それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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この指揮官、結構適当だったりした


髪は女の命

45にマッサージしてもらった一件から、誰かとお風呂に入ろうという気持ちになれた指揮官、だがまだ身体の傷跡で遠慮してる部分もあり、一人ならそれでも仕方ないよねと言って実を言えばまだあの一件以降、誰かと入った試しがない

 

だが今日は違った、と言うより珍しく誰かと被ったと言ったほうが良いか、いつものように入浴セット一式を手に持ち大浴場へと向かって脱衣所の扉を開ければそこには

 

「おろ?」

 

「あら?」

 

「指揮官?これからお風呂ですか?」

 

【PPK】と【StG44】の姿、入浴後、ではなくてどうやらこれかららしい、しまったと自身の行動にちょっと後悔する、今日は何となく少し早めに入ろうと思ったらこれだ

 

だがもしかしたら違うかもしれないと淡い希望を持って指揮官はとりあえず確認の意味も込めて

 

「えっと、もう入った?」

 

「いいえ、これからですわ、よろしければご一緒に入りませんこと?」

 

「ふえ!?」

 

StG44の言葉に指揮官より先に反応したのはPPK、段階飛ばしすぎですわ!?と叫びたかったが指揮官が居る手前そんな事言えないので声に驚いて自分を見る二人に曖昧な笑顔を浮かべ誤魔化す

 

次に困るのは指揮官、あの時はUMP45が押せ押せで誘ってくれたが正直に言えば自分からまだこの体の傷を晒す勇気が足りない、だがいつかは分かることだというのも理解できている、しかし理解できているということとそれを実行できるというのは別の問題である

 

そしてこの指揮官、変な所で臆病である、なので出したカードは逃げ

 

「ええっと、ほら、二人の邪魔しちゃ悪いからさ、私は後で……」

 

「ま、待ってくださいませ!邪魔なんてことありえませんわ、ですから、その、い、ご一緒にはは、入りませんこと?」

 

(声が裏返ってるのですわPPK……)

 

脱衣所から逃げるように出ようとした指揮官の手をPPKが顔を赤くしながら掴み止めたのはいいが殆ど勢いだけだったらしく、だがそのまま声が裏返ってることにも気付かないくらいにテンパりながら誘う

 

一方、誘われた指揮官は一生懸命ですあたくしと言うのが分かる顔のPPKに何故か一瞬だけ心臓の鼓動が高まるのを感じた、それと此処まで言われてしまうと断るに断れなくなり

 

「わ、分かった、一緒に入ろ」

 

「決まりですわね、それと指揮官、もしかして体の傷のことを気にしてるのでしたら問題ありませんわ」

 

「え、あ、あれ何で知ってるの?」

 

「45さんから聞いてたのですわ、もし一緒に入ることがあったら受け止めてやってくれと」

 

どうやら彼女は彼女なりに指揮官の心に気付いていたらしく先に手を回していたらしい、なるほどねと納得すると同時に今後は気を使うだけ向こうに悪いよねと考えを前向きに変えて服を脱ぎだす

 

服を脱げば現れるのは痛々しい傷の数々、二人はあまりジロジロ見るようなことはせず服を脱いで浴場の扉を開ける

 

司令部の大浴場、それなりの広さであり一気に押し寄せなければかなり余裕がある、とりあえず三人は体を流すべくシャワーのところに座りそこでふとPPKが指揮官の髪を見た時

 

「(傷んでる?)指揮官、お一人で入ってる時、髪はどの様に洗ってます?」

 

「え、こうジャバーって髪を濡らしてシャンプーでゴシゴシって洗って」

 

「ゴシゴシですって!?り、リンスは、リンスは使ってますのよね!?」

 

「へ、えっと、必要?」

 

「指揮官、これから正しい髪の洗い方をご教授致しますわ」

 

見ればPPKもStG44の顔も声も真剣だった、そこで気付くもしかして何かマズイ洗い方してたのかなと因みに入浴後に髪を拭く時もバスタオルでグシャグシャと拭いていた模様

 

数十分後、それはそれは細かく説明、もとい髪の洗い方を教わった指揮官から出た最初の一言は

 

「……それって何とか手順減らせない?」

 

「駄目ですわ、いいですこと指揮官、髪は女の命と言われるほどなのですよ?だと言うのにそんなぞんざいに洗ってたなんて……許されませんわ」

 

うわ、ヤバイマジトーンだとStG44から目を逸らしてPPKに助けを求める視線を飛ばす、丁度髪を洗い終えた所でそんな視線を飛ばされた彼女は困ったような笑みを浮かべ

 

「その、StG44の言葉は間違ってませんので、それに指揮官も外に出ることがありますのでそういった所も気にした方がよろしいと思いますわ」

 

うぐっと遂に言葉に詰まる、確かに本部に出向とかもあるので身だしなみは気にしないといけない、そうすると教わった洗い方で傷んだ髪を修復したほうが良いかもしれないと考える、がそれと面倒くさいと言う感情は別なので微妙な表情を浮かべてしまう

 

見るからに面倒ですという指揮官の姿に苦笑を浮かべるStG44、対してPPKは指揮官の髪を洗っている時に気付いた事があった、それは彼女の髪は白なのだがよく見れば茶の部分もあったのではという痕跡がチラホラ見受けられたのだ

 

(もしかして地毛ではなく、何かが原因で『脱色』?傷跡、ストレス……まさかそんな!?)

 

仮にそうだとしたらどんな環境に居たのですかと辿り着いた結論に静かに怒れる、だが直ぐに飲み込む、気付いたからと言ってそれを聞く必要はないと切り替えて指揮官に湯船に浸かりませんかと誘う、三人はそれから身体を流し湯に使ってる間も指揮官が知らない入浴時のあれこれを教え、出た後も髪の拭き方等を教えるのであった

 

何時もであればこれで一日が終わる、がその日だけはまだ出来事があった

 

「お主の母親であり、わしの前の指揮官だったあやつは、わしが殺したも同然なのじゃ」

 

「え……?」

 

さぁ、彼女を後悔(くさり)から外してあげよう




StG44姉貴絶句レベルの痛み方だった模様、やったね皆お風呂回だぞ、絵はおのれの魂で想像するのだ!

この先を暫くほのぼのにするために必要な真面目なお話はっじまっるよー(精神消耗開始

って言っても明日と明後日くらいだけど、下手したら明日だけで終わる、あまり長々と書くのは苦手やし……おばあちゃんと指揮官でまた楽しく過ごさせてあげたいし

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