魔獣創造を手に入れたが開き直ることにした   作:ダ・ヴィンチちゃん

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吸血鬼

 エミヤは基本的に人間関係に嫌いはない。楽しければ好きで楽しくなければどうでも良い。

 事実自分を殺そうとしたリアスに対してもまた向かってくるなら面白いなぁ、程度には思っている。

 そんなエミヤが嫌いな種族がいる。それは──

 

「吸血鬼ぃ?何で彼奴等が俺に面会望んでんだよ、何?食われたいの?喰うよ?能力も残らないほど噛み潰してただのエネルギーにして喰い殺すぞ?」

 

 手紙を受け取り不機嫌そうな顔をするエミヤ。

 エミヤが家族として好きなミテラは元吸血鬼である。が、王家の血を引きながら人間の血も引くという所謂ハーフ。城に幽閉されてた頃はまだ安全だったがエミヤの前に突如現れた結果過激派に命を狙われた。

全員返り討ちにしたがそれ以来エミヤは吸血鬼が嫌いだ。正確にはミテラをハーフの卑しい娘などとのたまう吸血鬼が。

 

「てか恥とか言って幽閉したり殺そうとしたりしといて俺の母という地位を得たからって何を今更……」

「ふふ。お母さんってやっと認めてくれたのね」

「おい誰かミテラ追い出せ」

「神よ、母上殿にそのような態度は………」

 

 どうやら母かどうかについて自分の味方はいないらしい。

 

「とりあえず俺は吸血鬼共のところに行ってくる。対応次第では殺してくるから遅くなるかも」

「あ、それなら新しい奥さん達と新婚旅行にしたらどうかしら?」

「…………………」

 

 

 

「我々はヴァレリー・シュペシュを呼んだはずですが………大切な家族にも会えないのですか?」

「さんざん嫌っといて今更ほざくな。殺すぞ」

 

 出迎えた男にエミヤが吐き捨てると周りの吸血鬼達が不快そうに顔を歪める。

 

「貴様、元人間が何様のつもりだ!」

「帝釈天とゼウスとオーディンの義理の息子様ですよ」

 

 ケラケラ笑うエミヤの言葉にぐっと言葉に詰まる吸血鬼達。

 

「虎の威を狩る狐め……元人間の分際で」

「お前等が崇めるヴラド・シュペシュだって元人間じゃねーか。あ、自分達は下等です罵ってくださいってふりか?」

「貴様ぁ!もう我慢できん、元より結果は変わらん、ここで殺してくれる!」

 

 と、一人の吸血鬼が影を獣に変え襲いかかってきたので、グシャリと頭を踏みつぶす。黒いオーラを纏った足で。

 

「殺すのが、結果は変わらないねぇ………白状ありがとう。俺はお前等吸血鬼がミテラに今更会おうとして企みがないなんて思ってねーよ」

「ほざくな!本物の聖杯によって魔王も越える力を得た真なる吸血鬼の力をとくとみるがいい!」

 

 一人の吸血鬼が叫ぶと成る程確かに膨大な力を持っていた。

 

「本物の聖杯?」

「ええ。提供されたそれと、使い方を記された書を使い我々を強化したのですよ」

 

 そう答えたのはエミヤを出迎えた吸血鬼の男性。

 

「それにより我等はフェニックスに匹敵する力を手に入れたのですよ」

「………ふぅん」

「その通りだ!頭を潰した程度で、最早我々を殺せると………殺せ………る、はずが………」

 

 勝ち誇った顔でエミヤが頭を踏みつぶした吸血鬼を見る。いっこうに再生しない、どころか黒く染まり朽ちていく身体。

 

「……は?」

「俺は日本神話の原初の神の一柱にして死という概念の始まりの女神、イザナミを喰ってるんだぞ?例え本当に死なない存在が居たとしても『死』と言う概念を押しつけ殺すことが出来るんだよ」

 

 ヘラヘラと笑うエミヤからズルリと黒いオーラが溢れる。触れた瞬間に並の神性でも殺しきる程濃密な『死』そのもの。

 

「死ねよ、虫螻」

「えい」

「───!?」

 

 と、不意に聞こえる聞き覚えのある声。同時に走る激痛。吹き飛ばされるエミヤ。

 

「いてて……なんだぁ?」

 

 背骨が折れて内臓が破裂した。油断していたとはいえ仮にも祖神を取り込んだ自分をここまで吹き飛ばすとは何者だ?

 

「………オーフィス?」

「………オーフィス?」

 

 コテリと首を傾げる黒いドレスの少女。見た目はオーフィスにそっくりだ。気配も………オーフィスから奪われた力を利用したのだろうか?

 

「……ふむ……しかし、この程度か?」

 

 今のオーフィスよりは強いかもしれないが、それでも弱い。

 

「で、いきなり何だ」

「きゅーけつきたちは、リゼヴィムの下僕。守れって言われた」

「リゼヴィム?」

「ん……」

 

 聞いたことがある名前だ。確か旧ルシファーの息子、又の名をリリン。

 

「………リリン?」

 

 てっきり聖書の神かと思ったが、リゼヴィムが本物の聖杯の使用方法を知っていたのか?いや、まさか手を組んだのか?悪魔の王の息子と聖書の神が?

 

「……それで、お前は吸血鬼を救うように言われたのか?」

「うん。手駒はしっかり残せって……」

 

 壁の吹っ飛んだ城をみる。だいぶとばされたようだ。

 

「おい、お前名前は?」

「リリス」

「お菓子やるからどけリリス」

「……………………駄目」

「ずいぶん間があったな………あん?」

 

 と、何かが襲いかかってくる。裏拳で殴るとあっさり死んだ。

 何時の間にか辺りに異形のバケモノ達が集まっていた。

 

「なんだこりゃ」

「吸血鬼」

「ああ、貴族以外と賛同しなかった貴族の成れの果てってわけか………死ね」

 

 と、黒い風が当たりに撒き散らされ吸血鬼だった醜い怪物がバタバタ倒れていく。リリスが何もしてこなかったという事はリゼヴィムの下についた吸血鬼達は皆逃げたのだろう。

 

「帰るのか?」

「うん……」

「家に来たら好きなだけ美味い菓子が食えるぞ。向こうにいて何か手に入るのか?」

「………………」

 

 仮にも祖神二柱に悪神、その他亡者達を喰らったエミヤ相手にこの程度の相手を送るなどどう考えても捨て駒として利用したとしか思えない。ならば、何かが与えられているはずもなく──

 

「我、ついていく──」

 

 あっさりついてきた。

 余談だがリリスを見たオーフィスが謎のメイドX枠に入れた。その後新しい嫁達と生き残りのいない吸血鬼の街を観光して帰った。何か見覚えのある紅髪の女とシスターと堕天使のハーフと女装吸血鬼と優男と堕天使の男が死に絶えた街を見て戸惑っているのが遠目に見えたが例の眷属ならまだ謹慎中のはずだから別人だろう。と、ブリュンヒルデに報告したら念のために悪魔に確認してみるらしい。




まあ原作のかませ達がエミヤ一人の相手にだってなれるわけ無い。さて、リリスが仲間になりましたが残りのオーフィスの力はいったい何処に(すっとぼけ
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