それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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料理作ってる場面が大半である


☆ 平穏な若奥様の一日 午後の部

その後、お昼に作ろうとしている料理の残りの材料をキャリコさんたちと買い物してから自宅に到着、時間は大体11時位なので今から作り出せば十分、お昼には間に合う。

 

「只今戻りました~」

 

「おじゃましまーす!」

 

「お邪魔します、思えばこうしてクフェアさんたちの家に上がるのも久しぶりですね」

 

コンテンダーさんの言葉にキャリコさんも確かにと答えたタイミングで居間の方向からドタドタと誰かが駈けてくる音、とは言ってもこの時間にそんな元気な行動をするのは一人、いや、一匹しか居ない。

 

元気よく出迎えに来てくれた『きなこもち』は私以外にも人が居るとは思ってなかったようで少し固まってから、だけどその二人が過去に会ったことがある人物だと分かるや駆け寄りキャリコさんの前でお腹を見せてから

 

「ワン!!」

 

「ほれほれ~、きなこもちは相変わらず人懐っこくていいね~」

 

「即座にお腹を見せましたね、ふふっ」

 

「これでも全く知らない人だと警戒するにはするんですよ?っと、じゃあ私はお昼を作っちゃいますから、二人はゆっくりしててください」

 

とは伝えたのだが任せっきりは悪いよと二人は材料が入っている袋を持ってくれて、そのまま居間に向かえば、出るときと変わらずにソファで寝ているウロボロスさん、そして隣でテレビを見ていたナガンさんの姿、向こうもきなこもちが燥いで出迎えに言ったのは知っているので扉が空いたタイミングで振り向けば、想定してなかった二人の姿に

 

「なんじゃ、お主らも来ておったのか、少しばかり久しぶりか?」

 

「お久しぶりです、ナガンさん」

 

「少し前に買い物中のクフェアさんと出会いまして、その流れでお昼をいただきに」

 

そこから久しぶりに会ったという事で雑談が始まったのを見つつ、私はメイド妖精と共に材料を台所に運び込んで、早速、昼食の準備を始める。

 

本日は『鮭ときのこのバターホイル焼き』と言うものを作ってみようと思う、これはネゲブさんから教わったものなのだが機会がなくて中々作ることが出来なかった料理、なので今回は初めての料理でもある。

 

それでも失敗はしないと思う、難しい料理でもないから、なんてことを思いつつ先ずは生鮭に少量のお酒とお塩をふって5分から10分おいておく、この後に切り身から水分が出てきたらキッチンペーパーでよく拭き取ることを忘れないように。

 

その間に人参と玉葱を薄くスライド、しめじを食べやすいサイズにほぐして、パセリをみじん切りにしておく、生鮭はまだ時間があるから、ついでにお味噌汁でも作っておこうかな

 

「当たり前なんだけどさ、クフェア、手慣れてるわね~」

 

「呵々、これでもここに越してきた頃は意外と四苦八苦しておったがな」

 

「ナガンさん、それはあまり触れてほしくないかなぁと」

 

人数分を、しかも皆よく食べるから量を用意しなくちゃで慌ててた時期があったのだけど、まぁうん、その頃は慣れてないのもあって大変だった。

 

だけど今では問題なく出来るようになったし、夕食に関しては二世帯住宅になったおかげでユノお義姉さん達と協力して作るようになったので大幅に楽になった、なんてことを話しつつもお味噌汁が完成。

 

その頃には生鮭の方もいい感じに水分が出てきているのでしっかりと拭き取ってから、改めてお塩と胡椒、それと細かく砕いた固形コンソメをふる、とそこでキャリコさんから

 

「あれ、さっき塩ふらなかった?」

 

「さっきのは生鮭の生臭さを取るためで、今やってるのは味付けです」

 

「あ~、下処理ってやつか」

 

過去に魚料理で見事に下処理を忘れて、やらかしてしまったことがあるがするとしないでは天と地ほどの差が出てしまうので大事な工程です。

 

さて、生鮭の味付けを終えたらホイルを人数分用意して広げ、一つ一つに玉葱と人参を敷き、こっちのも砕いておいたコンソメを少量ふりかけて、野菜に皮がつかないように鮭、しめじをのせて最後に5~10gのバターをのせてホイルを包む、その際に両端はしっかりと折りたたむようにする。

 

大きめのフライパンに並べてから蓋をして弱火で15分から20分ほど蒸し焼き、その間に……あ、そうだ、と作ったのはわさびマヨネーズソース、ネゲブさん曰く

 

『普通に醤油やソースでも悪くないけど、これも結構美味しかったわ』

 

……ん?今思えば、これ教わった時もネゲブさんが思いついたじゃなくて誰かから聞いたみたいな感じだったような、いや、今はそれは置いておこう。

 

ともかく、オススメされたソースを作り終え、鮭にも火が通ったのも確認してから仕上げにパセリをふって完成、と言うタイミングで、鮭の焼ける匂いで目が覚めたのかウロボロスさんがのっそりと起き上がり

 

「む……くわぁ~、もうそんな時間だったかって」

 

「やっほー、ウロボロス、随分と熟睡してたわね」

 

「無理もないかと、深夜に緊急でナデシコに招集されたのですから」

 

「なんじゃ、お主、仕事に出ておったのか」

 

「そうだったのですか、ウロボロスさん」

 

朝食中にもそんな話は出なかったので知らなかったと言う感じの声で聞いてみれば向こうはわざわざ言うことでもなかったからなと頭を掻きながら答え

 

「それよりも、本日のお昼は何なのだクフェア殿」

 

「あ、はい、本日は『鮭ときのこのバターホイル焼き』を作ってみました、あとご飯とお味噌汁もありますよ」

 

「待ってましたっとと、運びの手伝うわよって」

 

「\それは私達の仕事なのー!/」

 

ごめんね、キャリコさん、この子たち基本的にお客様としてきた人にお仕事を奪われるのを嫌うみたいてと伝えればメイドっていうのは飾りの名前じゃなかったわけねと向こうは苦笑しつつ納得してくれた。

 

さて、料理も並び、全員が席に着いたところで昼食を食べていく、見た目は問題なさそうで自分が食べた感じは味付けもいい感じ、だけど皆の口に合うかなと思いつつ周りを見れば、まずコンテンダーさんが

 

「これは、美味しいです」

 

「ん~、この味付け好みだわ」

 

「うむ、このわさびマヨネーズソースも悪くない、酒が欲しくなるな」

 

「真っ昼間から呑んだら後でユノ殿にこっぴどく怒られるぞナガン殿、だがまぁ分からんでもない、美味いからな」

 

どうやら皆の口にも合ったようで絶賛されれば、良かったと息を吐き出してしまう、自身があったとは言え初挑戦の料理だったので味付けなどがぶっつけ本番、濃すぎたりもあり得ますからね

 

その後は、久しぶりにこうしてゆっくりして会えたということでここ最近のことを交えつつ雑談をしながら昼食を進め、今は調理器具や食器をキャリコさんとコンテンダーさんに手伝ってもらいながら洗っている。

 

「いやぁ、ごちそうさま、本当に美味しかったわ」

 

「初めて食べた料理ですが、とても好みでした」

 

「いえいえ、寧ろこうして洗い物手伝ってもらってありがとうございます」

 

これくらいは頼ってくれていいのよとキャリコさんがいつもと変わらない笑顔で告げ、隣でコンテンダーさんも同じように頷きながら洗い物を進めていく、その姿に悪いなぁと思いながら自分も残りを終わらせていく。

 

こうして何時もと変わらない、だけど今日は少し賑やかだったお昼が終わる、どうやらキャリコさんとコンテンダーさんはまだのんびりしているみたいなので、もしかしたら夕食も一緒になるかな、それだとしたらクリス達も喜ぶだろうなぁと思いながら私は夕食の献立の表を見て、あっと声を漏らす。

 

そこに書いてあったのは本日は中華という一文、これはその

 

(餃子と焼売、どのくらい作れば大丈夫かな、今日)

 

あははと私は少しばかり乾いた笑いをする、けどまぁユノお義姉さんとクラリスさん、それにいざとなればキャリコさんとコンテンダーさんも手伝ってくれると頷くのであった。




ポニテエプロンのクフェアさんが料理してるとか絵になりすぎて困るんですよねこれ

参考資料 衛宮さんちの今日のごはん6 レシピ本付特装版

結構実際に作ってみたくなる料理レシピばっかりでオススメの本

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