東方古転録(凍結)   作:玖珂凌駕

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十二話 新たな始まり

あれから、何百年の月日がたっただろう。

五百年からは覚えてないな。

まぁ、そんな事はどうでも良いだろう。

今では、あの時よりもかなり強くなった。

そうだな、何故かバーチャルバトルが出来る施設のデータにあったツクヨミと互角に闘えるまでにはなった。

かなりのプロテクトが合ったので実行するのにかなり手間が掛かったが………。

それに実際のツクヨミ自身の実力だったら分からないしな。

それから、霊力は化け物並みに増え、神に匹敵する位になった。

黒刀流も完成させ、雷閃流の方も色々と技を増やしていった。

黒刀流も未々、増えていくだろうな。

それと魔力の方は残念ながら、量を増やす事は出来なかった。

魔力量は自分の精神の器で決まり、それは産まれた時から決まっているらしい。

まぁ、魔法は使えるので別に問題はない。

けど、消費量の多い魔法はあまり使えない事がかなりの痛手だ。

何故なら、魔法を使うにはセンスが必要で、俺には魔法のセンスがあまり無く、今まで試してみたがその通りで、俺が使えたのはレーザー系魔法と憑依魔法(エンチャント)の二つだけだった。

まぁ、何も使えないよりはマシだったが………。

他にも沢山のスキルを身に付ける事が出来た。

一つ例を挙げるなら、覇気だ。

この世には三つの覇気が存在し、一部の者しか修得出来ないものだ。

一つは王道の覇気。この覇気は多の者を自分達の意志で従わせ、あらゆる者を引き寄せる事が出来る覇気で、簡単に言ってしまえばカリスマが高いだけだ。

しかし、その高さが尋常ではなく、敵でも味方にする事が出来る位だ。

二つ目は覇道の覇気。この覇気は恐怖により支配し、あらゆる者を寄せ付けない覇気であり、俺が得た覇気である。

最後に外道の覇気。この覇気は自身の野望の為に他者の人格を壊し、自分の操り人形へと作り替える事が出来る覇気だ。

字のごとく、外れた道だ。

まぁ、ほとんどの奴は王道か覇道の覇気を身に付けるらしいがな。

他にも色々なスキルがあるが、今は別に良いだろう。

そろそろ、出発の時間だ。

「一通りやりたい事は出来たし、久しぶりに外へと行くかな」

それから、数分で身支度を済ました。

今の格好は黒のズボンに無地の白服にフード付の黒いコートを着ている。

髪型は後ろ髪は首元まであり、前髪は左目を隠せるほどある。

後は説明が面倒なので、ご想像に任せるとしようか。

「後は此処を破壊するだけだな」

そうして俺は右手に雷の魔力を集めて、それを装置に向けて放った。

その後、装置は次々とショートし、爆発していった。

ただ、威力が強すぎたのか爆発の衝撃で地下全体が崩れ始めた。

「やっべ」

俺は完全に崩れる前に脱出しようと荷物を持ち、地上に出れる階段に向けて走り出した。

そして、何とか地上へと出る事が出来た。

此処に入る前は綺麗な森だったので、森に出ると思っていたが、予想外な事に真っ暗な場所に出た。

俺は左手に魔力を集め、火の玉を出して辺りを見渡した。

辺りの状態から恐らく、洞窟の中だろう。

多分、俺が地下に隠っている間に地殻変動が起きたのだろう。

まぁ、幸いな事に入口が塞がれてなかっただけマシだったな。

「念のため、此処は塞いでおくか」

俺は右手に魔力を溜め、入口付近の天井に向けて放った。

今度は上手くいき、入口は完全に閉ざされた。

「んじゃ、出口に向かうとするか」

俺は空間に亀裂を開け、荷物をその中にへと入れた。

これは魔法の一種で魔力があれば誰でも使える無属性魔法である。

この魔法は空間を操る魔法だが、これにもセンスが必要なので俺には空間に物をしまっておく位しか使えない。

何処ぞのネコ型ロボットの四〇元ポケットに似ているな。

そして地下への入口から反対方向に歩き始め、出口へと向かっていった。

幸運な事にこの洞窟は分かれ道が無く、此処に住んでいた魔物達は覇気のおかげで襲っては来なかった。

そして、数十分で入口までたどり着いた。

入口から光が見えた辺りで見られると不味い、火の玉を消して洞窟を後にした。

一瞬、日の光りで視界が妨げられたがすぐに視界は戻った。

辺りを見渡して見ると、此処は山の頂上より少し下辺りで梺は森になっており、近くに村が見えた。

「まずはあの村に行ってみるか、瞬迅!」

このスキルは音も無く、高速移動するものだ。

アサシンの隠密行動を高速でやっている方が分かりやすいかな。

そして、山の梺まで数秒足らずでで移動した。

「此処からは少し歩いてみるか」

このまま村まで行っても良いのだが、誰かに見られたら面倒だし、折角の旅だから景色を楽しみたいしな。

それから暫く村のある方向へ歩いていると、何処からか女性の叫び声が聞こえた。

俺はその場に立ち止まり、辺りを見渡すとかなり遠いが魔物に襲われている人を見付けた。

距離は此処からは大体、1㎞位だろうか。

「瞬迅・轟」

俺は普通の瞬迅では間に合わないと思い、1段階ギアを上げた。

この上にも烈と爆があり、轟は3割、烈は5割、爆は8割の力となっている。

参考程度に普通は1割程度の力で使っている。

そして、移動しながら空間を開けて刀を取り出し、抜刀の構えをした。

魔物との距離は数秒で無くなった。

「雷閃流『雷切りー神雷ー』!」

この技は今の所、唯一の抜刀術で本来は敵が領域に来るまでの待ちの技だが猶予が無かったので無理矢理、領域に入れた。

精度は落ちるが、この程度の魔物なら十分だろう。

そして、魔物を斬り抜け刀を鞘に納めた後に魔物はその場に崩れ去っていった。

俺は刀を一度、空間にしまい襲われていた女性に近付いた。

「大丈夫か?(あれ、誰かに似ている様な………)」

そう思いつつ、女性に手を差し伸べた。

彼女はお礼を言いながら、手を掴み立ち上がった。

「本当にありがとうございました。それで貴方は何か能力を持っているのですか」

俺は一目見られただけでバレるとは思わず、少し驚いた。

多分、彼女に嘘を付いてもすぐにバレると思い、正直に答えた。

「まぁ、持っているな」

それを聞いた途端、彼女の目に光が灯っていた。

「もしかして、神様かそれに関わる人ですか」

彼女は何を思って、こんな事を聞いてきたかは分からないが、俺は彼女の問に答えた。

「いや、俺はただの人間だが」

 

「本当ですか!?」

彼女はかなり驚いた様で、物凄い勢いで聞いてきた。

俺はそんなに驚く事か、と思いつつも彼女に返答をした。

「あぁ、本当だ」

 

「私、神様かそれに関わる人以外で能力を持っている人は初めて見ました」

 

「それはどういう事だ?」

彼女は俺の言った事がそんなに変だったのか、不思議そうな顔をしていた。

「そのままの意味ですよ。能力者は神様かそれに関わる人だけですから」

俺はそれを聴いて、今の時代は複数の神が中心として成り立っている、といった仮説にたどり着いた。

まぁ、俺の仮説が合っているとは限らないが、神様関連なのは間違いないだろう。

「でも、もしかしたら他にも要るかもしれませんね」

 

「そうだな。そう言えば、まだ名乗ってなかったな。俺は玖珂 凌駕、旅人だ」

 

「そうでしたね。私は東風谷 水葉、守矢神社の巫女をしています」

俺は彼女の名前を聞いて思い出した。

彼女は東風谷 早苗に似ていたので多分、祖先に当たるんだろう。

もしかしたら、諏訪子や神奈子に会えるかもしれないな。

「それで凌駕さんはこの後、何か予定はありますか」

 

「いや、特に無いが」

 

「それだったら、私達の村に来ませんか。助けて貰ったお礼もしたいですし」

 

「それじゃぁ、お邪魔しようかな」

 

「分かりました。此方ですよ」

俺は水葉の案内のもと、道中雑談をしながら彼女の住んでいる村へと向かっていった。

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