フランになりました。   作:天道詩音

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□□□視点です。


フランになりました。

 

 目を覚ますと真っ暗な部屋の中だった。背中に柔らかな感触があるからベッドの上?

 

「ここは何処? 私は誰?」

 

 自分の声なのに聞き覚えが無い。こんなに高い声だっけ?

 私は何で真っ暗なこんなところに居るんだろう?だんだん目が慣れて来たから辺りを見渡すと、バラバラに壊れている木でできた何か、砕けた鉄のお盆、私が乗っかっているベッド、後は石で出来た壁と、頑丈そうな厚みのある扉がある。

 ほとんど何も無い部屋だなぁ。

 

「それに、なんで全部壊れているんだろう?」

 ベッドの上にある枕も大きな穴が空いている。

 枕を持ち上げた手を見て、私の手はこんなに小さかったかな?

それに、肌の色も病的なくらい真っ白に見える。

「暗闇の中なのに、なんでこんなに見えるんだろう?」

 私の姿を見てみたい。どんな姿なのかな?

 鏡の代わりになりそうな割れた鉄のお盆を取り、覗いてみる。そこに写ったのは金色の髪を横で留め、ナイトキャップを被っている紅い目をした見知らぬ少女の顔。

 

「これが私なの?」

 服は赤い色の半袖のシャツとミニスカートで背中には一対の枝に七色の宝石が垂れ下がっている翼のような物が生えていた。背中の翼らしき物を触ってみると触られた感触があった事から、飾りでは無く生えているとわかった。もう一度お盆を覗いても、女の子が首を傾げたり、首を振ったりしてる様子しか写らない。

 

「これが私なんだ」

 他に私が誰かを知る手掛かりがないか探してみる。床に落ちている物は全部壊れていて、それが何だったのかがなんとか分かる程度で、手掛かりにはなりそうな物は無かった。

 扉を開けてみようとしたけど、鍵が掛かっているのか開けられなかった。

 次はベッドを詳しく見てみても、穴の開いた枕とボロボロの布団、黒い木で作られたベッドで名前か何かが書かれている形跡も見当たらなかった。

 

「私の名前は何だろう? うーん」

 ベッドに横になってゴロゴロと考えてみても思い出せない。考えていたら眠くなってきたので、寝ることにした。

 

「寝て起きたら思い出してるかも?おやすみなさい」

 

 

 コツコツと歩く音で目を覚ます。音は扉の方から聞こえていて、少しずつ近づいて来て扉の前で音が止まった。誰か来たのかな?

 

「フランドール様、食事を持って参りました」

 男の声が聞こえ、扉の下の方にある小窓が開き、料理の載ったお盆が入って来た。

 

「それでは失礼します」

「ま、待って!」

「はい?」

 止められると思っていなかったのか若干戸惑ったような声だったけど、離れていった気配は無い。色々聞かせてほしい!どうしてって思うことがたくさんありすぎるから。

 

「私ってフランドールって名前なの?」

「名前を忘れるほど狂気に飲まれてしまいましたか。あなたの名前はフランドール・スカーレット様でございます」

 狂気に飲まれたってどういう事?

 それより私はフランドールって名前なんだ。

 

「ここから出たいから扉を開けてくれないかな?」

「申し訳ありませんが、旦那様の許可無ければフランドール様を出すことはできません」

「なっ、なら!」

「言葉を遮ってすみませんが、ここにフランドール様を閉じ込めたのは旦那様です。扉を開ける許可は出ないでしょう」

 

「なんで私は閉じ込められたの?」

「それも忘れてしまいましたか。フランドール様は狂気に飲まれ、メイドや執事を大勢殺してしまい、最後には旦那様までも殺そうしたので幽閉されたのです」

 

 私が殺したの?大勢のメイド達を?

 何も思い出せない。

 それなら私はどうしたら出られるの?

 ずっとここに居ないといけないの?

 

「それでは、失礼致します」

 コツコツと音が遠ざかって行くが、動く事が出来ない。私は狂気に飲まれて、沢山殺したから閉じ込められたらしい。なら狂気を無くせば出れるのかな?

 でも、外に出ても何をすればいいんだろう?

 外に行きたい所も会いたい人が居るかも覚えてないし、また誰かを殺しちゃうなら私は此処に居ればいいや。

 

 取りあえずご飯を食べようかな。なにがあるかなー?えーと、スープとパンだけみたいだけど美味しいのかな?うん、どっちも冷たかったけど美味しかった!

 これからはご飯を食べるのを楽しみに生きていこうか!他には、何をしようかな?

 うーん、思いつかないからそれを考えるのも目標にしていこうかな。取りあえず寝ながら考えよう。

 

「おやすみなさい」

 

 

 ベッドでごろごろしていたらカツカツと音が聞こえて、誰かが扉の前に来た。食事の時間かな?

 女性の冷たい声で食事の時間ですと聞こえた。今日は別の人が持ってきたんだ。

 

「ありがとう。昨日とは違う人なんだね」

「……昨日食事を持ってきた執事長はあなたの事を旦那様に報告し、それによって反感をくらい殺されました」

「……えっ?」

 

 なんでなの、私が話し掛けたから?

 

「以降、私に話し掛けないで下さい。失礼します」

 カツカツと音は遠ざかっていった。

 

「………ご飯を食べよう」

 冷たいパンとスープが今日は美味しく無かった。




フランドール?
今作の主人公で、過去の記憶が全く無い状態。
狂気によって大勢殺し、閉じ込められたらしい。


小説を書く練習中なのでコメントを頂けると助かります!
誤字や変な表現など見苦しい点があると思いますが、ご指導や感想などあればよろしくお願いします!
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