それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:鮪薙

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式自&一〇〇式対ヒグマ


☆ 北の大地にて Session7

時間は一〇〇式と式自が地下研究所付近にてヒグマと遭遇したところまで戻る、つまり熊の巨腕の一撃が今まさに式自を襲わんとしている場面。

 

コレがもし並の人間程度の人間だったら反応すら出来ずにここら辺に散らばっている生命だったモノの仲間入りになることだろう。

 

だがそこは今日まで様々な戦場を経験し、更にはMOD化と同等の改装すらも受けた彼女は即座に左腕と半身である銃を攻撃に対しての盾にするように構え、同時に攻撃に合わせて後ろに跳ぼうと力を入れるが、想定していたよりも深い雪に踏み込むつもりで力を入れたことにより、足は思い切り雪に埋もれ、これにより飛び退くことは出来ないと判断した式自は舌打ちをしながら覚悟を決めると同時に

 

「グゥっ!!」

 

式自を的確に捉えたヒグマの一撃は、雪に足を取られていたというのに彼女の体を木の葉のように弾き飛ばす、幸いに意識を失うということは無かったのだが盾にした左腕と銃からもう使い物にならなくなったと分かるほどに鈍い音と感覚に苦い顔をしながら雪の上を転がる。

 

そのタイミングで一〇〇式が毒矢を番え、巨大なヒグマに向けて放つが、その一瞬の殺意を感じ取ったのかヒグマは背後からのそれを身体を動かし回避、その動きには一切の無駄がないことに

 

(避けた!?本能、いや、そういうのじゃない、まるで人間からの攻撃を何度も受けてきたような動き!)

 

遠距離武器という物を理解し、その上での行動に一〇〇式は驚愕の表情を浮かべてから集落で村長から聞いた話を思い出した。

 

曰く数ヶ月も前からとある一頭のヒグマによって立て続けに人間が捕食される事案があったということを、当たり前ながら放置するわけもなく数名の狩人による討伐を試みるも全滅、その後も他の集落などからも数度の討伐を試みるもこれらも失敗、このまま被害が広がるかと思いきや、二ヶ月ほど前から姿を晦ましたという存在の話を、人々はそのヒグマを大昔の言葉を借りて、こう呼んだ、そのヒグマの名は

 

(もしかして、このヒグマがウェンカムイ(悪い神)!!)

 

ここがまさかこいつの巣の近くだったなんてと思いながら二の矢を構えようと矢筒に手を動かす、彼女の中ではこの時点で脅威度は式自よりも自分であり、だがこの距離ならば向こうよりも早く射る事ができるという判断だったが、ヒグマの行動は一〇〇式に見向きもせずに体勢を整えきれていない式自に向けて巨体を走らせる。

 

相手にしていないというわけではない、だがヒグマからすれば彼女の矢は避けれるものと見て、それよりも自身が手負いにした獲物を確実に仕留める事を第一に考えた行動に一〇〇式はまた驚愕し、それを理解した式自は見た目よりも遥かに素早い動きで迫ってくるヒグマに対して強がりとも、余裕とも言える笑みを浮かべながら

 

「私の方が美味しそうに見えるってわけ?舐めんじゃないわよ獣風情が!!!」

 

左腕からの痛覚を遮断して、無理やり身体を起こしてから無事な右でサブウェポンである9mm拳銃を構えて発砲するも、矢を回避するような簡単さでヒグマは銃弾を回避、がその動きは式自の改良された【未来予知】によって予知されており、回避先の頭部に銃弾が一発叩き込まれたヒグマは想定外の一撃に悲鳴に似た叫びを上げる。

 

もしこれが人間ならば確実だった一撃だろう、だが今回の相手にはそれは悪手とも言える物だった、確かに怯みこそするがヒグマはギラッとした眼光で式自を睨むと更に加速を始め、それに彼女は驚きの顔を浮かべることになる。

 

「(向かってくる!?)って、熊は頭が硬いんだっけ!」

 

「式自、狙うなら目玉を!!!」

 

矢を番え構えた状態の一〇〇式の言葉に簡単に言ってくれるわねとは思うが向こうが無茶振りに近いことを指示してくるというのは式自には出来て、そしてそれが反撃の一手になるものであると理解してるからこそ

 

「避けれるなら避けてみなさい!!」

 

一度目の銃声、先程と同じようにヒグマは回避、間髪入れずに二発目を撃ち込むもこれを頭で受けるという方法で耐え更に加速、その行動に思わず本当に野生動物なの!?と叫びたくなるが、それは彼女も予知した結果、なので驚愕しそうになった感情を抑え込んでの三発目の銃声、その弾丸はヒグマの右目に吸い込まれ、先程よりも更に大きい悲鳴に似た鳴き声と血を出しながら立ち上がり、隙だらけなったその首元にドスッ!と一本の矢が突き刺さる。

 

「ギャア゛ァアァ!!」

 

「……式自、動けるならヒグマから離れて下さい、特殊配合した即効性の毒ですがこの大きさなら10歩、いえ、もしかしたら15歩は動けてもおかしくないかもしれませんから」

 

「とことん恐ろしい熊ね」

 

毒矢が刺さったことによりうめき声を上げてはいるも動こうとはしているヒグマに式自は本気で恐れを感じながらゆっくりと離れていき、一〇〇式の隣に着いた頃にズシンという音を立ててヒグマが遂に沈む。

 

「死んだ?」

 

「逆立ってた毛が寝てるので間違いなく死んでます、ふぅ」

 

声は冷静ではあるが一〇〇式も内心ではあれでも死なないのではないかと言う感情を抱く位にこのヒグマへ恐怖を感じていた、過去に討伐したヒグマよりも更に大きく、何よりもあそこまで動きが良いのは初めてだったから。

 

もしこれが一人で出会っていたら間違いなく殺されていたと確信できるほどに、でも

 

(これでこのヒグマに殺された人たちの仇は取れたでしょうか)

 

「にしても、どっから現れたのよこいつは、ナビ、その辺りのことわからない?」

 

【報告、このヒグマは地下研究所より出現。推測、そこが巣穴だった】

 

見れば確かに地下研究所の入り口と思われる地点が既に開放されており、式自がチラッとライトで照らしながら覗けば見える範囲ではあるが派手に荒らされた痕跡と外の遺体と同じような状況に思わず顔を顰める。

 

これは生存者は居なさそうねと一〇〇式に伝えようとした時、外でヒグマから毒矢とその周りの肉を削り取ってから周囲の調査をしていた彼女から

 

「式自!足跡があります!!」

 

「足跡って、動物かしら?」

 

「違います、人間のです!えっと、これはモシンが調査を向かった方に続いてます!」

 

モシンナガンが調査に向かった方角、コレが意味するのはこの生存者は旧パラデウスの残党である可能性が高いということ、勿論それならば追いかけなければならないが

 

「(左腕と銃は使い物にならない、あの一撃でフレームにも無視できないダメージあり、なら)一〇〇式、今すぐその足跡を追って!私も後から追いつくから!!」

 

「了解です!」

 

向こうもそう来ると分かっていたのだろう、式自からの指示と同時に走り出して足跡の主を追いかけ、森の中でその主を発見するも……

 

「一〇〇式、伏せて!!!」

 

「っ!?」

 

モシンナガンの叫びも虚しく、一発の凶弾が彼女のコアの部分を正確に撃ち抜き、彼女は倒れることになる。




先週分更新できなくて申し訳ないです、リアルがちょっと忙しさを増してしまいまして……とりあえず、明日も更新はするつもりですがちょいと微妙なのを先に言っておきます。

あ、次はまたちょっと☆編じゃないです、スマヌス
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