東方古転録(凍結)   作:玖珂凌駕

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七話 終わろうとする日常

 

あれから3日が経ち、俺はようやく永琳からの許可が出たので、依姫と一緒に軍事広場に向かっていた。

道中は依姫と他愛も無い話をした。

目的地に着くと翼が此方に気付いたらしく、此方に走ってきた。

「三日ぶりだな、凌駕。話は依姫から聞いたぜ。随分と無茶をしたらしいな」

 

「まぁ、な」

 

「そうだ。久し振りに手合わせをしようぜ」

 

「後で相手になるよ」

それから、いつも通りにウォーミングアップをして、約束通り翼と手合わせを始めようとした。

「病み上がりだとしても容赦はしないぜ」

そう言うと左足を半歩後ろに下げ、拳を構えた。

「あれぐらい何でも無いさ。だから全力で掛かってこいよ」

そう言って俺は刀を構えた。

初めに動いたのは翼で此方に向かって跳んで、拳を振り下げた。

俺は後ろに跳躍をして翼の攻撃を避けた。

翼の拳は俺が居た場所に大きな窪みが出来ていた。

まともに受けたら、一溜まりもないだろな。

しかし、翼の攻撃はこれだけでは終わらず、此方にまた跳躍をしてきた。

さっきより速いスピードで………

俺はさっきの様に避けようとしたが、翼も読んでいた様で一撃ではなく、連撃をくり出した。

だが、これは予想の範中だったので苦なく、捌くことが出きるが、このままだとじり貧になると思い反撃をしようとした。

が、翼はこれを待っていたかの様に攻撃のスピードを上げた。

俺は不意を突かれた攻撃だったので、避ける事が出来なかったが、刀を盾にし、何とか直撃は免れたが勢いは殺せず、そのまま後ろに飛ばされた。

「くっ」

俺は空中で体勢を立て直し、追撃をケアする行動をしたが、翼は空中ではなく着地と同時に攻撃をした。

「これでも喰らいやがれ!烈火掌」

俺は自然に笑みを溢した。

やっぱ、こうじゃないと面白くないよな。

「雷閃流『雷斬りー流電ー』!」

この技は相手の攻撃を受け流しながら反撃をする技だ。

「おっと」

翼は紙一重でかわしたが、少し体勢が崩れたので、俺はそこを狙って翼の鳩尾に蹴りをいれた。

「ぐっ」

翼は後方に飛んでいったが、何事も無かった様に体勢を整えた。

多分、能力で自分の防御力を上げ、俺に蹴られる寸前に後方に跳んで衝撃を抑えたのだろう。

あの一瞬でやり遂げるとは、やっぱり翼は強いなと思うのだった。

「やっぱり強いな、凌駕」

 

「俺なんて未々さ。んじゃ、今度は此方から行くぜ」

俺はそう言うと、腰を落とし刀を持っている右手を左腕辺りで構えた。

「雷閃流『雷斬り………」

俺は普通目では追うことが出来ないスピードで翼の目の前まで跳んだ。

「………ー雷光ー』!」

俺は構えていた刀を横一線に振り斬った。

だが、翼には簡単に避けられてしまった。

しかし、此処までは俺の読み通りに事が進んでいた。

「雷閃流『雷斬りー雷牙ー』!」

刀を振り斬った勢いを利用し、その場で回転をして左上から斬り降ろした。

「ちっ、俊足術」

俊足術。数秒間、音速に近いスピードを出すことが出来るが効果が切れたとき、一瞬隙が出来る。

俺はそこを狙い、技を放った。

「雷閃流『雷斬りー稲妻ー』!」

この技は高速でステップをし、相手を斬り抜ける技だ。

だが、今回は模擬戦なので寸土目をした。

「降参だ」

翼はそう言うとその場に倒れ込んだ。

「今回は俺の勝ちだな」

 

「そう言えば、永琳さんからあの話を聞いたか」

 

「月移住計画の事か」

 

「そうか」

俺はこの時、あの事を言うかどうか迷ったが翼には、言っておこうと思った。

「実は翼に言っておきたい事があるんだ」

 

「んっ?なんだ」

翼はその場から起き上がり、不思議そうな顔をしていた。

「俺は一緒に月には行かない事にした」

これを聞いた翼は瞳孔が限界まで開き、驚きの顔を隠す事は出来てはいなかった。

それから、気持ちを落ち着かせる為か深呼吸をした。

「色々と聞きたい事はあるが凌駕がそう決めたなら止めはしないぜ」

 

「翼ならそう言うと思ったよ」

実際はかなり追求されると思った事は黙っておこう。

「残りの時間もよろしく頼むぜ」

翼はそう言うと同時に拳を此方に向けてきた。

俺はそれを見て少し笑みを溢し、翼の拳に俺の拳を合わせた。

「あぁ、言われるまでも無いさ」

それから、俺は翼に依姫にはこの事は内緒にしてほしいと頼んだ。

流石に理由を聞かれたが、それを答えると翼は迷うことなく了承してくれた。

それからは翼と少し雑談をしていた。

「そろそろ昼食でも食べに行くか」

 

「そうだな」

俺達はその場をあとにし、食堂へと向かった。

 

 

 

そして、数年の月日が過ぎていった。

この数年間では沢山の思い出を作ることが出来た。

ドラゴンみたいな奴の討伐や妖怪の襲撃など、大変だった事も合ったが、それ以上に楽しかった事も合った。

しかし、当たり前だった日常も終わりを告げようとしていた。

今日は計画実行の当日なのだから………

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