魔獣創造を手に入れたが開き直ることにした 作:ダ・ヴィンチちゃん
世界内包式魔獣『白鯨』。
名前の通り腹の中に広大な空間を持ち独自の生態系と知性を持つ魔獣達が住む町がある。その町中に存在する武家屋敷。そこに……
「やーん、可愛い~!」
「小さい~♪」
「私にも撫でさせて~」
10人の美女美少女達にもみくちゃされる褐色ショタが居た。
「デハハハ!早速仲良くなれたようだの!」
「HAHAHA!その年で女に囲まれるとか将来はどんだけ囲ってるって話だな!」
楽しそうに笑い出された菓子を頬張るのは大男とアロハシャツ姿の男。ゼウスと帝釈天、各々の神話のトップだ。
そして目の前の少年は人間でありながら宿った神器の内に眠る魂を喰らい、北欧の悪神を圧倒しそれすら喰らい神格を得た神話の世界において話題の存在エミヤ・リリィ。
「つーかお前その角なんだ?」
「これがなければ頭にすりすり出来るのに~」
帝釈天の言葉にエミヤに抱きつく女性の一人が残念そうに言う。
現在エミヤを抱きしめ、取り合っている者達の名は帝釈天の娘ジャヤンティ。ゼウスの娘達
「ああ、これはリリスやらティアマトやら完全に取り込んだからか生えてきた。因みに埋めることも出来る」
「………何処に入っている?」
エミヤが手で押すとズブズブと頭に生えていた角が沈んでいく。どうなってるんだろうか……。
「やった~、これですりすりでき───」
「コホン」
と、わざとらしい咳にムーサイ達とジャヤンティがギギギと振り返る。そこにはにっこりと微笑む
「旦那様が多くの妻を娶ることは仕方ありません。ええ、それは理解しております。ですが、正妻である私を前に好き勝手するのはやめていただけないでしょうか?」
「「「ご、ごめんなさい」」」
ブリュンヒルデは半神。本来なら純神である彼女達の方が神格は上なのだが、逆らったらヤバいと本能で悟った。というかジャヤンティ以外は芸術の神だ。どこぞの英霊として召喚した方が本物より強くなる女神達みたいなものだ、戦乙女に意見できるはずがない。
「旦那様も、そのようにされるがままなんて……」
「悪いな俺、お前が嫉妬した姿見るのが楽しいから」
「好きだから、ではなく楽しいからなのですね………困った人ですね」
と言いながらもテレている様子のブリュンヒルデ。ゼウスがうむうむと頷いていた。
「新しいお菓子、持ってきた……ました?」
そこへ菓子を盛ってきたメイド幼女がやってきた。何を隠そうオーフィスである。
「おおオーフィスか!デハハ!今回はまた随分かわいらしい姿になったではないか、大人の姿でないのが残念だがこれはこれで……ぶへぇ!?」
オーフィスを抱き寄せようとしたゼウスは可愛らしい紅葉を作り吹っ飛んだ。弱体化しているとはいえ天龍の五倍は力が残っている。神すらも恐れた天龍の、だ。ゼウスといえども吹っ飛ばされる。
「きゃー、お客さんの……エッチ~?」
「HAHAHAHAHA!なぁにやってんだよゼウス!つかオーフィスがメイドって」
「我はただのメイドじゃない。戦闘もこなし時には主を背に乗せ飛ぶ万能ドラゴンロリメイド……」
「すまんな、アニメを教えたらこうなった」
「後四人募集中。具体的には魔女っ娘メイドにロボットメイドにケモ耳メイドに謎のメイドX。我はケモ耳に九重をお勧め」
「誰だオーフィスをここまで汚染しやがったのは……」
「俺ですぜ神さん、気に入ってくれた?」
「HAHAHA、お前最高!」
「良くやったな!デハハ!」
エミヤの言葉に塀からニュと親指を立てて姿を現したフリード。帝釈天とゼウスに誉められるとニヒルな笑みを浮かべながら去っていった。
「しかし魔女っ娘ねぇ………一人知り合いが居た、呼んでみるか」
と、電話をかけるエミヤ。果たして────
「エミヤくーん、呼ばれてきたにょ☆」
「「ヴオェェェェェェ!」」
「「「キャアアアアア!?」」」
現れたのはパッツンパッツンに引き延ばされたメイド服を着た巨漢。もう一度言おう、巨漢だ。それがメイド服が今にも弾けそうなほどきついというのに着ておりポーズを取る。帝釈天とゼウスが吐き出し女神達が叫ぶ。
「紹介しよう。魔女っ娘メイド候補の俺の友人ミルたんだ」
「…………これはない」
オーフィスがぼそりと呟いたので却下になった。ミルたんは別の部屋に移動すると今度は魔法少女のような格好をして戻ってきた。だが巨漢だ。
「な、なんだこの生物……魔獣?」
「人間だ」
「嘘だろぉ!?」
「ミルたんとは次元の狭間で知り合ってな。魔法少女になるために異世界に向かってたらしいんだ」
うん、その時点でもう意味が分からない。
「いやぁ、なかなか有意義な旅だったぜ。バカな女を騙して宇宙のエネルギーにしようとしてる宇宙人と、騙されたバカな女こと魔法少女がいる世界では文明を破壊し尽くせる奴食えたし……」
「あれは解決方法が大変だったにょ。なんとかマスコットさんに感情を思い出してもらい自分達で代用してもらったんだにょ」
「あれは感情と言うより生物の原始的な本能だと俺は思うよ」
「ミルたん的にはあの世界が大変だったにょ。願いを叶える石を集めてミルたんが魔法少女になれるよう願ったのに暴走するし……結局これもエミヤ君が食べちゃったにょ。それでもう娘を生き返らせられないって泣いてるかわいそうな人も居たから、ミテラさんが聖杯で生き返らせたにょ」
「あー、あの世界か~………俺、彼処でミルたんに殺されかかったけ」
「あれはエミヤ君が呪われた本を持つ女の子を本ごと食べようとしたからにょ」
「反省してるよ」
お手上げ、と言うように手を挙げるエミヤ。どの程度前なのかはしらないがあのエミヤを殺しかけるなんて何者だろうか、この男は。
「それにしてもエミヤ君のところのご飯は美味しいにょ」
「そう言う風に造った魔獣達だからな。時間の流れが違う空間で生態系を宿らせてみたら……これがびっくり!元々は『美味くなり続ける』つー進化をするだけの設定だったんだが、美味いイコール狙われるって事で美味い奴ほど強くなったり美味い食材を独占するために強くなる奴がいたりともう生態系がめっちゃくちゃ。一応美味くなるつー進化には従ってんのか体がクッキーの動物とかもいるしな」
「へぇ、そりゃ面白そうなところだ」
「んじゃ、俺の娘を任せたぜ」
「泣かすなよ、小僧。儂のように泣かしてばかり居るといつかひどい目に遭わされるからな!」
帝釈天とゼウスはそう言い残すと去っていった。
感想まってます