フランになりました。   作:天道詩音

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フラン視点です。


暗闇に届いた光。

 

 寝て起きて、食事をして、暇を潰しての繰り返しをもうどれくらい続いたのかも分からないほど時間が経ち、今は暇を潰している時間で、積み木をしている。

 正しくは、妖気で四角い物体を作り出してそれを積み重ねて遊んでいた。

 

 暇を潰していた時に、木の欠片を壊して遊んでいたら光る球体が手のひらから出てきて、それをぶつけたら木の欠片は粉々になってしまった。面白い物を見つけたと思って、また光る球を出そうと試行錯誤していくと、光る球は簡単に出せてさらに形を変えることもできて、これを出して遊ぶのが楽しみになった。

 光る球は自分の力を丸めた物で、これを扉に当てて遊んでいたら、料理の運んできた人に妖気を扉にぶつけるのは止めてくださいと言われたので、ごめんなさいを言いつつ、この力は妖気と呼ばれていると分かった。

 妖気を丸めたり、伸ばしたり、色を変えたり、浮かせたり、飛ばしたりと自分が考えた通りに使うことができるので、色々考えて試すだけで楽しかった。

 

「お腹減ってきちゃった。最近、料理を運んでこないのは何でだろう?」

 正確には分からないけど、一週間くらいは来てないと思う。今までは多分毎日来ていたけど、何かあったのかな? まあ、食べなくてもお腹が空くだけだから別にいいか。遊んでいればいつか来るよね?

 

 

 

 妖気とは別に、もう一つの力があることが分かった。木の欠片、割れた皿、ベッド、壁、扉、どれを見ても黒い点があることに気づいて、それを自分の手のひらに移す事ができた。

 それを握ってみたら木の欠片は粉々になった。全ての物にある壊れやすい点が黒い点として見えているんだとなんとなく思った。

 これが、私の能力で全てを壊しちゃう力なのかな?たぶんこれを扉に使えば外には出られると思うけど、使わなくていいや。妖気で遊んでいるだけで楽しいからね!

 覚えていないけど、誰かを殺しちゃったのはこの能力だよね。できればもう使いたくは無いかな。

 

 

 料理が運ばれなくなってからかなりの年月が経った頃、遊び疲れて寝ていたところに、ドガッ、ドゴッと天井の方から鳴り続ける音で目が覚める。

 

「上が騒がしいけどどうしたんだろう?」

 爆発するような音が鳴り響いている。妖気を飛ばして遊んでいるのかな?一緒に遊びたいけど、外には出ないから止めておくねー。

 私は私で妖気で遊んじゃおうか!

 妖気を剣みたいに伸ばして、炎に変換、さらに熱量を高めて拡散、壁に向かって剣を振り下ろす。

 

「いけー! レーヴァテイン!」

 炎剣を振り下ろすと壁一面が赤く燃え上がり、熱気が伝わってくる。この炎剣を作る技を思いついた時に、レーヴァテインって名前が頭に浮かんだので、レーヴァテインと名付けて使って遊ぶお気に入りの技になっていた。炎を消して、ベッドが燃えないように気を付ける。冷たい地面で寝るのは嫌だからね。

「炎ってきれいだねー。あれ? 上から鳴ってた音が止まった?」

 激しく遊んだから疲れたのかな?私も、妖気をすごい使うと疲れちゃうからねー。

 次は何をしようかなーとベッドの上でごろごろと転がりながら考えていると、ドタバタと走ってこの部屋に近づいてくる音がする。

 

「ひさびさにご飯かな? 最後にいつ食べたかなんて覚えて無いけど。でもすごい久しぶりだしちょっと楽しみかも?」

 羽をパタパタさせながら待っていると、扉に何かがぶつかったような音がしたので、誰かが来たみたいだ。

 

「……ラン! フラン! フランお願い返事をして!」

 誰かの声がする。

 

「……だれ?」

「ふ、フラン生きていてくれたの! あぁ、よかった…。今扉を開けるから待っていて!」

 誰だろう?

 何で扉を開けるのかな?

 私はここから出てもいいの?

 

 ガギンと何かが壊れる音と共に扉が開き、まぶしい光が目の前に広がった。

 まぶしくて何も見えない中で、ふわりと柔らかい何かに抱きしめられた。温かい?これはなんだろう?

 

「フランごめんね! 遅くなってごめんなさい! ほんとうに生きててくれてよかった…」

 私を抱きしめて泣いているこの人は誰なんだろう?

 覚えていないけど、私の名前を知っているから会ったことがあるのかな?

 

「どこか痛いところは無い? 大丈夫?」

「う、うん……大丈夫だよ。あなたは血が付いているけど痛く無いの?」

 服はボロボロで、身体のいたるところが傷だらけで血が滲んでいて見るからに痛そうだ。また痛そうな顔をして涙を流している。

 

「だ、だいじょうぶよ。あ、あのね、フラン?」

「……なに?」

「わ…私が誰か分かるよね?」

 誰だろう?

 もう声も覚えて無いけど、ずっと前に料理を運んでくれてた人かな?

 

「料理を運んでくれてた人?」

「ああ…違うの、私は…ッ!」

 強く抱きしめられた後、真っ直ぐ目を見つめられる。

 

「私はレミリア。あなたのお姉ちゃんよ」

「……お姉ちゃん?」

レミリアは私のお姉ちゃん?

だめ、何も思い出せない。

 

「これからはずっと一緒よ!もう離さないから…!」

 強く抱きしめられる感触と温かさがすごく心地よかった。

 

「お姉ちゃん。私のお姉ちゃん……!」

「ええ!フランのお姉ちゃんよ!」

 

 初めて見た私以外の誰かは、泣きながらも優しく笑っていた。




レミフラはいいですよー!

次回はレミリア視点を予定しています。
上で何があったのか、フランに料理が届かなくなった訳とか書きたいです。予定ですけどね。

人物紹介

フラン
積み木で遊んだり、ボールを投げたり、火の剣で遊んでいた幼女。かわいい。
きゅっとしてどかーんもできます。

レミリア
詳しくは次回。
フランのお姉ちゃん。
遊びで怪我をした?
お姉さまと呼ばれる日は来るのでしょうか?


以下、読まなくても大丈夫です。
一つ思ったのが、レミリアや他の妖怪に対して人って使っていいのですかね?
者とか方とか彼女くらいしか思いつかなかったので、人を使いましたが何か良い言葉ってあります?

あとレーヴァテインを閉鎖空間で使うと空気が無くなって死んでしまうかもと思いましたが吸血鬼なので大丈夫でしょう!そもそもレーヴァテインを使う必要があったのかと……?
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