Fate/stay night 異聞 ~観察者白狐~ 作:Prometheus.jp
今回は大分間が開いてしまいましたが………
はい、執筆そっちのけでラスベガス周回に勤しんでました( ´ー`)y-~~
おかげさまで、星5鯖が3騎スキルマ出来るぐらいにQPが溜まりましたv( ̄Д ̄)v
そして、マーリンPUですが………
花のお兄さん来ました(∩´∀`)∩
しかも、事件簿アニメ見ながら回したら金回転の術クラスが来てワクワクしていたら、すり抜けで孔明が出ると言う奇跡まで起きる始末。
マーリンは特別再臨と貯めに貯めた素材で一気にレベルマ&スキルマしたのですが、孔明とキャス狐をスキルマするにあたり、素材が全く足りていません………。
さて、近況はさて置くとして、今回はある意味でFateの原作に近い雰囲気でお送りします。
それでは今回もお付き合いください。
「なんじゃこりゃぁっ!!!!」
古く重い土蔵の扉を開け、目に飛び込んできた光景を一目見た瞬間、俺の口を衝いて出た感想は、某有名刑事ドラマでとある刑事が殉職するシーンのそれと同じだった。
一言で表すなら「雑然」と言う言葉以外出る筈もない。
いやいや、先代の工房も中々に雑然としていたけど、それでも文献やら何やらが手の届く範囲に在って、それなりに(本人にとっては十分に)機能性を有してはいたのだが、衛宮家の工房と言うか土蔵の中は、申し訳程度に片付けられた僅かなスペースに
この土蔵の主であるかの如く鎮座する古びた石油ストーブを始め、鍋やら薬缶やらが床に転がっていて、棚に置いてあるのはビデオデッキ、しかもベータ!
いやはや、お世辞にも“魔術師の工房”と言う事すら憚られる程の雑然ぶりに、俺も遠坂も文字通り開いた口が塞がらないと言ったところだ。
「…………衛宮君………これは……………」
それ以上は言うな遠坂。そもそもこの邸宅自体、確か切嗣が第四次聖杯戦争の折に予備の拠点として購入したものだという話だったが、聖杯戦争以降、魔術回路の大半が焼き切れた切嗣がまともに工房を稼働させたわけでもなさそうだし、かと言って魔術をまともに教わらなかったであろう衛宮が工房を構築するなんてことは考えられない。
であれば、この惨状は然もありなんと言う事だが……………。
「いやぁ………藤ねえ、いや藤村先生がいろんなところからガラクタを拾って来てはここに放り込んでいくもんだから、俺の知らない内にこんな風に…………」
頭を掻きながら弁解する衛宮を見て、同僚の妙な収集癖に絶句する。
衛宮も衛宮で、処分すればいいものを「直せそうだったから」と言う理由で
まあ、ここでガラクタを弄って身につけたスキルが功を奏して、学園では「穂群原のブラウニー」やら「偽用務員」やら「
首を巡らせて土蔵の中を見渡すも、ガラクタ以上の物が目に映る事は無いのだが、それでも何処からかほんの微か、注意深く探らなければ分からない程に魔力の残滓が感じられる。いや、この感覚は
間違いない。ここは何某かの工房だったか、或いは魔術儀式を執り行った痕跡があるようだ。
「先生、アレ……」
そう遠坂が指差す先には、床に敷かれた養生用のブルーシートがあり、端が捲れ上がった下から魔法陣と思しき模様の一部が顔を覗かせている。
ブルーシートを退かすと、その下からは凡そ六フィート径、凡そ一.八メートル強で二重の六芒星を描いた魔法陣が姿を現した。
これがサーヴァントを召喚する為の魔法陣なのか?時計塔在学時には、西洋魔術は基礎的な部分しか学べなかったので、部分的にしか読み取れないのだが………。
「………コレ、召喚の魔法陣じゃないわ。どちらかと言うと地脈に繋いであるだけ。いえ、今は稼働してないから、繋いであっただけのようね…………」
顎に手を当てて鑑定する遠坂は、そう大して間を置くことなくこの魔法陣のもたらす効果を言い当てた。
若輩とは言え流石は西洋魔術師。餅は餅屋と言ったところだ。
「……………………まだ、ここに在ったのですね……………」
「セイバー?」
魔法陣を検分する俺と遠坂の後ろからセイバーが近づき、まるで古い友人に再会したかのような、それでいて僅かに悲しみを湛えた目をして魔法陣に触れた。
「リンの言う通り、この魔法陣はサーヴァントを召喚するためのものではなく、地脈に繋いで
「………アイリさんか………」
「これを敷設した人を知ってるんですか?」
「ん?ああ、一度しか会った事ないが、古い友人の……身内……みたいな人でな………」
「………そう言えば、先生とは“空港”と言う場所で
フッと懐かしそうに微笑む彼女の言葉は、前回切嗣のサーヴァントだったセイバーと今のセイバーは
「ああ……あの時は、エライ警戒されていたけどな」
そう軽口を叩いてみるが、内心では動揺を隠しきれないでいた。
サーヴァントと言う存在は、“英霊の座”に据えられた英霊本体の情報を基にして作られた分身、言わば“コピー”に過ぎない。
そしてサーヴァントの消滅した後、その情報は“行動記録のような物”として、宛ら本を読むかのように英霊本体が知ることが出来ると言うが、基本的にサーヴァントとして現界していた頃の事を覚えてはいなく、当然少し顔を合わせた程度や軽く言葉を交わした程度の相手の事は記録には残らないと言う。
英霊本体が知るサーヴァントの行動記録の様式に個体差はないと言うのが栞の言だが、目の前のセイバーは、空港で一言挨拶をするためにアイリさんに近づいて来た
これは霊体化出来ないと言う、セイバーのサーヴァントとしての特殊性と関わりがある事象なのではないだろうか?と言う疑問が湧いて出てくるが、これは今回の案件とは関りが薄いだろうから先送りするとしよう。
「となると、この魔法陣はアイリさんが敷設したもの。と言う事で合ってるか?」
「はい。ただ、今一つ正確を期すなら、私も多少魔術の心得はありましたので、彼女の指導の下、水銀の配合から精錬、魔法陣の組み立てに私自身が携わりました」
成程………この魔法陣自体はアイリさんが指導してセイバー自身が組み上げたモノ、現世に遺されたセイバーと言う英霊との“
だが彼女が組み上げたという“縁”だけでは、セイバーと言う英霊を呼び出す“触媒”としては弱すぎるので、それはまた別に何かが在ると見ていいだろう。
この魔法陣が持つセイバーとの縁と、何某かの“触媒”が照応して、召喚儀式無しでセイバーが再召喚された。というところか………。
確か切嗣は、アインツベルンが発掘した
兎も角、検証すべき点は多々あるが、なかなかに興味深い事例だな………。
「結局、
「いや、そうでもないぜ」
「え?どういう事です?」
成果が得られなかった事に溜息をつく遠坂に対し、俺は問題を解決する突破口を見出した。
そのカギが、今ここに在る「セイバーが手掛けた魔法陣」と言う存在だ。
「ところで衛宮、これはあくまで確認だが…………魔力を得る為に、他人から魔力、或いはその根本である魂を吸い上げるって手段は、お前らの選択肢の中にはあるか?」
「ばっ、馬鹿な事言うな!そんな事セイバーにさせられるものか!」
「………ならいい………」
我ながら意地の悪い質問をしたものだと思うが、誰かを助けて、誰かを死なせない、そんな正義の味方になりたいって言ってる奴が、そんな外道を選択肢の中に入れていようものなら張り倒していたところだ。
兎角魔術師と言うものは、結果の為に手段を択ばないと言うか、己が目的の達成こそを最優先するものであるからして、一般社会における規範はおろか、人道、果ては人命そのものすら下に置くのが常だ。
その点、衛宮は魔術師としては
「さて、サーヴァントに魔力を供給する方法はいくつかある。サーヴァントに他人を襲わせてその魂を吸い取るってのは除外するとして、先ず一つ目はマスターの体液を摂取させる方法だが………」
魔術師の体液には魔力が宿っている。これは魔術師であるか否かを問わず、基本的に生命活動をする生物であれば、共通して言える事だ。何しろ魔力の源泉は“生命力”そのものであるからだ。
で、衛宮の体液、先ずは血液を摂取させるという方法だが、それなりの量をセイバーに摂取させる必要があり、量によっては衛宮の生命に係わりかねないのでこれは却下としておこう。
次に衛宮の精液を摂取させるという方法だ。
幸い衛宮は男で、セイバーは女だ。情交を結べば魔力を供給することも出来るだろうが……………………いや、流石にコレを薦めるのは教師としてはよろしくない………。
そもそも体液摂取による魔力供給と言うのは、ただの一回で済む事ではなく
サーヴァントへの魔力供給と言う名目ではあるが、間桐から見れば、単に衛宮がセイバーに
多感な年頃だ、色恋の経験は積むに越した事は無いが、その展開を高校生が味わうには重すぎる。
それに、どう見たって衛宮は
ならば「英雄色を好む」と言う故事に因んで、セイバーが
結局のところ、お互いに場慣れしないギクシャクした感じの、歳相応の光景になること間違いなしなんだが、二人で盛り上がっての事ならともかく、儀式として第三者が立ち会う場面で「さあヤれ」だなんて言われたところで、緊張と羞恥で
と言う訳で、
俺だって男だからな。肝心な時に縮こまってしまったら、心がへし折れそうになってしまう事は、経験から知っている。
「さすがに何かと問題があるのでこの方法は却下するとして、次に衛宮の魔術回路の一部をセイバーに移植するって方法もあるんだが………」
本来なら魔術師本人が持っている“魔術回路”ではなく、代々積み上げてきた“魔術刻印”の一部を移植した方が確実なんだが、衛宮と切嗣は親子関係ではあっても血縁関係ではないので、魔術刻印自体受け継いでいないから魔術回路をという話になる。
衛宮の魔術回路がどれほど在るか、それは調べてみればすぐわかる事だが、その一部でも移植、即ち元あった物を減らすという事は“衛宮が魔術師として一生成り立たなくなる”可能性がある。
衛宮自身が抱く、夢或いは希望、進路等々、固有名詞は何でもいいが、己が定めた道を歩く手段として魔術を用いる事も視野に入れるのであれば、これは却下すべき案なんだが、その前に衛宮が死んでしまっては元も子もない。
「この方法は、まぁ次善の策として残しておくとして、最後に衛宮とセイバーの
「そうですね……薄っすらと、弱々しくはありますが、シロウとは繋がっていると言う感触はあります」
「成程ね。言ってみればバイパスを通すように、衛宮君とセイバーの間に新しい
「っと、それはつまり………」
「今の衛宮君とセイバーの
「その通り。流石遠坂は優秀だな」
褒められ慣れていないのか、遠坂は顔を瞬時に赤くしてモジモジしている。
それはさて置くとして、俺が今やろうとしている事は遠坂が言った通りだ。
「マスターとサーヴァントの
前回の聖杯戦争に於いて、アイリさん監修の下にセイバーがこの魔法陣を組み上げたと言う事は先の通りで、セイバーとの“縁”がこの魔法陣にはある。
英霊の分枝たるサーヴァントを呼び出す触媒としては役に立たないが、
「となると………朝比奈家の魔術行使って事になるから、私は外で待ってるわ。終わったら呼んで頂戴」
「あぁ、ちょい待ち遠坂。お前には
「ふぇ!?」
自らの魔術を他人に見せないと言うのは魔術師の常識ではあるから、遠坂が土蔵から出て行こうと立ち上がったのは当然の事だが、この魔術儀式を執り行うにあたり、念の為に遠坂にも手伝ってもらわなければいけない。
しかし……赤面して鳩が豆鉄砲を食らったような顔をする程の事か?
「ん!んん!………それで、私は何をすればいいの?」
「その前に、俺はこれが最善策と言ったせいで既定路線の流れになっちまったが、これにもリスクはある。それを踏まえた上でやるか否か。それを衛宮たちに決断して欲しい」
一同が居住まいを正し、真剣な面持ちで俺を注視する。
「先ず、
「一週間!?」
儀式を成立させる為に要する期間に衛宮は吃驚するが、現に俺と栞の場合は、俺が生まれたての赤ん坊だった事もあってか、二週間ぐらいかけたという。
「だが、今はそんな悠長な事はしてられんし、元々それは被術者への負担を考慮しての事であって、本来の術式で執り行う儀式は早くて数分、遅くても一、二時間程で終わる……………が、セイバーはそれによってしばらく意識がぼんやりしたり、足腰が立たなくなったりするだろう。まぁ、足が痙攣したり、軽い酸欠状態みたいになったりして戦闘はまず不可能になる………とは言っても短くてほんの数分、長くても夕方までには元に戻るだろう」
最低でも一週間かかると言う話に、ある種の絶望感すら湧き上がったが、本来の術式での儀式なら被術者に負担があるとは言え短時間で終わる事と、その負担すら彼らが想像していたよりも大きく下回るものだったが為か、二人から安堵の溜め息が漏れる。
「それぐらいなら大丈夫……なんじゃないかな?戦闘をするにしても、主に夜だし」
「ええ。影響が一時的であれば、無視しても良いでしょう」
「あと、人によってはだが、何らかの苦痛を伴うかもしれん。この場合も主にセイバーの方にだな。だが、命に係わる様なものではないと言う事だけは保証する。ああ、そうだ。まだ大丈夫な歳だろうけど、衛宮は高血圧だったり心臓疾患があったりしないよな?」
「それは大丈夫だけど、なんでさ?」
「なら良かった。いやな、心血管系や脳血管系の持病持ちだったら、最悪儀式の途中で心拍異常からの心停止とか、脳出血で死ぬ恐れがあったからな。衛宮が健康優良児なら命に係わるような不具合は一切無いさ」
「それでも、セイバーばっかりにリスクが多いような気が………」
「いいえシロウ。先生の仰る通り、命に係わらない一時的な事であればリスクと呼ぶには値しません。その儀式によって我々が抱える問題が解決出来るというのであれば、多少の苦痛はあったとしても許容すべきものでしょう」
衛宮は納得いっていないようだが、一番リスクを被るセイバーが
早速儀式に取り掛かるとして、先ず遠坂には土蔵の中、最低でも魔法陣の周囲だけでも防音の結界を張ってもらう事にした。
まだ昼前なので慎重に過ぎるかもしれないが、
なに、サーヴァントからの無警告攻撃なんて、
「オッケー、準備できたわ。こんなので良いかしら?これなら、外から見られる分にはアウトだけど、防音は完璧よ」
土蔵内部に張り巡らされた結界は非の打ちどころが無く、それを迅速かつ手際良く展開させた遠坂の才能は目を瞠るモノがある。
この手際の良さが先日の学園でも発揮されていれば、衛宮もこうして聖杯戦争に巻き込まれずに済んだのだが、それは今言っても詮無い事なので黙って飲み込むことにしよう。
続いて、魔法陣に描かれた六芒星の頭にあたる部分に結跏趺坐し、衛宮とセイバーを向かい合わせに陣の中央に座らせる。
六フィート、凡そ一.八メートル強の魔法陣の中に三人が座った状態はなかなかに狭く、お互いの膝と膝がぶつかり合う。
「じゃあ、深呼吸をして落ち着いて、二人共手を握り合ってくれ」
そうは言うものの、衛宮は赤面して躊躇しているみたいで、お前は小学生かよ!とツッコミを入れたくなるところだが、どうやら衛宮は年頃の女子と手を繋いだ事さえ無い様だ。
やれやれ………
そんなんじゃ、知らん間に他所の男に間桐を掠め取られるぞ。
大事なモノは、失ってから気付いたって遅いんだからな。
「シロウ、何をしているのです」
「!………す、すまん……………」
もたついている衛宮に業を煮やしたのか、セイバーが衛宮の手を取って握る。
そんな積極的なセイバーに驚いて増々顔を赤らめる衛宮だが、お前な、セイバーはきっとお前を男として見ていないぞ?いや、セイバーが自分を女として見ていないのか?
兎も角「あ、セイバーの手って意外と柔らかくてスベスベしてるんだな」みたいなこと考えて頬を緩めてる場合じゃないからな。
「それじゃあ、始めるとするか……………
九字を唱えながら印を結び、スイッチを切り替えるかのように己の内界へとアクセスする。
代々受け継がれた数多の術式は無意識領域に刻まれていて、その全容はコンピューターのハードディスクにも似ている。
その中から
「オン・マカキャラヤ・ソワカ………」
展開されたフォルダの中には様々な術式を収めた
洋の東西のみならず、流派や系統にもよって差異はあるが、魔術行使の手順を
「掛巻くも綾に畏き
また、この国に仏教が伝来した時代に神仏習合が行われ、大国主大神の「大国」と同じ音である「大黒天」と習合された由縁も在って、この術式に用いる呪文を無意識領域から喚起する為の
「結びの
そして詠唱には
祝詞とは言葉そのものに力が宿ると言う言霊信仰に端を発し、神前で奏上される詞章の事であると同時に、これを口に出して述べる事により、神意を動かし、我々に恩恵をもたらしてくれると考えられている。
神々への祈りの言葉を以て神秘の力を顕現させる、即ち魔術を行使するのが東洋魔術の特徴だ。
「結び固めし縁の解くる由無く、契り交しし
「………あ…………ん…………」
「くっ……………あぁ…………」
詠唱を進める内に、二人の口から吐息が漏れ始める。二人の
「ん…………はぁ…………」
「ぁ…………ぅ……………」
儀式が進むにつれ二人の呼吸は荒くなり、セイバーが嬌声を上げ始める。
傍から見れば、まるで二人が情交を結んでいるかのように見えるが、
なるべく直截的な物言いを避けて、二人に儀式を執り行う上での被術者が被るリスクを説明したのだが、一つだけ適切な言い回しが思いつかずに言わずにいた事がある。まあ、それでも被術者にかかる負担としては、既に説明した分と大差はない。
魔術刻印の移植や
この“高度な共感状態”と言う言い回しが実に曲者で、細かい説明は省くが、直截的な物言いをすると、性的快感の最高潮の状態、即ち“オーガズム”の婉曲な言い回しと断言しても過言ではない。更に噛み砕いて端的に言えば「
だが、例えば親から子への刻印の移植、ましてやそれが同性同士だった場合、如何に魔術師と言う者たちが世の常の価値観から逸脱した存在であるとは言え、二人で最高潮に至った後は気まずい雰囲気になると言う言葉だけでは済まなくなる事は想像に難くない。
そうならない為なのか、刻印の移植や
まあ、カルト的な密教のある宗派に於いては、男女が情交を結ぶことを即身成仏の境地と見做す教義があると耳にした事はあるが、肝心の秘儀の殆どは文献が焚書で亡失していて真偽の程は不明だ。
兎に角、衛宮とセイバーにはそんな時間的余裕が無いと言う事は先の通りで、二人には
精神的にはどうあれ、肉体的に二人は
大事な事なので何度でも言おう!二人は手を繋いでいるだけだ!今度の期末試験にも出すからな!
そして、この問題を落とした時点で赤点と見做す!!
「……は、はぁ………私の……あっ………中に………シロウの……んんっ!」
言い方!
魔力な!
「……ぅ……セイバー………!……セイバー…………!」
呼ぶな呼ぶな。
やれやれ………二人共そう大きな声は上げないから良かったが、それでも何もしなければ土蔵の外に二人の淫らな声が漏れるのは間違いなく、そんな声を聞かれた日には、真っ昼間から何やってるんだって話になってしまうんだが、念の為に遠坂に防音の結界を張ってもらって正解だったな…………ってぇ、遠坂お前、顔真っ赤にして目を覆っているけど、指の間からしっかり見てるじゃねえか!
「
「ん、ふぁ、あ……………っ!」
「く……………あぁ…………っ!」
成功だ。
二人が共に体を仰け反らせる様に硬直させて
これでイレギュラーな召喚に因って不具合の生じた
「はぁ…………はぁ……………」
「あぁ………………はぁ……………」
だが、二人の様子はどこからどう見ても
「どうだ?セイバー。魔力はちゃんと流れてきてるか?」
「………は……い…………。シロウの魔力は十分に流れてきていますが………少し、熱いくらいです…………」
おいおい!変なスイッチ入っちゃってないか!?
いや、落ち着け俺。栞だって流れ込んでくる魔力を「何か熱いもの」と言っていたんだ。セイバーの比喩もそう可笑しい事ではない。いかんいかん、俺までこの場の雰囲気に絆されて思考が変な方向に行っちまってるようだ。
「そうかそうか、それは重畳」
とは言え、普段は何と言うか「生真面目な委員長タイプ」のようなセイバーが、目を潤ませ、頬を上気させているものだから、今の姿は何かこう蠱惑的と言うか、グッとくるものがあるな………。
あれ?俺、性癖そっち系だったっけか………?
さて、衛宮はと言うと…………まぁ、気まずい感じにはなるだろうよ。
手を繋いでいただけとは言え、セイバーと
と言うか遠坂、そんな衛宮を見てニヤニヤしてるんじゃない。
「…………………!」
耳まで真っ赤にしていたそんな衛宮だが、急に何かに気付いて、一気に顔色が青くなる。
「……シロウ?どうかされたのですか?」
「あっ!いや、何でもないんだ!」
「そうでしょうか?何やら顔色が優れないような……」
「大丈夫大丈夫!俺は、ほら!何ともないさ!ハハハハハ!」
そう言って腕をぶんぶん振り回して元気満々をアピールする衛宮ではあるが、衛宮の身に起きた“
その“
「………あぁー、長々と呪文唱えていたら、喉が渇いちまったなぁ。こういう時は、思いっきり沸騰させたお湯で淹れたアッツイ茶なんかが欲しくなるんだよなぁ」
「?そういう時って、温めのお茶じゃないんですか?」
「リンの言う通りです先生。ゆっくりと喉に浸み込ませる様に飲むのが最適かと」
「いやいや違うんだよお嬢さん方、こうあっつあつの茶をフーフーして、グイっと喉に流し込んだらクゥーってなるんだよ。喉を熱い茶が通り過ぎた後の爽快感たるや、なあ衛宮!?」
「えっ?あ………まぁ、そういう事も…………」
気付け衛宮。俺は今、
「今からお湯を沸かしたら、まぁ五分か十分ぐらいはかかるか?と言う訳で衛宮、茶の準備ヨロシク!」
「それなら、みんなで居間に移動した方が良いんじゃないかしら?」
それは認められないぞ遠坂。今は
だから衛宮!気付け!!
「え………?………あ………あぁ、良いんだ遠坂。今準備してくるからここで待っててくれ」
ようやく気付いたか………。
まぁ、この場をどう切り抜けようか、その事ばかりに思考を費やしていたから、
「………申し訳ありませんシロウ………手伝いたいのですが、今は少し足に力が入らないので………」
「あ、良いって。セイバーだって疲れてるだろ?ここで休んでてくれ。何かお茶請けも持ってくるから!」
そう言って衛宮は、慌てふためくように土蔵から出て行った。
そんな衛宮の姿を遠坂とセイバーは訝しみながら見送るが、やがて遠坂は何かに気付いたのか僅かに口角を上げた。
そう、精神的に
だからな衛宮……………
儀式が終わったことで、遠坂が結界を解除し、セイバーが呼吸を整える音だけが土蔵に響く。
衛宮の魔力は魔術師とは呼べない程の魔力量ではあるだろうが、それでも
視線を落とすと、触媒に用いた魔法陣は幽かなシミのような跡を残して大部分が消失していた。これでこの魔法陣は二度と使う事は出来ない。
アイリさんが地脈から力を得る為に敷設したこの魔法陣は、本来の機能を発揮出来ていたか否かは判らないが、十年の時を経て
切嗣がこの邸宅を手に入れ、アイリさんが魔法陣を敷設して、そこからセイバーが召喚され、そして俺が
人の
アイリさんの生きた証の一つをこの世から消失させてしまったが、この世の一切の造られたものは常に変化し生滅して永久不変なものなど無いと言うのが、即ち諸行無常の理。
しかし、たとえそうであろうとも、人が紡いできた
少なくても、俺の生徒達が
リアルの方で環境が変化する事態が発生しましたが、それに伴い10月は中旬までまとまった休みが取れる事になりまして、これを機に、今後の取材を兼ねて伊賀市を始めとした近畿方面への一人旅を画策しています。
ちょっと足を延ばして、冬木のモデルになった神戸辺りも行ってみようかなとも考えています。
さて、次回は……
・密着!冬木警察24時
・おまwwwちょwwww士郎wwwwwww
・ある意味フラグクラッシャー
・やっぱりアンタか
・営利誘拐未遂事案発生
以上の予定です。