どうして守護者がアルバイトなんてやってるのさ   作:メイショウミテイ

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バンドリのパチンコで負けたので投稿しました。


でもアズレンで勝ったのでギリ耐えです。


RAISE A SUIREN とは。

 と、いう訳でやって来たのは、自称プロデューサーチュチュが主催したライブである。

 

 しかし、その会場には少々驚かされる事になった。

 

 

「確か、以前Roseliaが主催ライブをやっていたという……」

 

「大きな会場ですね、シロウ」

 

「ああ……そうだな」

 

 

『dub』といえば、キャパシティは約1000人程の大きな会場だ。1000人分のチケットを捌くというのは凄まじく大変なのだ。それこそ、学生がやっているような小規模且つ自分達でプロデュースしなければならない立場であれば、その労力は計り知れないのだ。*11000人分のチケットをほぼほぼ捌き切ったとでも言うのか? もしそうであるならば、少なくとも彼女が言っていたプロデューサーという役職は納得が出来る。

 

 

「入らないのですか?」

 

「む……ああ、すまない。ここで立ち尽くしていても仕方が無いな」

 

 

 セイバーも初めてのライブという事もあるのか、興味津々といった様子だ。彼女のその表情を見れただけ、わざわざここまでやって来た甲斐はあったというものだな。

 

 

 会場内に入れば、見知った顔をすぐに見つける事が出来た。

 

 

「あっ! エミヤさん!」

 

「大和か、ここに居るということはライブか?」

 

「はい! 今日のライブの主催であるRASには、物凄いドラマーが所属してるって話でずっと気になってたんですよ!」

 

「なるほど。見るのも学び、という事か」

 

「それもありますが、純粋に気になっていたというのもありますね」

 

 

 会場に入って途端に隣から姿を消していたセイバーに代わって、同じようにライブを見に来ていた大和がこちらに気付いて近付いてきた。大和のドラマーとしての実力は、楽器に関しての理解度も相まって凄まじく高いものだと思っているが、そんな彼女が物凄いとまで言うその実力、素直に気になる所だな。

 

 

「おや、エミヤさん!」

 

「若宮も居たのか。キミはどうしてここに?」

 

「マヤさんに誘われました! イケニエです!」

 

「……どう言う事だ?」

 

「い、いえですね……。気になってはいたのですが、一人ではなかなか足が前に進まなくてですね……」

 

「なるほど、付き添いか」

 

 

 実に大和らしい理由だ。そしてそれに付き合う若宮も若宮らしいな。

 

 

 

 さて。

 

 事前に情報取集していたお陰で、チュチュが率いるRASというバンドの概要はわかっているつもりだ。彼女の主宰するバンド『RAISE A SUIREN』、頭文字を取って『RAS』。 リーダーであるチュチュ自身が作詞作曲を行いプロデュースも一手に担うという、文字通りライブ以外の面では彼女の実力が試されるバンドだ。その分、他のメンバーは個々の技術に重心を置くことが可能であり、つまりはその分だけメンバーの実力も相当期待できるらしい。大和が先程語っていたようにバンドを担当するメンバーを始めとして、バンドの技術的な面では凄まじい完成度を誇る……と、ネットの記事では評価されていた。その中には当然、サポートとして協力している花園への言及もあった。あのメンバーに引けを取らないレベルで評価されている事もあって、彼女がサポートである事を残念がる記事も見られた。事情の一端を知っている身からすれば、少々複雑な気道にもなるがそれは一旦置いておくとしてだ。

 

 改めて広い会場を見回してみれば、成程確かにRASのグッズを持ったファンや集団が多い事が分かる。結成からあまり時間はたっていない筈だが、それでもこれだけの固定ファンを抱えているとは正直に驚きではある。大ガールズバンド時代とは言いつつも、成り上がって行くには相当な実力と才能、そして努力と苦労が必要なのは当然。そして音楽だけ上手くてもダメで、事務所がバックに付いてくれるまでは自己プロデュース力や企画力まで必要になるのだ。

 

 それら全てを高水準に纏めながらもバンドとしての実力も折り紙付きとは、チュチュという少女は見掛けに依らず相当にやり手らしい。彼女に対しての評価を一新せざるを得ないな。前迄はやたらと態度の大きなマセたガキンチョと思っていたのだが……。

 

 

「ここ、Roseliaがライブしてたっていうライブハウスだよね……」

 

「わぁ……、大きい……」

 

「こんな大きな場所で、おたえちゃんがライブをするんだ」

 

「複雑な気持ち、ではあるな……」

 

 

 開演30分前のアナウンスがあった所で、どういう経緯でチケットを入手したのか不明だがPoppin'Partyの面々もライブ会場へとやって来たらしい。のだが、その表情から察するにライブを楽しみに来た様子ではない様に思える。花園のサポートを見に来たにしては雰囲気があまりにも暗い、先日蟠りは解消されたと思っていたのだがあれは気のせいだったのか? 

 

 そんな様子の彼女たちは私の存在には気付かず奇妙な空気感のまま、大和や若宮たちと顔を合わせていた。大和と若宮のテンションが若干浮いている感じになってしまっているのが何とも居た堪れないが、それでも彼女達もRASの実力を測りたがっているという事は何となく分かった。何せ大和がRASのメンバー紹介やらを始めた途端食いつき方が明らかに変化したのだから。食い気味になって色々質問を飛ばす戸山と、それに応える大和。その応対を聴いて表情をコロコロ変えながら思った事を話す他メンバー達。

 

 どういう事情があるかは知らないが、その事情に踏み込む権利はきっと私にはない。

 

 

 

 だから今は、純粋にこの後のライブを楽しむとしよう。

 

 

「セイバー、ライブ前だというのにその両手の軽食類はなんだ?」

 

「えっ! まさかライブ中は食事は禁止なのですか!?」

 

「こういう指定席の無い、立って楽しむタイプのライブでは忌避される行為だろうな!」

 

「どうして先に言っておいてくれないのですかシロウ!」

 

「お前が何かを言う前に隣から居なくなっていたのだろうが……」

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 何とかセイバーの買い込んだ軽食を協力して平らげて──協力するまでもなく彼女自身で殆ど消費したのだが──いると、ちょうど開演時間間近であり、慌てて飲み物を購入してから会場入りをする。

 

 すでに会場の熱気は凄まじく高まっており、これから始まるライブの期待度が否応無しに跳ね上がっていく。人取り会場内を見渡して見ると、キャパシティ1000人の会場に隙間なく観客が所狭しと敷き詰められている。人口密度が高過ぎる。この様子では1000人分のチケットは完全に捌けていると断定しても良さそうだ。

 

 そのような事情もあってか、会場全体がシンクロしているような感覚すら覚える。大和からも聞いていたように、ドラマーのパフォーマンスが文字事通り縦横無尽といった具合で、彼女の一挙手一投足に場が引っ掻き回され続けている……ように見えるのに、その乱暴なペースをベースボーカルが上手くコントロールしながらグルーヴとして活かし切っている。事前情報通りにリズム隊の完成度が高いのはそうだが、それと比較してキーボードのパレオと呼ばれていた少女も、チュチュのDJもなかなかどうして板に付いているというか完成度が高いというか。上から目線のように聞こえたら申し訳ないが、兎に角私レベルの一般人ではこのライブに対してケチをつける所が見当たらない。

 サポートギターの花園だって、個性を出しつつも合わせる場所はしっかりとメリハリを付けるといった、いつもとは違ったスタイルが垣間見えた。あれは彼女のバンドでの演奏では聴いたことのない音楽だが、あれは恐らくチュチュのディレクションが入っているのだろうな。

 

 簡単に言葉にするのは難しいが、『聴いているお前達が着いて来い!』と言わんばかりの音楽のように感じた。そのノリに着いて来れるファン達がここには大勢集まっている事で、彼女達の音楽はより一層の完成度を増すのかもしれない。

 

 

「────、っ!」

 

「……」

 

 

 演奏の途中にDJでブイブイ言わせていたチュチュと目が合った気がした。彼女は生意気そうな笑みを浮かべ、心底楽しそうにプレイに熱中していた。人は見かけによらないとは言うが、少なくとも彼女の音楽に賭けている思いとそれに対しての本気度は十分伝わって来た。

 

 

 

「どうだったかしら! ワタシの最強のライブは!」

 

「素直に感動したよ。キミの音楽に対しての熱量がこれでもか、という程に伝わって来た。今日はここに来れて良かったと、心からそう思うよ」

 

「ええ、全くです。私は音楽に関してはからっきしですが、それでも自然と身体がリズムに乗り始めていました。このような音楽が、この世界にはあるのですね」

 

 

 ライブ後に得意げな顔で感想を聞きにやって来たチュチュに対して、私とセイバーは忌憚の無い感想をそれぞれ送った。正直言って、自分が出した試作品のお返しにこれ程の完成度のライブを鑑賞させてもらう事は、モノの価値が釣り合っていないと思ってしまう。今度のご来店の際に披露出来るような新作を作っておかなければならないかな。

 

 

「ふふん! そうでしょう! 私の音楽が全てのガールズバンドの頂点に立つのよ!」

 

「流石ですチュチュ様ー!」

 

「……大言壮語とも言い切れないな」

 

 

 そう思える程には彼女達の実力は高いと思っている。ネットの記事でも取り上げられていたが、『RAISE A SUIREN』というバンドが注目される理由も自然と分かるというモノだ。

 

 

「チュチュ様、そろそろ行きましょう!」

 

「そうね。それじゃあね、お二人さん。作曲に行き詰まったら、また行くわ!」

 

「ああ。次の来店の時には、試作品ではなく完成品を披露しよう」

 

「ふふ、good! セイバーも、また会いに行くわね!」

 

「ええ、チュチュ。私も店で待っています」

 

 

 そう言って彼女達は歩き去って行き舞台裏へ行く……と思いきや、Poppin'Partyの方へと向かって行った。サポートギターとしてライブに参加していた花園も交えてライブに関しての感想でも話していたのだろうか、そんな場面にライブの出演者が向かっていく。Poppin'Partyの面々にとっては主催ライブをやったという面では先輩のようなものか、彼女達にとっても話を聞いてみれば参考になる要素も多くあるだろう。しかし、私にはチュチュ達が何を考えて彼女達の方へ向かって行ったのかは、生憎想像も付かないのだが。

 

 しかし、そこは私の関与すべき所ではない。

 

 

「セイバー、帰るぞ」

 

「……しかし、彼女達は?」

 

「……何を心配している?」

 

「いえ、よく分かりませんが……嫌な予感がします」

 

「『直感』か。だとしても、それは私達がかかずらうべき問題では無いよ」

 

 

 セイバーはサーヴァントとしてのスキルを無意識に発動させしまったのか、この後ここで何が起こるのかを感覚として掴んでしまったらしい。だから彼女達の事が心配になってしまった、と。

 こういう時、サーヴァントという存在は難儀だな。本来見えるべきではない物事が見えてしまうというのは、クイズの答えが先に分かってしまっている状態と同じだ。それが見えてしまった、分かってしまったからには、その問題を解決しなければならないと思ってしまうのは、きっとセイバーの善性によるものだろうが。

 

 

 しかし、人の世界に生きる以上は。生きていく以上は。

 

 それをしてはいけないんだよ、セイバー。

 

 

 その後に、ライブ会場で何が行われていたのか、私は知らない。しかし、セイバーが嫌な予感と言っていた事から、何かしら良くない事が起こってしまうのはほぼほぼ確実なのだろう。

 

 人の理から外れてしまった私には、なんとか誰も悲しまないように済んでくれる事を祈るしかなかった。

 

 

*1
2期2話くらいのRoseliaが行っていた主催ライブを行う上で、紗夜さんが言っていた事が先ず大前提としてあって、その上でどれ位の箱であればチケットを捌き切れるのかを考えなければならない。箱自体のサイトでの前売りや各バンド自体がチケットを捌くために売り込みを掛ける、色々あると思いますが何にせよ、実力に見合ったキャパを見繕わないと採算取れないよねって話。




次は番長でも打とうかな。

最近は社不として磨きが掛かっていて、バケモノに進化して行っています。


バンドリにどハマりしていた時は、未来の自分がこんな風になるなんて思ってもいませんでした。

今さらながら評価やらコメントやら頂けて有り難いです。なんだかんだで評価件数100まで後少しで、正直気持ちが上がっています。
ありがとうございます、今後もなんとか定期的に投稿したいとは考えていますが、自分はバンドリ3期は未履修ですし最新の情報とかは全く仕入れてませんので、3期に入ったら時間が空くかも知れません。

保険を掛けておきます。

これからどのように、どこまで話を作って欲しいか。是非ご回答下さいませ。

  • 2ndシーズン終結+数本小話
  • 3rdシーズン終結+数本小話
  • 2ndシーズン終結後休んでいい……
  • 3rdシーズン終結+鯖勢が消えるまで
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