神様に出会い転生させて貰ったある男、その男が転生した先とは……

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失踪してませんからね!?(誰に言ってんだ)
はいと言うわけで。はじめましてorお久しぶりです、うぷ主のシャールです。
今回の話はみなさんが一度は見たことがあるであろう「ある動物」が主人公です。
見たことない人は一体どこに住んでるのか非常に気になるのでコメントください(笑)
今回も一話のみ(続編なし)となっています

ではでは、この作品があなたに楽しんでもらえますように……




転生したら強くてハーレムになると思っていた時期もありました

さて諸君、転生と聞いたら何を思い浮かべるだろうか。

 

異世界に飛ばされ、固有のスキルやチート能力を使って『俺TUEEEEEE!!』をする。

 

なんだかよくわからないけど女の子を助けて、次第にそれがハーレムになっていく。

 

そんな展開が最近の主流だろう。面白いかどうかはさておいて、だ。

 

 

 

さて、かく言う俺もつい先ほど神様に出会い『転生』させてもらった。

正直な話、俺も心のどこかで期待していた。俺TUEEEEEEではないにしても、異世界なんかに行けちゃったりするんじゃないかと思ってた。

だが転生した俺が最初に見たもの、それは─────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(まさか、またしても現代日本の都会で暮らすことになるとはなぁ)

 

俺は心の中で何度目ともしれないため息をつく。

そう、俺は転生した結果またしても大都会東京へと戻されたのだった。

 

……それも人間ではなく ”カラスになって“ というおまけ付きで。

 

 

 

正直目が覚めた時は死ぬほどビビった、なにせ自分よりもはるかに大きなカラスが自分のことを見つめていたのだから。

そして驚きのあまり叫び声を出し、鳴き声を聞いた瞬間。自分もカラスになったのだと悟った。

と同時に転生させた神にむかってありったけの声で叫んでしまった。

 

─────────あんの、クソッタレがああぁぁぁぁぁぁ!!

 

親カラスは驚いたような顔で俺のことを見たあと、黙ってエサを多めにくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

それから時は過ぎ、俺は親元を離れ今は立派に一人立ちをしている。

他の子ガラスも立派に成長して今は別々に暮らしている。……といっても三匹中二匹はすでに死んだのだが。確か事故と駆除だったか、自分も同じ道を歩まないように注意しようと思った気がする。

食事なんかはゴミ捨て場を漁るのが日常だ、不思議と嫌悪感がないあたり感覚もかなりカラス寄りになっているらしい。

……素直に喜べないあたり、まだ人間の感性も残っているようだが

 

(さて、今日の夕飯も食いきったし。さっさと寝床に戻ろうかね)

 

ゴミ捨て場での夕食を終えた俺は、黒い翼をはためかせ大空へと飛び立つ。初めて飛べた時は感動したものだ。

住宅立ち並ぶ街並みを眼下にのんびりと夕焼けの中を飛んでいく。

 

(んん? あれは…)

 

俺は下に広がる住宅街から異変を目ざとく見つける。ちなみに俺はそれなりに目と耳がいい。

そこそこの高さを飛んでいても地面の様子なんかははっきり見えるし、音も聞こえなくはない。

これが神様からのせめてもの贈り物なのだとしたら、俺はあいつを満面の笑みでフルボッコにする自信がある。

 

(おっと、そんなこと考えてる場合じゃなかったな。あれ…どう見ても誘拐されかけてるよな)

 

ちょうど俺の前方斜め下、路地裏に小学校低学年ぐらいの男の子が引き摺り込まれている。

驚くことに誘拐犯は三十過ぎの女。人の時代も含めればそこそこ生きているが、あれが世に言う

ショタコンというやつなのだろうか?

男なんだからもう少し頑張れよ、と言いたくなってしまうが。いかんせん体格に違いがありすぎる、男の子は抵抗むなしくズルズルと引っ張られている。

 

…普通は女の子がさらわれて、そこを助けることでなんかいい感じに進むもんだが。つくづく神は

俺にいい展開を用意したくないらしい。

 

(……さて、別に助けてやる義理はないんだが。どうしたもんかね)

 

現在進行形で攫われている少年を視界の端に収めながら、俺はのんびりと滞空する。

正直なところめんどくさい、おまけにこの体では助けたってお礼も言われないだろう。

見返りもないのに助けに入るほど俺はお人好しではない。……お人好しではない、が。

 

(ただ見て見ぬ振りするってのも、胸糞悪いんだよな)

 

結論は出た。

俺は滞空から急降下のために姿勢を変え、一気に目的地へと落下に近い形で落ちていく。

ある程度近づいたところで羽をはばたかせ減速、バッサバッサと大きな音を鳴らして近づく。

そこで女も気づいたらしい。ハッとした表情でこちらを見上げ、驚いた表情で固まる。

 

「クァー! クァー!」

 

威嚇の意味も込めてでかい鳴き声をあげつつ、女の周りを飛び回り軽く手の甲に爪で傷をつける。流石に顔に傷をつける気はないので出来るだけ注意して威嚇を続ける。

 

「ちょっ、なんなのよこのカラス!!」

 

女もやられっぱなしというわけではなく、手をブンブンと振り回して俺を追い払おうとしてくる。そこらへんのカラスだったらそれでもいいかもしれないが、あいにく俺は普通じゃない。

離れることなくしつこく飛び回り、手や腕の傷が目立ち始めた頃。

 

「ああもうっ、 私があんたに何したってのよ! あと少しでマサル君との楽しい生活ができたはずなのに!!」

 

女はそういうと諦めたのか男の子の手を離し走って逃げていった。

 

(ったく、やっとどっか行ったのか。結構あの飛び方疲れんだから諦めんならもっと早くしろってんだ)

 

俺は近くの塀におりるとクチバシを使って羽を整える。

満足いく出来になったことを確認してから、そういえばあの男の子はどこにいったんだ?

と思い出し。下を見てみれば真下から俺のことをキラキラした目で見ていた。

 

(な、なんだ? 別にカラスなんて珍しくないだろ。なんでそんなに見てくるんだ)

 

俺が思わずたじろいでいると男の子は口を開き

 

「あ、あの。助けてくれてありがとう!」

 

そう言うとポッケから袋に入った飴玉を取り出し、俺にズイッと差し出してくる。

 

「お礼にこれあげる」

(いや、せめて袋から出せよ。どうやって開けろってんだ)

 

俺の心の声が通じたのか、それとも飴を見つめて動かない俺を見て気がついたのか。

男の子は「あっ」と口にしてから袋を開け、今度は飴を手のひらに乗せて差し出してくる。

 

(うん、まあ。こんなん飲み込んだら詰まって死ぬから食えないんだけど。せっかくだし貰ってやるか、砕けば食えなくないだろうし)

 

適当な考えのまま俺は飴玉をクチバシで器用に咥えると、翼を広げて空に飛び立つ。

 

「あっ、バイバイ! 飴大事に食べてね! それから、助けてくれてありがとう!」

 

視界の端で大きく手を振る少年。

俺はクチバシに飴を咥えているため、どう返事をしたものか一瞬悩んだ末に、大きく三回旋回をしてその場を離れた。

 

(ハア、まったく要らん寄り道しちまったな)

 

心の中で悪態をつきつつ、さっきよりもいくらか日が落ちた空をゆっくりと進んでいく。

 

(……まあでも、感謝されるってのは。悪い気分じゃねえな)

 

さっきよりも羽が軽く感じるのは、きっと勘違いではないだろう。

俺は少しばかり浮いた心で自分の住処を目指すのだった。

 

 

 

 

 




ここまで読んでくれたあなたに最大級の感謝を!

まだ他の作品を読まれてない方は是非読んでくれると嬉しいです! そしてついでに感想と評価をくれると小躍りして喜びますのでぜひぜひ。
それでは、またどこか別の作品でお会いしましょう……

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