死の支配者と荒ぶる鬼神   作:ボンズリ

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失礼致します。作者のボンズリです。
前回のエリちゃん回で少し説明不十分な所がありましたので、この場を借りて説明と変えさせていただきます。

・エリちゃんのライブと歌について

まずライブですが、これは彼女の固有スキルである「鮮血魔嬢(バートリ・エリジェーベト)」によるものです。
このスキルを発動すると、巨大な魔方陣から彼女の嘗ての居城であるチェイテ城を巨大なアンプに魔改造した「監獄城チェイテ」を召喚し、地獄のライヴ会場と変貌させます。また、この状態では彼女は自分を「歌姫」と規定しており、スキルとして搭載されている「竜鳴雷声(キレンツ・サカーニィ)」が使用可能となり「歌」を歌うことが出来ます。
この「竜鳴雷声」を使用した場合、彼女が歌う行動に合わせてアンプと化したチェイテ城からソニック・ブラストを放たれるようになり、敵に対して物理ダメージを与える他、敵味方問わず彼女の歌を聴いた者の耳に深刻なダメージを与えるようになります。
原作だと彼女は宝具として使用していますが、ユグドラシルにはそんなシステムは残念ながらありません。
そこで、彼女の階層守護者という拠点防衛型NPCとして迎撃するためのスキルとして搭載されました。
また、前回彼女は「頭痛持ちスキルにより執政者としての立場を忘れてアイドル活動に没頭していた」とありましたが、これは彼女が勝手に「鮮血魔嬢」を発動させてライヴ会場にしてしまうということでもありました。
ですので、彼女がこのスキルを発動させた場合、それがどのような場所であろうとも勝手にライヴを開催し、超音波を撒き散らす傍迷惑なスキルとなっております。

・治らない音痴について

前回頭痛持ちを治すアイテムでも音程が慣れたせいか音痴が治らなかったと説明しましたが、こちらも説明不足でした。申し訳ありません。
まず、ユグドラシルでは彼女の音痴はバッドステータスとして表記されており、頭痛持ちによるものです。
しかし、なぜ頭痛持ちが治ったにも関わらず音痴が治っていないのか。
その理由は「彼女がそうあれと設定され、創造された」からであります。
実は、バッドステータスにおける音痴は治っています。
ですが、彼女の設定にもあります「自分の為に歌うと音痴になる」という設定はバッドステータス等ではなく、頭痛持ちを無効にするアイテムであっても治すことはできなかった、ということです。

今回はしっかりとした説明が出来ていないまま投稿して皆様をご不快にさせてしまい、誠に申し訳ありませんでした。

それでは本編にどうぞ!!


第3話 ~階層守護者~

「モモンガ様ー!ばらきー様ー!」

 

「待ってよお姉ちゃ~ん!置いてかないでよ~!」

 

 

声が聞こえた方向を見やると、二人のダークエルフがこちらに向かって走ってきた。

彼女たちはこの第6階層を守護者である双子のダークエルフ、「アウラ・ベラ・フィオーラ」と「マーレ・ベロ・フィオーレ」である。

アウラとマーレは「ぶくぶく茶釜」によって創造されたNPCであり、姉弟という設定がなされている。白いスーツを着用している、元気一杯な方が姉のアウラであり、短めのスカートを履き、少し気弱でおどおどしている方が弟のマーレである。

(マーレがスカートを履いている理由は、ぶくぶく茶釜から「男の娘」という設定を与えられているためである)

 

「あーら、誰かと思えばアウラとマーレじゃない」

 

「ゲッ、エリザじゃないの!?何でここに居るのよ!」

 

「何言ってんのよ、私も曲がりなりにも階層守護者の一人よ?ならこの場所にいても何らおかしくないじゃない」

 

「ぐぬぬ…痛いところ突いてくるじゃないの…」

 

「で、でも、エリザベートさんが動いてるときは録なことが起きないし…正直不安で不安で…」

 

「何でよー!?そんなに私のことが信じられないの!?」

 

「「うん」」

 

「二人して頷くんじゃないわよー!流石の私でも泣いちゃうからね!?」

 

「こ、こんなところで泣かないでよね!?あんたが泣いちゃうとこの闘技場が滅茶苦茶になっちゃうんだから!」

 

「うん…そうなったら僕たちが片付けなきゃいけなくなるし…泣くならせめて自室かナザリックの外で泣いてね?」

 

「アウラも大概だけどマーレの方がヒドイこと言ってるからね!?もう!これ以上何か言うなら本当に泣いてやるんだからー!!」

 

 

エリザベートとアウラ、マーレが会話している姿を見ていると、何故かこちらが癒されるような感覚がする。

まるで自分の娘とその友達がじゃれあっているようにも見えた。

こうしてNPC同士で交流している姿を見ると、今回の騒動もあながち悪いことだらけではないのかもしれない。

 

 

「お嬢様方!我が相棒でありますエリザベート様をあまりいじめないであげて頂けないでしょうか!」

 

「うわぁびっくりした!突然大声出さないでよ!心臓が飛び出るかと思ったじゃない!!」

 

「あ、あのー、あなたは一体誰でしょうか?」

 

「これは失礼致しました!私、至高の御方でありますモモンガ様に創造していただきました、パンドラズ・アクターと申します!以後、お見知り置きを(イケボ」

 

「い、一々オーバーなポーズを取りながら話さないでよ!そっちに集中しちゃうじゃない!」

 

「おぉ、このモモンガ様に教えていただきました、いと尊きポーズに注視していただけるとは…!やはりモモンガ様にの教えは偉大だったという訳ですねぇ!」

 

「そ、それモモンガ様に教えていただいたんだ…僕も教えて欲しいなぁ…」

 

「マーレ!?」

 

「あらマーレ、貴方もあのポーズの素晴らしさが分かるのね!」

 

「うん…!僕もあんなポーズでカッコつけてみたいなぁ…」

 

「なかなか見所があるわね、どう?貴方も私のライブのバックダンサーにならない?」

 

「いやぁ、それはちょっと…」

 

「何でよー!?」

 

 

うん、悪いこともないとか思ったけどそんなことはなかったぜ。

現にマーレがパンドラのオーバーリアクションを汚染…もとい感化されていた。

これ以上会話が続くとマーレが悪い子になりそうだったので介入しようとした時、

 

空間に歪みが生じた。

あれは転移系魔法の「ゲート/《転移門》」だ。

無限の距離を一瞬で移動することが出来る優れものであり、ユグドラシルでは最もポピュラーな移動手段だった。

 

 

「おや?私が一番ではではなかったのでありんすね」

 

 

歪みから姿を現したのは、第1~第3階層の守護を任されている「シャルティア・ブラッドフォールン」だ。

彼女はモモンガ親友である「ペロロンチーノ」によって創造された存在である。

彼女は吸血鬼の祖である真祖と呼ばれる存在であり、少女然とした姿ではあるが、タイマン勝負となるとナザリックのNPC中最強の力を有している。

なお、アウラとエリザベートの二人とは仲が悪く、喧嘩友達のような存在でもある。

 

 

「ゲッ、シャルティアじゃないの!」

 

「その声はエリザ!?というか、ゲッとはなんでありんすか!ゲッとは!」

 

「べっつに~?特に意味なんてありませんでありんすよ~?」

 

「私の語尾を真似するなでありんすー!!」

 

「全く、どうせそのたっくさん詰め込んだ胸パッドが落ちるのが嫌だから態々ゲートで来たのかな?と思っただけでありんすよ~?」

 

「キーーッ!!一々腹立たしいでありんすね!そういうあんただって絶壁でしょう!?」

 

「あ、私はまだまだ成長期なだけだし!?あんたみたいなアンデットとは違うのよー!」

 

「なにおーーー!?」

 

「何よーーー!?」

 

「はいはい、モモンガ様とばらきー様の前だからそろそろやめようね~」

 

 

なんだこの微笑ましい光景は。

というかアウラよ、お前シャルティアと仲が悪いんじゃなかったのか。

なんというか、二人のお姉さんみたいなムーヴしてるぞ。

 

 

「いいですねぇ、なんかこういうの。なったことはないんですが、お父さんってこういう気持ちになるんだなぁって思いましたよ」

 

「そうだな…母親とはこういう心持ちになるのだな…」

 

「「あぁ、癒される…」」

 

 

先程のげんなりした気持ちは何処にいったのやら。

3人のやり取りを見ているだけで癒されていたモモンガとばらきーであった。

 

 

「二人トモ、イツマデ争ッテイルツモリダ!!」

 

「「ひっ!」」

 

 

疲れた心に癒しを求めていると、凍えそうな冷気とともに厳格な男性の声が響いた。

そこには、第5階層守護者である「コキュートス」が佇んでいた。

 

コキュートスは「武人建御雷」によって創造されたNPCで、二足歩行する昆虫が鎧を身に付けたかのような姿をしている。

頑強な見た目をしている反面、武器を装備した際の強さは守護者全一である。しかし、種族的な要因で防具を装備することは出来ないため、防御力はそこまで高くはない。つまり、彼は今素っ裸である。もう一度言おう、素 っ 裸 で あ る。

 

 

「イヤー!?全裸が怒ったー!!助けてお父様ー!裸族が私を襲いに来るわー!!」

 

「嫌でありんすね~コキュートス。レディの前に全裸で出てくるなんて、はしたないにも程がありんすよ?」

 

「ヤメロ!本人ガ気ニシテイルコトヲ言ウモノデハナイ!」

 

「一応気にしてたんだ…」

 

「そんなに素っ裸が気になるのでありますなら!!不肖、このパンドラズ・アクターがあなた様に似合う最高の衣装をご用意させていただきまsブヘッ!」

 

「はいちょっとこっちにこーい!!」

 

 

パンドラがモモンガに拉致された。

流石の彼も堪忍袋の尾が切れたのであろう。入り口まで連れていかれて説教を受けているようだ。

パンドラズ・アクター。お前の犠牲は無駄にはしない。

あっモモンガに壁ドンされてる。埴輪みたいな顔の男が骸骨に壁ドンされるとかおもしろっ。

やめてくれ、こっちは笑いを押さえるのに必死なんだ。

いかん、笑いを押さえすぎて腹筋が痛くなってきたぞ。

 

 

「おや、何か面白いことでもございましたかな?ばらきー様」

 

「おう、デミウルゴスか。セバスとアルベドも一緒だったのだな」

 

「はい。至高の御方々のお手を煩わせないために、アルベドと共にセバスから現状についての報告を受けておりました。勝手な行動をしてしまい誠に申し訳ありません」

 

「よい。これで各階層守護者への情報の伝達がスムーズになるというものだ。ご苦労だったなデミウルゴス」

 

「ありがたき幸せであります!この先もお二方のお力になることができますよう、より一層の努力をさせていただきます!!」

 

 

この忠誠心を具現化したようなNPCは「デミウルゴス」であり、彼の創造主は「ウルベルト・アレイン・オードル」である。

彼は第7階層を担当している守護者である。また、ナザリックの防衛時におけるNPC指揮官としての役割を持つ悪魔だ。

なお、あまりにもすぐ裏切りそうな風貌であるものの、彼の忠誠心は本物であり、決して我々を裏切ることはないキャラ筆頭である。

 

 

「よし、全員揃ったことではある。そろそろ黙らせるとしようか」

 

 

そう言ってばらきーは言葉に少し怒気を込めつつ、背後にはブチ切れた時と同じように鬼の顔を象った焔を立ち上らせる。

 

 

「騒々しい、そろそろ静かにせぬか。それとも吾の手で永遠に騒げぬように手助けしてやろうか?」

 

「「「「「「!!!」」」」」」

 

「よし、静かにしたならばそれでよい。ではモモンガよ、後は汝が進めよ」

 

「アッハイ」

 

「…なぜ汝まで体を強張らせているのだ…」

 

「すみません、今までの経験から条件反射でつい…」

 

「はぁ…もうよい。アルベド、さっさと始めぬか」

 

「はい、ばらきー様。では皆、至高の御方々に忠誠の儀を!」

 




 
―――厳かな空気が闘技場を支配する。これから行うのは各階層守護者たちの忠義を確認するための儀式だ。


「第1、第2、第3階層守護者『シャルティア・ブラッドフォールン』御身の前に」

「第5階層守護者『コキュートス』御身ノ前ニ」

「第6階層守護者『アウラ・ベラ・フィオーラ』」

「お、同じく第6階層守護者『マーレ・ベロ・フィオーレ』」

「「御身の前に」」

「第7階層守護者『デミウルゴス』御身の前に」

「第9階層守護者『エリザベート=バートリー』御身の前に」

「ナザリック宝物殿領域守護者『パンドラズ・アクター』御身の前にィ!」

「各階層守護者統括『アルベド』御身の前に」


こうしてみると凄い光景だ。
各階層守護者たちが自分たちの前でかしずく姿を見ると、ますますここが現実からかけ離れたように感じられた。

「うむ、ではモモンガ」

「はい。…面を上げよ」


瞬間、モモンガの背後から真っ黒なオーラが立ち上った。
あれはモモンガの保有するスキルである「絶望のオーラ」だ。絶望のオーラはⅠからⅤまで存在しており、Ⅴであれば、なんらかの即死耐性や装備を整えていなければ敵を即死させることも可能である。
ていうか、なんでこのタイミングで絶望のオーラなんか出したし。
まぁ大体察しはつく。恐らくテンパって無意識のうちに出してしまったのだろう。
モモンガらしいといえばそれまでだが、そろそろ落ち着いて欲しいものである。


「各階層守護者たちよ。先ずは我々の呼びかけに応えてくれたことを、ばらきーさん共々深く感謝している」

「何を仰います!我々は至高の御方々に仕えさせていただくことこそが存在意義なのです!」

「そ、そうか」

「はい。我々階層守護者一同、至高の御方々に恥じぬ働きをさせていただくことを、ここに誓います!」

「「「「「「「「誓います!」」」」」」」」


――なんと素晴らしい忠誠心なのだろうか。
これに応えなければ、嘗てのギルドメンバーたちに会わせる顔がないほどだ。


「「素晴らしいぞ、我らがしもべたちよ!お前たちならば、我々の計画を何の問題なく実行できると確信したぞ!!」」

「ありがたき幸せ…!我ら守護者一同、全力を以てお仕えさせていただきます!」

「うむ、よろしく頼む。では現状の把握を始めるとしよう―――」
 

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