それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:鮪薙

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とりあえず、ターミネーターが止まったからヨシ!


絶対防衛戦線 Session3

よいしょとブラックサレナに跨がり直したレイの視線の先にはターミネーターもとい『バルカン』と彼女を抱きしめるスミスの姿、目撃者多数いる仲で甘ったるい空間を作り出すという行動にレイは感心しながら呟く。

 

そんな彼女の姿は無傷というわけもなく、激戦でしたと物語るほどにボロボロであり、正直なことを言えば

 

「とりあえず、一件落着ってやつになって良かった良かった……あのまま戦ってたら正味、キツかったし」

 

「私も前に出れればよかったのですが」

 

左腕をガトリングから戻さずに居るところを見るとまだ警戒を解いては居ないアナの言葉の通り、彼女は今までの作戦に比べるまでもなく今回は前には出ずに射撃による援護に留まっていた、というのも確かにイグナイトを使用すれば戦えたかもしれないが、それはつまり完治しきっていない体をあの猛攻に晒すという意味でもあるが故に、RFBがだったら自分がその分まで前線を張ると言い張ったのだ。

 

結果として今作戦では彼女はイグナイトを使用することはなかったのだが代償としてマキシマムスーツの中破、及びRFB自身も決して無視できないほどの怪我を負っていたりする。

 

「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ……」

 

その件の本人は、とりあえず事態が収まったと判断したと同時に地面に大の字で倒れ込んで荒い呼吸を繰り返していたりする、彼女としても段違いの格上を相手に接近戦を、しかもガングニールを纏っているとはいえほぼ生身でやり合うのは初めてなことであり、本人が自覚していた以上の疲れが一気にきたらしい。

 

身体中は傷だらけで、ガングニールの装甲もヒビ割れていたり、欠けている部分もあったりというボロボロ具合、だがその顔には満足げな笑みが浮かんでいた。

 

「何笑ってんだオメェ、てか笑えるレベルの怪我じゃねぇだろ……」

 

「あ、隊長、いやまぁ、私の怪我はそれほどじゃないし、それよりも殺さずに止めれてよかったなって」

 

「不死身相手にそれ言えるとか能天気バカの影響をモロに受けてるじゃねぇか」

 

ノアの言葉にハハッと笑って答え、体を起こすのだがその際に割と洒落にならない痛みが身体中から発せられ思わず声が漏れる、彼女自身が分かる範囲で言えば骨に当たるフレームも数箇所折れてるかヒビが入っているし、人工筋肉にもダメージ行ってるよなぁと判断してから、多分これは帰投したら医療班から怒られることは間違いないだろうと、今度は乾いた笑いをする。

 

だが自分の行動自体に反省はない、自分の頑張りでアナは必要以上に負荷をかけることもなく、ターミネーターも平和的に止められた……

 

(いや、ターミネーターの方はスミスの頑張りだね、自分の頑張りは言い過ぎだ……やっぱり、私はまだまだ、ん?)

 

突如として鳴り響く自身の通信機の音で思考を中断させられる、はて、個人宛に鳴るなんて誰だろうかと出てみれば

 

《RFBさん、怪我を為さったのですか?》

 

「CZ52?あ~、まぁ、軽いから大丈夫だよ」

 

通信の相手はフェアリーリリース作戦時にRFBが救った人形の一人、CZ52、その後にP基地の所属となり医療班の一人として勉強を重ねており今ではメンバーの一人として活躍している。

 

また、救ってくれたRFBの事は個人的に慕っている……という枠に収めるには少々無理があるくらいには彼女のことを想っているらしく、IDW曰く『あれは放っておいても勝手に外堀埋めて決着つけるタイプにゃ』とのこと、つまりはそういうタイプの個体だったらしい。

 

《軽い?おかしいですね、バイタルの乱れを見るに常に激しい痛みを感じているほどだと思ったのですが……》

 

「バイタル?」

 

《あ、いえ何でもありません》

 

何でバイタルの様子が分かるんだよとノアがRFBに聞こえない程度の声で呟く、しかも内容的に常に把握できる状態にしてあるというのが恐ろしい話なのだが、このRFB、自分にさほど自信がないのか、はたまた私はノーマルだしという感情が強いのかG11とは別ベクトルで鈍感であるので、向こうが何でもないと言えばそれ以上は考えないので気付かなかったりする。

 

「えっと、心配掛けた?」

 

《大きな作戦の度に怪我をしてくると聞けばしないほうが難しいと思います》

 

「アハハ、ごめん……まぁでも本当に大丈夫だから」

 

《分かりました、帰ってくるのを待ってますね》

 

そこで通信が切れるのだが、彼女は知らない、ここで自分的には軽いと思っていた怪我は周りから見れば十分に重傷に近いということを、それ故に物凄く怒られるということを、ついでに言えば前回の大規模救出作戦で助けたアイソマーの一人からも何故か今回の怪我の件が伝わり、通信越しに拙いながらも怒られるということを……

 

と言う彼女自身の未来の話は置いておき、警戒をしながらも作戦は終えたという空気を出している中、ノアが

 

「にしても、このまま本当に一件落着で良いのか?」

 

「確かにターミネーターの進行は止めることは出来ました、ですがそもそもにしてバルカン、要は自分を殺さなければいけないのかという理由が不明です」

 

「考えられるとすりゃ、なんか未来で自分を消さないとなんかマズイことが起きる、とかか?」

 

などと言ってみるが、実際はどうなのかはターミネーター自身が語らなければ分からない、だが仮にそうだとして未来の自分たちは何やってんだかとノアはぼやきそうになってしまう。

 

自分殺しを容認しなければならない事態、考えたくもないし絶対に止めて他の手段を模索するに決まっている、が

 

「その時間すら無かったってことか?」

 

「……仮に、仮にですが、隊長の推測通りに未来から来たとして、その未来に我々は存在してるのでしょうか」

 

「んだそりゃ、死んでるかもってやつか?」

 

「いいえ、そうではなく、初めから存在しない世界の未来からというのもあり得るのではと」

 

平行世界の、世界が崩壊する事柄が全て起きなかった平和な喫茶店の世界線のように、P基地などが生まれるはずの事柄が起きなかった世界線の未来から、それがアナの推測だった。

 

ならば、ターミネーターが今回のような手段を用いてもおかしくはないと、無論これは推測であり、この世界の未来で自分たちでもどうしようもなくなり、過去に来たというのも十分ありえるのだが

 

「考えても仕方ねぇか……」

 

結局はノアのこの一言が全てであり、ランページゴーストの面々は帰投するまで現場にて待機していたとさ。




描写してないだけで多分きっとターミネーター相手に接近戦繰り広げてたんやろなぁって感じの損耗具合、RFBとか過去最高を記録したんじゃないかなこれ

ていうか割と好きに書いてますが本文内でも言うように全部推測です、超常現象に慣れすぎて平然と平行世界やらの単語がアナさんからも飛び出てくるの凄いよなぁ……
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