東方古転録(凍結)   作:玖珂凌駕

14 / 17
十三話 敵襲

水葉の案内のもと歩いていると、ものの数分で森を抜ける事が出来た。

辺りを見渡すと前方に村かあることが確認出来た。

そして、村の前へと着くと見張りの二人が声を掛けてきた。

「水葉様、お帰りなさいませ。収穫の方はどうでしたか」

 

「えぇ、バッチリですよ」

 

「それで後ろの男は」

見張りの奴は何気無く聞いていたが、明らかに此方を警戒していた。

俺が答えようとしたが、先に水葉が声を発した。

「この人は私の命の恩人です。なので此処を通しても良いですよね」

 

「そうでしたか。なら、通っても構いませんよ」

 

「有難うございます。凌駕さん、行きますよ」

 

「あぁ」

こうして何も問題なく村の中へと入ることが出来た。

もし、俺一人だったら通れなかったかもしれないな。

それにしても、流石に警戒し過ぎだと思うんだが、何か合ったのか。

「先程はすみません。いつもだったら普通に通して貰えるんですけど」

俺はこの発言でこの村に何かが合った事を確信し、気になったので少し聞いてみる事にした。

「何か合ったのか」

水葉は少し悩んでいたが、暫くして口を開き、話し始めた。

「数日前に大和軍が来て、村を明け渡さなければ戦を仕掛ける、と言ってきて今まさにその最中なのです」

 

「そうだったか」

 

「でも、今の所は特に大きな戦は無いので、暫くは安全ですよ………っとこの階段を上れば守矢神社ですよ」

その階段は俺が転生前の世界でも見た事のない程の長い階段だった。

「長いな」

そう無意識に小さな声で呟くと、それは水葉に聞こえてたらしく話し掛けてきた。

「最初は皆そうですけど、馴れたら何とも思いませんよ」

水葉がそう言い終えると、階段を登り始めた。

俺は小さなため息を吐いて、水葉の後を追うように階段を掛け上がった。

そして数分後に、やっとの思いで階段を登り終えた。

この階段を登りきるのは、流石に足腰に負担が掛かった。

まぁ、対した事ではないがな………。

それから、水葉に案内されるまま神社の中に着いていった。

「此処で少し待っていて下さい」

 

「あぁ」

水葉はそれを聞くと、襖を閉めて違う部屋へと向かっていった。

俺が案内された場所は、この神社の居間らしき所で此処から見える庭は立派とは言えないが、かなり綺麗な所ではあった。

取り敢えず、俺は卓袱台があったのでその近くに座り、部屋の中を見渡していると、暫くして襖が開かれた。

「あんたが水葉を助けてくれた人間かい」

開かれた襖の方を見てみると案の定、そこには守矢 諏訪子がいた。

ただ、俺が知っている服装とは少し違っていた。

「あぁ、そうだが」

 

「水葉が世話になったね。私からも礼を言わせて貰うよ」

 

「別に対した事はしていないさ。それに立ってないで座ったらどうだ」

そうだね、と諏訪子が言うと俺の正面へと座り、水葉はその隣へと座ったら。

それと諏訪子は何故か此方をずっと見ていた。

少しの間沈黙が続いたが、暫くして諏訪子が話し始めた。

「それにしても、あんたからは魔物を倒すだけの霊力を感じないのだけど」

そう言われると、俺は怪しまれても困ると思い、霊力を1割解放した。

それにしても、諏訪子から感じる神力は半端ではないな。

それでも俺の半分位の量しかないがな。

「へぇ、ただの人間にしてはかなりの量だね。でも、力を抑えているなんて珍しいね」

 

「そんなに珍しいのか」

 

「そうだね。今では力を見せ付けている方が多いね」

俺は諏訪子の言葉からこの時代の世界観が大体理解した。

この時代は力こそ全てで、神様を中心に成り立っている事だ。

俺が修行している内にかなり変わったな。

「それより、自己紹介がまだだったね。私は守矢 諏訪子、ここの神様だよ」

 

「俺は玖珂 凌駕、ただの旅人だ。よろしくな、諏訪子」

 

「こちらこそ(あれ、何処かで聞いた事のある名前ような………)」

諏訪子がそう言った直後、庭から一人の村人がかなり慌てた様子でやって来た。

「諏訪子様、水葉様、大変だべ」

 

「どうしたんですか、そんなに慌てて」

 

「大和の奴等がまた来たんだっぺよ」

それを聞いた諏訪子は大きなため息をつき、外へと向かっていった。

その後に続く様に水葉も外へと向かった。

「すまないね、少し野暮用が出来た。凌駕は此処で少し待って居てくれ。絶対に来ては駄目だよ、これはこの村の問題だからね」

そう言い終えると、俺の返事も聞かずに三人は村人を先頭にその場所へと向かっていった。

「来るな、と言われても気になるんだよなぁ………まぁ、様子を見るぐらいなら良いか」

俺は立ち上がり、諏訪子達にバレないように後を着けた、と言っても木の枝に飛び乗りながら向かっているので、バレる筈がないがな。

「よっと」

俺はある程度村を見渡せる木に跳び移り、諏訪子達を探した。

そして、数秒で諏訪子を見付けた。

案の定、敵軍と何か話している様だった。

良く見てみると、敵軍の方に何人か村人が捕らわれていた。

しかも、女・子供を………。

「取り敢えず、会話を聞いてみるか………索敵」

索敵。周囲の地形、生き物、会話等を知ることが出来るスキルだ。

詳しく説明するなら、魔力感知に似たもので霊力でそれを行っているって感じだな。

「えっと、何々?」

 

 

 

 

 

「人質を解放しな」

 

「なら、降伏をするんだな。まぁ、今さら降伏した所で遅いがな。ガハハハッ」

そう敵軍の奴が言うと、周りの奴等も笑い出した。

「この外道が」

 

「おっと、動くんじゃないぜ。コイツ等がどうなっても良いなら構わないけどな」

 

「くっ」

 

 

 

 

 

「成る程な」

此方は人質を取られて手が出せない感じだで、奴等に言いたい放題言われているな。

それにしても………

「奴等のやり方は気に喰わないな」

俺は様子見だけで済まそうとしたが、流石にこれは俺でもカチンと来たので、少し手を貸すことにした。

「瞬迅・烈」

あっという間に俺は敵軍のど真ん中に移動して、地面に手を当てた。

奴等は俺の事には気付いてなさそうだったので、そのまま能力を発動した。

すると、さっきまでそこに居た村人達が一瞬にして諏訪子の後ろへと移動した。

「一体、何が起きて………」

敵軍・諏訪子等は何が起きたのか理解できずに戸惑っていた。

だが、敵は隊長らしき奴が仲間の奴等を落ち着かせ、諏訪子等は取り敢えず、人質が解放された事に安堵の表情をしていた。

此方としてはその方が手間が省けて有り難いがな。

さ~て、反撃開始と行こうか。

 

 

 

 

 

 

 

まぁ、俺がやるわけではないがな。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。