それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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彼女が行ってるのはコスプレではなく手伝いの認識、そして周りは教えてない


銃整備出張サービス Session 4

色々濃かった昼食も終わり、また作業場に戻る途中の一同だったがとある場所でM1895が足を止める

 

「どうした?」

 

「ほれ、中々面白いことしとるなと思ってな、『一撃必殺』……?」

 

「それは指針として採用していいのか?」

 

ガンスミスに分かるように指を指した方には掲示板、それを見た指揮官の目から一瞬だけ光が無くなる、過去のあれが未だダメージとして残っているようだった

 

が流石に記事は更新されており、今月については特に見られようが問題ない記事なのは確認済みなので副官と共に二人の側まで行き

 

「これは、FMG-9が書いてる記事なんです。前の月にあったことや皆の趣味の作品が載ったり、予定が載ってたりしてます」

 

「ま、極稀に遠慮ない記事が乗ってたりするがのう、なぁ指揮官?」

 

「おばあちゃん!」

 

呵々、すまぬすまぬと笑いながら謝る指揮官。がそう言われると気になるのがM1895、がそこで待ったをかけるのがガンスミス

 

わざとらしく咳払いを一つしてから怪しい笑みを浮かべたM1895に

 

「遊びに来てるわけじゃねぇからな?」

 

「なんじゃぁお主も気にならんわけでも、わ、分かった分かったのじゃ」

 

「はぁ、すまないな指揮官」

 

「い、いえ、大丈夫です」

 

それでもまぁ掲示板が気になるのは確かであり斜め読みで眺めた時、ふと気になる写真があった、それは指揮官と戦術人形たちの日常の写真、その中にあったカフェでの手伝いとハロウィン

 

それを見ているとM1895もその写真を見てニヤニヤとした顔になり

 

「お、もしかしてそういうのがこのm、痛いのじゃ!?」

 

「そんなんじゃないっての、もしかして指揮官って、えっと、仮装が好きなのか?」

 

(めちゃくちゃ言葉選んでるのじゃ)

 

「仮装……?あ、ハロウィンの事ですか?」

 

指揮官がそう答えるがどうやらそういう意味では無かったようであ~、そうじゃなくて、えっとと再度言葉を考えるガンスミス、が上手い言葉が浮かばないので失礼承知で

 

「あ~、コスプレが好きなのかって思って」

 

「……?コスプレって何ですか?」

 

小首をかしげそう聞き返してきた指揮官にガンスミス本気で困る、もしかしてこのカフェの手伝いで着てるメイド服はそういう意味で着てる訳ではないのかと、しかも一日だけではないのは写真の数と日付から分かる、が当の本人から返ってきた答えがこれである

 

「ふむ?一つ良いか、このカフェで着とるメイド服はどうしてるのじゃ?」

 

「あ、これの事ですか、G36が制服だって着せてくれるんです」

 

「せ、制服。そ、そうか随分と、いや何も言うまい」

 

つい先程会ったメイドのイメージが少し崩れる、がそれ以上は触れないほうがいいかもしれないと二人は思いそこでその話題は打ち切られる、因みに副官はかなり頑張って笑いを堪えていた、彼女も楽しんでる一人である

 

一人状況が飲み込めない指揮官、記事には可笑しなことは書いてないしなぁと呟くがそもそも彼女自身が変だとは思ってないところなので多分今後も同じようなやり取りはされるだろう

 

掲示板でのそんなやり取りを終え、一同は作業場へと戻ってきた、ガンスミス自身の仕事はお昼前にはもう半分以上終わっており、この調子なら今日中には終わるだろうという見込みになっている、という事で戻ってきて早々に作業を再開したガンスミス、と今後のためにと今度は副官が隣で作業を眺めている

 

「所で指揮官、一つ良いかの?」

 

「いいですよ、ナガンさん」

 

「副官を『おばあちゃん』と呼ぶのは何故じゃ?」

 

今度は椅子に腰掛けているM1895の隣に行き作業が終わり、その際に渡す書類の確認と時より来る警備の通信を聞いているとM1895からそんな質問が飛んでくる

 

その質問に、えぇっとと考える素振りを挟む、何処まで答えたものかと考えているようで、数十秒と悩んだ後ポツリと語り出す感じに答える

 

「初めて会ったときは呼んでないですよ、でもある日、ふとそう呼びたくなったんです、そしたら定着しちゃって」

 

「ほう、ではワシはどうじゃ?」

 

「ごめんなさい、私がおばあちゃんって呼ぶのはあのナガンだけです、これからもずっと、理由は……秘密です」

 

「くく、愛されとるのぉ。ってもしかしてワシと副官が並んでもどっちがどっちって分かったりするのか?」

 

さらりと言うものだからスルー仕掛けた指揮官の言葉にM1895が驚く、確かに個体ごとに微妙な違いはあるがそれはかなり微妙なので基本的に並ばれると分からないということが多い人形、だがその言葉に指揮官は不思議そうな顔で

 

「え、違いますよね?ほら、こことか、ここ、それにここだって違いますよ?」

 

「お、お主、何気に凄い特技を持っておるの」

 

驚きながら称賛するM1895にえへへと得意げに笑う指揮官、人形相手とは言え最初の緊張は何処へやらと言った感じの雰囲気になっていた

 

因みにネタばらしをするなら、これは単純に彼女の『目』の所為で人間に見えてるのが理由であり、それ故に細かな違いに簡単に気づけてしまうのだ、と言っても流石に初対面同士の人形を見分けては出来ないので日頃見ているこの基地の人形に限定はされてしまうが

 

と言った感じに後ろが盛り上がってるのを聞きながらガンスミスと副官は

 

「盛り上がっとるのう、してどうじゃ、何か問題でもある銃があったりするかのう」

 

「まだ残りがあるから断言はできないがここまでの銃には特に今すぐってのは無いな、随分丁寧に整備してくれてるようで何よりだ」

 

「そうか、まぁ一応整備士が居ないので各自で整備は厳重に行うようにとは通達しておるがそれでも一度はこうやって診てもらえると安心できるな」

 

その後も各々そういった感じの会話をし時に指揮官がまたガンスミスの作業を眺めたりと作業は滞り無く進み、それから数時間後、今回用意された最後の銃の整備が終わり仕事の終了が告げられた




前回、このSessionで終わるって言ったの誰だよ(初手土下座

いやね、やっぱり掲示板は一回はやるべきかなって、でも今回は指揮官のハイライトは消えなかったよやったね!(尚、一部戦術人形への風評被害……風評被害?)

あ、そうだ。『ドールズフロントラジオ 銃器紹介コーナー』さんでガンスミス兄貴視点の話が書かれてますよ!皆、そっちも読んでそのまま銃器紹介コーナーも読もう!

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