それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:鮪薙

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その気持ちを抱えて歩み出せ


☆ 動き出す景色

デートという名の男性恐怖症克服特訓、だが傍から見たらやはりデートなのではを終え、夕食時、本日のメニューはレイが出張先で貰ったというスパイスをふんだんに使用したカレー、ライスはなくナンなどで食べるタイプの物がテーブルに広げられている。

 

辛口から甘口、少し変わったものなど様々な味が楽しめるルーに全員が好評の反応をしつつ食事を進めている中、ふとレイが

 

「そういやさ、今日の彼とのデートはどうだったのさ?」

 

「んっ!?で、デートじゃないですって!」

 

「あれ、そうだっけか?まぁまぁ、んで、楽しかった?」

 

私もそれは気になるかな~とユノが珍しく悪い表情で便乗、これにはナガンがいい歳して何やってるのじゃとアニス達にルーをよそってあげながら呟く。

 

対してシャフトはまだ少しだけ顔を赤くしながらも

 

「とても楽しかったです、あ、全然周りが怖かったとかも無かったかな」

 

「ほほぉ~、それは喜ばしい事ではないか、シャフト殿が言い切れるというのならば成功ではないか?」

 

「そうですわね、あたくしは割と心配でしたが、杞憂と言うものでしたか」

 

ウロボロスもこれには驚いたとばかりの声を上げ、クリミナは心から安心したという感じに呟きつつ、美味しさに無言で食べ進めて口元が汚れてることにも気付かなくなっていたビビの口を吹いていると、その彼女から

 

「やっぱり、それはジェイクお兄ちゃんが側に居たから?」

 

「へ?」

 

「いやまぁ、側に居る知ってる奴はそいつしか居ないんだからそうなんじゃねぇの?」

 

何とも子供らしい鋭い質問に、シャフトは声を上げてから考え込み、それをフォローする形でノアが答える、もっとも彼女だけではなく他の全員もその認識だし、レイにしてみれば

 

「てかさ、聞いてた話だとジェイクって男の子に結構心許してさ、今回も周りに人だらけで、ユノっちとか家族や知り合いの同性も居なくて、楽しめましたってなら……」

 

シャフっち、意外と彼に惚れてんじゃね?レイ、ここに来て詰めとか背中を押すとかの優しさを投げ捨ててみた模様、もっと言えば色々と考えたが一度こうしてストレートに投げてみたらどういう反応するかを見てみたかったと後に彼女は語る。

 

そしてそれを投げられたシャフト本人は一度固まってから

 

「あ、え、そう、なのかな……?」

 

「いやさ、IDWから彼のことどう思ってるって聞かれた時に『考えたことなかった』って言ったらしいけど、それってつまり考えるまでもなく、それが日常で居るのが当たり前って無意識に思ってるんじゃないかなって」

 

逃さん、ここで全てを自覚してもらうぞと言わんばかりの勢いだが、決して意地悪をしているとかの空気ではないとユノ達も理解している、寧ろ彼女達的にも惚れてるのではという疑惑は浮かんでなかったわけではないのだから。

 

なお、この手の話に殆ど興味のない組は仁義なきカレー及びナン争奪戦を繰り広げてるが割愛する、その中にロリボロスがアニス達に混ざって居る気がするが気にしてはいけない。

 

ともかく、ここまで踏み込まれたとなればシャフトと言えど何かしらの反応があるはずだ、それを逃さないようにレイ達が彼女からの答えを待てば、返ってきたのは

 

「そうか、私……ジェイク君の事が好きだったんだ」

 

「へ?」

 

「えへへ、そうだったんだ」

 

どうしよう、全くの想定外の反応が返ってきちゃったんだけど、思わずそんな感じの視線を周りに送れば、ほかもそんな感じだった。

 

彼女のことだからこう、顔を赤らめるなり、そんなことないと思うけどみたいな感じになるとばかり思っていたので、こうやって飲み込まれるというのは逆に反応に困るものである。

 

勿論ながら悪いというわけではない、無いのだが

 

「もしかして、シャフトは気付いてたの?」

 

「ううん、でも、多分お母さんたちが好きって感情を持ったときってこういう感じだったのかなって、だから」

 

今の会話からレイは大凡の推測ができた、彼女はジェイクと何かと一緒の時間を過ごす間に自身の中に新しい、何かが出来たのを感じ取っていた。

 

しかし、具体的には分からない、それに悪いものではないからと良くも悪くもマイペースな彼女はそれ以上は考えなかった、故に『考えたことなかった』

 

(つまり、私達は予測違いをしていた……!?)

 

ジェイクの方は分からない、だがシャフトに限れば当初IDWとM16が懸念したような『それだけ』の関係で終わる可能性は低かったのだ、いや、今回で突かなければもっと長引いたかもしれないと考えればこのタイミングは悪いというわけではないが

 

「好きって、これだったんだ」

 

「あらあら、シャフトちゃんが可愛い顔してますよ、ユノお義姉さん」

 

「シャ~フト、口元が緩んでるよ」

 

指摘されハッと表情を戻してから、そこで恥ずかしいとでも思ったのか顔を赤くし、カレーを食べ始める、因みにだがそれはすでに6皿目であることを書いておこう。

 

まさかまさかの展開にはなったが、その御蔭でシャフトが自身の道の感情の正体に気づけた、それは大きな収穫であり、レイとしても嬉しい成果であることには違いなかった、故に彼女は

 

「いやぁ、でもまぁ水族館でのあの感じで好きでもないって言われたらそれはそれで……あっ」

 

「ほぉ、まるでシャフトとジェイクの今回の特訓の様子を側で見てたような言い草じゃのぉ?」

 

油断を引き起こした、やらかしてしまったとレイが思ったが時既に遅し、その場全員の視線が自身に突き刺さっているではないか。

 

しかも仁義なきカレー争奪戦を繰り広げていたはずのアニス達までもが見ている事にレイは冷や汗をダラダラと流し始め、その姿にロリボロスがそれはもうツボに入りましたという感じに笑いながら

 

「なんだなんだ、心配だったから二人を尾行してましたという感じかぁ?」

 

「そそ、そう、そうなんだよ!いやぁ、ほら、ね!?」

 

「レイちゃん、後でお話いいかな?」

 

「そうですわね、気持ちは分からなくはないですが、それとこれは別ですものね」

 

「ふむ、わしも参加しよう」

 

レイですが、温かいはずのカレーを食べてるのに寒気を感じます。思わずそう呟こうともしたが、流石の彼女も空気は読めるので黙って頷き、それから

 

「あと、ウェルも共犯です」

 

「それはオメェが依頼したからだろ、ノーカンだ」

 

「レイさん、流石に悪足搔きがすぎると思いますよ?」

 

駄目だ、希望が全く見えねぇ、いよいよ観念したレイは乾いた笑いをしてからシャフト方に向き直してから、いい笑顔に変えて

 

「セイウチ可愛かったよね」

 

「同意しますけど、許しませんからね」

 

「シャフト、顔真っ赤」

 

こうして賑やかな夕食の時間は過ぎていく、話の通りこのあとレイは説教をされることにはなるが一応、目的の意味は分からなくはないということで一時間ほどで開放されたらしい、らしいが今後は相談してから動こうと誓うのであった。




ここで終わりみたいな感じですが、まだもう一話あると思うよ!!
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