東方古転録(凍結)   作:玖珂凌駕

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初めまして。うp主のバンバンです。
今までの東方古典録を見て頂き有難う御座います。
これからは前書きを少し書いていこうと思います。
取り敢えず、感想やリクエストが有りましたらどんどん、書いて下さい。
それでは、東方古典録 14話をお楽しみ下さい。



十四話 防衛大戦

敵軍は隊長らしき奴からの指示を受け、迅速な行動で弓で矢を放ってきた。

だが、それは諏訪子が地面に手を置くと地面が盛り上がり、矢を通さなかった。

これが諏訪子の能力なのだろう。

多分、地を操る程度の能力に近いものかな。

しかし、敵の攻撃はこれだけでは終わりではなく、盛り上がった地面を越して矢が飛んできた。

流石に、反応が遅れた諏訪子ではその攻撃を防ぐ事は出来ず、水葉も村人を全員守りながら、この量の矢を防ぐのは難しいだろう。

「ったく、しゃーなしだな」

俺はそう呟きながら、刀を取り出し抜刀の構えをした。

「黒刀流『鎌鼬の夜』!」

カチン、と刀を納めたのと同時に矢は粉々に斬られ、その場から落ちていった。

「あんた等、次も同じ様に守れるか分からないから此処から離れとけ」

村人達は俺の言葉を聞くと、すぐさまにその場から離れ出した。

勿論、俺の言った事は嘘だ。

この程度なら、守りきる事は雑作も無いが、二人の事を考えると此処から離れさせた方が良いと判断したからだ。

それを見ていた諏訪子は村人達が離れたのと同時に敵軍へと向かっていった。

「よっ、大丈夫だったか」

俺は諏訪子が動いた後、水葉の元へと向かった。

「何とも無いですよ。でも、何で此処に来たんですか」

水葉は少し怒っている様に見えたが、俺は気にせず話を続けた。

「いやぁ、本当は様子見だけで済まそうとしたんだけど、敵のやり方が気に喰わなくてな。つい、手をな」

少し冗談半分で答えたのが悪かったのか、水葉の機嫌が益々悪くなり、今にも爆発しようとしていた。

ハハッ、ちょっとやり過ぎたかな………。

「はぁ~、もう良いですよ。過ぎた事ですし」

 

「へっ、良いのか」

俺はてっきり怒鳴り散らされると思っていたんだが、水葉は大きなため息を着いてソッポを向いてしまった。

てか、俺の予想は戦闘以外は外れまくりだな。

白夜の時もそうだったし………。

「それに凌駕さんが来てなかったら、危なかったでしたし………」

 

「んッ、何か言ったか」

俺が少し落ち込んでいる時に、水葉が何か言っていたが、俺はその言葉を聞き取れなかった。

「何でも無いですよ!」

何故か、今までで一番の剣幕でそう言われた。

アレ、何かまずった。俺………。

まぁ、茶番は此処までにして(水葉の方はそう思ってはないだろうが………)諏訪子の方へと目を向けた。

諏訪子は特に異常も無く、敵軍を半分近くぶっ飛ばしていた。

流石、神様って言ったところか。

てか、人間相手なのに容赦ねーな。

「んッ、何だアレ?」

まだ距離が合ってハッキリとは分からないが、高速で此方に向かっている事は分かった。

だが、そう思ったのも束の間、段々此方に向かってくるスピードが速くなり、それが槍だと理解した時にはもう遅すぎた。

「諏訪子ッ。今すぐ、そこから離れろッ」

俺は大声で諏訪子にそう言ったが、諏訪子自身も気付くのが遅く、槍の直撃は避ける事が出来なかった。

いや、例え早めに気付いたとしてもその場を動かなかっただろう。

この村への被害を抑えるために………。

諏訪子はその槍をギリギリで受け止め、少し後ろへと押されたが、何とかそれを上空へと軌道を変えた。

しかし、諏訪子は怪我を負い、かなり消耗している様に見えた。

だが、これだけでは終わる事はなく、何者かがその槍を空中で受け止め、諏訪子に向かって攻撃をしようとしていた。

「間に合うか。瞬迅・烈」

俺は今の諏訪子ではあの攻撃を防ぐ事は出来ないと思い、諏訪子を守るために動き出した。

ガキンッ、と槍と刀がぶつかり合い、俺は敵の攻撃を弾き飛ばした。

「ふぅ、何とか間に合ったな」

 

「ほぅ、ただの人間が我の攻撃を弾くとはな」

 

「一つ聞きたいんだか、コイツ等はお前の仲間じゃないのか」

諏訪子に槍で攻撃をしていた時、残りのほとんどの敵が巻き添えを喰らっていた。

「奴等は俺の駒だ。奴等がどうなろうと知ったことか。それに我の為に死ねるなら本望だろう」

 

「てめぇ、人の命を何だと思てやがる!」

流石に、奴の言動にカチンときた。

俺は1割ほどの霊力を解放し、奴に向かってそう言い放った。

「ほう、唯の人間がこれ程の霊力を持っているとはな。だが、我の前ではちっぽけなものよ」

奴がそう言うと、俺の1割の3倍の霊力を出した。

流石は一応、神だな。

少なくとも諏訪子よりは、強いだろう。

「駄目だよ、凌駕。あんたでも奴には勝てないよ」

諏訪子は俺の服の裾を掴み、そう言った。

横目で諏訪子の顔を見てみると、かなり不安な顔をしていた。

これはガチで止めようとしてるな。

「心配すんなって、すぐに終わらせるしな」

俺はそう言いつつ、諏訪子の頭に手をのせた。

諏訪子の方はまだ何か言っていた様だが、言い切る前に俺の能力を使って諏訪子を水葉のもとへと移動させた。

さてと、此処からは俺の独壇場だ。

「意外だな。てっきり、容赦なく攻撃をすると思ってたんだが」

 

「少しお前に興味が湧いただけだ。すぐに終わらせるがな」

そして、奴は槍を構えて鴉の様な黒い翼を広げ、戦闘体制へと入った。

此方も刀を抜き、刃先を奴へと向けた。

じゃぁ、あの人の言葉を借りて戦の幕開けとするとしよう。

「さぁ、あんたの罪を数えろ」

 

「我に罪なんてないわぁッ」

奴はそう言うと、バカ正直に真正面から突っ込んできた。

この時代の一騎討ちは戦略や様子見無しでやるのか、と思いつつもまだ始まったばかりなので決めつけるのは良くないと思い、奴の実力をはかる事にした。

「まぁ、これで良いか。雷閃流特式『雷斬りー雷閃ー』!」

俺は2発の霊力の斬擊を奴に向かって放った。

だが、槍を回し八の字に動かす事で、俺の攻撃を防いだ。

更に此方に向かうスピードが速くなり、一瞬にして俺の目の前までたどり着いた。

「さっきのお返しだ。連雅槍!」

奴は連続の突きをしてきたが、俺は避けたり受け流したりして攻撃を防いでいた。

この程度のスピードなら、片手で余裕だな。

「さっきまでの威勢はどうした。手も足も出ないのか」

そう言いつつ、奴は攻撃のスピードを速くした。

それでも、奴の攻撃は俺には届かなかった。

てか、さっきの台詞以前にも聴いた事があるような………。

まぁ、昔の事だし別に良いか。

「そうだな……………雷閃流『雷斬りー流電ー』」

俺は奴の攻撃を受け流し反撃をしたが、ギリギリで避けられた。

しかし、俺はこの隙に回し蹴りをした。

が、これもギリギリで避けられ、距離を取られた。

「弱すぎてあくびが出るな」

 

「人間ごときが我を愚弄するか。なら、我の本気の一撃を見せてやるわ」

奴がそう言うと、神力を解放し槍にそれを込め始めた。

神力は今までの2倍となり、辺りが揺れ始めた。

そして、奴は準備が出来た様で此方に向けて槍を構えていた。

「これは天罰だ。神霊槍!」

そう言うと、槍を此方に向けて投げてきた。

それは物凄いスピードで此方に向かっており、相殺しても此処等一帯、ただでは済まないだろうな。

等と考えていたら、諏訪子が何か叫んでいた様だったが、上手く聞き取れなかった。

まぁ、今さら何を言われても止めないがな。

「ったく、仕方無いな」

俺は一度刀を鞘に戻し、槍の接近を待っていた。

そして、直撃寸前で槍を避け持ち手を掴み、右足を軸にしてその場で回転をし、力を込めて奴へと投げ返した。

「ガハッ」

槍は奴の体をいとも簡単に貫き、その場で倒れた。

あっさり喰らったけど、多分あの技の後は硬直状態があったのだろう。

俺は奴の元へと行き、首元に刀を当てた。

「たかが人間に殺られるとはな。だが我々、神は信仰が有る限り不死身だ。この屈辱は忘れんぞ」

 

「それは良いこと聴いたな」

俺は一度、大きく深呼吸をして能力を発動された。

内容は勿論、『神殺しを可能に』だ。

「じゃあな、もう二度と会わないだろうがな」

俺はそう言い終えると、奴の首をはね飛ばした。

酷い断末魔と共に虚空の彼方に消えていった。

そして、一度刀を振り鞘への納めた。

「くっ」

かなり酷い目眩がし、身体中が悲鳴を上げているのが分かった。

これは暫くの間、能力は使えないな。

「取り敢えず、諏訪子達の所へ向かうか」

そして、俺は村の前にいる諏訪子と水葉の元へと歩いていった。

 

 

 

 

 

「何が起きて………」

さっきまで凌駕の後ろにいたはずが、突然水葉の所に移動していた。

「諏訪子様、どうして此処に」

水葉も驚いている様だったが、それよりも凌駕を止めないと………。

いくら人間離れした霊力を持っていても、人が神に勝てるわけがない。

「つッ!?」

 

「諏訪子様、動いては駄目ですよ。傷が深いんですから」

 

「でも、凌駕が………」

 

「分かってます。ただ、諏訪子様の傷を治すのが先です」

そう言うと水葉は回復の結界を張った。

すると、傷がみるみる内に塞がっていった。

流石に深い傷が治るのは少し時間が掛かった。

暫くすると、凌駕がいた方から物凄い神力が感じ取れた。

私はすぐ様に凌駕の元へと走り出していた。

「諏訪子様、待ってください」

水葉がそう言っていたが、足を止めず走った。

その場に着くと、敵はもう攻撃を放とうとしていた。

「凌駕ッ、逃げてーッ」

私は思いっきり声を上げたが、凌駕は此方の声には気付かなかった。

そして、敵の攻撃が凌駕に向けて放たれた。

私はもう駄目だと思い、その場に崩れ落ち涙を流していた。

しかし、予想外な事に凌駕はあの攻撃を素手で投げ返していた。

「えっ………」

この時、私はふと思い出した。

何故、名前を聞いた時に思い出さなかったのか、その時の自分を殴りたい。

かつて、人々が月への移住を試みた時、大勢の妖怪が攻めてきた。

しかし、この時に三人の英雄が妖怪の進行を止めた。

そして、英雄の二人を月に向かわせる為、命を引き換えに最後まで戦っていた月の英雄、名は玖珂 凌駕。

「もう、諏訪子様。まだ傷が完全に癒えてないのに動かないで下さい………えっ」

水葉が驚くのも無理はない。

なんせ、普通の人間が神を圧倒しているのだから。

そして、凌駕は敵の首をはねてソイツの体は霧みたいに消えていった。

それから、凌駕は刀を鞘に納め、此方に向かって歩いてきた。

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