フランになりました。   作:天道詩音

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今回もパチュリー視点です。


魔法使いの夜。下

「ほら、私の後ろに隠れてるだけじゃだめよ。パチェは怖くないわよ」

「う、うん……がんばる!」

 レミィの後ろからフランドールが出て、私の前にやってきて、下を向いてからしばらくすると顔を上げた。見上げてくるフランドールと目が合った。

 

「パチュリーさん……お友達になってください!」

 いきなり友達になってと言われるとは思わなかったわ。でも甘いわよ。私は友達を選ぶの。簡単に友達になれるとは思わない事ね。

 

「まずは少し話してみないかしら? 相手の事を知ってからの方が仲良くなれると思うわよ」

「あ、そうだね! それなら、えーっと……お姉ちゃんとはお友達なの?」

 姉が妹の話をするように、フランドールもレミィの話から入るのね。似たもの同士じゃない。姉妹だから当然かしら。

 

「ええ、レミィとは親友よ。フランドール。いえ、フランと呼んでいいかしら?」

「うん! お姉ちゃんと親友なんだ! いいなー」

 レミィと姉妹の方がうらやましいのだけれど。レミィに世話を焼かれてみたいわ。世話をする側でもありね。寝ているレミィを起こして、私好みの服に着替えさせてあげて、その後に隣り合って魔道書を読んで一日ゆっくり過ごしたいわね。

 

「パチュリーさんは好きな物とか趣味とかあるの?」

「好きな物は魔道書ね。未知の魔法を覚えて、研究していくことが趣味と言うより生きがいね」

 好きな者はレミィ。レミィと話すのが生きがいよ。なんて言えればいいのだけど、さすがに恥ずかしいわ。

 

「魔法かー。キラキラ光る魔法をお姉ちゃんが見せてくれてキレイだったなー」

「キラキラ光る魔法ね。……こんな感じかしら」

 魔法で球体を形成して、光の魔法を付与して輝き過ぎないように調整。一つ一つの球体の色を変えていく。七曜をイメージした色に変換。フランの周りに飛ばして、ゆらゆらと不規則に動かしていく。

 

「わーキレイー! おねーちゃんよりすごーい!」

「うぐっ! ふ、フラン……!?」

 レミィになんだかダメージが入っているわね。涙目になっているレミィも可愛いわ。フランは目をキラキラさせて、ぴょんぴょんしながら喜んでいる。こんなに喜んでくれるのは嬉しいわね。

 

「確かに……お姉ちゃんの魔法より凄いけど、私もがんばればこれくらいならできるのよ……お姉ちゃんよりすごい……うぅ……」

「ん?……お姉ちゃんどうしたの? それよりお姉ちゃんも見て見て!すごいキレイだよ!」

「はしゃいでいるフランが可愛いわ……! 確かに綺麗ね! それに可愛いわよ!」

「うん! キラキラしていて可愛いかも!」

 フランが喜ぶだけでレミィが幸せな表情を浮かべている……まあ、どちらも可愛いわね。もちろんレミィの方が可愛いわよ?

 

「パチュリーさんすごいね。こんなにすごい魔法があるんだね!」

「まだまだこれは初歩中の初歩よ。せっかくだからもっとすごい魔法を見せるわ。レミィ、赤い染料は用意出来てるの?」

「もちろんよ! 取ってくるわ!」

 レミィがもう居なくなってしまったわね。これでフランと一対一よ。さて、どう仕掛けてくるのかしら?

 

「パチュリーさん、私も魔法を使えるようになりたいな!」

「……魔法は簡単には使えないわよ。どうして使いたいのかしら?」

 ちゃんとした理由があれば教えてあげないこともないわ。レミィからは対価を貰っているのだから。でも、遊びたいからなんて言ったら、お友達なんてもう無理よ。魔法はもっと崇高な物なんだから。

 

 ……そんな感じでは無さそうね。フランは強い意志が見て取れる目でこっちを見ているのだから。

「私はお姉ちゃん頼ってばかりで……私のためにお姉ちゃんは何でもやってくれるけど、私はお姉ちゃんに何も返せていないから。私がお姉ちゃんに何かをしてあげたいの」

「色々な物をレミィに返していると思うわよ。レミィは私に会う度にフランの話を楽しそうにしているの。もし嫌々世話をしているのだとしたら、あんな風に楽しそうには話せないわ」

 レミィは嫉妬してしまうくらい嬉しそうに心から笑っていたのだから。

 

「それは嬉しいな……私には分からないけど、少しは返せていたのかな?でもちゃんと返したいの……魔法は沢山種類があって使える魔法と使えない魔法が皆違うって聞いたから、私にしか使えない魔法ならお姉ちゃんが出来ない事を手伝ってあげられるんじゃ無いかなって思ったから……私はお姉ちゃんの為に魔法を使いたいの……パチュリーさん! 魔法を教えてください!」

 最初は弱々しくて、儚い女の子だと思っていたけど、こんな格好いい決意の出来る女の子だったのね。見直したわ。惚れちゃうくらいにね。

 さて、本気で手伝ってあげるとしましょうか。

 

「仕方ないわね。ただし魔法は一朝一夕では身につかないけど、音を上げるなんて許さないわよ」

「ありがとう! パチュリーさん!」

「さんなんて付けなくていいわ。パチュリーと呼びなさい」

「うん! よろしくねパチュリー!」

 途端にニコニコしちゃって、可愛いじゃない。この姉妹はどうしてこんなにも私の心に響くのかしら?扉の裏で隠れて聴いていたレミィもそろそろ戻って来なさい。扉の隙間から羽が見えているわよ。

 

「取りあえず今度簡単な魔道書を読んでみましょう。いずれフランだけの魔法を見つけていきましょう」

「がんばるね! パチュリー!」

 

「も、戻ったわよー! フランは何をがんばるのかしら?」

「あっお姉ちゃんお帰り! お姉ちゃんにはまだ内緒だけど、楽しみにしていてね!」

「そう……フランが教えてくれる日を楽しみにしているわね!」

 

「レミィ、目が赤いわよ? 塗料が入ったのかしら?」

「そ、そうなのよ! ちょっと掛かってしまったの!」

「お姉ちゃんだいじょうぶ?」

「ええ! 全然大丈夫よ!」

 まあ、大丈夫でしょうね。目に何か入った訳じゃ無いのだから。

 これからこの姉妹を近くで見守って居られるなんて幸せね。これからの日々はこれまでよりも、もっと鮮やかな色の日々になりそうね。

 

 今夜、私は吸血鬼の姉妹に恋をしたのだから。




パチェさん視点はこれで終了になります。
結局、レミィもフランも好きになってしまったパチェさんでしたね。
パチェさんがチョロくなってしまったかもって所がどうなんでしょう?
守ってあげないといけないような弱々しい子に突然格好いい事を言われて、キュンとしてしまったみたいなお話でした。
フランの決意を聞いてパチェさんは好感度が100くらい上がりましたけど、裏で聞いていたレミィの好感度はどれくらい上がったのでしょうね?
あんまり関係ないですが、東方のBGMでメイガスナイトが大好きなので日本語にしてタイトルにさせてもらいました。良い曲ですよ!

登場人物紹介
パチェさん
フランにも恋をしてしまった魔法使いさん。
対人関係が少ないから、すぐに好きになるのも仕方ないのでは?
かわいいフランが格好良かったんですから!
フラン視点からはどう見られているのかは次回ですね。

レミィ
お姉ちゃんよりすごーいで大ダメージを受けた模様。
フランの決意で完全回復どころか好感度が限界突破しましたが。
お姉ちゃんはとても嬉しかったでしょう!

フラン
パチェさんとはお友達になれました?
仲良くはなれましたね。
お姉ちゃんの為に魔法を覚えようと考えていました。
まだ子供ですけど、少しずつ成長していってるかもですね。



このSSのお気に入り登録数が50を越えました。
お気に入りしてくれる方がこんなに増えてくれるとは思いませんでした。
あらためて、読んでくれてありがとうございます!
これからも隔日投稿になりますが、ちゃんと完結まで投稿していくので読んでくれたら嬉しいです!
ありがとうございました!
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