それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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歳の差が大きすぎるからエゴール的のは本当にそう見えるんやろなこれ


その光景は娘と父親

勿論ながらエゴールは若い頃のレイラを知らない、それでも今目の前にいる少女が彼女の若い頃の姿だと言うのはキャロルから聞いていなくても確信できただろう。

 

対して、レイもエゴールの事は全くと言っていいほど知らない、しかし彼女は彼を見たときに心の中の何かが安堵した感じを覚えたのも確かだった。

 

「初めまして、のハズよね?聞いてるとは思ってるけどレイよ」

 

「あぁ、君のことはキャロル指揮官から聞いている……エゴールだ」

 

互いに互いが初対面のはずだというのに奇妙な感覚を覚えながらレイが先に右手を差し出せばエゴールもそれに応えるように右手を差し出して握手を交わす。

 

場面だけ見れば至って普通の初対面同士の交流、なのだが二人から出てくる空気の感覚はノアから言わせると

 

「何だって緊張してんだあの二人」

 

「エゴールは仕方ないだろう、だがレイはどうしてだ?」

 

キャロルの言う通り、エゴールが緊張しているというのは彼女がかつて片想いをしていたレイラのクローンだからということで説明がつく。

 

だがレイがああも緊張する理由が二人にはいまいち検討がつかない、そこでもしかしてだけどとルキアを抱っこしながらユノが

 

「レイちゃんの中にあるっていうレイラお母さんの欠片が、反応してる、とか?」

 

「確かに、それなら理由になるかもしれませんね」

 

ユノにしては少々自信がないのか歯切れの悪い感じの言葉にクリスを連れたクフェアが彼女の考えにそう答える。

 

そこで抱かれていたルキアがクリスと遊びたくなったのか降ろしてくれとユノに訴えて、トテトテとクフェアの足元から離れないクリスの側に行き

 

「あそぼ!」

 

「……あっち」

 

余程レイに警戒しているクリスはルキアからの提案にそう答えるとクフェアから離れすぎず、かと言ってレイからは離れる位置で二人で遊び始め、これにはFive-sevenも策士ねこの娘と呟いてしまう。

 

とまぁそこは置いておき、場面をエゴールとレイの方に戻そう、互いに握手を交わし終えた二人だったが、その後は動くわけでもなく沈黙を保つが

 

「んで、さっきから私を見つめてるけど、何かあるの?」

 

「いや、そうではない、ただ昔を思い出してな」

 

「昔ねぇ、あ~、なるほどね。オリジナルと知り合いだったとかそういう?」

 

やっとエゴールが自分に向けてくる微妙な感覚の正体に気づいたとばかりに勝ち気な笑みを浮かべながら聞いてみるが向こうから特に返答があるわけでもなく、先程までと同じように、いや、先程よりも妙に優しい感じの視線に怪訝な表情に変えてから

 

「え、何なのさ、あ、まさか私に惚れちまったのかい?」

 

「ふふ、それはあり得んから安心してくれ」

 

「んだとこのおっさん……!」

 

彼女だって女であり、汚染地域の人々からは姫だの言われていたので容姿は良いんだろうなぁとか他人事ながら思っていたので堂々と惚れない宣言されるのは割りとムカつくらしい。

 

が、エゴールの事情を知っている他の面々からしてみれば、そうだろうなという感想しか無く、だがレイが彼の過去を知らないのも確かなのでエゴールはこう彼女に伝える。

 

「気分を害する言い方をして悪かった、が私は一途なつもりでな……それに私からすれば君は子供みたいなものだ」

 

「……えっと?つか、え、あんたの口から一途だなんだって言葉が出てくるのが驚きなんだけど」

 

なんか調子狂わされるなと言う感じのレイだが、数日後にユノ辺りから話を聞かされて納得することにはなる、なるがその上で『だったらいっそ私に惚れさせてやるか』とか言い出す事になったりするが未来でも話が出ないということはそういうことである。

 

「なんだろ、エゴールさん、楽しんでる?」

 

「きっと、レイラさんの子供と話している感じなんでしょうね、それか、口ではああ言ってるけどまだ振り切れていない、か」

 

そこでエゴールたちが来た方とは逆から誰かが来る声が聞こえ、レイが振り向けばそこに居たのは、アーキテクトとゲーガーなのだが

 

「ハロハロ~、あたしはアーキテクト、君がレイレイでいいんだよね?」

 

「ゲーガーだ、鉄血のハイエンドがグリフィンの基地に居ると言うのは珍しいとは思うが気にしないでくれって、どうした私のことをそんなに見て」

 

「……さすがの私もあれが鉄血のハイエンドだってのは知ってるんだけどさ、牛飼い姿ってのが今の鉄血のトレンドか何か?」

 

言われ、ゲーガーがふむと自身の格好を見る。思えば最近ではその手の反応をされる方が稀だったので忘れていたが確かに外部から見れば違和感しか無い格好だったなと言うことを思い出してから

 

「この基地の私は、と言う奴だな。再生産されている鉄血側の私が見ればお前と同じ反応をするだろう」

 

「はぁ、長閑とは思ってたけどハイエンドモデルすらそうさせるってのは凄いね、いや、でも悪くないね、好きかも」

 

「ここでそんなこと言ってると、D08なんかに言った日にはレイレイの思考がぶっ飛んじゃいそうだね」

 

D08?となるが説明は後日にしようかとなる、が話を聞いて一人でバイクを走らせて向かった時に彼女は大興奮することになる、主に出される料理とスイーツにだが。

 

その未来の余談は置いておき、とりあえずアーキテクトとゲーガーも来たのでこの基地のことについてキャロルから更に説明される、そこで彼女が食らいついたのはやはり食に関連したこと。

 

「バイキング、注文式もあり、種類豊富、ここが楽園か」

 

「すげーマジな顔で呟かれると反応に困る」

 

「あ、あとデザートも色々とあるから楽しみにしててよ!」

 

「デザートも!?」

 

何滅ぼしてくればいいの?と真顔で言い出す彼女にそこまでの仕事は無いから安心しろと同じく真顔で伝えるキャロルの光景を見ながら、だがまぁとエゴール

 

「彼女の反応が普通といえば普通だろう、軍でも見ないような光景だからな」

 

「まぁそうよね、その分、大規模作戦とか、一つ間違えれば世界バランスが崩壊するような戦いがあったりするけどね」

 

それでバランスが取れているというのも中々に酷い話だなとエゴールが呟けば、Five-sevenも確かにねと笑いつつ、何時から来ていたのか知らないARJr小隊と遊んでいるルキアとクリスを眺める。

 

こうしてレイラ・エストレーヤのクローン『レイ』が新たにこの基地の一員となった、最後にだがその日の夕食時に大興奮しすぎてネゲブに怒られたという話だけを置いておこう。




これにてレイさんの加入ストーリーは一段落かな、次はどうすっかなぁ……エゴールさんの一幕でも書いてみるかなぁ

あ、そうだ(唐突)来週の更新なのですが作者が三回目のワクチン接種してくるので更新はありません、ご了承下さい。流石に一回目も二回目もダウンしてたので三回目も動けないと思うからね、仕方ないね。

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