魔獣創造を手に入れたが開き直ることにした 作:ダ・ヴィンチちゃん
エミヤは都内に存在する有名な和菓子店に来ていた。因みに護衛はフィエルダー。
「暇だなー。異世界にでも行くか?」
「また征服でもするのですか?」
「おいおいありゃ観光をしようとしてただけなのにいきなり襲ってきたからボコっただけだ。俺は基本無害だぜ?」
「そうでしたね」
「しかしあれは楽しかったな。ほら、ミルたんと一緒に異世界救ったの」
と、懐かしむ。彼等魔獣派閥はその昔、といってもそんなに昔ではないが筋骨隆々の魔法少女に憧れる漢とともに異世界を観測した。以来暇になると時折赴く。とはいえあくまで近辺世界のみだが。だって漫画とか最終回来てないし。
モムモムと和菓子を口に放り込むエミヤは不意に目を細めた。
「誰だ?」
「ふぅん、気づいたんだ……」
現れたのは白髪の優男。神父のような格好をした少年はどこかフリードに似ている。
「やあ、僕はジークフリート。英雄シグルドの末裔で、君を
「フィエルダー、やれ」
「はっ」
「おや戦うのかい?仕方ない」
と、魔剣を取り出したジークフリート。一瞬で細切れにされ、肉片は魔法で転位させた。
静かになったので再びお茶を飲むエミヤ。
「所でこの剣、どうします?」
「ん? ああ、異世界じゃ三百万で売ってるし捨ててもいいんじゃね?いや、どっか駆け出しの街系の場所で素人に渡して観察するのも面白そう。ま、それはこの世界の娯楽が終わってからで良いか」
こうして伝説級の魔剣は魔獣派閥の倉庫で埃を被ることが決定した。と、思いきや………
「あの、その剣を見せてもらえませんか?」
不意にそんな声が聞こえた。振り返るとそこには青みがかった白髪を持った美しい幸薄そうな女性が立っており、その視線は肉片が持っていた剣に向けられている。
「ああ、ああ……やはりその剣はシグルドの………」
「これか?欲しいの?」
「はい……所で、この剣は誰が?」
「シグルドの末裔とか名乗ってた奴」
「おおいブリュンヒルデ、儂をおいてどこに行く気じゃ……」
と、そこへ追加で現れるオーディンと銀髪の女性に厳ついおっさん。それとリアス・グレモリーとその眷属達。
「おおエミヤ。菓子屋めぐりか?」
「オーディンか。俺は菓子が好きだからな。菓子のためなら世界だって守るぜ」
「そうか。では今度北欧の菓子を馳走してやろう………む、その剣は……」
オーディンは不意にブリュンヒルデと呼んだ女性が頬摺りしている剣を見る。
「それはもしや、グラムか?昔何者かに盗まれたんじゃが……」
「ああ、神父の格好した自称シグルドの子供が持ってたよ」
「日本神話からの対談?あ、そういやあったなそんなのも………」
オーディンが日本に来ていた理由を聞き思い出したように手をぽんと叩くエミヤ。
一応一勢力として存在しているエミヤも会談の文は届いていた。が、日本神話は基本的にそこにあるだけ──故に悪魔達が好き勝手やっているわけだし──なので書類に署名さえしてくれれば人間なのだから好きに観光して良いとのこと。そもそも昔からそうしていたし。
「つーわけで俺は暇つぶしの護衛をやるよ。よろしくオーディン。護衛のリクエストはあるか?」
「ふむ。では前に言っていた『色欲の将』とやらを………後『性欲の将』も別でおったか?その二人を頼む」
オーディンの言葉にエミヤが連絡すると直ぐ来た。神からの命令なのだから当然だ。
軽薄そうなイケメンに、ライダースーツを着込んだ色っぽい女性。それとオマケに黒いゴシックロリーター衣装にボロボロに縫いぐるみを抱き抱えた少女。
「『色欲の将』ルクスリア。呼ばれて来た」
「『性欲の将』ラスト。御身の前に」
「『依存の将』ディペンデレ……」
「む?最後の者は?」
「ブリュンヒルデと気が合いそうだと思ってな」
ああ、何となくわかると頷くオーディン。と、不意にラストがイッセーの下に歩み寄りジッと見つめる。
「こんにちはボク。女の子が大好きなんだって?お姉さんと良いことしない?」
ムニュン、のその豊満な胸にイッセーの手が沈む。イッセーが目を見開き、赤い光を全身から放ち赤い鎧に包まれた。
「…………あら?」
「え、な……これは!?」
『………嘘だろ相棒。今ので至ったのか』
困惑するイッセーの籠手からそんな声が聞こえエミヤは腹を抱えた笑い出した。
「あははは!か、覚醒条件が胸を揉むって!揉むってお前、流石家族の命より大切なだけはある!うははは!」
「おい、取り消せよ!」
「………ん?」
「俺は家族大事にしてるぞ!おっぱいも父さん達も、俺にとって大切な存在だ!」
「………同程度なのね」
じゃあ切れんなよと言いたいがまあ言っても無駄なんだろうな。
「ははは。早速仲良くなって居るみたいで……。というわけで俺達も……おっぱいを揉ませてください」
「おい!部長に近づくんじゃねーよ変態野郎!」
「なにをぅ、?お前だって変態だろうが!」
「お前みたいに女を性欲発散の道具にする奴と一緒にすんな!」
「…………すごいブーメランを見た」
と、エミヤが呟く。
「……ん?てか北欧の主神が来てるのに護衛が若手?」
「ええ。貴方のせいで人材が足りていないのと、実力が評価されての事よ……しばらくはレーティングゲームも行えないし、それならばとね……」
「……………評価、ね。まああれだ、えっと………」
「バラキエルだ」
「そうか。期待できるのはお前だけだ、期待してるぜ」
「うむ。任された」
「そんな男がなんの役に立つと言うのですか……」
「そりゃお前等弱っちぃ奴らと違って多少は腕に信頼が置けるからな」
何せ堕天使幹部なのだ。コカビエルの一件を考えるにそこまで強くないのだろうが足手纏いを押さえるぐらいは出来るだろう。
「雑魚共が無理に出てこないよう、押さえ役頼むぜ」
「………待てよ」
「あん?」
不意にイッセーがガシリと肩を掴む。
「俺たちは弱くない。取り消せ!俺達は、ずっと修行してたんだ!お前の最初っから強く創った魔獣になんか、負けるもんかよ!」
「…………気合いで勝てるほど弱く創ってないぞ?あんま俺の子供達馬鹿にするな」
ガシリとイッセーの腕をフィエルダーが掴む。バキリと音が鳴った。
「が───!?」
「イッセー!よくも!」
「ははん、さては当たり屋だなおめー等」
エミヤの言葉に『将』達が構える。が───
「あの、お父様の護衛同士で喧嘩はあまり………ほら、貴方もこれを食べて落ち着いてください」
「OK。抑えろお前等」
ブリュンヒルデが差し出したアンマンにパクリと食らいつくエミヤ。ブリュンヒルデはそんなエミヤの頭を撫でた。