ぶことになる、その声にダラーヒムは
(やっぱり、トゥーマーンの役回りだよね、ああいうツッコミ役って)
と割と楽勝ムードが漂う戦場ではあるが、アブノーマルの足止めを行っているランページゴーストは実を言うとそうでもない、いや、もっと言えば
「グッ、ゴホッ」
ビシャっと優曇華がアナの吐血で赤黒く染まるのを見て、彼女は申し訳無いと思ってから顔を上げる、そこにはアブノーマルのリーダー格の姿、確かにイグナイトトリガーを引いた上で強敵なのだが彼女がここまで苦戦する理由はそれにプラスして
「生かさず殺さずと言うのが、ここまで苦しいものだとはな」
「下手に殺したら連絡線を壊しに行ってるチームと鉢合わせちゃう可能性がある、だから殺さず、かと言って向こうが戻れないように動きを封じなきゃいけない、キツイってもんじゃないよこれ!」
叫びながらRFB、そしてゲーガーとノアがアナと背中合わせで一旦体制を整えつつアブノーマルを見る、どれも四肢や致命傷にならないレベルのダメージを与えてはいるのだがリーダー格が近くにいるからか、本気を出したからなのかは不明だが再生が早く、少しすれば完治して襲ってくるだろう
「シンデレラ、少し下がれ、アタシがあいつの相手を……」
ノアからの言葉を冗談をと遮り立ち上がる、蒼が無茶をするなよ無茶をと言ってくるが、それもまた冗談をと返す、無茶も下がれもどちらも答えられるオーダーではない、これにはナデシコのキャロルも
《……帰ってきたらありがたい説教だ、覚悟しておけよ》
「いかなる説教も甘んじて受けましょう」
「やれやれ、ならば先程と同じ形でいいな?」
通信によれば何名かが連絡線の破壊に既に動いているらしい、ならばランページゴーストのやることは唯一つ、奴らが自分たちから目を背けられないほどに大暴れを繰り広げるだけである。
正味もう私ネタがない(遠い目)
トゥーマーンとしては
穏やかな笑みで優しい声で発破を掛けて少しでも前を向いて未来を生きてもらおうという親切心とマスターに褒められるでしょこれ!という純粋な私欲からの言葉
周りから見ると扇動してるようにしか見えないくらいには完璧な演説だったとか。
ってのをやったのですが大丈夫なのかこれ?いや、でもほら、アイソマーちゃん達がこれで少しでも前を向いてくれれば嬉しいなってトゥーマーンが言ってました。