それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!! 作:鮪薙
無人島に到着し、船から降りた一行、見渡せる範囲にあるのは航海してる時から何度思ったか分からない、タイムスリップでもしたのではなかろうかと錯覚させるほどの自然と白い砂浜、そして海。
普通であればなにかヤバい存在でも居るだろと思われそうだが、それもなくDG小隊の面々が子供と一緒に来れるくらいには安全が確保されている無人島、これにはオートスコアラーもアーキテクトもアナも言葉を失うほどに衝撃を……
「おい」
訂正しよう、ただ一人だけ自然豊富な光景を前にして不機嫌を全く隠していない声を出し、全員がその方向を向く。
そこに居たのはロリボロス、そしてその格好は由緒正しき『スク水』だった、因みに色は黒である。ともかく彼女が不機嫌な理由は言うまでもないだろうがこの姿にある。
ではここで一旦、全員の今の姿を見てみよう、まずはロリボロスの一番近くでその不満の声を向けられたジャウカーン、彼女もまた同じように紺のスク水を着用、こちらは不満の欠片もなく寧ろ
「ん?どうしたウロボロス、なんか声が怖いゾ?」
「そりゃそうでしょうよ」
本気で向こうが起こっている理由に皆目検討が付かないというジャウカーンに、ハイネックタイプの水着で上から薄手のパーカーを着て頭にはサンバイザーを被ったライフセーバーのアルバイトをしている大学生と思わせるような姿のダラーヒム。
更に隣では麦わらで作られたスラウチ・ハットを被り黒のクロス・ホルター・ビキニの水着、腰にはパレオスカートを付けたダラーヒムとは対象的にこちらは大人な女性と思わせる姿のスユーフもジャウカーンのその反応に苦笑を漏らしている。
「つかさ、なんでスク水なのよ」
とりあえず聞いておくかとこちらは水着ではなく、如何にもと言った感じのアロハスタイルのトゥーマーン、因みに水着は用意されていたが何も見なかったことにして自前で持ってきてたこちらにした模様。
「サイズが合いそうなのがコレだったから持ってきた!ピッタリだな!!」
「まぁ、ビックリするぐらいにピッタリではあるわね、えぇ」
「納得するな、ったくこれをやつに見られると考えたら……」
などと言葉にしたのが悪かったのだろうか、丁度ロリボロスの視界の先にリバイバーの姿が、そして互いに視線が交差してから
「いやぁ、お似合いですよ『えりーと人形(笑)』さん」
「くたばれ!!」
誰が聞いても煽ってきてると分かる声と言葉にロリボロスが手に持っていたビーチボールを打ち上げてスパイクするが、勢いもスピードも、そして威力そのものも見た目相応の能力しか出せない彼女では悲しいものであり、リバイバーに命中こそするがその音はポスンという情けないもの。
これには煽ったリバイバーも目を逸らす、彼としては姿こそこうであろうとも人形なので素体能力は相応にあるだろうと考えていたらしい、が現実はこうである。
「……フフッ、笑うが良い、コレが今の私だ」
「いや、その、すまん、てかこれマジ?アーキテクト」
「ん?あぁ、だって今のウロボロスの素体は自由に動けて会話ができるってだけでしか無いからね、後は見た目通りだよ」
要は見た目は子供、頭脳は大人以上な状態だねっとアーキテクトは答えてからさぁて海の濃度でも調べてみるかぁと海辺にしゃがみ込み、何やら機械を海に浮かべてからう~むと見つめ始める。
最後にアナはと言うと、彼女は少し遅れてから船から降りてきたがその姿は乗った時の姿ではなく、夏仕様に服なども薄手になっていた、とは言っても水着やらそういう露出ではなく夏服という感じに止まっているのが彼女らしいと言えるところだろう。
「驚きました、こんな自然が残ってる島とは」
もしユノやノアが居たら大興奮してただろうと言う光景に目を奪われていると、フワッと隣で彼女にしか見えない赤い影が現れ形取ってから
【本当に驚くぐらいに綺麗、ここまで手付かずは奇跡的ってやつよね】
あの模擬戦の後で名無しは面倒だからと本人からティアと名乗ることにしたもう一人の自分、彼女の存在は一応基地の面々には知らされているがそもそもにして彼女のことを視認できるのはアナ自身とギルヴァ達、そして教会組、それと完全にではないがユノとルキアとクリスが感知出来る、それくらいしか居ないので他の基地の者達には知らされていない。
と余談はおいておき、このティアという少女、アナのもう一人の人格ではあるのだが性格は好奇心旺盛で事あるごとに彼女からこうして外に出ては感想を述べる。
【ティア、貴女の存在は他の方々には知らせてないんですからあまり出てこないでください】
【それは無理な相談ね、あ、ちょっと『蒼』の所に行ってくるから】
【は?え、ちょっと!?】
アナが呼び止めるのを聞くつもりはないとばかりに自身と瓜二つの姿になったティアがギルヴァの元へと飛んでいく、それを中途半端に伸ばした手をため息を吐きつつ引っ込めてから
「休暇ですからね、今日は不問としておきましょう」
さて、この後はどう過ごしていようかと思いつつアナも砂浜へと足を運んで見れば、既に自由行動を始めているオートスコアラーとアーキテクトとウロボロスの姿、とは言っても遊んでいるのはジャウカーンと恐らくは巻き込まれたのであろうウロボロス、それ以外はと言うとスユーフは船内と同じようにドリンクなどを他の基地の面々に配って周っている、今はS07前線基地の指揮官達の所にドリンクを配りに行ったらしく、そこで会話をしていた。
このようにこれはこれで接点になり会話が始まったりするので割りと大事なことだったりする、休んでいるのかと言われると微妙なところになってしまうが。
「ジャウカーン、自分のパワーを忘れないでよ?」
「分かってるゾ!」
ダラーヒムは見た目の姿のままに浜辺にてライフセーバーよろしくな活動をしていた、子供たちが多いのでという彼女なりの心遣いと言うものだろうが、その隣のトゥーマーンがビーチチェアーに寝転がり思いっきり惰眠を貪っているとあまりに対極すぎて思わずアナは変な笑いが浮かんできそうになってしまう。
そこまで見渡してから、アナはとりあえずアーキテクトの側に居るかと近寄れば、丁度良く機械での観測が終わったらしく顔を上げていたので
「何か分かりましたか、アーキテクト」
「お、アナっち、ん~まぁ何かが分かったって言うよりはこの海を基準に出来るようになったってだけさ」
「基準、ですか?」
「そうそう、今調べてみてこの海は奇跡的なレベルで汚染が認められていない、つまりここを基準値である『0』にすれば今後、汚染された海がどこまで除染できたかっていう分かるじゃん?」
アーキテクトの言葉に成る程と頷いてから、改めてこの澄んだ海を見つめる、機械を使わなくとも汚染されていないと確信できるそれにアナは
「綺麗、本当に」
「だね、でも未来じゃコレが普通になるんだぜ?」
自信満々な彼女の言葉に期待してますよと答えてから、改めて思う、さて、これからどうしようかと。その視界の隅でロリボロスが旧スク水姿のエルダーブレインことエリザを見て妙な同情をしてたりするがそれは見なかったことにした模様。
参加者が多くて誰にどう接触するかと悩んだ結果、とりあえずこちらは自由に動いてるから気にせずに接触してねという感じに書いてしまうという、スマヌス……
因みにアナさんがティアと会話してる時は念話みたいな感じなので声には出してないです、ジッサイアンシン