実はハンターはまってから、ポケモンが再燃してヒロアカの沼に突き落とされて、まぁ色々ありましたがしばらくはこちらの方を専念させていただきます!
二次試験が終わり飛行船の中での事、パイロは得も言えぬ悪寒を感じて誰も来れないであろう飛行船の上に居た。そして御狐様はと言うと、ネテロ会長の部屋にいた。別に不法侵入した訳じゃ無い。強いて言うなら稲荷の神の仏壇がその部屋に何故かあり、そこに結構良い所の油揚げが供えられたからである。
よくよく考えて見なくても解るだろう。狐=油揚げが好き、そんなイメージが定着しているのだから当然御狐様の好物も油揚げと言う事になる。ここまで考え付いているのか単なるイメージで備えたのかは知らないが、祀られて呼び出されたら行かない訳にも行かないのだ。
『して、何用か?』
「神が居れば祀るモノじゃろ?」
頼みごとか聞きたい事でもあるのかと思っていた御狐様は調子が狂ったかのように髪を整える。戸惑う≪見た目≫は若い御狐様を見て笑いそうになるネテロに、彼女は鋭い視線を送ってそれを制した。
人が居る手前油揚げの
「祀る、一言で言うても多様な在り方が存在する。お主はどうなのじゃ?」
差し出された盃の中のジャポン酒に口を付けた後、そう言ってから御狐様はそれを一飲みにした。さらっとかなり高い大吟醸だったことも有って少しネテロはもったいなそうにしていたが、気を取り直して口を開く。
「五穀豊穣、無病息災、せめて暴走せぬ様に怒りを鎮めようと祀っておるが?」
「正解じゃ。ただ何人も自分を救ってくれと言う様な無茶しか言わぬ故、少し疑り深くなっていたかもしれんの」
神とはぶっちゃけ強大な力を持ったものの事を指す事が多く、創造主=全知全能と思われる事さえ有るがそんな事は全くない。不可能な事は少ないが、それでも確かに存在するものだ。
閑話休題
御狐様は盃を開けては自分で酌し、そしてまた飲んではとかなり消費した所で、つまみにしていた油揚げが切れた。
「もう無いぞ」
ネテロがくぎを刺すかのように御狐様に告げれば、露骨に残念そうな表情をする。別に解り易い訳でない、悪乗りした結果のオーバーリアクションだ。
しかしそれも簡単に受け流され、つまらないという風に踵を返して立ち去ろうとすれば、部屋の外に二つの気配。メンチとブハラである。
「そう言えばお主以外にも来ておるのか?」
「把握しとるのは一匹だけじゃ。後は知らん」
言い捨てるようにして消える御狐様。それにしても神相手にお主と呼ぶのはどうなのだろうか。他の宗教では神の事を主と呼んだりすることも有るし別に無礼と言う訳でもないのだろうが。何かが腑に落ちない。
その後、飛行船の上でうだうだとしているパイロの元へ向かった彼女が見たものは、
「これ、どうしましょう?」
『知るか』
寝ていたのかボーっとしていたのかは定かではないが、鳥の止まり木代わりになっているパイロの姿だった。これがかの恐ろしい悪魔が具現化したものだと考えると笑いがこみあげて来る。口元を隠して小さく震える御狐様に、怪訝な顔を返す彼はどうやら動く気が無いらしい。と言うか何となく休みたいであろう鳥の事も考えているのだろう。
「どうすれば良いと思います?」
同じ声音、同じ話題に聞こえるように彼は繰り返す。
『何がとは聞かんぞ』
解るからこそ聞かない。
「何でですか。良いじゃないですか。相談ぐらいさせて下さいよ」
『それら全ての選択肢の中で、お主らがどのような選択をするのか見てみたい』
クラピカに姿を見せるか否か。
「止めて下さいよ。僕生首だけはまだ原型残ってるんですから」
『なんじゃ。もう答は出てたのか』
詰まらないと言うでもなく、透過するようにその場を離れようとする彼女。呼び止めようとしたけれど、鳥たちの止まり木になっていると言う大義名分を捨てるのは惜しいと考えた彼はその場に押とどまった。
それも一つの選択か、と風に乗って聞こえた言葉は幻聴かはたまた御狐様が言った言葉なのかを、止まり木である彼に確認する術はなかった。
ネテロ会長とボール遊びをする少年二人を意味も無く眺める御狐様、何かいる、的な幽霊っぽく感づかれたりしたけれど彼女は結構自由奔放に生きてます!
次回、因果其の七 御狐様とトリック
後半時間が開いたせいでかなり変な内容になってしまいましたが、気を引き締めて頑張ります!