どうして守護者がアルバイトなんてやってるのさ 作:メイショウミテイ
拙い文章の創作でよければ、なんか作ってみますんで。
あ、それじゃ、本編どうぞ
今日も今日とて仕事を入れてしまっているのだが、それほどまで面倒なことにはならないだろうとタカをくくっていた。
今日のお客はなんと言っても、最近テレビにも出始めていて、人気が徐々にではあるが着々とついてきているあのPastel*Pallettsなのだ。
テレビに出ている一流の芸能人。何かおかしな事がある方がおかしいだろう。だから、今日は余っている本でも読み進めてしまおう、そう思っていたのだ。
だが、私の幸運Eは伊達では無かったのだろうな……。
似た者同士、仲良くしようじゃないか……?
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今日も眩しいほどの日光を浴びて目覚めた訳だが、当然のことながら気分は最低最悪。生きているのが嫌になる気分だね。
だが、折角もう一度生を受けているのだから、そう簡単に終わらせようとも思わないが。
いつものように、飯を作り、それを食べ、身だしなみを整えてから家を後にする。暦の上ではもう6月に差し掛かろうかという時期であり、ちょうど梅雨に入るという所だ。
時の流れは早いものだ──俺が覚えていないだけだろう。
この体になってから、妙に忘れっぽくなってしまっている気がする。日記でも付けておかなければいけなくなるかもしれないな……。
「エミヤ君! 今日も仕事熱心で感心だねぇ!」
「……それはどうも」
「あれー? ちょっと元気無いのかな、大丈夫?」
「いつもこんな感じでしょう、大丈夫ですよ」
「なら、いいけど! 今日も一日頑張っていこうか!」
朝はやはり苦手だよ……、どうして月島さんは朝からあのテンションで働けるのだろうか。俺には到底理解できないな。
まぁ、私の事には関係が無いから、取り敢えず置いておこう。
今日は11時から1番スタジオで、あのPastel*Pallettsが予約を取っている。何回かこのライブハウスで練習をしているが、普段は事務所が用意している。大方いつもの場所が先取りでもされていたのだろう。
気になる訳では無いが、今日の仕事は楽そうで良かったよ。芸能人なら、多少落ち着きもあるだろうしな。
というわけで、1番スタジオの機材のチェックに入った訳だが、このアンプ、少々異常が見つかった。早速修理に取り掛かるとしよう。最悪間に合わなそうならば、投影で何とかしよう。
「
ふむ、やはりおかしいな。1度解体して確認してみると、電解コンデンサから電解液のガスが漏れ出していた。こうなった事が割と早期に発見出来て良かった。このまま放っておいたら、漏れだした電解液のガスが他の部分を侵食してしまって、アンプ全体がダメになってしまう所だった。
「こうなってしまっては仕方が無いな。取り替えてしまおう」
なので、コンデンサを抜き出して、新しいものを詰めることによりまた正常に動作するはずだ。
あいにく、私はギターなどは持っていない。投影で作り出してもいいが、ギターなんて弾いたことは無い。よって、いつもの手を使う事にした。
「
魔力がアンプを駆け巡る。そして、全ての魔力がまた私の元へと戻ってくる。つまりは、何も異常はない、という事だ。
「よし、次だな」
──といった具合に仕事をしていると、時計の針は11時45分を指していた。
ロビーに戻り、今日も家から持ってきた本でも読もうとした時、入口の外に人影がある事を確認した。
あの女性は……、余り得意ではない。
何か、似た感じがする。良くは分からないが、掴めない女性だ。
「白鷺、バンドの仲間を待っているのか?」
「あら、エミヤさん。そうですよ」
「なら、中で待っているといい。誰もいないのでな」
「そうですか……、ではそうさせてもらいますね」
中へ入ってくるように勧めると、素直に従ってくれる。
──白鷺千聖、彼女は何かを隠しているのだろう。私には当然だろうが、あのバンドの仲間にも何らかの事柄を秘匿しているように思える。
「さて、バンドの練習前に何か飲んでいくかね?」
「ふふ、奢ってもらえるんですか?」
「……別に構わないが」
「いえ、冗談ですよ♪ ……そうですね、ならエミヤさんのお勧めでお願いします」
「お勧めか……。ふむ、了解した」
お勧めか……。よし、ならば最近試作しているアレでも出してみようか。ちょうど他人の意見が欲しかった所だしな。
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この男、やはり何か違和感があるわね。
いえ、根は優しい人なんでしょう。けれど、他人に必要以上に干渉するのを恐れているような。
その面では、きっと昔の私と貴方は似た者同士
今は違う。私は彩ちゃんの夢を叶えてあげたい。と言うよりも、彩ちゃんのアイドルとしての完成系が見たい。
その為なら、きっと私はなんだってするでしょう。
でも、そんな私だからこそ、貴方が何に恐れているのかは、何となくわかる気がするの。
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試作しているとはいえ、やはり慣れないな。
だが、美味しいものである事は保証できるだろう。
「お待たせした、どうぞ召し上がれ」
「? こんなメニューは無かったはずじゃ……」
「あぁ、試作品だからな。この抹茶ラテをやっと人に出せるレベルにまで改良できたから、少し味見と意見を貰おうと思ってね」
「あら、そういう事でしたか。それなら、厳しい意見もぶつけても構わないのね?」
「あぁ、遠慮なく」
「分かりました、では、いただきますね」
そう言って、彼女はカップを口に付けた。
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抹茶ラテ、ね。
確か、エミヤさんはコーヒーがとても美味しかったはず。それもドリップコーヒー。新商品なら、コーヒーを活かした方が良かったのではないかしら。
どうして抹茶ラテなんて選んだのかしら……?
考えても仕方ないわね。取り敢えず頂きましょう。
そう思って、カップの中身を口に移しこんだ。
──美味しい……!
自然と表情が柔らかくなるのを自覚する。
程よいミルクと甘味に、それを纏める抹茶の苦味がよくマッチしている。
これが、やっと人に出せるですって……?
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彼女が抹茶ラテを飲んだ瞬間、顔が綻んでいくのを確認した。
良かった。その反応なら安心出来る。
「どうかね、試作品の味は?」
「ええ、とても美味しいわね。これでやっと、人に出せるレベルだなんて、自分の事を過小評価しすぎだと思うわ……」
「いや、そうでも無いさ」
「はっきり言って、貴方の腕前はミシュランの腕前とそう変わりはないわ」
「まさか……、私がミシュランとは。世辞が過ぎるのではないか」
「本心よ」
「さて、どうだかな。君は隠し事や嘘が多そうだからな、白鷺千聖」
「……っ、まさかそれを貴方に言われるとは思いませんでした。エミヤさん」
二人して、静かに火花を散らす。凍り付いた空気は、突如として流れ込んできた温風によって溶かされる事になる。
「ほらほらー! みんな遅いよー!」
「日菜ちゃんが早すぎるんだよ〜!」
「はぁ、はぁ……、なんであんな長時間走れるんですか……?」
「体力を付けることも、きっとブシドーなのですね!」
「それは違うよ、イヴちゃん……」
「む……」
「あら……」
Pastel*Pallettsの残りのメンバー達が少し遅れながら到着したようだ。
あの空気はこちらとしても困っていたので、ナイスなタイミングだろう。
「あー! 千聖ちゃんもういたんだ!」
「ええ、30分前にはね。それにしてもやけに遅かったけど、どうかしたの?」
「アヤさんが寝坊してしまったのです!」
「ゔ……、ちょ、ちょっとイヴちゃん! それは言わないでって言ったのに〜……!」
「あらあら、彩ちゃん……。それはどういう事かしらね……?」
「千聖ちゃん……、いや、待ってこれには深い訳が……」
「そんな事ではアイドル失格よ? 時間も守れないようでは」
「うぅ、ごめんなさい……」
白鷺、さっきの雰囲気はどうした。全くの別人じゃないか。仮面を被っていても、いい事なんて余りあるものでは無いぞ?
「まぁ、それくらいにしておきましょうよ。そんな事より、少し時間に遅れてしまっているので、早くスタジオ入った方がいいと思うんですけど……」
「遅れた分は延長したりしないからな。急いだ方がいい」
「ほ、ほらエミヤさんもこう言ってますし……」
「……はぁ、そうね。時間が惜しいもの。彩ちゃん、次は気を付けるのよ?」
「う、うん、分かった! もっとうるさい目覚まし時計にするね!」
ふむ、だが、その生き方には共感を覚えるよ。精々守ってやれ。
その生き方の先に何があるかは私は知らないが、少々興味が湧いたよ。
「じゃあ、エミヤさん。受付をお願いできるかしら?」
「ああ、いいとも」
「それと、さっきのラテのお代を払わないと……」
「それはいい、私も未完成の品を出したのだ。お代は結構だ」
「……、分かりました。美味しかったですよ、本当に」
「そうか、素直に受け取っておくよ」
「ふふ、そうしておいて下さい♪」
1番スタジオへと入っていく彼女達。練習が上手くいくことを祈っておこう。だが、それにしても……
白鷺千聖、やはり不思議な女性だよ、あんたは
貴方も大概ですよ、エミヤさん♪
筆が進みまくった。後悔してない。
てか千聖メインになってしまった。他のパスパレ推しの方々すまんまん。この埋め合わせは今度必ず。
次は原作キャラでも出してみようかな…。
あ、そうそう。前回の話にコメントとかお気に入りしてくれた方々、
大好き❤もっとして頑張るから❤
なんかこういう話を作ってとかも、気分で受け付けてます。
腕には期待しないで❤
追記:徘徊中に気づいたのでお礼をば。
ろひろひさん、星9評価あざます!すげぇ励みになります!
他の人も遠慮せずもっと評価して❤