男女比に差のある世界のTS配信者   作:熊猫パンダ

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サブタイトルのつけやすさが異常。
オリジナルの日刊に載せていただきました。
本当にありがとうございます。


麻雀+雑談配信

初配信の翌日、アーカイブについたコメントを確認していく。

再生回数は70回、配信に来ていた人数と比較すると大分多い気もするがこの程度で甘んじる女になりたくない。

これで生計を立てれるようにならないといけないことを考えると、まだまだ未来は暗い。

 

『女だ。オレの耳に狂いはない』『歌うま、もっと歌ってどうぞ』『ここ↑スキ、何回も聞いてる』『質問箱とかほしいな』『ヌける声……空間的にって意味だゾ』『最後の噛みエッッッ』

 

昨日配信中にコメントをくれた人達に、見たことない名前の人も混じっている。確実な前進に顔がニヤける。

……下ネタはスルーして、質問箱か。

ぱっと思い付いたのは○witterでよく見る形式だ。

この世界には同じようなものでtwisterという物が普及しているが、相変わらず使っているのは男性ばかりだ。

女性はテレビに出ているような人しかやっていない。

 

……本当に一般女性はどのような生活をしているんだろうか。

私もテレビ番組の『潜入!女性の暮らし!』とかを見るべきなのかもしれない。

 

 

考えが逸れてしまっていたが、とりあえずtwisterのアカウントを作り、簡単な自己紹介に配信プラットホームへのリンクを添える。

安っぽくならないように、プロフィール画像には自作の絵を載せておく。

さて、ちゃんとリンクが機能してるかの確認も込めて配信をやろうと思い立ち、ついでとばかりに配信を始める『呟き』も忘れない。

 

 

 

『わこつ~』

私が喋りだす前に既にコメントが流れるなんて、感激!

 

「はーい、チャルさんいらっしゃいです。昨日に続いてきてくれてありがとうございます。ノームですっ。」

 

『ママーっ』『初見です、女性ときいて』

 

「初見の……スーモンさんもこんにちは、ゆっくりしていってもらえると嬉しいです。今日は雑談のついでにオンライン麻雀をしますよー」

 

今日やることの内容をサラッと説明だけしておく。

コメントで麻雀に対しての驚きが見てとれるが、無料でできて雑談の妨げにならないものを他に思い付かなかったのだ。

どうせ男性しかいないだろうし、ある程度ならルールを知っているという人が多いのではないだろうか。

 

「タイミングが合えば皆さんと打てるかもしれないし楽しみです。ちゃんと練習もしてきたんですよー。あ、もし一緒の卓になったなら配信は音だけにしてくださいね」

 

事前注意も忘れない。後で問題が起きて困るのは私だ。

 

『未だに女性がやってるとは信じられない』『声だけ妻にやらせてる説推すわ』『声優の企画説とかどうよ』『麻雀できる辺り官僚の接待とかしてた?』

 

ちょっと配信での話から逸れたコメントが増えた気がする、そう思ってチラりと視聴者を見ると32人。

……前回の配信に来ていない人の方が多いから仕方ないことだろう。

ふと、人が増えてきたことで、twisterアカウントの宣伝という今日の配信の目的を思い出す。

 

「リアルの話は秘密ですっ。それと、つい先程の話なんですが、twisterでノームのアカウントを作りました!これから配信の通知もしていくつもりなので、ぜひフォローよろしくお願いします。放送の概要欄にリンクを貼ってますよー」

 

『さっきフォローしたぞ』『ま?してくるわ』『身バレとか気を付けてね』『拡散したい』

 

確認すると既に6人フォロワーがいた。取り敢えず全員にフォローを返しておく。

ありがとうございます、とお礼の言葉も忘れない。

twisterのことに話が変わったことで、コメントの不穏な空気も変えることもできて一安心だ。

更に視聴者が増えたときのことを考えると、話題切り替えのタイミングは大切だし今のうちに慣れておきたい。

対々和であがれた。麻雀のリズムも中々良さそうだ。

 

 

 

『今日は歌わんの?』『もう質問箱に入れといたで』

 

「そうですね……。麻雀を分からない人はそろそろ画面に飽きたかもしれないですし、少しお返事をして終わりますか。歌は今日は歌いませんっ」

 

40分ほど麻雀をしてキリ良く半荘が終了したタイミングで、質問箱へ移る。

最初の質問は『配信を始めたきっかけは?』というものだ。

正直にお金のため、などと答える気は毛頭ない。

 

「配信者に女性がほとんどいなかったからですかね……。興味があるけど見てるだけ、なんて人もいると思うのでそんな女性の背中を押せる存在になりたいです。将来は女性コラボとか、してみたいですね!」

 

最後の一言に大体の気持ちが集約されている気もする。

男ばかりの世界だが、女の子に囲まれるという夢を諦めたわけではない。待ってろ女の子。

 

次の質問は──『スマイル動画に歌っていた恋花火を編集して投稿してもいいですか』というものだ。

 

「私の名前を出してくれるなら全然構わないですし、むしろありがたいです。あ、でも下手なのを誤魔化してくださいねっ?」

 

『やったぜ。』『編集ニキの責任重大』『俺達でバズらせるんや』

 

これはかなりありがたい話だ。

現状、配信のこともまだ手探りの状態で音楽の編集など考えもしていなかった。

女性が歌うボカロなら大人数を引き付けられるかもしれない。

 

他にも『好きな色』──青。

『得意な料理』──筑前煮。

などといくつか質問に答えていき、配信時間が1時間を過ぎたのを確認した。

 

「さて、ではそろそろ配信も終わりますね……。1時間の間、ノームにお付き合い頂きありがとうございました。また来てくれると嬉しいですっ」

 

『ノシ』『いかないで』『おつおつ~』『女の子と麻雀で遊んだって自慢するわ』

 

よし、マイクも配信も切れたことを確認、と。

まだ配信慣れしてないのもあって、個人情報を漏らさないように注意しながら話しているのだ。

つまり1時間雑談はかなり疲れた。が、緊張は薄れてきたし、今回の配信の来場者は累計42人。

数字に固執しすぎるのは良くないのは承知しているが、結果が目に見えるのは嬉しい。

 

 

配信の感想としてはコメント全体で歌の所望が多かった。

次の配信では、編集された歌動画を見た人達が流れてくる可能性は高い。

ファンと知名度を一気に獲得するチャンスだ。

 

前世の時から存在する歌で、私が歌えそうな歌を改めてピックアップしよう。

ついでに歌配信をする上での、注意事項の確認もしておこう。

 

――え?高音質のマイク?知らない子ですね。




現実にある曲を使うのはセーフなんでしょうか?
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