フランになりました。   作:天道詩音

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フラン視点です。
エピローグになります。


巡る季節。変わらないモノ。

 

「お姉ちゃん! もうみんな待っているよ!」

「今行くわ……少し待っていてね」

「うん! 一緒に行こうね」

 紅魔館は色々あったけど無事に幻想郷に転移して、今からそのお祝いの宴会が始まるから、お姉ちゃんを呼びに来た。

 お姉ちゃんは紫ちゃんに渡す書類を書くって、さっき言っていたから、それを書いているんだろうね。

 

 私の壊しちゃった記憶は元に戻ってきた。その時はお姉さまって呼んでいたけど、やっぱりお姉ちゃんって呼ぼうかなって。お姉ちゃんはどっちで呼ばれてもうれしいって言っていたから、お姉ちゃんって呼ぶって決めたの。だって、そっちの方がなんだか仲が良さそうに思うからね!

 

「フランー書き終わったから、行きましょう!」

「うん! 今日は紅魔館のみんなとの宴会だけど、明日は紫ちゃんが幻想郷の人たちを連れてくるんだよね?」

「紫ちゃんって感じの奴じゃ無いと思うけどねぇ……まあ、明日は八雲紫の式神と天狗と博麗の巫女と後は、適当に妖怪でも連れてくるんじゃないかしら?」

「紫ちゃんって呼んでいいわよって言っていたから、紫ちゃんって呼ぶことにしたの。明日はお友達が増えたらいいなぁ」

 

 お姉ちゃんと手を繋いで、真っ赤な長い廊下を歩いていく。幻想郷侵攻では、紅魔館が半壊しちゃったけどパチュリーの魔法で、ささっと直してくれたんだよね。私も魔法陣を書いてお手伝いできたから、うれしかったなー。

 

「フランならたくさんお友達できるわよ! 私の自慢の妹なんだから!」

「ありがと-! お姉ちゃんも私の一番大好きな自慢のお姉ちゃんだよ!」

「あ、ありがと……ほ、ほら着いたわよ!」

「うん! 開けるねー」

 お姉ちゃんはちょっと照れたのかな?お姉ちゃんに好きって気持ちを伝えるのは、本当の気持ちだから恥ずかしくないからね!照れてるお姉ちゃんはかわいいし、もっと伝えてあげないと!

 

「みんなお待たせー! お姉ちゃんも来たよー」

「待たせたわね。さあ、美鈴始まりの音頭を取りなさい!」

 

 またお姉ちゃんが美鈴に無茶ぶりしてるー。二人って仲がいいよねー。私ももっと美鈴と仲良くなりたいなぁ。

 

 みんながテーブルを囲んで座って待っている。私とお姉ちゃんも席に座ると咲夜が飲み物をグラスに入れてくれた。私のはオレンジジュースで、私の好きな飲み物だ!咲夜ありがとうね!

 

「わかりました。それでは皆さん無事に幻想郷に紅魔館を移す事ができておめでとうございます。ほとんどはパチュリー様とそのお手伝いをしていたフラン様のお陰ですが、お嬢様もがんばっていたと思います」

「ちょっとー! 私、各地から手下達を呼び寄せたんだけど! それに八雲紫とも戦って来たのよ!」

 

「手下の方々を呼ぶのにお嬢様がしたことは私と咲夜さんが書いた手紙にサインをしただけでしたけどね」

「そうだけどー! 美鈴ちょっとひどくないかしら? もしかして寝かせないで働かされた事を怒ってるの?」

 

「いえいえ、怒っていませんよ。幻想郷侵攻なんて、私にはどうでもいい事でしたので。それよりも大きな、大切な事をお嬢様はしてくれました。フラン様の記憶が戻った記念で今回は宴会をしたいと思います」

「……そうね! 美鈴もたまにはいい事言うじゃない!」

「美鈴!? さっきは引っ越し祝いって言っていたじゃん! 聞いていないよぅ……」

 

「サプライズですよ。それでは皆さん。フラン様の記憶が戻られた事を祝って乾杯!」

『乾杯!』

 みんなとグラスをくっつけて、乾杯と言っていく。オレンジジュースを飲んで、後ろに控えている咲夜の手を引いて、隣の椅子に座らせる。

 

「メイドだからって立っていなくても大丈夫だよ。私たちは家族なんだから! そうだよね、お姉ちゃん!」

「ええ。家族ですもの、一緒に食べましょう」

「……ありがとうございます」

 咲夜が隣に座ってくれた。咲夜ってすごい真面目だよねー。それにすごい優しいの!そうだ、咲夜にこのローストチキンを食べさせてあげよう!いつものお礼だよー!

 

「咲夜。はい、あーんして」

「…………はい」

 咲夜が口を開けてくれたから、ナイフで一口サイズに切って、フォークで刺して、咲夜の口に運んでいく。はむっとチキンを口に含んで、食べている咲夜を眺めていると、顔を逸らされちゃった。確かに恥ずかしいかもねー。でも表情は変わらなくても、照れてくれたのかな?それならうれしいかなぁ。

 

「さ、咲夜ずるくないかしら? フランー私もそのチキンが欲しいのだけど」

「お姉ちゃんは美鈴が食べさせてくれるよー」

「お任せください。はい。あーんしてくださいね」

「いいわよ! 私はフランに食べさせてほしいの!」

「なら、美鈴私にちょうだい? あーん」

「どうぞ。おいしいでしょうか?」

「うん! すごくおいしい!」

 

 おいしかったから、自分のフォークでもう1個食べる。やっぱりおいしいね。

 

「じゃあ、お姉ちゃん。あーんしてね!」

「ええ! でもちょっと恥ずかしいわね……あーん」

 お姉ちゃんの口にチキンを運んで食べてもらう。顔が赤くなっているけどぱくっと食べてくれた。

 

 次はパチュリーだね。食べてくれるかな?パチュリーは何も食べなくても生きていける魔女だけどどうかな?

 

「おいしいからパチュリーも食べる……?」

「いたただくわ」

「はーい! じゃあ、あーん」

「……あ、あーん」

 

 正面に座っていたパチュリーの隣までお皿を持って歩いていって、フォークに刺さったチキンをパチュリーのお口へ運ぶ。パチュリーがあむっと食べてくれ、なんだか嬉しそうに食べてくれている。おいしかったのかな?

 

「ありがとう。食べれて幸せよ」

「私も食べてくれて幸せだよ!」

 

 席に戻って、他の料理も食べていく。隣の咲夜が私の食べたいって思ったものを切り分けてくれるから楽で助かる。お礼に咲夜に食べさせてあげる。

 

「咲夜の料理はほんとうにおいしいよ! ありがとうね」

「こちらこそありがとうございます」

 

 お姉ちゃんが美鈴にお酒をたくさん注がれている。それを飲んだらまたすぐに注がれた。

 

「ちょっと! もういいわよ!」

「いえいえ。今回の立役者なんですからもっと飲んでもいいですよ。お酒をたくさん飲める人ってかっこいいってフラン様が言ってましたよ」

「わかったわよ! 紅魔館の主に限界が無いって事を教えてあげるわ!」

 

 そんな事言ったかなー?そう言えばお花見してるときに美鈴に言ったことがあるかも?よく覚えていたねー。

 

 パチュリーは本を読みながら、たまにワインを飲んでいる。パチュリーはいつも通りだね。それもパチュリーの楽しみ方なんだろうね。でもちょっとお話したいなー。そうだ!

 

「パチュリーちょっと座っていい?」

「いいわよ……?」

「ありがとう! えぃっ!」

「ひゃっ! びっくりしたわ」

 パチュリーの膝の上にお尻を乗せて、私の膝でパチュリーの足を挟むように座る。パチュリーに抱きつく感じで座って、顔を見上げながら何を話そうか考える。

 

「……どうしたのかしら?」

「パチュリーと何を話そうかなーって。何の本を読んでいたの?」

「これはついさっき大図書館に追加された魔道書よ。なかなか面白いわね」

「本が自動で増えていくってすごいよね-! 面白い本が増えたら教えてね!」

「……ええ。それよりもレミィが血の涙を流しそうな表情しているから離れた方がいいわよ?」

 後ろを振り向くと、お姉ちゃんがすごい表情をしていた。妹離れしないとだめだよーお姉ちゃん!私は姉離れする日は来ないと思うけどね!

 

 パチュリーから離れて、お姉ちゃんに抱きついてみる。

「お姉ちゃんどうしたの? 飲みすぎちゃった?」

「フランー! 心配してくれてありがとうー!」

 お姉ちゃんにぎゅっと抱きしめられる。酔っ払ったのかな?お姉ちゃんの顔がすごい赤くなっている。

 

「フランー! 愛してるわよ-!」

「うん。私も好きだよー。美鈴ちょっと飲ませすぎたんじゃないのー?」

「あはは。すみません。飲んでるお嬢様が可愛かったので」

「好きじゃなくて、愛してるって言ってよ〜! フラン〜」

「お姉ちゃん愛してるよー。絶対酔っ払ってるじゃん!」

「これ覚えていたら、明日が楽しみですね」

「もっと愛してるって言って〜!」

「愛してる。愛してる。アイシテル。咲夜ーお姉ちゃんを寝室に運んじゃってー」

「かしこまりました」

「ああ、フラン〜。離れていかないで〜」

「おやすみー! またあとでね!」

 

 ドクターストップで咲夜に運んでもらった。大好きなお姉ちゃんでも、酔っ払った時に相手するのは疲れるんだもん。

 

「また明日もありますし、今夜はお開きにしますか?」

「そうだね-? パチュリーも終わりでいい?」

「ええ。十分満足したわ」

「はーい! それならまた明日もよろしくね! 明日は紫ちゃんたちが来るからねー」

「そうですね。お綺麗な方が来てくれるのであれば大歓迎です」

「あなたは相変わらずね……」

「妖怪なんて簡単には変わらないものですよ」

「それもそうね……ではおやすみなさい」

「あ、おやすみー!」

 

 パチュリーが図書館に帰っていたから、食器の片付けを始める。お皿は早めにお水に漬けないと汚れが落ちないんだよー。

 

「あ、フラン様もお部屋に戻ってもいいですよ。私と咲夜さんとメイドの方々で片づけますので」

「えっ? 咲夜はまだお姉ちゃんを介抱してるんじゃない?」

 咲夜が来るまではお手伝いしてあげようかな?

 

「フラン様お呼びですか?」

「ひぁ! なんで直ぐ後ろにいるのー!」

「メイドは後ろに控えるものですよ」

「もー! 咲夜も結構お茶目だよね。そう言うところも好きだけど、びっくりするから気をつけてね!」

「かしこまりました」

 

 咲夜とずっと一緒に居るけど、意外と冗談を言ったり、こんな感じで驚かしてくる事がある。やっぱり咲夜って面白いね!

 

「じゃあ、私はお部屋に戻ってもいいかな?」

「はい。ゆっくりおやすみください」

「じゃあおやすみー! また明日もよろしくね!」

「おやすみなさい。咲夜さん私はメイドの方々に声を掛けてきますね」

「かしこまりました」

 

 咲夜と美鈴におやすみを言って部屋へ帰る。明日はどんな人たちが来るかな-?紫ちゃんみたいに優しい人だといいなー。

 

 部屋に戻るとお姉ちゃんが、もう寝ていた。

 

「もう、飲みすぎだよー。でも楽しかったよ」

 お姉ちゃんが楽しそうにしていると私もうれしいよ。これからは紅魔館のみんな以外とも仲良くなっていけるかもしれないけど、今のみんなともずっと一緒に仲良く居たいなぁ。

 

 これからずっと、いつまでも、変わらないでほしいな。みんなとこのままずっと、いつまでも一緒に居れますように!

 

 それじゃあ寝ようかな?

 

「おやすみ。お姉ちゃん」

 




これが書きたかったんです!
フランのしあわせな日常が書けて大満足です。
今後もこの紅魔館はずっと幸せが続くでしょう!

読んでいただきありがとうございました!

登場人物紹介
フラン
前よりも明るくなって、自分の心に素直になりました。
小悪魔度も増した気が……
レミリア
酔っ払うと、普段隠さない気持ちが出てあんな感じになります。
翌日目を覚まして、昨日の記憶を思い出すと……ドンマイです。
美鈴
相変わらずいけめーりんでした。
美女、美少女に囲まれて幸せな職場に満足しています。
パチュリー
あーんの順番はパチュリーが一番喜ぶ順番にしました。フランとレミィの間接キスに、内心舞い上がっていました。
咲夜
フランのあーんによって忠誠度は百倍に。とうの昔に忠誠度はカンストしてますけど。咲夜は人間なので、寿命がありますが、この咲夜さんは人間であることより、フランに仕え続けることを選ぶので、ずっと一緒に居るでしょう。妖怪の血を混ぜるのが、そのための伏線でした。

最後になりますが、ここまで読んでいただきありがとうございました。
正直、最初の頃の話で大半の方は読むのを止めているのが、UAを見て分かりました。
それでも、最後まで読んでいる方も居てくれたので、後半はその方のために書いていました。

本当にありがとうございました。
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