「もう朝か」
俺は布団から立ち上がり、伸びをして体を伸ばした。
そう言えば、昨日は大変だったな。
料理を作っただけで依姫に驚かれたり、永琳にお酒を飲まされそうになったり………
てか、この家には料理が出来る奴はいるのか。
普通は最低限の料理ぐらい出来るだろ。
まぁ、この話はまた今度にしよう。
依姫を待たせるわけにはいかないからな。
そして、俺は刀を持って、部屋を後にした。
「凌駕さん、おはようございます」
「おはよう、依姫」
「では、行きましょうか」
「そうだな」
そして、俺達は近くの広場に行き、修行を始めようとした。
「先ずは雷閃流の特徴を教えてくれますか」
「簡潔に言うと『雷』だな」
それから、俺は雷閃流の流儀の事を話した。
この流儀は雷の様に速く、破壊力がメインだけど、バリエーションが少なく臨機応変に戦う事がまだ出来ない。
また、型もまだ不安定で隙が多い。
「大体は分かりました」
それから、依姫は少し黙り込み、数秒たった後に口を開いた。
「取り敢えず、地盤を完璧にしましょう」
「分かった。少し試したい事もあるからな」
そうして、お互い鞘から刀を抜き、構えた。
「あ~、負けた負けた」
俺はその場に大の字の様に横になった。
あれから、依姫と一時間位戦ったが、一勝も出来ず完敗だった。
俺は力の差があるとは感じていたが、此処まで差があるとは正直思ってもなかった。
「でも、少しずつ動きにキレが出て、技も幾つか形になっていたと思うよ」
「そう言ってくれると嬉しいな」
依姫が手を出してきたので、俺はそれを掴んで立ち上がった。
そして、両手を組み少し伸びをしてこれからの課題を頭にまとめた。
「取り敢えず、朝食を食べに戻るか」
「そうですね。私も少しお腹が空きました」
俺達は少し雑談をしながら帰路を歩き始めた。
この時に依姫からアドバイスを聞いたりして、幾つか試したい技を思い着いたので、次の時に試してみようと思った。
あれから、三年の月日が経ち俺は今、白い部屋の中に居る。
「もう三年か。時間が経つのは速いもんだな」
俺はこの三年間でかなり実力がついた。
雷閃流が完成し、今では依姫と互角に戦える様になり、霊力もかなり上がった。
けど、依姫達は俺の霊力は人並みだと隠している。
それと翼が能力を持っている事を知った時は驚いた。
たしか、『強化する程度の能力』だ。
勿論、俺の能力については誰にも話してはなく、今まで一度も使った事もない。
そして、この部屋は訓練に使う場所で、防音対策がされているので、中の音が漏れる事はない。
「んじゃ、そろそろ始めるか」
俺は少し深呼吸して、次の台詞を述べた。
「能力発動。不老不死になる事を可能に」
そう言った瞬間、今までに味わった事も無い激痛が走った。
例えるなら、全身の筋がズタズタにされている感じた。
そして、俺は痛みに耐えれなかったのか、視界がブラックアウトした。
「んっ、ここは」
俺が目を覚ますと見知った天井が目に写り、近くには永琳と依姫が居た。
「凌駕さん!目が覚めたんですね」
依姫は今にも泣き出しそうな表情で言ってきた。
「悪い。心配をかけたな」
「本当よ。それできちんと説明をしてくれるかしら」
永琳がそう言ってきたので、あの部屋で合った事を話した。
勿論、嘘の事を………
「ってな訳だ」
二人は俺の話を聞いたら、呆れた様な表情をしていた。
それもそうか、難易度マックスの訓練を一人でやったと言ったからな………全て嘘だけど。
「はぁ。凌駕さん、貴方って人は」
依姫はため息をし、その場に立ち上がった。
「そろそろ、時間なので行きますね。後は頼みます」
「えぇ」
依姫はこの部屋から出ていき、少しの沈黙が続いたが永琳が話し始めた。
「それで、本当はどんな無茶をしたのかしら」
俺はそれを聞いたとたん、やっぱり永琳には隠し事は出来ないなと心の中で思った。
「本当は俺の能力のリスクのせいなんだ」
「えっ、能力!?」
永琳は俺の言った事にかなり驚いていたが、すぐに気持ちを落ち着かせ、話し始めた。
「どんな能力なのかしら」
「不可能を可能にする程度の能力で、リスクは難題により負荷がかかる事だ」
「成る程ね。つまり、そのリスクのせいで倒れたって事ね」
「そうなるな。正直、ここまでとは思って無かったよ」
それから、永琳に色々と聞かれたので答えれる範囲で答えた。
それと、永琳からも話があると言ったので、その話を聞いた。
内容はあと数年で月に行くから、一緒に行かないかとの誘いだったが、俺はそれを断った。
永琳も理由までは聞いては来なかったが、少し悲しい顔をしていた。
「分かったわ。それじゃ、ゆっくり休むのよ」
「あぁ」
永琳が部屋から出ていったのを見たあと、俺は再び眠りについた。