時間軸はGX4話後。
(初出:2016/8/29)(他サイトと同時投稿です)
時間軸はGX4話後。
(初出:2016/8/29)(他サイトと同時投稿です)
生者のいない空間を満たすものは静寂と死ばかりかと言えば、そうではない。
金属の巨大な歯車同士が噛み合い軋み回る重々しい音、小ぶりな歯車の軽やかに回転する細かな振動音。”ワタシ”を”自覚”するより前からずっと機体が聴いているチフォージュ・シャトーのこの胎動音は、その主が玉座に居ずとも淀みなく、たゆむこと無くシャトーの胎内を、この広間を満たし続ける。
装者のギアを三つ破壊し終えた現在、マスターが今玉座を空けているのは休息を取るため。完璧以上に完成されたホムンクルス躯体を依代とすることで、外見年齢と同等のヒトの幼体より体力は優るものの、人形の自分たちとは違ってヒトと変りなく休息が必要不可欠なのだった。
しかし休息に充分な時間が過ぎながら未だお出ましにならないのは、居室よりラボかどこかシャトーの設備へ直接向かわれたのか、それとも外出されたかなのだろう。
この玉座の間に生きている者はいないが、"活きて"いるモノは四機、いる。
「はあぁ……」
そのうちの一機が。おどけるようなポーズで顔の左右に掲げていた手を、力の抜けるようなため息とともに腰横にへろりと降ろしたのをレイアは視界の端に見た。
「お腹がすいて、力が出ないゾー……」
つくりの大きな爪指の両腕を重そうにだらんと垂らし揺らし、焦げ茶のケープの背までを萎れるようにげんなりと曲げて、呻くようにミカが呟く。
そのぼやきによって静寂が破られたものの、沈黙はすぐに広間に舞い戻ってきた。
広間が再び静寂に満たされる。静寂に満たされて、そのまま広間に動きは一切なく。
けれども、動いて然るべきな者がいるはずだった。
首を滑らかに巡らせ、鋼弦の巻き取られる音の機体内反響を聞きながらそちらに顔を向ける。すると広間の対角に位置する台座にいるファラもこちらと同時に同じ箇所へ顔を向けたのが見えた。
視線の先の人形、ガリィは二対の視線に耐えかねたといった風に、はー、とため息をつきながら腕と脚を降ろしてアラベスクのポーズを解く。
「あーはいはい、わかってるって」
言いながらガリィは台座の上でつま先立ちでくるりと横に一回転し、それからさも仕方ないといった態度を醸しながらも軽快な所作で、黒のバレエシューズの足を踏み出して台座を降りた。
「ちっ、まーたアタシの仕事が増えるってのに……」
ぶつぶつと文句をこぼしながら 巨大な歯車の何十と重なる深い層が透けて見える透明な床をとことこと斜めに横切って、対角に位置するミカの元に歩み寄る。
その様子からするとガリィは、自分やファラから視線を送られなかったらそのまましらばくれて動かなかった可能性もありそうだった。
「ほら、背ぇしゃんと伸ばして顔上げな」
辿り着いたそこで、ガリィは腰に手を当ててミカの前に立った。その途端。
「ガリィー!」
「なあっ!」
ミカが萎えきっていた姿勢から突如、バネ仕掛けの玩具のように勢い良くガリィに抱きついた。
「ぺっこぺこなんだゾ、はやくしてくれだゾー!」
「っあ゛ーもうひっつくな! 迫ってくるな! ちゅーしずれーだろうが!」
逃さないとばかりにガリィの腰に両腕を回してしがみついてくるミカを、ガリィはその額に手を当てて押し返そうとする。ぐぐぐと攻防すること数秒、ガリィはようやくといった態でミカを引き剥がし腕の中から脱することに成功する。
それでもミカは回転に弾かれた形で剥がされた腕を再びガリィに伸ばす。けれどそれより早くすっと伸ばされたガリィの白磁の手に両頬を挟まれ、ミカは思わずといった風に腕を止め、ガリィの身体の左右で両手の爪指の五指をやり場無くわきわきと動かした。
「ミカちゃんはぁ、アタシからするときにおとなしくされるがままにちゅーされてればいいの。わかった?」
口調と表情こそにこやかだが眉間とこめかみを引きつらせながらガリィがそう言うと、ミカはなんでもいいから早くと言わんばかりに忙しなくこくこくと頷く。
わざとらしくにこやかだった表情をすっと引っ込めて、ガリィは冷ややかな声で言い放つ。
「なら目ぇ閉じな」
ミカが言われた通りに大きな瞳の瞼を降ろす。それを見てガリィは、ふん、と、まあいいかと言うように一息ついてから。
「歯ぁ立てるんじゃねーぞ、……」
ミカに言い聞かせるように呟きながら、ガリィは顔を寄せてミカの唇に唇を重ねた。
くっつける程度だったのがやがて、ガリィが両手で挟んだミカの頬を少し引き寄せる。手慣れた所作で自分の顔の角度を少し変えて、口接けをやや深めたようだった。
唇と唇の間に淡い光がぼうと灯る。
レイアの審美眼からすると、ガリィとミカの二人は少女らしい外見ゆえに少女人形然として可愛らしく見えるものだった。人形然としているのは自分たちは真実人形なのだから当たり前ではあったが。ヒトに酷似した少女人形と、異形の少女人形が口接けを交わすその様子は、非科学的な淡い発光の現象も相まって、ヒトから見れば非日常の幻想的な光景に見えるかもしれない。
二人の間の淡光が弱まっていく。それが完全に消滅した頃にガリィはミカから唇を離し、両手で挟み捉えていた頬も解放して一歩下がるように身も離した。
は、と吐き出すようにため息をつくガリィ。
「どこかのアイドル大統領じゃないけど、あーしんど」
「たったこれっぽっちィ?」
唇を尖らせて不満気に言うミカに、ガリィはふんと鼻を鳴らす。
「十分でしょ。文句言うんじゃねーわよ」
「アタシの火力を発揮するには想い出がたくさん必要なんだゾー」
「あればあるだけぶっぱして使い果たすの間違いだろが」
「装者だってごはんアンドごはんとか言ってたくさん食べてるんだゾ?」
「うちはうち、よそはよそよ」
どこで覚えたのか強弁であしらう一言を言い捨てて、ガリィはつんとミカから顔を逸らした。
二人のやりとりの様子に可笑しみを覚えて、思わずポーズを解いてふっと軽く吹き出してしまう。
「お前たちは派手に仲がいいな」
「はぁ? どこをどう見たらそう見えるってのよ」
心外そうにこちらを振り向き、呆れたような顔をしてガリィは軽く肩を竦めた。その傍らでミカが澄まし顔でしれっと言う。
「想い出をおなかいっぱいくれたら、仲良くしてやってもいいゾ」
「アンタの生殺与奪を握ってるのは誰か、分かって言ってるんだろうな?」
ミカに向き直ったガリィが傲岸な物言いをするも、ミカは全く堪えることなく平然な顔で口開く。
「アタシに想い出を供給するのはガリィの仕事、ガリィの仕事はマスターの命令。想い出が切れてアタシが動けなくなったらガリィは任務を果たせてないどころか、マスターの計画を妨げることにもなるけど、それでもいいのカ?」
「っ、マスターはアタシに任せてるんだから、アタシの裁量でやらせてもらってるだけのことよ」
ガリィの反論を聞いたミカは、へぇと揶揄っぽく目を半分にする。
「その割には初めてちゅーしてもらったときは足りなくて、マスターからまた採集を命令されてたんだゾ」
「アンタが大食らいなせいだっての! だいたい、アンタはもう少し燃費ってもんを考えて――」
侃侃諤諤、甲論乙駁、売り言葉に買い言葉、という語が想起されるようなやりとりが繰り広げ始められた。
とはいえその舌戦は優劣の偏りのない突きついなしつが賑やかなだけの様相で、ああ見えてお互いに供給の際に口接けを交わすことは嫌いではなさそうなのが、行為の最中の情景から見て取れるのだった。
「喧嘩するほど仲がいい、なんて言葉もありますわね?」
ガリィたちを評して、横に立つファラが言う。
その言葉に以前より抱いていた推測が喚起されたので、俎上に上げるべく述べることにした。
「そうだ。ワタシたちオートスコアラーはその言葉の通りなのかもしれない」
「と、いいますと?」
ガリィたちを眺めていた台座下のファラがこちらを仰ぎ見、翠の瞳がこちらを映す。それに頷き返し、述べる。
「扱う元素同士が相反であっても、元素の元である四性質は全てが揃っている」
「四性質――」
インストールされている錬金術の情報を思い起こしたのだろう呟きを、ファラが漏らす。
物質の根源要素、プリマ・マテリア。これに熱・冷、乾・湿の対をなす四性質のうち二つが組み合わさることで四元素は現れる。熱と乾が加われば火、残りの冷と湿が加われば水。熱と湿なら風、残りの冷と乾が加われば地、という具合に。
ゆえに火と水、風と地の相反属性の元素同士の間では、熱・冷、乾・湿の四性質は全て揃っていることになる。
全ての物質は四種の元素の様々な割合の混合で成っている、というのが錬金術の基礎理論の一つである四大元素だが、元素とは実際の物質ではなく物質の状態や様相を示すものであり、物質を支える基盤のようなものを表したにすぎず、四大元素理論の本質は元素を現出させる四性質の方であるとされている。
四性質の相互転換によって四元素を変換させることが出来、ひいてはあらゆる物質を変成させることができるとする物質観が、錬金術の物質理論を下支えしている。
「四性質の観点からすると、全ての性質が揃うことによって調和が取れていると?」
ファラの言葉に頷く。
一は全なり、全は一なり。相反属性を扱う同士が拮抗、反発があるどころか穏やかなのは、元は一なる四性質全てが場に揃って調和しているからに他ならないだろう。
さらに言えば火・水・風・地の四元素の集まりでも熱・冷・乾・湿の四性質が全て揃うことになり、やはり調和は保たれる。
……ガリィのあの性根の腐った性格は、元素や性質の相性とは関係なく人工知能のベースとなったマスターの精神構造に由来するものなのだろうが。
そして。
「ガリィとミカ、ファラとワタシで機体のナリが近いと思わないか?」
「言われればそうですわね。ガリィたちとワタシたちとでは、機体のタイプが違っていますわ」
「マスターはベースが同じ人形の二体に、相反しない組合せの四性質をそれぞれに持たせて司る元素としたのかもしれない」
四性質のうち熱と乾を加えた火元素、残りの冷と湿を加えた水元素を、ヒトの少女に近しいヒトガタ二体に配分してミカとガリィとする。同様に四性質のうち熱と湿を加えた風元素、残りの冷と乾を加えた地元素を、成人女性に近しいヒトガタ二体に配分してファラとレイアとする、という具合に。
「むしろワタシたちは相反元素同士、四性質全て揃えての調和を取るために、二体ずつ対で作られたのではないか?」
想い出採取の能力を削ぎ落とした戦闘特化のミカと、機体に宿した聖杯の能力によって想い出の分配が可能なガリィとが、運用面からして明らかに対として作られているのも無関係と思えない。
採取役と受給役を完全に分けたガリィとミカを鑑みて、ファラとレイアの二体は想い出の自力採取を可能としたバランスを重視した設計にしたのかもしれない。
「有り得そうな話ですわ。本当のところはマスターに尋ねてみなければわかりませんけれど」
「この推測が真なのだとしたら、ガリィたちとワタシたちは互いに扱う元素同士が相反で一見反発するように思えるが、関係はむしろ調和しているのだろう」
四元素は四性質の相互転換によって変換することができると説いたアリストテレスは、プリマ・マテリアと四性質を結びつける第五の元素の存在を提唱した。
別名をエーテルと言い、宇宙空間あるいは天を満たす、万物に介在するその物質があれば四性質の結びつきを自由に操ることができるとされ、中世欧州の錬金術師の中にはそのエーテルをあらゆる物質を変成可能にする賢者の石に他ならないと見る向きもあった。
四性質の組合せからなる四元素を扱う四機のオートスコアラー――ナイトクォーターズと、それを束ねる賢者の石の暗喩でもある金あるいは天の元素を扱うマスターとは、錬金術そのものの体現なのかもしれない。
「なるほど、一理あるかもしれませんわね」
得心がいったような顔でファラが首肯する。推論の提示に区切りが付いたところで、レイアの胸中には別の題目が浮上していた。
「ところでファラ、先程から思うのだが」
こちらを振り仰いだファラに、少し前より抱いていた疑問を口にする。
「何故ワタシの傍へ?」
自分の風元素の台座を降り離れ、こちらの台座の元にやって来たのは何故だったのだろうか。
問いを聞き届けてか、平地にいるときとは身長差が逆転している頭半分ほど低い位置で、ファラの元から細い双眸が更に細められた。
「それは――」
ファラはこちらに向き直ると一層こちらに身を寄せて、黒の長手袋の腕をこちらの首に回し、もう一方の手を肩に添えてきた。
間近の低い位置から顔を覗かれる。硬質に透き通った深い翠の瞳が、近い。と思った矢先。
「こうするためですわ」
首に回された腕にいくばくか引き寄せられる。翠の瞳との間が更に縮まり、やがて見えなくなった。
「……ん、」
唇に齎される柔らかな感触。そのおかげで、唇を重ねられているのだと分かった。
しばらく重ねているだけだったのが、やがてファラは唇を動かし、こちらの唇のおうとつを辿るように触れてきた。
唇をそうして幾度か食んでその後、ファラが顔の角度を僅かに変える。されるがままのこちらの唇と歯列を割って口腔に進み入ってきたのは、ファラの舌だった。
オートスコアラーの口腔の作りは細部は違えどヒトとほぼ同じ。想い出の採取で学習し今では慣れたものだろう所作で、こちらの口腔を探ってくる。
歯の裏や上顎をなぞった後、下顎に落ち着いているこちらの舌を見つけると上面に触れる。撫でるように側面をも舐め、そこまでをすると満足したのか、するりと口腔から退いて唇を解放した。
「……なにをするんだ」
ファラが少々身を離すも、二人の間は未だ腕の届く至近。
予想外の行動に驚くものはあったが行為自体には特に思うところはなく、純粋な疑問でそう問うと、ファラはいつにも増して掴みどころなく、ふふと微笑して言う。
「ワタシたちにもできるのかしらと思ったのですけど、できませんでしたわね?」
翠の瞳が横に流れる。それを追って視線の先へ目をやると、見えるものはガリィとミカの二人だった。
二人はいつの間にか言い合いの口振り手振りを止めてこちらを見ていて、二人ともが呆けたような面持ちなのは、特にガリィの方は目を瞠っているように見えるのは、気のせいだろうか。
目線をファラに戻す。
「ふむ……」
想い出の供給がこちらでもできないものかと試したというわけだったらしい。ガリィが想い出の分配を可能としているのは、自身に備わるマスターから授けられた聖杯の能力を持つため。そのことはファラも承知のはずだった。
だがそれを敢えての試行というならば、このままでは片手落ちだった。結論を下すには、まだ試すべきことがある。
ファラの腕を取って、ソシアルダンスの要領で手の平を握る。その手をこちらの顔横へ引き、深緑色のベストに包まれた腰に腕を回して引き寄せ、開いた二人の間を詰めた。
こちらを見上げるファラの顔が間近に見える。ファラの唇に視線を落とし、そういえば我々は下唇に引かれているルージュが同色なのだったと再認識しながら、さらに顔を寄せて、その唇に唇を重ねた。
唇のおうとつ同士が合わさるよう重ねて、食む。それから顔の角度を少し違えて、先刻ファラから施された所作をこんな風だったと思い起こしながら、唇と歯列を越えて内側へと舌を割り入れた。
進めた先の口腔を、探る。舌先で上顎を舐め、歯の付け根をなぞるをするうち、ファラの舌がこちらに触れてきた。互いに触れ合わせる。そのうちにそれは、舐め合いのようになる。
期待したものは、やってこなかった。もっと深さが必要なのかもしれない。そう思い顔をはすかいに違えて、より深くなるよう腰を抱き寄せて身体と顔を近づける。
ファラもこちらの意図を察してか、肩に添えていた手を首後ろに回し、頭をそっと引き寄せてくる。
舐め合いのような触れ合わせはいつしか絡ませ合うようにまでなって、口腔内で立てられる水音が耳に聞こえるかのようだった。
ヒト相手の想い出の採集とは違い、ファラとのこの行為は何故か、没入させるものを胸中に感じさせていた。
だが現象が起こらないとあっては益体もない。これ以上はいいだろうと舌を退かせようとすると、ファラはそれを察してか、その長めの舌でこちらが出て行く最後まで名残惜しげにこちらに触れ続けていた。
腕の中からするりとファラが出て行く。
「……やはり出来ないようだな」
「そのようですわね」
ファラとの想い出の供給。ファラからの口接けでできなかったそれが、まだ試行していないこちらからの接触ならあるいはと思い試してみたのだが、やはりできなかった。
だというのに、傍らに立つファラは少しも残念そうな顔をしていない。それどころか、ファラの真意が読み取りにくい顔はうっすらと微笑んですらいて、どことなく愉しそうにしているように見えるのは、自分がそうだからだろうか。
唇を離すとき、後ろ髪を引かれるものがこちらにもないではなかったのだった。
それともこれが先に話した、相反属性ながら四性質が全て揃うことによる調和なのだろうか。
ファラとの間に流れる空気が、以前とは少し違うものに感じられる気がした。
この行為が後に、二人のときにさりげに交わす挨拶になるとは、このときは思いもしなかった。
◇
それが始まった時は想像の斜め上の出来事すぎて、呆然とその行為が遂げられるまでを見送るしかできなかった。けれど次が始まったときにはある可能性に思い当たって、ガリィは咄嗟に後ろから腕を回して覆ったのだった。
ミカの目を、こちらの手のひらで。
「ガリィー、なんで目隠し?」
「うっさい。アンタは見るな」
目隠しで済ませてやってるだけありがたく思え。いっその事しばらくの間、氷で固めてしまおうかと考えたくらいだった。
あんな。
あんな深くて濃厚なやつを、覚えられて真似されたら困る。
アコール=accord=調和、和音、合意の意。
レイファラは海外の方がフィストバンプするのと同じような感覚でさらっとさりげなく何気なくちゅーを交わす感じの仲なのではと思い、そういうことをするきっかけになる出来事、馴れ初め的な話をオートスコアラーと様態と四大元素・四性質の関係の考察をこじつけ…もとい踏まえて考えたのがこの話でした。
私はオートスコアラーには恋だの愛だのは無いか事変の段階では基本芽生えてないと考えてる派なのですが、しかしレイファラ/ガリミカは錬金術的な要因で何がしかの意識をうっすら互いに向けてはいるのではないかなあとも考えています。
想い出をやりとりする手段にちゅー(公式用語)を採用したキャロルは罪深い…。