Fate/stay night 異聞 ~観察者白狐~   作:Prometheus.jp

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前回以降、新たなお気に入り登録ありがとうございます。

昨今の事情に鑑み、FGOではGWイベントは無いと思っていましたが「ぐだぐだ本能寺」が復刻されましたね。

最初に開催された時は戦力不足も相まって、色々進行に苦労して、高難易度も捨ててましたが、今回は戦力もだいぶ整って、特にWスカディ&特攻凸礼装積んだえっちゃんが猛威を振るってます。

さて、今回は話の時系列上、短めのお話をお届けします。

それでは今回も、拙作にお付き合いいただけましたら幸いです。


#048 interlude~斜陽~

 商店街での買い物を終えた俺たちは、茜色に染まり始めた道を歩んでいた。

 今日は思いがけない()()()()があったので、夕飯は豪勢に行きたいところだったが、聖杯戦争が始まってからはバイトを休んでいるので、現時点で全くの無収入と言う懐事情を考えれば、ここは誘惑に負けず節約すべきだろう。

 

 しかし「今日ぐらいはセイバーに何か美味いモノでも食わせてやれ」と言う先生の好意を無下にするのも憚られる。

 そこで折衷案として、今日の夕飯はすき焼きにすることにしたが、肉は百グラム百四十五円の安い輸入牛肉を使う。安い牛肉でも、工夫次第で国産和牛に後れを取る事は無い。ちなみに、同じ精肉コーナーに置いてあったすき焼き用国産黒毛和牛はその四倍以上の値段だった。

 

 セイバーもすき焼きは食べた事は無いだろうから、きっと期待に胸を膨らませているだろう。

 

 ……………………………と、思うのだが、先程から気まずい沈黙が俺たちの間に満ちている。

 と言うか、セイバーは俺の数歩前をスタスタと歩いていてその表情は窺えないが、どことなく機嫌が悪そうだ。

 

 セイバーが不機嫌になる心当たりは…………ある……………。

 

 先生やイリヤたちと別れた後、セイバーに問い詰められ、俺が昨日一昨日の日中にイリヤに会っていた事を白状した途端にこうだ。

 確かに、セイバーに内緒でイリヤに会っていたという事実は、ある意味でセイバーに対する裏切りのようなものなのかもしれない。

 

「な、なあセイバー………」

 

 しかし俺にも思うところはあるけど、どう贔屓目に見ても非は俺にあるので、ここはどうにかセイバーを宥めるべきだろう。

 早ければ今夜にでも何らかの戦闘になるかもしれないし、セイバーに限ってそんな事にはならないだろうけど、()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「…………シロウ、貴方がイリヤスフィールと()()()()()()という事実は了承しました」

 

 セイバーが足を止め、ようやく口を開いた。

 しかし“密会”って……………。いや、言葉は間違っていないが………。

 

「何度も一人で出歩かないよう諫言してきましたが、どうやらシロウには聞き入れる意思が無いように見受けられます」

 

 振り返り俺をキッと睨むその眼は、やはりセイバーは怒っているようだ…………。

 

「それは…………その…………すまない……………」

 

「イリヤスフィールがその気であれば、シロウは既に死んでいたかもしれないのです。そのように危機感が希薄なままでは、サーヴァントとしてシロウを護りきれません」

 

 セイバーの言う事は一々尤もで、返す言葉も無いと言うのは正にこの事だ。

 イリヤは「日中は戦ってはいけない」と言うルールを守っているけど、時と場合によってはそのルールを躊躇いなく破るかもしれない。なにしろ、イリヤの目的が“切嗣(オヤジ)と俺を殺す事”だと明言していたのだから。

 

「ですが、コレは一旦横に置くとして、シロウに確認したい事があります」

 

 ずいっと歩み寄るセイバーが、翠玉(エメラルド)のような瞳を向けて見上げる。

 

「もしイリヤスフィールとの戦いが避けられないとなれば、シロウは彼女と戦えますか?」

 

 俺とイリヤが会っていた事を知れば、セイバーのその問いは必ず来るものだろうと思っていた。そして同時に、俺が抱いている感情は、セイバーの望む答えにはなり得ないだろうとも思っていた。

 だけど……………

 

「……………出来る事であれば、イリヤとは戦いたくない……とは思ってる。セイバーには甘いって言われるだろうけど………」

 

 だけど、ここで誤魔化したり、変に丸め込もうとしたりするのは、イリヤとは戦いたくないという思いと同じぐらい、セイバーに対してしたくない事だ。

 正直に俺の意見を述べる事に因って、意見の食い違いでセイバーと口論になるだろうけど、異なる意見をぶつけ合うと言うのも、お互いを深く知る上で決して悪い事ではないだろう。

 

「確かに甘い考えです。………ですが、シロウならきっとそう言うと思っていました」

 

 セイバーの意外な言葉に肩透かしを食らった気分になった。

 言葉だけなら諦め半分、呆れ半分と言ったところだろうけど、徐に向き直り遠い眼をするセイバーの横顔には、いくらかの()()()()()()()()()()()()()

 

「シロウ、私は聖杯で叶えたい願いがあるからこそ召喚に応じました。ですので、貴方には聖杯戦争を勝ち抜いてもらわなくてはいけない。無論、戦いそのものは私が担いますが、シロウ自身も相手が誰であろうとも、戦うべき時は戦う覚悟を決めてください」

 

 茜色に染まるその白い横顔は何処か物憂げで、沈みゆく夕日を掴み取ろうとする仕草は、まるで手が届かない何かに向けて掴み取ろうと伸ばしているかのようだった。

 

「それは………イリヤだけじゃなく、遠坂が相手でもか?」

 

「ええ。シロウには、心通わせた者と矛を交える事は心苦しいでしょうが」

 

 俺が聖杯戦争で戦うのは、臓硯のように「無関係な人を巻き込むマスター」に対してだ。

 他人を押し退けてまで聖杯で叶えたい願いなんて俺には無いし、そんな得体の知れない物を欲しいとも思わない。身を護る為の戦いなら躊躇う事は無いだろうけど、それでも、相手がイリヤや遠坂だと、その覚悟すら鈍ってしまうだろう。

 

 だけど、セイバーは求めているのだ。

 他人を押し退けてでも、心通わせた者と矛を交えてでも。

 

「そこまでして、セイバーは聖杯が欲しいのか?」

 

「ええ。私は、その為にサーヴァントとなったのですから」

 

 俺自身は聖杯を必要としないけど、マスターとして、セイバーに聖杯を手に入れて願いを叶えてもらう事も吝かではないと思っている。

 

 だけど、それで本当にいいのだろうか…………?

 

 セイバーが叶えたい願いを、俺は知らない。

 それは精神防御なんて出来ない俺の思考を読み取られて、セイバーの真名が露見する事を防ぐ為だったけど、このままで本当にいいのだろうか?

 それはいずれ知らなければならない。知らないままで済ます事は出来ない。

 

 しかし…………

 

 その願いを叶える事で、本当にセイバーが報いられるのだろうか…………?

 

「………………ですが、シオリのように“聖杯に願った奇跡以上のもの“を手にしたのなら………いえ、何でもありません」

 

 今こそセイバーの願いを訊こうと口を開きかけた瞬間、ぼそりと呟くセイバーではあったが、他愛の無い戯言と自ら断じて打ち切られてしまった。

 

 栞さんは過去の聖杯戦争で召喚され、今も現界を保ち続けているサーヴァントだ。

 勿論聖杯で叶えたい願いがあったからこそ、セイバーと同様に召喚に応じたわけだけど、朝比奈家のサーヴァントとなってから“聖杯に願った奇跡以上のもの”を手に入れたから聖杯は要らないと言っていた。

 

 何故セイバーが“戯言”とは言えそう思ったのか。

 その答えは、セイバーの心の奥底に在る。

 

「さあ、リンもそろそろ帰ってくる頃でしょう。今日はその、スキヤキと言うのですか?とても楽しみです」

 

 徐に振り返ったセイバーが帰宅を促す。

 

 いずれ知る事になるだろうセイバーの願いとは、果たして一体何なのだろうか。

 

 何故だろう…………

 

 セイバーなら、世界征服とかそんな物騒な願いなんてしないだろうけど、明らかにそれとは違う言い知れない不安が胸中を(よぎ)る。

 

 その願いを知った時、果たして俺はキチンとセイバーと向き合う事が出来るのだろうか。

 

「それじゃあ、腕に縒りをかけなきゃな」

 

 柄にもなくそんな不安を気取られないよう、腕まくりをするように空元気を出した。




2000万DL記念で、恒常星5配布が来ましたね。
皆さんはどの鯖をお迎えしましたでしょうか?

私は絶賛お悩み中で、

・全体剣の戦力は十分だけど、手持ち鯖との絡みと霊衣がエモいモーさん

・単体弓の増強と、ムキムキオリオンと並べると何かとエモいオリオン

・単体騎の戦力補強&QPさえあればスキルマ出来るオジマン

・耐久PT補強のジャンヌ

この4騎で迷っているのですが…………。

ちなみに武蔵ちゃんPUは爆死しましたが、邪ンヌは二枚抜きすると言うバランスの悪さよ………(;´Д`)


さて、次回は……

・全員集合!

・士郎が立つ

・ふわっふわやぞ!

・病室ではお静かに

・お宅訪問

以上の予定です。
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