魔獣創造を手に入れたが開き直ることにした   作:ダ・ヴィンチちゃん

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新婚旅行

「エミヤ、結婚おめでとう」

「あれ、オーフィスじゃん。おっひさー♪」

 

 パーティーの一件で悪魔側から頂いた黒猫を縄で縛り遊んでいるとオーフィスがやってきた。

 エミヤ達の拠点は次元の狭間を遊泳しているためある程度の実力か専用の道具がなければ発見する前に消滅するのだが、目の前の幼女はある程度の実力など優に越えた力を持つ龍の神様。

 

「……黒歌も、久しい」

「お、オーフィス助け──」

 

 『誰でも出来る瞬間束縛術 これで貴方もカウボーイ』とかかれた本を片手にもう片方の手にロープを持つエミヤ。ロープの先には雁字搦めになった猫の妖怪黒歌がいた。

 

「ていうかお前仙術学びたいから私を悪魔から買ったんじゃないのにゃ!?」

「仙術……?あ、そういえば」

 

 今思い出したとばかりに縄を離すエミヤ。黒歌はうう、と涙目になりながら何とか縄を解いていく。

 

「もうやだぁ、此奴……白音に会いたい」

「無理無理。彼奴今主が馬鹿やったせいで主ごと屋敷に幽閉されてるもん。面会は不可能だ……周辺の記憶はしっかり改竄してグレモリー眷属達は最初っから居なかったことになったらしい」

「は?その馬鹿主は何したにゃん?」

「俺に攻撃した。魔獣達の前でな」

「その馬鹿はこの世界から跡形もなく消滅したいのかにゃ!?」

 

 黒歌は思い切り叫ぶ。この理不尽の固まりが群れているような勢力の頂点を、よりにもよって構成員達の目の前で攻撃するとかよほど死にたがりか有り得ないほどの大馬鹿ぐらいだろう。

 

「ちなみにお前の妹も何時でも攻撃出来るよう構えてたぞ。赤龍帝殺したのがよほど気に入らなかったらしい」

「え、赤龍帝ちん死んだの?」

「覇龍になったからな。踏み潰して蹴り砕いてルクスリアに喰わせた」

「覇龍になった赤龍帝を………?その光景見て何で敵意抱けるかな、お姉ちゃん白音の未来心配だにゃん……」

 

 何時か身の程をわきまえず強敵に挑んで死んだりしないだろうか?不安だ。

 

「赤龍帝食べられた?なら、二天龍消えた。次は龍王の中から天龍出来る?」

 

 と、オーフィスがムシャムシャ和菓子を食べながら呟く。

 

「あ、それ俺の!てか何しに来たんだよオーフィス………」

「結婚祝い?これ、お祝い……」

 

 と、別の和菓子を差し出すオーフィス。八橋だ。

 

「おお、律儀だな。誰に言われたんだ?」

「エミヤが友達だっていったらルフェイが結婚したそうだからお祝いにいけって……」

「ルフェイ?」

「構成員二人のペンドラゴン・チームの一人」

「二人って」

「家が有名だからどこかの勢力に入っても家に送り戻されるって言ってたにゃん。きっとお金が必要で入れる組織に入ったものの趣味が合わなかったのかにゃ……」

 

 家出中なのか。

 

「しかし八橋か………おーい、ブリュンヒルデ」

「はい」

「わ、吃驚したにゃ!」

 

 エミヤが呼ぶと何処からともなくブリュンヒルデが現れる。黒歌は突然現れたブリュンヒルデにビクリと震える。

 

「気配はずっと感じてたけど、何で隠れてたんだ?」

「……旦那様は、ずいぶんと猫と遊ぶのが楽しそうだったので」

「ん?まあ黒歌()遊ぶのは楽しかったけど」

「それで、用事は?」

 

 ブリュンヒルデは拗ねたようにエミヤを睨む。

 

「京都に行こうぜ。新婚旅行だ……」

「はい旦那様!」

 

 

 

 京都サーゼクスホテル。

 魔王サーゼクスが経営するホテルで、その最高級スイートルームに荷物を放り捨てるエミヤ。

 

「奥様、荷物はこちらに」

「フィエルダー、ありがとうございます……さあ旦那様、何を見て回りましょうか?」

 

 護衛の将はフィエルダー。『暴食の将』グラトニー。『否定の将』デナイアル。そしてペットの101匹フェンリルの内二匹と黒歌。

 

「誰がペットにゃ!?」

「いきなり何言ってんだお前」

「いや、なんか急にペット扱いされてる気が………というかされてるよねこれ絶対。何この首輪」

「『大きさを合わせる魔法かかってるから猫に化けても落ちないし人型になっても締まらない首輪』だ」

「長い上にまんまにゃん」

 

 黒歌は『KUROKA』と刻まれた鉄のプレートがついた赤い首輪を撫でながら呆れた目でため息をはく。

 

「………………」

「………後でブリュンヒルデに指輪でも買ってやるよ」

「旦那様………」

「首輪を見て指輪を連想するとかどうなのかにゃ………」

「皆、はやくはやく。我懐石料理食べたい……」

 

 と、扉の前でピョンピョン跳ねるオーフィス。その手には京都の観光ガイドが握られている。主に食い物にマーキングされていた。

 

 

 

 

「お、あのロリすげえ格好」

「それより俺はあのエロいねーちゃん………」

 

 ホテルのエントランスに降りると駒王学園の生徒がいた。修学旅行だろうか?

 ハゲと眼鏡がオーフィスと黒歌に視線を向ける。

 

「あの食いしん坊そうな子も良いな………」

「あっちのなんか儚げな美人も……」

「………何か、年頃にしたって性欲強すぎるのが二人いるにゃん」

 

 と、そこまでいってふと黒歌は思い出す。

 

「白音もそろそろ発情期だけど……まあ惚れた雄が死んだなら暫くなりを潜めるかにゃ。うん、相手はご主人様に喧嘩売るような命知らずだし、タイミングが良かったにゃん」

 

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