東方古転録(凍結)   作:玖珂凌駕

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十一話 新たな力と出会い

「んっ、此処は何処だ」

俺が目を覚ますと見覚えの無い真っ暗な場所にいた。

場所と言うより空間と言った方が正しいか。

「おっ、やっと目が覚めたか」

俺が周りをキョロキョロしていると突然、後ろからとても聞き覚えのある声がした。

声のした方に振り向くと俺に似た者が立っていた。

「あんた、誰だ」

 

「俺か。俺はお前だ」

俺はその言葉を聞いて、ある程度理解した。

アイツは俺の闇の部分だと………

そして、闇の人格がやる事と言えば定番の体の所有権を奪うことだろうと思い、戦闘体勢を取った。

俺の行動を見たアイツはフッと笑みを浮かべたので、この行動で俺の考えを察したのだろう。

アイツも戦闘体勢を取ると思い、アイツの動きを集中して見ていたが、動く気配がなかった。

そして、今まで黙っていたアイツが話し始めた。

「そんなに警戒すんなって。俺はお前と闘うつもりは無い」

 

「はっぁ!?」

アイツの突然の言葉に驚いたが、闇の俺がこんな事を言うとは思わず変な声が出てしまった。

この言葉を聞き、戦闘体勢は崩したがまだアイツの事は信用出来ないので、警戒は怠らない様にした。

それを見たアイツはやれやれと言ったポーズを取り、話を始めた。

「まぁ、単刀直入に言うと大切な人を作らない方が良いぜ」

アイツは真剣な顔でそう言った。

俺はアイツが何でこんな事を言ってきたのかは大体、分かっているが俺はアイツの言うことは聞けないな。

「嫌だ、と言ったら………」

 

「そうだな」

そう言い終えると同時に、アイツは俺の目の前まで一瞬で移動し、拳を向けてきた。

俺は警戒してたにも関わらず、アイツの動きに反応する事が出来なかった。

せめてダメージを抑えるため、受け身が出来る様にした。

が、アイツの拳は俺の胸の部分を軽く叩いただけだった。

「なら、そいつ等を守るだけの強さを身に付けろよ……………あんな思いは二度としたくないからな」

俺はコイツの行動に戸惑っていたが、この言葉を聞いて完全に理解する事が出来た。

コイツは俺の闇だが、元々は俺の一部だ。

俺の考え、俺の気持ち、感じている事は一緒だ。

ただ、違うとすれば秘めている感情だけだろう。

まぁ、今のコイツは自我が芽生えて俺の考えいる事とは違うだろうがな。

一緒だったらこんな事にはならなかったしな。

そして、奴が俺の顔を見るとニヤリと笑みを浮かべ、後方へと一歩下がった。

「やっと、理解してくれたみたいだな」

 

「あぁ」

コイツは俺に、今のままだと誰も守れない事を伝えようとしていた、だけなんだと………

「んじゃ、後は頼んだぜ。面倒事は任せた」

と良い顔で言ってきた。

俺はそれを聞いて、今までの考えが変わった。

コイツはただ単に、面倒事を押し付けようとしているだけじゃねーか。

何、今までの事は全部、これだけの為にやっていたのか。

俺のシリアス返せよ。

「そうだけど………」

 

「あれ。声に出てた」

 

「ガッツリと出てたぜ」

俺は手で顔を押さえ、頭から湯気が出てきた。

マジで此処に穴があったら入りたい。

「まぁ、勘違い誰にでもあるって」

アイツは今にでも笑いだしそうな顔をして、俺に追い討ちを掛ける様に言ってきた。

「うるせぇ、お前は黙ってろ」

俺はそう言って、ソイツに拳を振り落とした。

だが、アイツは拳を簡単に受け止めた。

「落ち着けって。面倒事を押し付けようとしたのは本当だが、お前の考えいた事は間違いじゃないぜ」

奴はさっきまでのふざけた態度ではなく、真剣な顔で言ってきた。

俺もそれを見て本気だと思い、拳を下ろした。

「なぁ、お前って本当に俺の闇なの」

 

「そうだぜ。ただ、普通とは少し違うかな」

 

「それはどういう事だ?」

 

「それはだな………おっと、そろそろ時間のようだな」

アイツがそう言うと、俺の体が透けてきた。

俺もこの現象を見て、多分現実の俺が目覚めようとしているのだろう。

けど、その前に少し用事を済ませないとな。

そして、俺はアイツの胸の辺りに拳を当てて、能力を発動させた。

「何をしたんだ………!?フッ、成る程な」

アイツは俺の行動に疑問を持っていたが、自分の中のアレを感じたのだろう、納得した顔をしていた。

「あと、これからはお前は白夜だ。名前が一緒だと面倒だからな」

 

「白夜か。良い名前だ」

アイツもとより白夜がそう言うと、体がほとんど透けた状態になっていた。

「んじゃ。頑張れよ、凌駕」

 

「あぁ」

俺がそう返事をするのと同時に姿が消えていき、意識が現実世界へと戻って行くのであった。

 

 

 

 

 

「っん、此処は」

俺は現実世界で目を覚まし、周りを見ると俺が知っている場所にいると思っていたが、全く知らない場所だった。

と思っていたが、よく見ると見覚えのある人工の壁があった。

かなり年月が経っている感じだが………。

取り敢えず、俺はどれだけ寝ていたのか、能力を使ってみた。

「能力発動」

そう口にすると頭の中に数字が浮かんできた。

俺はその数字を見て驚いた。

まさか、約二億年の月日が経っていたとは………。

流石にこれだけ寝ていたら、何かしら体に異常があると思ったが特に何も無く、逆に霊力の量がヤバい事になっていた。

さらに、今まで感じたことの無い力が自分に宿っている事にも気付いた。

取り敢えず、放出されている力を抑え、これからの事を考える事にした。

「まずは、何処か修行出来る場所を探さないとな」

そう言えば、此処には地下施設があったよな。

もしかしたら、使える施設が残っているかもしれないと思い、地下への入り口を探した。

少し時間がかかったが、何とか地下への入り口を見付ける事が出来た。

そして、運の良いことに一つだけ使える施設が残っており、修行にうってつけな施設だった。

一先ず、此処を拠点とする事にした。

「まず、この力が何なのか知っておかないとな」

そして、俺は能力を発動しこの力の正体を知った。

それは魔力であった。

俺はこれを知った時は喜んだが、翌々考えてみるとまだこの時代に魔法は存在しないのでは無いかと………。

再び能力を使い、魔力について知ったが案の定、まだこの世界には存在していなかった。

けど、俺は魔法が使ってみたいので、修行がてら魔法を使える様にする事にした。

流石に人前では使わないが………。

「っつ………少し能力を使い過ぎたらしいな。」

俺の体に少し電気が走る様な痛みがしたが、動けなくなる程では無いので、魔力の使い方を練習する事にした。

「ふぅ~」

さっき能力で得た知識を見ていると、先ずは魔法適正を知る必要があるらしい。

方法は霊力と同じ様なので早速やってみた。「えっと、適正は火、雷、氷に闇か」

属性相性とかは後回しにして、次は魔力を出してみるか。

魔力は自分の体内にあるもので、出したい部位に魔力を集めると出せるみたいだ。

「おっ、出来たな」

そう言うと、手の平に火の魔力が出てきた。

「取り敢えず、前に投げてみるか」

そして、俺は魔力を前に飛ばしたが、少し進んだ後に消えてしまった。

「まぁ、初めてにしたら上出来だろう。一先ずは黒刀流を完成させないとな」

こうして、俺の修行と新たな生活の幕開けとなるのであった。

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