魔獣創造を手に入れたが開き直ることにした 作:ダ・ヴィンチちゃん
「ヴェーラ、やれ」
「はい神よ」
悪魔にとって猛毒である光が放たれ、魔法陣から現れた女の腕を貫く。キョトンとした女と周囲の者達。が、直ぐに腕から広がる熱に女が絶叫した。
「あぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「へ、カテレアちゃん?」
「お前が今回の首謀者だな?良しヴェーラ、死なない程度に壊せ」
「残酷なのは嫌いですが、主命とあらば……」
と、ヴェーラが光を放つ。カテレアと呼ばれた女悪魔は慌てて障壁張るがあっさり貫かれる。
「ぐあ!」
腹を貫かれゴボリと血を吐き出すカテレア。そのまま光力を込めた拳で校庭に吹き飛んでいく。
「あ、あの……いきなりすぎるのでは……」
「あん?だってテロリストだぞ、どうして加減してやる必要がある」
ミカエルのひきつった言葉にエミヤは淡々と返して、次に笑う。
「それともあれか?彼奴等の言葉に正当性がありゃ、要求を受け入れるのか?魔王の血筋だから次の魔王になるのは当然と考えて何もせず喚くだけ喚いて前線に立ってたどうせ自分の配下になるとか考えてた貴族悪魔に魔王の座取られて激高してクソ雑魚蛞蝓の癖に舐めプして返り討ちにあったのにまだ自分の方が魔王に相応しいとかほざいてる上級程度の力しかない悪魔の言葉を?」
「ぐ、ぎぃ……ぎざまぁぁぁぁ!」
「静粛に──」
「ぎあ!」
その声が届いていたのか忌々しげにエミヤを睨み吠えるカテレアだがヴェーラが頭を踏みつけ黙らせる。
「神は貴方に発言を許しておりません」
「そうだな。だから今から許す。ほら、何か言って見ろ」
と、会談の場の椅子を蹴り上げ見事カテレアの前に落とすとその椅子に腰を下ろす。
地面に這い蹲るカテレアを見下す視線にカテレアが歯をギシリと鳴らすがヴェーラがいるので諦める。
そして必死に考える。隙をつき『蛇』を飲む瞬間をどう作るか……
「我々の味方になりませんか」
「面白そうだけどねー。最終目的達成しようとしたら世界壊れてるかもじゃん」
「は?」
「ああ、うん。続けろ……そうだな、俺がお前等に手を組む得を提示して見ろ」
「ちょっとエミヤちゃん!?」
と、勧誘交渉に乗っているエミヤを見てセラフォルーが慌てるがこれもヴェーラに制される。カテレアは内心ほくそ笑む。所詮は生意気な人間のガキ、仲間意識の強い人間ならばあの一言で十分だ。
「我々が魔王となった暁には人間界などに関わることはありません。よって、これより先転生悪魔が生まれることも天使、堕天使が人間界に姿を現すこともないでしょう」
「そうか、で?続けろ」
「…………は?」
それだけ?いや、なんだその反応は!?
「お前にも思うところがあるはずだろう!?だから、無能な管理者に変わりコカビエルを倒したのではないのか!?」
「おおう、敬語忘れてる。そっちが素?ま、人間を見下してるお前等が敬語使うのが変なんだけどな。で、何?思うところ………?思うところねぇ……」
ふむ、と顎に手を当てる。
「行きつけの菓子屋が無くなると思って焦ったな」
「……………は?」
かし?菓子?菓子屋と言ったか?えっと、つまりどう言うこと?
「い、偽りの魔王の妹であるリアス・グレモリーの失態とか、無いのか!?この町の住人が死ぬところだったんだぞ!」
「ああ。だから菓子屋が危なかったな、って……」
「………何を、何を言っているんだお前は」
「まああれだ。俺は人間を助けてやる気なんて微塵もねーのに、どうしてリアス・グレモリーを同じ人間なんてどうとも思ってないってだけで責められる。あ、そういや領主名乗ってんだっけ?でもそれで人間が被害被ろうが俺はどうでも良いしな」
「………………」
正史の世界においてはその扱いはただ簡単に肯定されるが、外史、いわゆる平行世界においてはリアス・グレモリーや三大勢力を責める存在は多い。
例えば正史に置いても外史においても性格が異なるが歴史の中心にいる兵藤一誠。町を守れないリアス・グレモリーを無能と呼び三大勢力に敵意を抱く彼も外史において多々いる。
或いは特異点。その外史にのみしか存在しない者達。主に三大勢力の被害者故に彼等を強く恨み、殲滅し被害者がでないようにしようとする。だが、それは言ってしまえば彼等が人間を守ろうとする故だ。
三大勢力の被害者である人間であり、同じ被害者がでないようにする。しかしエミヤは血も繋がらない、友人でもない赤の他人など例え目の前で死んでも気にしない。死に方によっては腹を抱えて笑う。
人間の命を何とも思っていない。己が楽しければ名誉も金もいらない。
だからリアス・グレモリーが堕天使幹部の存在を認知しながら魔王に連絡を取らず、結果としてエミヤが町を守るようにヴェーラに命じた時も菓子屋の無事しか願ってない。
そして彼は己がズレていることを自覚している。故に怒りを向けない。まるで自分がほかの人間を仲間のように思っているなどと言う態度をとるのは、人間にとって失礼だとすら思う。
「だから別に、三大勢力がどれだけ人間に迷惑かけてよーとお前等が勝てばそれが無くなろうと、俺にとっちゃお気に入りの漫画家やアニメーター、ゲームクリエイターと菓子職人さえ無事ならどーでもいいんだ」
カテレアは痛みも忘れて目の前の存在に恐怖する。理解できない故の恐怖。
「発言終わったか?さて、じゃあヴェーラ、殺せ」
「なめるな!」
と、主人の話していたからか下がっていたヴェーラが動く前に懐から取り出した瓶の中身を飲み込む。魔力が膨れ上がり、エミヤが頭を踏みつけた。
「ほお、面白いもん持ってたな。吐き出してちょっと見せてみろ」
「ごぇ!?」
腹を蹴り飛ばされ地面を転がるカテレアはあり得ないと目を見開く。今飲んだ『蛇』の力で自分は先代魔王クラスになったはず。なのに何故、戦闘能力の無いはずの
「貴様何をした!?」
「普通に蹴った」
「ふざけるな!人間如きの蹴りで!」
「だが事実だ。俺はお前を簡単に殺せる………で、次はどうする?お前は真なる魔王なんだから人間如きに負けるな。ほら、頑張れ頑張れ」
パンパンと手を叩き挑発するエミヤから、膨大な魔力が放たれる。魔法力ではない、魔力。
その魔力を見てカテレアはエミヤの背後に美しい女を幻視する。悪魔の細胞が、それを見せてくる。
「き、貴様いったい………」
「………ありゃおびえちまったか。こうなると退屈だな……」
「うん。もういいや……」
魔力が収まり踵を返すエミヤ。カテレアがほっと息をなで下ろした瞬間、光の柱に飲まれ消えた。
「良かった。死なせてあげられて……これ以上苦しめずにすんで。神よ、感謝いたします」
と、死なない程度に壊せという命令から殺していいと許可をくれたエミヤに頭を下げた。
「で、これは一体何のつもりだ?」
「裏切り、かな。あくまで魔獣を創るだけの君には期待してなかったが……」
迫ってきた拳を止めるエミヤは拳を放ってきたヴァーリを見る。
「貴方、何のつもりですか──」
「──────」
ゾワリとヴェーラが殺気を放つ。エミヤはヴァーリを力任せに空に投げる。もはや転移してくる魔法使い達も数が減ってきた残党狩りで目の前の魔法使いをぶっ飛ばしたヴァーリを見て固まるシュラハト。
「シュラハト、そいつ
と、思い出したように呟くエミヤ。主人の命令と己の内に宿る闘争心故にまさに戦おうとしていたシュラハトもそれに気づき止まる。
「どうせなら紅白龍合戦を見てからで良いか……」
と、旧校舎から出てきたイッセーを見てエミヤはお楽しみの映画を見ようとしている子供のような笑みを浮かべた。
カテレア
旧魔王の血筋。72柱の悪魔にやられる
エミヤ
原作では72柱を作り出した存在でさらには上級クラスの悪魔を十万作り超越者も数体作るリリスを取り込んだ
うん。勝てるわけないね。
感想お待ちしております