魔獣創造を手に入れたが開き直ることにした   作:ダ・ヴィンチちゃん

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魔獣の創造主達

 ミドガルズオルムを倒したラストとルクスリアはフェンリル達に向かって迫る。

 エミヤから命令を受けたディペンデレも同様に。

 

「グオオオ!」

「ふふ。遅いわよ!」

 

 スコルが神をも殺す牙で噛み砕こうとするも当たらず、頬を蹴りつけられ大きく仰け反る。と、ディペンデレが大きく息を吸い、取り込んだ話すことすら可能な力あるドラゴン達のブレスを放つ。スコルの片足が吹き飛んだ。

 

「ギャウウウン!」

「これで、とどめ!」

 

 と、ラストの手に一本の槍が現れる。

 

「グングニル」

「─────!」

 

 オーディンと一晩ともに過ごしたことで得た神の槍。それも、一本ではない。ランクはガクリと下がるが神の力を宿した光線が『性欲の劣兵』達が持っていた槍からも放たれる。スコルは断末魔をあげながら肉塊へと姿を変えた。

 

「さあて、と………ルクスリアは………まだ戦ってるんだ」

 

 槍を消しフェンリルとルクスリアの戦闘を見るラスト。流石はオリジナルのフェンリル、力の殆どをシュラハトに持っていかれたとは言え天龍、龍王クラスのドラゴン達の集合体であるルクスリアと互角とは。仕方ないか、とラストはため息を吐く。

 

「ルクスリアー!勝ったら胸触らせてあげるー!」

「マジで!?いよっしゃあ!」

 

 と、ルクスリアから膨大な量のオーラが溢れ出し、大口をあけていたフェンリルの牙を砕き上顎を脳ごと消し飛ばした。

 

「………あの人達、戦場で何してるのよ」

「それだけ余裕ってこった……しかし、幾ら何でも強すぎる。彼奴、リリス以外に何を喰った?」

 

 リアスの言葉にアザゼルが返す。最後の呟きは幸いにも聞こえなかったようだが……。

 

 

 

 

「………なる程認めよう。魔獣の産み手としては、私の方が貴殿に劣るらしい。ならば、術者として勝負だ!」

「良いよん」

 

 ロキが両手を広げ大量の魔法陣を出しエミヤはポケットに手を入れたまま魔法陣を生み出す。魔力と神力が空間を歪めかねない濃度で放たれ、魔法がぶつかり合う。

 当たれば山脈の一つは軽く消し去る一撃。しかしどちらも未だ様子見。さらに威力が上がる。さらに上がる。

 大陸を削り取るレベルの一撃が今まさに放たれようとした瞬間、ハティがエミヤに噛みついた。

 

「………あ?」

 

 足が食いちぎられるエミヤ。落下し、地面に横たわる。

 

「ぬ、ハティ……余計なことを」

 

 と、ロキが不快気に顔を歪めるとハティがビクリと震える。

 

「ははは。怒ってやるな、おじいちゃん思いの良い孫じゃねーか」

「………は?」

 

 ロキは目を見開く。エミヤがハティを許したことではない。エミヤが()()で立ち上がった光景を見たからだ。

 

「なあロキ、神話のお前でもウイルスは知ってるか?」

「馬鹿にするな。そんなもの、人間が発見する前から知っている……細胞に寄生し増える生物……細胞持ってないから非生物だったか?」

「まあ、俺はそれを生物と定義して魔獣を創ったんだよ。『将』なら誰もが持ってるウイルスのな……」

「………そうか、貴様………既に人をやめていたか」

 

 ロキの言葉にキヒヒ、と笑うエミヤ。

 

「んで、だ……他生物を魔獣に変える。あるいは一匹一匹が魔獣になるウイルスを喰ったらどうなると思うよ?」

「───ガ!?」

 

 と、ハティが突然倒れる。ヒューヒューと荒い呼吸をして目を精一杯見開き、のけぞりその腹が裂ける。

 

「答え、こうなる。まあ俺の魔獣にも出来るには出来たけどな」

 

 バシャバシャと辺りにハティの血が降り注ぐ。

 その血を浴びて産まれ出たのは様々な異形。角と四本の腕を持った黒い骸骨がカタカタ笑う。四つ目の蜥蜴が刃物のような鰭を震わせガチガチ歯を鳴らし笑う。堕天使のような翼を持った蛇がシュルシュル笑う。縦に避けた独眼の女がケタケタ笑う。

 見ているだけで精神が削れそうなほどの異形の群。それは、全てハティが食いちぎったエミヤの血肉から産まれた『神の劣兵』。その強さ一つ一つが上級悪魔、天使、堕天使を優に越える。

 

「………ありえん」

「ん?」

「幾ら魔獣化しているとはいえ、こんな力……それこそ、神のような!」

「んー、まあ中にいた女神二人とも喰ったしね」

「…………は?」

「幸いにも魂の質は俺の方が上。しっかりと取り込んで俺の力に変えましたよ、ええ」

 

 懐かしむようにうんうん頷くエミヤ。

 

「女神、だと……?」

「うん。メソポタミアの主神にしてお前と同じく龍王、それも最強の龍王を産んだ女神に、神産みの神でありながら1日に千の命を奪う死神。この女神達をな。ほら、そもそも神器自体封印な訳じゃん?本来の力なんか使えっこねー……なら、魂自分の力にすれば十全に使えると思った訳よ」

「バカな!神を二柱も、人間が耐えられるわけがない!」

「でも耐えたから仕方ないだろ?」

 

 話は終わりだ、と指を鳴らすと魔獣達が一斉にロキに迫る。数体、数10体の上級クラスなら対応できた。だが避けたハティの腹から次々現れる魔獣の群は今や千を超える。

 

「ぐう、おのれぇぇぇぇ!」

「おお……」

 

 神力を全開に、辺り一面に魔法を放つ。魔獣達が居なければ北海道程度なら飲み込める大爆発。だが───

 

「そら、追加だ───」

「─────!」

 

 悪夢は終わらない。

 

 

 

「さてさて。俺の勝ちだな……」

 

 手足を魔獣に食いちぎられ地面に横たわるロキを見下ろすエミヤ。その影が蠢きロキの下にくると無数の腕が飛び出してくる。

 

「これは……そうか、貴様亡者まで……」

「放置するとミテラの精神がやばいらしいからな。どうせ混在しすぎて己でも自分がなんだったのか、今がなんなのかすら認識できない感情なんてないそこにあるだけのエネルギー体だ……だから最初にミテラの周りにいた奴らを喰って、残りが集まるようにした。結構便利だぜ?魔獣生むときエネルギー源として利用できる。亡者自身、消えたいという本能があるから互いに利益があるしな。しかし魂の行き着く先とか、俺グレートスプリッツみたいでかっこよくね?」

 

 などと訳の分からないことを言っている間にロキの体は殆ど影の中に沈んでいた。

 

「貴様、何故発狂しない………」

「俺はいわゆる上位世界の魂なんだってよ。だから、下位世界の魂の『作り』を知った所で問題ないんじゃねーの?と、思ってる」

「………そうか、既に狂っているのか……哀れだな、異界の来訪者……」

 

 ズプンとロキが影の中に完全に沈む。

 

「哀れ?俺が?」

 

 ふむ、と手を顎に当てるエミヤ。

 哀れ、か。倫理観を奪われたのは確かに哀れなことだろう。だが、そのおかげで今がある。

 

「……うん。俺は哀れじゃない、っと。全く勝手に哀れむなよな……」

 

 と、呆れたように首を振る。『神の劣兵』達を拠点に転送すると思い出したように、あ……と口を開く。

 

「ごちそうさま」




確か原作二巻でイッセーが山を吹き飛ばした力が上級悪魔クラスで隕石に匹敵するブレスを放つタンニーンが最上級悪魔でそのタンニーンより強いであろう五大龍王最強のティアマットが魔王クラスなんだから……うん。神なら島一つ消し飛ばせても可笑しくないね!
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