美鈴とお友達になってから一週間くらい経って、今日も美鈴と遊んでいる。今まではめーりんと呼んでいたけど、正しくは美鈴って言うみたい。
美鈴は昼は門番をしていて、夜は私と遊んでくれている。夜に寝なくて大丈夫なのって聞いたら門番しながら寝ているから大丈夫って言われたけど……だいじょうぶなのかな?門を通ろうとしたら気配で分かるから問題ないらしいけど、とりあえずクビにならないでねと言ったら笑われちゃった。
今は美鈴にベランダでお花の育て方を教わっている。簡単にまとめると、栄養のたくさんある土に種を植えて、水と日光をしっかりあげるとキレイなお花が咲くみたい!
「では実際に育ててみましょうか?」
「うん!やってみたい!」
美鈴が土の入った鉢と種を持ってきてくれた。種は月光花と呼ばれてる花の種で、月の光を浴びて育つ珍しい花らしい。吸血鬼は日光を浴びると火傷しちゃうから、昼に外に出れない私のためにお姉ちゃんが取り寄せてくれたらしい。お姉ちゃんに後でありがとうって言わないと!
「それでは鉢の真ん中辺りに人差し指の半分くらい刺して、穴をあけてください」
言われたとおりに人差し指を土に刺したら小さく穴があいた。土を触ったのは初めてかも!ちょっと冷たいんだね。
「良い感じですよ。次はそこに種を入れましょう」
パラパラと種を穴の中に降らしていく。種って黒い石にしか見えないのに本当に花が咲くのかな-?
「では穴に土を被せてください。あ、そんなに強く土を押したら芽が出てこなくなってしまうので、ちょっとほぐしてあげてください」
土を被せたところを手でペタペタと押したらダメだったみたい。押したところをちょっとほぐして、土を柔らかくした。
「はい、それで大丈夫ですよ。次はこのじょうろで水をあげてみましょう。与えすぎると枯れてしまうので気をつけてください」
「そうなの?たくさんあげた方がいいかなって思ったけど」
「妹様もご飯を食べ過ぎたらお腹が痛くなっちゃいますよね?お花も同じなんですよ」
「そーなんだ!気をつけて水をあげるね。じゃあこれくらいでどうかな?」
多すぎないように水をあげる。お花のお腹が痛くならないように気をつけてあげないとね!
「ちょうど良いですね。上手いですよ!これから毎日起きたら同じ量の水をあげてください」
「うん、わかったー!」
「そして、鉢を月の光が当たる所に置いておけばキレイなお花が咲いてくれます」
「ほんとに!?たのしみー!」
これでお花が咲くんだ!ちゃんとお水を毎日あげて、お世話してあげないとね。
今は鉢に土が入っているだけにしか見えないけど、これの上に芽が出て、そして花が咲くんだよね。早く育たないかなー?
「美鈴ありがとう!ちゃんとお世話するからね!」
「いえいえ、花の育て方を教えるのはお友達との約束でしたからね。花のことで質問があればいつでも聞いてください」
「うん、ありがとー!」
その後は、美鈴がどんな花を育てたことがあるのかだったり、どんなキレイな花があるのかをたくさん教えて貰った。ずっと話していたら、お姉ちゃんが戻ってきて、もう夜が明けるから寝ましょうって言われたので今日はお開きになった。
お姉ちゃんの横に潜り込んでから、お姉ちゃんにお花を取り寄せてくれてありがとうって言ったら、優しく撫でてくれた。
「お花が咲いたら一緒に見ようね。おやすみなさい」
それから毎日、起きたら最初に水をあげていった。何日か経っても芽が出てこないから、水を与えすぎちゃったかもって美鈴に言ったら、一週間くらいで芽が出てくると思うのであと三日くらいお待ちくださいと言われた。
その三日後に鉢を見ると、ほんとうに小さな緑の芽が生えていた。生えてきてる!やったー!
芽が生えたことをお姉ちゃんと美鈴に言うとすごいってほめてくれた。この調子で育ってくれたらうれしいなー。
さらに一週間経つと芽はどんどん成長していって、私の膝くらいまで大きくなった。こんなに早く大きくなっていくんだ……このままいけば私より大きくなっちゃうかも。
起きてお姉ちゃんにおはようを言ってから水をあげにいくのが日課になった。育ててから三週間で芽は私と同じくらいの高さになって、茎の一番上に葉っぱじゃない塊ができた。これが何かを美鈴に聞くと、花が咲く前にできる蕾だと教えてくれた。この感じだと明後日には咲くって言われたので、あと少し水をあげるのをがんばろう!
そして次の日、水をいつも通りにあげる。その後に美鈴とお話をしていて、花が咲いたらお花見をしましょうって言われた。お花見って言うのは、花を観ながらお酒を飲んだり、ご飯を食べたり、お話したりして楽しむことらしい。私はお酒が苦くて好きじゃないからどうしようって聞いたら食べて話すだけでもいいって言われて安心した。
明日、花が咲いたらお姉ちゃんと美鈴と私で花見ができるって考えたら、楽しみすぎてその日はぜんぜん眠れなかった。お姉ちゃんにぴたっとくっついて、明日のことを考えていたら気づいたら寝ていたけど。
目を覚ましたら、お姉ちゃんに挨拶をするのも忘れてベランダに行く。ベランダ前のカーテンを開くと、月の光を受けて、優しく光る真っ白なお花が咲いていた。花は大きくて、真ん中が満月のような円になっていて、花びらが円を囲むように生えていた。
「きれい……」
お月さまが私の目の前に来たみたい。私が育てたんだよね……すごいうれしいな。
「んぅ……フランどうしたの?」
しばらく花を眺めていたらお姉ちゃんが目を覚ましたみたい。起きたお姉ちゃんの手をひっぱってベランダまで行って花を見せる。
「こんな綺麗なお花を咲かせるなんてすごいじゃない!がんばったわねフラン!」
その言葉がうれしくてお姉ちゃんに抱きついたら、優しく抱きとめてくれた。そのまま二人で花を観ていたら、花見の準備をしないといけないわねって言われた。それに美鈴にも早く教えたいと伝え、美鈴の元に急いで向かう。
「美鈴花が咲いたの!きれいな大きなお花!」
美鈴を見つけたので抱きついて、花が咲いたと伝えるとたくさん頭を撫でられて褒めてくれた。
「おめでとうございます!妹様がちゃんと毎日お世話したので咲いたのですよ。早く私も観たいですね!」
そう言うと、美鈴は私の背中と膝裏に手を回して持ち上げて、走りだした。なんか美鈴の顔が私の顔のすぐ近くにあるからちょっと恥ずかしいかな……。美鈴のまつげが長いなーって眺めていたら、いつの間にか部屋に着いていた。
「め、美鈴!なんでフランをお姫様だっこしてるのよ!」
「すみません。急いでいたもので」
お姫様だっこ?この持ち方のことかな?それとも私がお姫様だったり?ちがうよねー。そんなことを考えていたら、ベッドに降ろされた。
「ありがとうね美鈴!」
「いえいえ、私も役得でしたので」
「めいりん……?」
「冗談ですよお嬢様?」
なんかお姉ちゃんが美鈴を睨んでいる。何でだろう?
「それより美鈴!花がきれいだね!」
「確かに綺麗ですね。立派に育ちましたね」
「うん!すごい大きい!」
「フラン、美鈴、花見を始めましょう。メイドたちに料理と飲み物は用意させてるわ」
花見が始まった。私はお姉ちゃんと美鈴の真ん中に座って、花の前に料理やジュースを置いて、三人で食べたり飲んだり喋ったりした。花がきれいだと褒められているのを聞いて、私も褒められているように聞こえた。料理を持ってくるメイドさんもきれいだと言ってくれたので、嬉しかった。
「美鈴とお姉ちゃん!本当にありがとうね!」
そう言ったら、隣の二人に頭をたくさん撫でられた。本当は私がお花を育てられるか心配で、枯らしちゃうかなって思ってた。また壊しちゃうんじゃないかって怖かった。
でもきれいに咲いてくれたから。育て方を教えてくれた美鈴。咲かせる機会を作ってくれたお姉ちゃん。咲いてくれたお花。本当にありがとうね!
花見が終わった後は三人で眠った。お姉ちゃんと美鈴の真ん中で眠ると、いつもより温かくて幸せでよく眠れた。
ハッピーエンドで終われましたね。
次回もありますけど!
美鈴にお姫様だっこさせたい回でした。
タイトルで咲夜が連想できますが、一切出ませんでしたね。
タイトル詐欺すみません!
月光花
月の光で咲くお花。
ひまわりの月バージョン的なお花です。
東方ならあるかもですよね!
月の魔力的な何かで育つのでしょう。
登場人物紹介
フラン
美鈴の横顔を眺めていた子。
お花のお世話を毎日できるえらい子。
よく抱きつく子。
川の字で最後は寝ました。
過去の出来事から何か、誰かを壊さないか恐れているみたいですが、花を育てたことで少し薄れたとは思います。
レミリア
フランのために月光花の種を用意させた。
お姫様だっこした美鈴に思わず、文句を言った。
嫉妬ですか?もちろんです。
相変わらずの妹ラブでしたね。
美鈴
イケめーりん。
フランをお姫様だっこしました。
フランのことはライクです。
レミリアもフランも好きなので、仕えながら二人とも可愛がっています。
レミリアはフランを交えてからかうと可愛いと学びました。