それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:鮪薙

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Q 今まで何してたの?

A ハイラル行ったり、新作の書き溜めしてたり……ですかね

という事で大遅刻ですがコラボ〆回です!!


レッツゴー、無人島バカンス!SessionFINAL

 バカンスの翌日、P基地の射撃場にて絶え間なく響く9mmパラベラムの射撃音、それに続くようにその弾丸が命中する音がマガジン内を撃ち尽くすまで続き終わりを告げるスライドロックの音、そして……

 

「ダメ、話にならないくらいに軽い」

 

 不満を隠すつもりが一切ない表情で射撃の主、ティアが呟き、その言葉に精神内のアナがしない筈の頭痛を感じて額を抑え、戦闘後、幽霊船から脱出後の一幕を思い出して更に頭痛を強める。

 

 あのバカンスでの悪魔との戦い、何よりモデウスという強大な裏ボスとも言える存在との戦闘の際に借り受けて使った二丁の大型拳銃【モデラート&ラルゴ】の使用感が物凄く気に入ってしまったティアは返却しなければという場面で駄々をこねたのだ。それはもう絵に書いたような子供の駄々であり、始まりは脱出後に返却という場面で何故か銃を握りしめたままそれを見つめ、それからネージュに向けてニッコリと笑みを浮かべてから。

 

「……ねぇ、コレくれない?」

 

【ティア!!??何ふざけたこと言ってるんですか!!】

 

「フザケてない、最高に手に馴染んだのよ。勿論払う物は払うわ、ね?って」

 

 真顔と言えるか怪しいが声は本気だったティアにコレ以上喋らせたら面倒になると肉体の主導権を無理やり奪取したアナはモデラート&ラルゴを本来の持ち主であるネージュに返却してから深々と頭を下げる。

 

「すみません、まさかあんなことを言い出すとは思わず」

 

「いや、それほど気に入ったと言うなら悪い気はしない」

 

【ちょっと!!少しくらいは検討してくれても良いんじゃないの!?】

 

 自身の脳内に響き渡るティアの声に思わず眉を顰めつつ、こいつは本当に私のもう一つの人格なのだろうかと言う感想を抱いてしまうアナ。というかと次に思うのは少し前の『払う物は払う』という発言について、そもそもにしてティアの金じゃないだろそれはと。

 

「……大丈夫か?」

 

「えぇ、まぁ。そもそも、私の銃があるでしょうに」

 

【あれは9mmでしょ、45口径とじゃ比べ物にならないわ。私はね、刺激的なのが好きなの、良い子ちゃんは好みじゃないの】

 

 こいつッ!と自由すぎるティアのワガママに表情が険しくなる。なんだろうこの、手の掛かる妹を持ってしまったような感じはと、仮にも自分だというのならばもう少しだけでも聞き分けよくなるものじゃないのかと。

 

【それにあの良い子ちゃん(アジダート&フォルツァンド)の口径じゃ相手できない、ガトリングも展開する暇がないって場面が出てきたらどうするつもりなのよ】

 

「斬ればいいだけでは?仮に距離があろうとも幻影ならば斬撃も飛ばせますので問題にならないでしょう」

 

【うっわ、脳筋が極まりすぎてるでしょ。戦術人形ってことをかなぐり捨ててる発言よそれ】

 

 割と本気でドン引きですという感じの声に今度はアナの頬が引き攣り始める。もっともこの発言をトゥーマ―ン辺りが聞いた場合はティアの反応が普通だということにアナ自身はまるで思っていない模様、この人形はいよいよ行き着く先まで来ているのかもしれない。

 

【と~も~か~く、私はあの刺激的なのが使いたいの!欲しいの!】

 

「いい加減にしなさい!!はぁ……」

 

 その後もティアは諦めるということを決してせずに基地に帰るまで蒼を頼ったりギルヴァに頼んだり、向こうの指揮官であるシーナに交渉しようとしてはアナが止めるというやり取りを行い。最後には彼女がどうしてバカンスに来て疲れなくちゃいけないのですかと愚痴をこぼす程だった。

 

 なんてことがあった翌日に、とりあえずアジダート&フォルツァンドをこうして試射してみたのだが結果は冒頭の言葉。やはりというべきかあの銃の反動などが忘れられないティアにしてみれば不満も不満らしい。その後も他の銃を使ったりしてみるのだが結果は満足行くものはなく、彼女は今カフェでカフェオレを飲みながらため息を吐き出し、平日でのカフェのマスターを務めているスユーフがそんな彼女に一言。

 

「その様子だと、ダメだったようですね」

 

「えぇ、どれもこれもあの銃と比べちゃうとね。いっそこの基地でも作れたりしないかしら」

 

 一応、口径という点だけで見れば及第点のものはあったのだがティアの使い方に耐久力が足りなかったり、弾数に不満があったりで結局はという流れになっている。なので上記の言葉を吐き出してしまったのだが残念ながらこの基地には整備士(アイドル)は居るが銃を作る職人、ガンスミスと言える者は存在しない。その事はティアも勿論承知であり、その上で彼女は言う。

 

「あれよ、この基地のアイドルグループに頼んでみようかしら」

 

【ティア、流石の彼女たちと言えど出来ないものは出来ないですからね】

 

「分からないじゃない、意外と会得して作り上げるくらいは出来たっておかしくないでしょ?ね、スユーフ」

 

「え?あ~、ですが一からでしょうからティアが満足行くものが出来上がるまで相応の時間が掛るのでは?」

 

 出来ない、とは断言できないのがスリーピースの恐ろしいところだろう。もしこの話を持っていったら流石に直ぐには難しいと前置きをした上でこの基地の持っている人脈を使って技術を習得、磨き上げた上でティアの要望通りの銃を組み上げるくらいはやってのけてしまうという未来がアナとスユーフには見えてしまう。

 

 とは言っても完成には数年単位の話になるのは間違いない。それはティアとしても長すぎだという話になり、また一つため息、中々どうして上手くことは回らないのねと言葉を零してからぐで~とカウンターにだらけて。

 

「あ~、向こうから銃が来たりしないかしら」

 

【貴女は……】

 

 だが後日、彼女の言葉とおりの配達が届き大歓喜の上、配達に来た少女を抱きしめながら作ったのは彼女ではないというのに『大好き』だの『愛してる』だのと恥ずかしげもなく伝えてる一幕があったりするのだがコレは未来の話であり今語る必要はないだろう。

 

 ところ場面が変わり中庭、そこにはオートスコアラーの二人『ダラーヒム』と『ジャウカーン』そしてユノ一家とノア一家の姿が。何をしてるかと言えばジャウカーン考案の体操をルキアとクリスがやってるのを眺めているという場面である。

 

「ガオー体操、まずは両手を上げてガオー!」

 

「がおー!」

 

「がおー」

 

 ジャウカーンを真似るように両手を上げてガオーと吠える娘たち。なんとも微笑ましい光景にユノたちも思わず頬が緩みつつ、ふと気付いたことをダラーヒムに聞いた。

 

「そう言えば、トゥーマ―ンを見てないけど、またどこかで寝てるのかな?」

 

「確かに見てねぇな、この時間帯だったらカフェかここだと思ったんだが」

 

「ん?あぁ、トゥーマ―ンならマスターと57がリヴァイルさんのところに行くって聞いて付いていったよ」

 

 意外とも言える回答に驚きの声を上げるクリミナとクフェア、あの面倒くさがりの権化とも言えるトゥーマ―ンが自発的に、しかもキャロルが行くような難し話などが飛び交うような場所に向かったというのがそれだけ衝撃的なのだ。

 

 無論それは聞いたユノもノアも同じではあったがそこでふと閃いた。確か今回のバカンスでリヴァイルと船の中で出会い、そこでアイソマー達が彼女の掛けた言葉のお陰で色々と助かったと言われたという話を、更に言えば有名人みたいな存在にもなってるということを。

 

「もしかして、アイソマーちゃんたちに会いに行ったのかな?」

 

「正解、本人は適当に話してくるだけなんて言ってたけど、実際は割と本気で気にかけてるみたいだからね」

 

 まぁ、マスターが最後まで責任は取れって言ってたのもあると思うけどと付け足すダラーヒム。マスターであるキャロルの言葉も確かにある、がその実、彼女としても今更アイソマー達を面倒だからで切り捨てるなんてことは出来ないくらいには情が移っているのもある。

 

「はぁ、メンド」

 

「ここまで来て言うのか貴様は……」

 

「でもこうしてここまで来たってことはそういう事なのよね貴女」

 

 目的地に向かう道中で唐突にトゥーマ―ンがそんなことを呟き、思わずキャロルが外では崩さない表情を崩しながら呆れ、Five-Sevenは分かってますという感じの告げる。勿論ながらトゥーマ―ンの言葉はかなり本気ではある、本人としては来なくていいなら今回だって来なかった。

 

 だがバカンスの時のアイソマー達の反応を見るに顔を出さないという行動は間違いなく不利益が発生すると判断し、ならこういうタイミングでもいいから何度か顔を出しては彼女たちと接する必要があるだろうと付いてきたのだ。

 

 その後も軽い雑談をしながら歩き、リヴァイルとアイソマー達が居る部屋前に到着。あ~あ、来ちまったかと自分で付いていくと言ったとは思えない心境で扉を見つめてからFive-Sevenに先程の言葉の返答を送る。

 

「あたしね、いつだってマスターの為に動く人形なの。その為だったらあの娘らの人気者でも何でもやって研究が進むようにしてやるって話よ」

 

「あらあら、慕われてるわね指揮官」

 

「これで普段のサボり癖が無ければ更に文句は無いのだがな」

 

 少し、いや、かなり痛い所を突いてくるキャロルの言葉に態とらしく目を逸らすトゥーマ―ンに軽くため息を吐き出してからインターホンを押して、繋がったのを確認してから

 

「こちらS09P基地、キャロル・エストレーヤだ。それと副官とトゥーマ―ンも連れてきている」

 

「はいはーい、来てますよ~」

 

《あぁ、話は聞いている。入ってくれ》

 

 さぁて頑張りますかとトゥーマ―ンは気合を入れてから仮面を被りアイソマー達と再開する。だがそれは仮面というよりも……

 

(結構、満更でもない感じよね)

 

アイソマー達に囲までながらあれこれと会話をしていくトゥーマ―ンを見てFive-Sevenはそんなことを思う。どうにもあの表情は演技していますという風に見えないと、寧ろ本心から嬉しいんじゃないのあれっと。事実、トゥーマ―ンという人形は、チヤホヤされるならどんどんされたいという人形である。




あ、前書きでも言いましたがちょっと新作の書き溜めをしております。ただ公開が何時になるかは分かりません……
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