それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:鮪薙

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時系列的には『絶対防衛戦線』の後日談


未来のための、覚悟の戦い

P基地、仮想訓練空間にて連続して響く何かと何かがぶつかり合う音、それから数度の風を切る音の後に着地音、その主であるガングニールを纏ったRFBは頬に流れる汗を右手で雑に拭ってから、相手である『レイラ・エストレーヤ』にレイのお陰でさらに強くなったなぁと呟いてから

 

「まだまだぁ!!」

 

足に力を入れ一気に相手との距離を詰めるが、向こうは分かってたとばかりに冷静にそして無慈悲に迎撃のための攻撃を振るわれた嵐のような赤い斬撃を時に避け、時に受け流し前に踏み込み続け、距離を詰めたと同時に振り下ろされた大剣を弾き、隙を作り出そうとしたのだが

 

「ぬぐっ!?あっしまっぐっ!!」

 

が、そこまで読んでいた彼女は少し前までの連撃の為の攻撃とは違う、一撃に重きを置いた攻撃に動きを止められて怯んでしまったところを腹部に蹴りを喰らい吹っ飛ぶのだが即座に受け身を取り追撃を足払いで牽制、また両者の睨み合いが始まる。

 

ここまでを見ていたノアが一言

 

「気合入ってんなぁ」

 

「ソフォスから聞いた話もあるだろう、それとS10前線基地から模擬戦を申し込まれたのも大きいだろうな」

 

「だろうな、確か『覚悟』を聞きに来るとかだっけ?」

 

その質問にキャロルはらしいと答えてから、RFBの訓練風景を眺める、やはりというべきかレイがこの仮想訓練機器に一度繋がった結果、レイラの欠片が反応を起こしたのか再現の筈のレイラ・エストレーヤは自己進化を遂げて『60%』だったはずの再現度は今では『70%』にまで上がっており、ランページゴースト全員が掛かっても下手な動きをしたら瞬殺というレベルにまで達していた。

 

だが、それをRFBは単機で抑えている、この事実に正直に言えばノアもキャロルも驚いているし、もっと驚いたのはレイだったりした、曰く

 

『これってつまり、70%とは言え当時の正規軍特殊部隊の最強と渡り合えてるってことじゃん、え、やば、こわ』

 

因みにアナもイグナイト無しでも抑えることは出来ているし、イグナイトありであればもしかしたら、勝てるのではないかという所まで行くこともある、とここで

 

「そう言えば、アナはどうした」

 

「アイツはあいつで準備してる、でもなんか悩んではいたな」

 

「悩んでいた?」

 

とは聞き返してみたがノアも内容までは分かんねとバッサリ返される、実際、キャロルが聞いてもこれは自分の問題ですからと答えてくれないのは目に見えてはいるので仕方がないかとため息を一つ付くに留まる。

 

その件の彼女はと言うと、基地の自室にて精神統一のようなことを行っていた。

 

(……)

 

ノアの言葉とおり、彼女には今、明確に迷いがあった。それはレイがこの基地に合流してから、どこで知ったのか自身の武器である『幻影』を触ってみたいというところから始まる。

 

彼女も触るくらいならと渡してみたのだが、レイはそれを普通に受け取り一度抜いてから戻してアナに返す、何気ない、普通の行動だったのだがそこで

 

(幻影が、何も反応をしない?)

 

レイの中にはレイラの欠片がある、それを聞いていたからこそ幻影には誰かの意思、彼女はその時見た姿から『レイラ・エストレーヤ』の意思が何も反応を示さなかったことが彼女の中で疑問を根付かせた。

 

では、幻影に宿っているのは誰の意思なのかと

 

(……いや、誰のなどとは白々しいですよね)

 

手元に幻影を取り出し、鞘から抜き出しながら目を開けば映る景色は部屋ではなくトリガーに目覚めた時に見た白い空間、ゆっくりと立ち上がりつつ振り向けばそこに居るのはあの日と同じようにレイラ・エストレーヤ……いや

 

「気付いたようね」

 

「えぇ、貴女は彼女ではない、貴女は……」

 

私が蓋をし続け認めようともしなかった弱い心、理想を押し付け、あの日変異させてしまった自分自身、はっきりと、そして彼女の目を見据えながら言い切れば、向こうは漸くかとばかりに大きなため息を吐き出して

 

「やっと、認めてくれるみたいね」

 

「正直に言えば、もっと前から気づいていたのかもしれません、その上で私は貴女を見ないふりしてしまった」

 

ただ闇雲に強さを求めてしまったとも言える、あの日から改善はされていたがここ最近の強敵の登場に再度焦りが生まれてしまったのもあるだろう。

 

もっと強く、彼女たちの未来を切り開ける力をと、故にあの大規模救出作戦での無茶に繋がった、が

 

「だからこそ、向き合おうとも思えた、いえ、そんな大層な感情ではないか」

 

「向き合わなければならないと思った、が正しいでしょうね」

 

鋭い言葉にアナは自嘲気味な笑みを浮かべつつ肯定する、だというのに今日までまたこれが出来なかったのは認めてしまっては自分が弱くなってしまうのではないかという心があったから、だったのだが

 

昨日の夜に偶には飲まないかとナガンに誘われ、いざ席に着いてエゴールまで居たがとりあえず飲み始めればあっさりとその気持を見抜かれて説教を受けてしまうことになり、その時にエゴールから

 

『彼女も、最強とは言われていたが自分は弱い人間だとよく言っていた、救おうとしても救えない人間が沢山居ると、それでも彼女は強くあろうとした』

 

『あやつは、決して弱い自分に蓋をしたりはしなかったのじゃろう、認め、受け入れ、だからこそ最強と呼ばれる存在になれた、もっとも他人を頼ろうとしなかったのは頂けんがの』

 

説教とナガンとエゴールからの彼女の昔話、そしてS10前線基地からの模擬戦の話を聞いたアナはこのままでは向こうが問いてくる『覚悟』に応えられるわけがないと決心し今に至る。

 

「ごめんなさい、無視し続け、蓋をしてしまって」

 

「えぇ、そうね」

 

「ごめんなさい、私の理想を押し付けてしまって」

 

「本当よ、でもまぁこの姿は悪くはないと思うけど、貴女が許さないでしょ?」

 

「それは少し理不尽がすぎると思いますが、まぁ自分を許せないのは確かですね」

 

互いに笑みを浮かべる、そこで気付けばレイラの姿をしていた彼女は、アナと同じ姿に変わっている、違うのは周りを紅い霧が漂っているというところだけ、そしてアナの周りにも青い、青雲のような霧が生まれていた。

 

自分自身ではあるが、漸く認め合えた二人は言葉をそれ以上続けるわけでもなく近付き、和解を示すために握手を交わせば、そこでアナの意識が現実に戻される。

 

「我が心に迷いなし、大丈夫、私と『貴女』ならば、やれます」

 

そして当日、トリガー分の魔力を渡しに来た『エラブル』が蒼に告げる、彼女の中にもう一人の彼女が居たと、その言葉の意味を彼らが知るのは

 

―なるほどな、こりゃ思った以上に一筋縄とは行かなそうだ

 

「ふっ、言われるまでもない」

 

ギルヴァの視線の先、そこに映るのはトリガーを引いたアナの姿、だが纏っている魔力は紅と青の二色に右目からは青い炎が浮かんでおり、彼女は天羽々斬を構えながら静かに告げる

 

「『我ら』が刃、覚悟、全心全霊を持って受けてもらいます」

 

「悪いけど、勝たせてもらうつもりだからね!」

 

二人の模擬戦が、覚悟をぶつける戦いが幕を開けた。




という事で、こっから『白黒モンブラン』様の『Devils front line』とのコラボ話しに繋がるってわけなんですよね。

向こうにほとんど丸投げする形になってるのすみません……模擬戦の中身とか好きに書いても大丈夫ですよ!!

因みにアナさんの右目からの炎はブラックロックシューターをイメージしてます、アニメ始まったからね、仕方ないね
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