魔獣創造を手に入れたが開き直ることにした 作:ダ・ヴィンチちゃん
「ういーっす。終わったよん」
「はやかったのぉ。ロキは?」
「ごちそうさま」
オーディンは死んだか、と顎髭をする。
「しかし地味じゃのぉ。ふむ……ここはお主の土地なのだろう?」
「そうだけど、ああ……仮にも神を殺すなら大規模な破壊っていうわかりやすい形を残してもらわないと北欧としても面目が立たないのね」
「うむ。頼めるか?」
「OK」
ポゥ、と滅びの力で出来た小さな球体がエミヤの掌にたまる。
「思いつき必殺、滅びの理」
高速で突き進むとゴウ!と巨大な球体へと様変わり。地平線が消え、巨大なクレーターが出来る。底は、暗くて見えない。
「これここの観光スポットにしよっと」
滅びの力を持つリアスは、その比べるのも烏滸がましい力に目を見開き固まるしか出来なかった。
「エミヤよ、やはりブリュンヒルデを嫁にとってくれんか?」
「ん?別に良いけど……」
「で、北欧と日本の神話の会談は終わったのに何でいんのお前?」
「それは、エミヤ様に差し出されたからでしょうか?」
「ああ、そういや……んじゃよろしく」
駒王町で菓子や巡りをしているとブリュンヒルデに出会った。そういえば嫁にとると言っていたがすっかり忘れて帰ってた。
「ごめんごめん。お嫁さんおいてくとは俺も薄情だった」
「いえ、お気になさらず」
「そうする。あ、これ食べる?」
と、菓子を差し出すエミヤ。ブリュンヒルデは隣に座ると一つもらう。と、そこへヴェーラが戻ってきた。
「神よ、戻りました。おや、その方は?」
「正妻」
「え、私が正妻なのですか?いえ、嬉しいは嬉しいのですが、そんな急に……困ります」
「そりゃ最初に結婚したからな。ん、どうしたヴェーラ?」
見るとヴェーラはプルプル震えていた。怒らせてしまったのだろうかと不安になるブリュンヒルデに飛びついたヴェーラはそのまま両手をとる。
「素晴らしいです!とうとう我が神にも伴侶が……。ああ、今日はなんとめでたい日なのでしょう!私はヴェーラ、神の伴侶たる女神よ、どうぞ何でも命じてください」
恍惚とした表情で跪くヴェーラ。彼等魔獣に取ってはエミヤこそ絶対で、そのエミヤが妻と言ったのならば余程の無能か見るに耐えない性格でもしていない限りどんなに弱い生物だろうと受け入れる。そしてブリュンヒルデはエミヤが産み出した魔獣の将や王達と比べれば劣るが、神話で見れば実力もあるし見た目も良い。
「あ、あの……そんな急に………あら、そういえば護衛なのですよね?先程までどちらに?」
「はい。この町に忍び込んでいた英雄派なる者達を滅してきました」
「めっ、したのですか……でも、ここってリアス・グレモリーとソーナ・シトリーの領地では?」
「彼らは学生。相手も放課後に攻めてきますから、今は学校から飛び出した辺りでしょうか」
「………律儀なテロリストも居たものですね。しかし、
英雄とは困難に立ち向かい民を守った者を指す。今でこそ各神話に迷惑をかけたり神器所有者を誘拐し洗脳したりとしているが、それが困難に備えてだとすると……。
「彼等と話し合いは出来ないでしょうか?ヴァルキリーとして、英雄を名乗る者の真意も知りたいですし」
「三大勢力だけならともかくほかの神話にも攻めてるし、案外何にも考えてねーんじゃねーの?」
エミヤが和菓子に楊子をプスリとさしケラケラ笑った。
「ちなみにここが学校な。大きいだろ?俺は入らねーけど。勉強したくないし」
「待ちなさいこのエロ猿三人衆!今度こそ見えざる聞けざる喋れざるにしてやるわ!」
「うおおお!速い、速いが俺をおいてくな二人とも!」
この地の主(学生が本分)のリアス・グレモリーの居場所にも一応案内しておこうかと駒王学園に来れば、イッセーと眼鏡とハゲが女子の群れに追いかけられていた。眼鏡は身体能力で劣るのか、徐々においてかれていく。
倍化がなければ雑魚同然といえ、悪魔と互角に走るあのハゲはなかなかの逸材だ。
「あれは、何でしょう?」
「さあ?服がはだけてる奴もいるし、覗き……かな?」
「今度こそ、ということは常習犯なのでしょうか?」
「お、あれは………」
その後町を適当に歩いていると覚えのある気配を感じ、そこへ向かってみるとイッセー達がいた。あの後逃げ切ったのか傷はない。目も耳も口も全部そろっている。
「僕の妻になって欲しい。僕はキミを愛しているんだ」
「あら」
「まあ」
なんとプロポーズの場面に遭遇してしまったらしい。優男がアーシア・アルジェントに告ってた。その優男がヴェーラに気づくと今度は此方に歩み寄ってきた。
「こんにちはミス・ヴェーラ……お恥ずかしながら、僕はアーシアを愛した身でありながら貴方にも惹かれてしまった。どうか、僕の妾になってくれないだろうか」
「うはは。妻候補の前でどうどう二人目になれ宣言とか面白いは此奴。ヴェーラ的にはどうだ?俺は気に入ったぞ」
「ちょっと待てぇ!」
と、イッセーが叫ぶ。
「おいお前、アーシアに惚れてんだよな?なのに何で別の女に告白してんだ!」
「どちらにも、惹かれてしまってね。自分でも気の多い男だとは思っているよ。でも、僕はどちらも絶対幸せにしてみせる!」
「だってよ、よかったなアーシア・アルジェント、ヴェーラ」
「アーシアはお嫁にあげねーぞ!」
「何が不満なんだ?顔よし、金よし、地位よしの三拍子じゃねーか」
「いや!だって此奴、告白した女の子の前で別の女に告白したんだぞ!そいつが愛だの何だと、信じられるか!」
「………お前の将来の夢は何だったけ?」
「?ハーレムだけど、今の話に何か関係あるのか?」
「…………………」
いきなり何だ、と首を傾げ訝しむイッセーはそのまま尚も続ける。
「だいたい見ろアーシアの顔、嫌がってんだ!女の子が嫌がるのに繰り返す奴なんて最低だ!」
「それはひょっとしてギャグで言っているのか?」
「何でだよ!んなわけねぇだろうが!」
「…………まあ何だ、お前の惚れた女変な男に捕まってるが、頑張れ」
「触らないでくれるかな?穢らわしい人間に触れられるの、ちょっとね」
「……………」
取り敢えず顔の大きさが三倍になるまで殴った。途中魔力やらなにやら放ってきたが、痒みすら感じなかったので無視して殴り続けた。
ちなみに原作のイッセーは猫又姉妹両方にプロポーズしている