それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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沢山食べる君たちが好き(白目


命短し食べろよ乙女達

アストラと言う戦術人形はそうであれと作られたからなのかは不明だが結構な頻度で腹ペコ状態でいることが多い、またそれだけならば良いのだが彼女は同時によく食べる戦術人形でもある

 

腹ペコ状態、更に良く食べる、これが合わさると何が起きるか、そうその司令部のエンゲル係数は跳ね上がるのだ、それはもういっそ感動するレベルで

 

だが彼女も食べるだけの存在ではない、自分がたくさん食べ過ぎれば作る人に想像を絶する負担を与えてしまうことは理解できる、だがお腹は空く、食べたくなる

 

アストラは考えた、どうすれば誰にも負担をかけずに沢山食べることが出来るかを、考え(食べてる)、考え(お替りする)、考え(食べすぎて怒られた)、遂に閃いた

 

自分で作れば良いんだと、その時の彼女の顔はそれはもう輝いていた。これならば誰にも負担はかけないし自分が食べたいだけ作れる、更に他の皆にも振る舞えばたくさん作っても怒られない、私ってばもしかして頭いいのではと本気で思うくらいに彼女は舞い上がる

 

だが自分はお菓子の類はそれなりに作れるが料理となると少し自信がなくなることに気がついた、やはり自分で食べるとは言え作るのならば最高に美味しいものを沢山食べたくなる、特訓しよう、彼女の料理に対する情熱は並々ならぬものだった。しかし毎回では調理場に迷惑がかかるし何より材料を毎日は(自分の懐に)負担が大きい、なのでまずは週一でそれに一人じゃ寂しいからと誰か誘おうと考えた、結果

 

「今週は何が出るのかな~、楽しみだよ」

 

「ふっふっふ~、楽しみにしてくださいね~」

 

網にかかったのは我らが指揮官だった、何時かアストラとFNCをエンゲル係数係と言ってた彼女だが、本人もその一端を担っているということを自覚して欲しいと副官は静かに語る、が肝心の指揮官の耳には届いてないので今日も彼女は美味しい料理を沢山食べる

 

沢山食べる腹ペコ戦術人形、その小さな体の何処にそれだけの食べ物を収めているのかわからない指揮官、この二人が揃った食堂は凄いことになる、具体的には料理の品数は少ないのだが量が違う、例えば今日は

 

「お待たせしました、今週の特盛料理はビーフシチューです!」

 

「待ってました!」

 

ビーフシチューと言いつつ出てきたのは中くらいの鍋、そう鍋である。中くらいのとは言え明らかに二人で食べる量ではないのだがそんなの一切関係なしに互いにお皿に盛って食事を開始する

 

「ん~、今回のも美味しいよアストラちゃん!」

 

「そうですか!?良かった~」

 

ビーフシチューだけではなくパンも用意されておりそれで食べたり、やっぱりビーフシチューだけで食べたりして数十分後、そこには綺麗に空になった鍋と満足気な顔の二人、そして軽く引く周囲、鍋であったはずのビーフシチューはこの少女二人に敗北したのだ、決して初めての光景ではないがそれでもどんな食欲だと言いたくなる

 

これで後日、指揮官がお腹を壊したとか言えば彼女も自重したのかもしれないがそういった話は全く出てこない、彼女の食欲と消化能力はこの司令部の七不思議の一つになりだしている

 

「ではまた来週を楽しみにしてくださいね!」

 

「うん、あ、洗い物手伝うよ」

 

「では食器をお願いしますね、私はお鍋とか洗っちゃいますから」

 

こうして、その週の大食い二人の夕食は終わる。アストラはこうして着実に腕前を付けいく、まぁ彼女的には美味しい美味しいと言い、自分の大食らいにも付き合ってくれる指揮官を更に笑顔にするべく腕を磨いてるに目的が変わり出しているが

 

その日の夕食が終わり片付けも終わればもう次のメニューを頭の中で考え始める、あれは先週、これは先々週、何時かは同じメニューも出てきてしまうが出来る限り新たな料理に挑戦するようには心掛けている、あれでもないこれでもないと考えることも最近では彼女にとっての楽しみになっている

 

そして翌週、散々悩んだ彼女だったが思えば毎回鍋物だったなと思い、ならばと今回用意したのはスペイン料理でも有名であり、有名であるからこそてっきり指揮官は食べたことがあると思い作らなかった料理

 

「じゃーん、今回はパエリアを用意しました!」

 

「おお、パエリア、そう言えば食べたこと無かったかも。えっと、確かパエリアを炊く人が女性の場合はパエジェーラって言うんだっけ、本に書いてあった」

 

「そうですね、でも指揮官はパエリアを食べたことがあると思ってたのですがなら良かった、今回も沢山あるので食べましょう!」

 

当たり前のように何処で買ったのかは不明だがそれなりに大きなパエリア鍋がテーブルの中央に鎮座して各自皿に盛る形になっている、もう誰も突っ込まないし気にしない、何だったら興味が出た人形が私も私もと貰いに行くくらいに慣れ始めている

 

「ふはぁ、皆で食べると美味しいね~」

 

「ですね、やっぱり料理は皆とが一番!……でも無くなるのも早いですね」

 

「まぁ、仕方ないんじゃないかな、私は大丈夫だよ?どんな量でも満足できるからね!」

 

「そうですか?でもまだまだ食べたい人もいるだろうし……うーん」

 

アストラ考える、なら次からはもうちょっと多く作ったほうが皆幸せではと、結果、翌週から一回り大きくなった。大きな鍋は調理場にあったが大きなパエリア鍋は無かったのでやはり何処からか仕入れてきた、彼女はカリーナに頼んだとのこと

 

こんな日々が続き、気付けば週一のアストラが作る大盛り料理は話題になり、大食らい第二号【FF FNC】も参戦、結果、メイン料理の他にスイーツが増えた、これも当たり前のようにデカイ、もしくは量が多い

 

(今度は何作ろうかなぁ、新しい料理、うーん、ふふふ、今から楽しみだね!)

 

今日も彼女は考える、皆が幸せになる料理を、自分がたくさん食べれる料理を、彼女は知らない、それがこの司令部の幸せの一部になってることを、知らないからこそ今日も彼女は考え、料理を振る舞うのであった




やだ……最近、指揮官が食べてばっかり、し、仕事してるから、大丈夫大丈夫

アストラちゃん多分こんなキャラじゃないけど、この司令部じゃこんなキャラで押し通す!!

指揮官、FNC、アストラとか言うこの司令部のエンゲル係数上げちゃってる三人衆、まぁ戦術人形沢山いるし三人くらい誤差だよ誤差!

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