魔獣創造を手に入れたが開き直ることにした 作:ダ・ヴィンチちゃん
「んー、ミノタウロスうめー……本場ギリシャのだとどんくらいうまいんだ?」
「ギリシャのミノタウロスは名の元になっただけで、本場というわけじゃないよ☆」
セラフォルーの言葉に何だ、とつまらなそうにステーキにかぶりつく。
「ねえねえエミヤちゃん。エミヤちゃんの事おじいちゃん達に紹介したいからさ、若手悪魔達の集まりに来てくれない?あ、席は私の隣でいーい?」
「そうやって俺が魔王と同格であると伝えるのか」
「そーだよ☆そしてエミヤちゃんがちょーっとからかったら私達のエミヤちゃんに逆らっちゃ駄目だよーっていう命令聞かない悪いおじいちゃん達が調子に乗るな人間めーってなって………」
「俺がなら実力を見せてやるって言えば──」
「単純なおじいちゃん達は良かろう、ならばレーティングゲームだって、なるだろうねー」
そんなにうまく行くのか?と尋ねるといくいく、だっておじいちゃん達プライドの塊だもーん、と応えるセラフォルー。
「お前等そんな奴らに手こずってたの?」
「耳が痛いけど、反乱を起こされるとまた多くの民が死ぬからね☆でもでも、エミヤちゃんがぶち殺してくれれば転生悪魔達にも地位を上げられて、転生する際に魔王の許可が居るって法律作れるはず!」
そうすれば好き勝手転生出来なくなる。と。
「くふふ。今に見てろよ爺どもめ!」
「─……ストレス溜まってんだな」
「そりゃ溜まるよ。うちの老人はエミヤちゃん達のところみたいに、良い子少ないしね☆」
「おお、こりゃ良い」
「良いの?」
「うん。プライドの高そうな奴見下ろすのって最高☆」
「こらこら、思っても口に出しちゃ駄・目・だ・ゾ☆」
もー、ツンツンとエミヤの額をつつくセラフォルー。どうもおちゃらけた雰囲気のセラフォルーとその時の気分で動くエミヤは気があったらしい。早速仲良くなっている。
「うん。いや、まあ………良いことなんだけどね。ああ、今日はエミヤ殿。私はアジュカ・ベルゼブブ。現ベルゼブブだ」
「ファルビウム・アスモデウスだよ~。会議の時報告にあった子、アケディアちゃんだっけ?その子とは仲良くなれそう~」
「よろしくお二方。ファルビウムは俺とも仲良くできそうだな。俺も仕事したくないもん。こうして、組織として関わる以上どうしても仕事できたけど全部それ専用の魔獣創って任せた」
「良いな~、忠実かつ有能な人材捜すの苦労したんだよね~」
と、魔王と軽口をたたき合うエミヤ。嫌悪の視線が飛ぶ。
それは魔王になれなれしい態度をとるエミヤはもちろん、エミヤを対等と扱う四大魔王達にも向けられていた。
「あれが若手悪魔ね~。良さそうなのは一人か……」
「一人?ソーナちゃんは入ってないの?」
「その一人が解ってる時点で俺を責める権利なんてないだろ?お、各々の目標ね」
エミヤが目につけたのは一人。視線を追うまでもなく、その一人が解るセラフォルーはムッとしたがエミヤの言葉に確かに、と目を逸らした。ちょうど、そのセラフォルーの妹ソーナの番が来た。
「冥界にレーティングゲームの学校を建てることです」
「レーティングゲームを学ぶところならば、すでにあるはずだが?」
「それは上級悪魔と一部の特権階級の悪魔のみしか行くことが許されない学校のことです。私が建てたいのは下級悪魔、転生悪魔も通える分け隔てのない学舎です」
その言葉にエミヤの隣のセラフォルーとソーナの眷属達が誇らしげな顔をする。だが、それを笑う者がいた
「うひゃひゃひゃひゃひゃ!いひひひ、あははははは!」
「え、ちょ……エミヤちゃん?」
「大口を開けて、はしたない」
「これだから下等な人間は」
「あの成り上がり達も何故隣に座らせているのか……」
セラフォルーが困惑し上級悪魔達が非難の視線を向ける。エミヤが笑わなかったら自分達が笑ったくせに。
「私は本気です」
「ぐほ!?『わ……私は本気です』って、お前!これ以上笑わせるな腹がよじれる!いひひひ!」
「てめぇ!さっきからなんで会長の夢を笑うんだよ!」
と、ソーナの眷属の男子が叫ぶ。が、エミヤは呼吸を整えるためにヒーヒーしており応えない。子供の、それも悪魔になり強くなった自分と違い人間の子供がそんな態度をとることにムッとなる男子。力を持つと良うことは、本人が無自覚でも傲慢になると言うこと。元一般人でいまだ世間を知らない彼はその例に漏れず神器まで呼び出す始末。次の瞬間───
「────止まりなさい」
「────!?」
突如現れたヴェーラ達『将』が男子の周りに現れる。
アルトンは日朝ヒーローが持ってそうな剣を、ヴェーラは悪魔の弱点である光の槍を、テリエルギアが手刀を、エレオスが爪を首や目の寸前で止めていた。
「………俺、待ってろと言った気がするんだけど?」
「「「────!」」」
「申し訳ありません、我が神よ。出来過ぎた真似を致しました……」
『将』達がエミヤの不機嫌そうな声に身を震わせる中、ヴェーラが跪く。
「まあ、良いけどね。気をつけろよ」
「申し訳ありません……」
「まあ良いや。じゃ、そこの壁でおとなしくしてな」
エミヤが言うと全員壁際にたった。
「さて、何で笑うんだよ、だっけ?簡単簡単、夢はすばらしいと思うけどこんな場で言うなよ。ここにゃ旧体制にしがみついて自分たちは偉いんだぞ~、転生悪魔や下級悪魔に強くなられたら立場を失うからやめるんだぞ~、とか思ってる奴らに邪魔されるのは見えてるじゃん。馬鹿なの?」
「ええ、でしょうね。誤魔化すことは出来ましたですが……」
「ん?」
「ここで誤魔化してしまえば、きっと私はこの先も誤魔化し続ける。そして、何時かこの夢を嘘にしてしまうかもしれない。この覚悟を失うかもしれない……だから、誤魔化しません」
「…………へぇ、良いねお前。うん、笑って悪かったな。お前ならここの偉いんだぞうおじいちゃん達に邪魔されても何時か夢を叶えられる!」
ぐっ!と指を立てるエミヤ。隣のセラフォルーもうんうんと頷く。そして
「さっきから黙って聞いておれば、なんなんだその態度は!」
「ん?どうした偉いんだぞうおじいちゃん」
「人間風情がその口の利き方は何だ!だいたい、誰の許可を得て魔王の隣に座っている!」
「魔王」
「ぬぐ……」
その言葉に今度は魔王達を睨みつける悪魔達。
「まーしかたねーよ。俺等超強いからねー。魔王もさ、力で選ばれただけあり強いけど他のお偉いさんが雑魚だと苦労するじゃん?いざという時俺達の力を借りれるように関係は対等なのよね」
「ふざけるな貴様!たかだか人間と、その人形如きが我等より強いだと!?寝言は寝ていえ!」
「そうだ、魔王様方もそんな条件を飲むなど、悪魔という種族をなんだと思っているのですか!?」
「……彼等は堕天使幹部を瞬殺し、エミヤ君本人も上級悪魔カテレア・レヴィアタンを圧倒する力の持ち主だと伝えたはずだが?」
その言葉でも、いっこうに怒りが収まる気配がない。信じていないのだろう。
「なら、彼と戦ってみるかい?」
「お、良いね。ただし一々蟻潰すのも面倒だから纏めて。後死なない程度に踏むの大変だから殺しありにしてくれよ」
と、エミヤが言うと殺気が強まる。が、エミヤは気にしない。
「さて、空気を悪くしちまったな。俺は帰るぜ、あばよ。ほら、お前等もついてこい」
「はい」
と、真っ先にヴェーラが歩き出す。その背中を、舐め回すように見つめる若手悪魔が一人いた。
最後のはいったい何ドラなんだ……
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