一色、スクールアイドル始めるってよ。   作:ぶーちゃん☆

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今回、ついに俺ガイル以外のキャラを初筆下ろしです!(白目)





小さくて大きな1への一歩。

 

 

「あっつーい! もう無理よ! 毎日毎日あんなトコで練習してたら私の漆黒の翼が日焼けしちゃうじゃない!」

 

「善子ちゃん、漆黒だったら日焼けしても目立たないから大丈夫ずらよ?」

 

「うるさいズラ丸! あとヨハネよ!」

 

「……あはは。それにしてもやっぱりこの時期野外での練習はさすがに堪えるわよね……」

 

「梨子ちゃん髪までびっちょりだもんねー。あ、そだ! 今度から曜ちゃんのコネでプールで練習しようよ!」

 

「……ち、千歌ちゃんさすがにそれは無理だよー」

 

 

 ここは沼津市内浦にある、総生徒数百人にも満たない小さな小さな浦の星女学院。私 高海千歌はこの学院に通う高校二年生。

 そして私達Aqoursは、そんな田舎の小さな女子校で一生懸命スクールアイドルやってます!

 

 

 汗でぐっちょり濡れた練習着を肌にぴっとり張り付かせ、いつものように練習を終えた私達はぞろぞろと体育館脇の部室へ向かう。

 善子ちゃんも梨子ちゃんも言ってたけど、さすがにあの灼熱の青空の下でのダンス練習は、いい加減かなりくるものがある。あー、早くアイス食べたいよぉ!

 

「あれ? そういえばお姉ちゃんと鞠莉さん、今日はまだ練習来てないよね……?」

 

「あ、そういえば!」

 

 あまりの暑さにボーッとしててすっかり忘れてた! そういえば今日はまだあの二人に会ってない。ルビィちゃんが言ってくれなかったら気付かないまま帰宅するトコだったよ。あはは……

 

「あー、なんかダイヤ宛てに他校からメールが届いたみたいでさぁ、その件について鞠莉と二人で精査してから向こうと連絡しあうとか言ってたよ〜?」

 

「へぇ、そーなんだぁ」

 

 果南ちゃんの言葉で納得する私。どんなメールが来たのかは知らないけど、やっぱり生徒会長と理事長って大変なんだなぁ。

 そんな業務をこなしながら私達と一緒にスクールアイドルしてるなんて、ホント頭が上がらないよ。

 

「リトルデーモンの分際で、私が天上より降り注ぐ灼熱の業火に焼かれている間クーラーの効いた生徒会室でパソコン弄って遊んでるなんて生意気ね」

 

「善子ちゃんの黒魔術遊びの配信と違って、ダイヤさん達はお仕事だから大変なのよ?」

 

「黙りなさいリトルデーモン! 私の占いは遊びじゃないんだからね! あとヨハネ〜!」

 

 と、こんな風にいつもと変わらない梨子ちゃんと善子ちゃんの堕天漫才を苦笑いを浮かべながら聞いている内に、私達は何時の間にやら部室に到着。すると──

 

「あ、お姉ちゃん!」

 

 ルビィちゃんがトコトコと駆け寄るそこには、本日まだ練習に参加出来ていなかったダイヤさんと鞠莉ちゃんの姿が。

 

「あら、みなさんお疲れさま」

 

「お疲れさまデース!」

 

 先ほど果南ちゃんが言っていた他校とのやり取りというのは、どうやらもう終わっていたようだ。

 でもつい今さっき終わったばかりなのか、二人は練習着には着替えず、制服のまま私達の帰りを待ってたみたい。

 

「あれ? もう居るって事は、さっき言ってた例の話はもう決まったの?」

 

「ええ。殊の外スムーズに話がまとまりまして、それを今から皆さんに発表するところですわ?」

 

 今のやり取りで、実は果南ちゃんは例の話ってのの中身を全部聞いてるって事が分かった。知ってるならなんでさっき言わなかったんだろ?

 ──とまぁそれはポイッと置いといてぇ……

 

「え? 発表ってどういうことですか? どっかの学校との行事とかかなー? とか思ってたけど、もしかしてスクールアイドル関連の話とか!?」

 

 そう。私はてっきり学校関連での連絡だとばかり思ってた。みんなそう思ってたんじゃないかな。

 もしもそれが統廃合の話だったらやだけど。

 

「ええ。そういう事ですわ」

 

「フッフッフ、みんな驚かずに聞くのデース」

 

 すると、なんとも楽しげな二人──、いや、果南ちゃんも入れて三人だよね。そんな三人の様子に統廃合の話じゃないんだとホッと胸を撫で下ろしつつも、何事かと三人の様子をじっと見つめている私達に向かって、ダイヤさんの口から思いもよらない発言が飛び出てくるのだった。

 

「この度わたくし達Aqoursは、他校から取材を受ける事になりました!」

 

「「「「「「……え、えぇぇえぇぇえ!?」」」」」」

 

 

× × ×

 

 

 ダイヤさんと鞠莉ちゃんの話では、どうやら千葉にある総武高校という学校から取材のオファーを受けたらしい。

 なんでも、スクールアイドルに興味があって自分達も始めてみたいんだけど、現在グループ結成の前段階なんだそう。で、いざ登録とか活動を始める前に、一度本物のスクールアイドルを見てみたい、話を聞いてみたい、との事らしい。

 そこで白羽の矢が立ったのが我らがAqours! まだ初心者マークさえも付けてない自分達だから、まずはつい最近結成したばかりであり、さらにその新人グループの中でも期待の新星と噂されているらしい私達を参考にしてみたいんだって! いやぁ、期待の新星だなんて照れちゃうなぁ!

 

「それにしても、なんでまた千葉からなんですか……? 千葉にだって有力なグループは沢山あるだろうし、隣は東京でしょ? わざわざこんなに遠くに来なくたって、近くにいくらでもスクールアイドルやってる学校くらいあるんじゃ……?」

 

 突然の誉め言葉に照れていた私をよそに、そんな疑問を投げ掛けるのは幼なじみの曜ちゃん。

 初めの内は「見たことない学校の制服が見られる!」とか言って目をキラキラさせてたんだけど、どうやら制服に対する興味よりもなぜ千葉? という疑問の方が大きくなっちゃったみたい。

 

「わたくし達も最初はなぜ? と思ったのですけれど、その連絡を下さったのが総武高校の生徒会長でしたの。そしてどうやらその方がAqoursを調べている内にわたくしも生徒会長という所に興味を持ったらしく、生徒会同士の交流も兼ねて是非に、との事ですわ」

 

「あ、なるほどー」

 

 ダイヤさんからの返答を受けて、うんうん頷き納得する曜ちゃん。疑問が解けたら解けたで、千葉の総武高校か〜。どんな制服なのかちょっと検索してみようかな〜! なんて、またもやまだ見ぬ制服に夢を抱きはじめちゃったよ。

 

「とにもかくにもわざわざ千葉の学校からスクゥーアイドゥのいろはを教わりたいと言ってきてるんだもの。上手くスックーゥアイドゥになれたら総武高校のホゥムペェジでAqoursの事も取り上げてくれるようだしね。これは関東に浦の星女学院の名を広めるCHANCEよ♪」

 

 へー! すっごい! 他校のホームページで取り上げてもらえるなんて、なんか凄くない!?

 鞠莉ちゃんの言うことももっともだ! いくら期待の新星とか言われてるとはいえ、私達はまだ九人になって走りはじめたばかり。こうして少しずつ注目されてって、目標の為にも浦の星も認知度を上げてかなきゃだよねっ!

 

「うーん、……でも」

 

 しかしここでリアリストな梨子ちゃんが、私達のそんな仄かな希望に水を差すような現実問題を持ち上げてしまうのだ。

 

「正直な話、千葉の高校のホームページに載ったからって、それが浦の星の話題に繋がるのかしら……」

 

 もー、梨子ちゃんてばそこは素直に盛り上がろうよぉ!

 ……まぁ言われてみると、確かにあんまり現実的じゃない気がしないでもないけど。だって静岡から遠く離れた千葉の中学生がそれを観たって、よし! 進学先は内浦の浦の星女学院にしよう! なんて、思うわけないよねー……

 

 

 

 ──でもね? ダイヤさん達の考え方は私達とは違ってたんだ!

 

「ブッブー、ですわ! それは学校のホームページなど中々見られる事のないわたくし達の感覚でしょう? あちらは総生徒数千四百人を誇る、入学希望者多数の進学校。ホームページへのアクセスは入学希望者の数で頭を痛めている浦の星とは段違いなのです! すなわち総武高校のホームページで取り上げてもらえるだけで、千葉県内は言うに及ばず、県外からの注目度も一気に跳ね上がるのですわ! Aqoursの名が!」

 

「そーデース! 別にあっちのホゥムペェジを観た人が直接浦の星に興味を持つ必要はないのよ! 普段スックーゥアイドゥに興味がないかもしれないその人達が、浦の星の入学希望者にではなくAqoursのファンになってくれさえすれば、ラブライブで有利に働くかもしれないでしょー?」

 

「あ、そっか……!」

 

「それに千歌達だって燃えるでしょ? 普段私達に興味のない子達に知って貰えるかもしれないなら……、それが0から1に繋がるかもしれないんなら、だったら私達は最高のパフォーマンスを見せなきゃ、ってね!」

 

 果南ちゃん……

 

 ──そっか。だから果南ちゃん達はあんなにも張り切ってたんだ。

 普段スクールアイドルを見たり聞いたりしない子達に、スクールアイドルに興味を持って貰うのはとても大変なこと。

 それは、私達より二年も前にスクールアイドルをやっていた三人になら痛い程わかる事だろうし、スクールアイドルを始める為に曜ちゃんと二人で声を張り上げて入部希望者を集めようとしてた私にだって、それはとてもよくわかる。

 だからこれは、とても小さくて……、でもとても大きなチャンスなんだ。そんなの、ワクワクしないわけないじゃん!

 

「そうだよね! 燃えるよ、超燃えちゃうよ! ……もしかしたらそれはほんの小さな一歩かもしれないけど、でもそれがいつの日か私達の輝きのカケラになるかもしれないんだ! 今の私達は、0を1に、1のその先に進まなきゃいけないんだもん。その為の一歩になるかもしれないんだもん。だったら、せっかくのこのチャンスを無駄にしないようにしなきゃだよね! よし、やろうよみんな! その取材の日までいっぱい汗かいていっぱい練習して、千葉に私達の名前を知らしめてやろう!」

 

「ですわね!」

 

「そうだね!」

 

「シャイニー!」

 

「ええ!」

 

「全速前進ヨーソロー!」

 

「がんばルビィ!」

 

 未だ見つからない私達の輝き。でも私達にしか見つけられない私達の輝きをこの手に掴む為ならば、私達はどんな一歩だろうと力一杯踏み出してみせる。

 

 

 ──こうして一致団結した私達Aqoursは、千葉県にある総武高校からのお客さんを、力一杯迎え入れる事になったのです!

 

 

 

 

「……クックック、ついにあの千の葉舞い散る魔都にもリトルデーモン誕生の時がっ!」

 

「善子ちゃんは取材の日は恥ずかしいから黙ってた方がいいずらね。それにしても千葉の学校のパソコンからマル達の活動が世界中に配信されるなんて、未来ずら〜!」

 

「うるさいわねズラ丸! あんただってずらずら言って千葉に沼津をバカにされる前に、ずっと口閉じときなさいよぉ!」

 

「ずら〜……」

 

 

 あはは……、だ、大丈夫かな……?

 

 

 

続く

 

 




ありがとうございましたm(__)m
ついに俺ガイル以外のキャラ初筆下ろし!とか言いながら、まさかの千歌ちゃん視点でのAqoursキャラのみでの1話となりました。


実は今回の話、1話目を投稿する前から八割がた書き上げておりました。
原作小説で台詞が活字有りの俺ガイルキャラと違って、ラブライブキャラの口調はアニメを見た際に耳に入ってきた音くらいしかないので(コミカライズ版は読んだことないですしラブライブ系SSも読んでないです汗)、いざ書いた時にAqoursメンバーの台詞が全然書けなかったらエタっちゃいそうだったので、投稿を始める前にまず書いてみて、それなりに読めるかどうかまずは確かめなきゃダメかな?と。

で、書いてみたわけではありますが、口調にあまり特徴のない曜ちゃんルビィちゃん梨子ちゃん果南ちゃんとかすげぇ難しい!
どうしても書きやすい堕天使とズラ丸を優遇しちゃいますよね(^皿^;)
私、ラブライブキャラの中では曜ちゃんが一番好きなんですけど、ヨーソロー以外は扱いづらくて彼女を疎外してしまうというジレンマ('・ω・`;)


でも私の中ではそれなりに声が聞こえてきたように思えたので、読者様の耳にも千歌ちゃん達の声が届いていたのなら幸いです(^^;)



そんなワケもあって今回は早めの投稿が出来たのですが、次回はついに俺ガイルキャラと絡む事になるので更新が遅くなるかもしれません><
てかどちらのキャラもしっかり立てるとか超難しそう……!ホント、クロスって難しいんですね(汗)
そして9人の台詞を回すだけでも大変なのに、さらに4人追加とか普通に無理でしょ(白目)
なので次回、ようやく2つの世界が交差するというのに、まず間違いなくいろはす以外の俺ガイルキャラはほぼ口を開かないでしょうし、ラブライブキャラも口を開くのがほぼダイヤさんになるかもしれません(苦笑)
まぁこういう場合代表者同士が前に出て意見交換するのが当然の事ですし、二人以外誰も喋らなかったとしても許してね☆


それではいつになるか分かりませんがまた次回お会いしましょう!


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