それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:鮪薙

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様々な事を学ぶ、少しだけ歩み寄る


銃整備出張サービス Session 5

現在、作業場は異様な緊張感に包まれていた、正確にはガンスミスとM1895が固まっていた、手には今回のこの基地から出される手当てや報酬が纏められた書類

 

経緯としては今回の整備が終わり、では一応確認でとその書類を手渡しガンスミスが読んだ時、何故か固まる、そして何事かとM1895も読んだら固まった。そして何故固まったのか分からない指揮官と副官は不思議そうに首を傾げ、とりあえず二人が復活するまで待つことにした

 

「……な、なぁこの数字間違ってないんだよな?」

 

「え、は、はい、書いてある通りですが」

 

震える声でそう聞いてくるガンスミス、その反応に戸惑いながらもそう答えるとマジかと小声で呟いたのが聞こえ、副官がまさかという顔になってから真顔で

 

「もしや少なかったか?やはり3倍ではなく4倍の方が良かったか?」

 

「そうだよね、戦闘地域通ったりこれだけ診てもらってるならもっと出した方が……」

 

「違うそうじゃないのじゃ!?」

 

深刻な顔で端から聞けばコントのようなやり取りだが本人たちは至って真面目で言うものなのでM1895がツッコミを入れる、もしかしてこの二人、こういうやり取りが苦手なのかとすら思ってしまうガンスミス

 

なので、とりあえず貰った資料を見せながら二人に問いかける

 

「えっと、報酬額が最初に聞いたのから三倍も増えてる理由を聞きたい」

 

「技術は高く買うべきじゃろ、ああ、あれか、こちらが無理に捻出してると思ってるのじゃろ、それは安心するが良い」

 

なんじゃなんじゃ、お主良いやつじゃのうと一人納得する副官だが勿論そういう意味で聞いてるわけではない、今度は指揮官の方を見てみるが

 

「あ、えっと、私こういうのはよく分からなくて……ただ多いほうが良いかなって、ごめんなさい勉強不足です」

 

逆に謝られた、だが彼女も彼女でお礼は分かりやすくしたほうが良いよねとこの報酬額にGOサインを出してる人物である。因みにガソリン代も消耗品代も出すというのも二人で決めたことであり、詰まる所、指揮官と副官はやってもらうのならば相手にはそれ以上のお礼を出そうと言う思考の持ち主である

 

それが今まで判明しなかったのは基地に来てまで何かをしてもらうというのが今回が初めてだからだ。それが感じ取れたガンスミスは困ったように頭を掻き、それから口を開く

 

「あ~、いや気持ちは嬉しい、嬉しいが限度ってのもある」

 

「元の報酬でも十二分じゃよ、それにガソリン代、消耗品代、更に帰りの護衛部隊の派遣もされておる。もう十分じゃよ」

 

「そう、なんだ……あまり沢山は駄目ってことか」

 

勉強になるなぁと呟く指揮官、がここで引き下がらないのが副官、そうかと納得したのかと思いきや

 

「では、2.5倍でどうじゃ?」

 

「何が何でも増額して渡したいのか!?」

 

「折角だから持ってけと言っておるのじゃよ」

 

「いやいやいや、駄目だ。仕事以上の報酬は受け取らんと言うか既に報酬過多だ」

 

M1895と同じくそこまでされて更に増額された報酬までと言うのは寧ろ困ると言った反応を見せれば副官もそこまで言うのならば、まぁ仕方がないかと下がる。それから書き直された書類を再度手渡し、読んでもらい

 

「ああ、うん、これが最初の額だな……流石にあの額は真面目に目を疑った、書き間違いすら考えたからな」

 

「ワシもじゃ、よもや報酬額に肝を冷やす日が来るとは思わんかったわい」

 

「ごめんなさい……つい安直に考えちゃいました」

 

「うぅむ、やはり金銭のやり取りは難しいのう」

 

安堵の息を吐くガンスミスとM1895、それに対して指揮官は本気で反省し頭を下げ、副官は難しい顔でそんな事を呟く、何時かぼったくられるのではこの基地と心配になる二人、だがここにはそれを一手に行っておるもう一人が居るので実は問題にはなってない、まぁ現状、その人物が本部に行ってしまって問題になっているのだが

 

因みに、人間相手の金銭のやり取りは苦手な二人だが物になると何故かそれなりにこなせる。そんな二人の課題が見えたやり取りも終え、少し休憩を挟んでからガンスミスとM1895は道具を片付け、今は車を止めた車庫に居た、指揮官と副官も勿論見送りに来ている

 

「今回は本当に助かったのじゃ、また何かしらの問題が起きた場合は頼りたいくらいにな」

 

「まぁ、こっちが開いてればいつでも出張サービスは承ってますよっと……指揮官は何してるんだ?」

 

「む?ああ、少し待つのじゃ」

 

見れば第三部隊隊長の【416】と第四部隊隊長の【UMP9】に指示を出している指揮官の姿、先程までの彼女ではなく真剣な眼差しの彼女になるほど、キチンと指揮官なんだなと感心するガンスミス

 

「うん、そうだね、第三部隊は前方、第四部隊は後方って形で装甲車で挟むようにでお願い。あっと、ごめんなさい、えっと……今日は本当にありがとうございました」

 

「何、こちらも中々に楽しませてもらったのじゃ」

 

「だな、まぁVectorには驚かされたが」

 

苦笑いを浮かべる三人に指揮官は何時も通りだけどねと笑いながら言う、それからゆっくりと右手をガンスミスに差し出し握手を求める、よく見ればかなり震えているがそれでも、もしかしたら今後もなにかお世話になるかもしれないという人物、なら礼儀を尽くさないとと今までの彼女なら考えもしなかった事を考えてこの行動を起こした

 

「無理、しなくても良いんだぞ」

 

「大丈夫、です。ガンスミスさんはいい人だって今日で分かったので、これくらいは出来ないと」

 

「……すまぬ、こやつの我儘、付き合ってもらえるか?」

 

「分かった、またなにかあればご利用をお待ちしてますよ」

 

優しく握られビクッとなるが直ぐにニコッと笑い……残念ながら緊張がピークで言葉が出ない様子だった、あ~となる副官、直ぐに彼女が言おうと思ってた言葉を伝えることにする

 

「こちらこそ、もし何かありわしらの基地で助けられることがあれば頼っとくれ、その際は惜しみない協力を約束しよう」

 

「了解じゃ、っとあれが護衛部隊ではないかの?」

 

M1895が見てる方を見れば2台の装甲車が正門前で陣形を組んで停まっている、それを確認してから二人は車に乗り込んだ所で復帰した指揮官が

 

「じゃあ、皆、ガンスミスさん達をお願いね!二人共、えっと、また会いましょう!」

 

「会うことがあれば銃の問題が起きたときだからあんまり頻繁は止めてくれると嬉しいけどな、まぁ、じゃあな」

 

「ではな指揮官、副官」

 

「うむ、達者でな、重ね重ねじゃがそっちの指揮官によろしく伝えといてくれ」

 

それぞれが別れの言葉を告げてから車がゆっくりと発進して護衛の装甲車を引き連れながら基地から遠ざかっていく、指揮官と副官は見えなくなるまで見送る

 

こうして銃整備出張サービスは終わり、今日だけで二歩、もしかしたら三歩も『ヒト』に歩み寄る心が出来た指揮官の姿に副官は嬉しそうに笑うのであった……

 

余談だが本部から帰ってきた彼女に耳には何故か今回の増額報酬のやり取りが入っており、説教される二人の姿があったらしい




対人間での金銭のやり取りはカリーナのお仕事。今回は本部に出向してたのでこんな事が起きた

ついこんなやり取りで書いたしまったけどガンスミス兄貴ってこれくらいにしっかりしてそうだなって、違うのかな……だとしたら謝ります

それと最後の指揮官、改善はできないのはあくまでマネキンとして見えてしまう現象であり、それを乗り越えて『個人』を『信頼』してみるという感情を得ました(基地内限定

ガンスミス兄貴すげーや(媚売

最後に今回でこのコラボストーリーはお終いとなります、許可をしてくださった『ドールズフロントラジオ 銃器紹介コーナー』の作者様『通りすがる傭兵』様、本当にありがとうございます!!このような拙い文にはなってしまいましたがまた機会がありましたら書きたいです、そのためにも知識と実力を更にあげなければ……
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