麦わらの一味?利害が一致しているから乗っているだけですが?   作:与麻奴良 カクヤ

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遅くなりました!!ここまで描写を詳しく書くつもりがなかったのですが、何故か書いてしまい。進行速度が遅い。今後は出来るだけスピード感を出しつつ頑張っていこうと思います。これもスマラが護衛任務を受けるのが悪いんだ。最後に、何時も誤字報告して下さる方には本当に感謝しています。


334 十六頁「ナノハナの町にて」

 途中、ホットスポットと言われる海底火山が多く集まっている海域でMr.2と言う敵と友情を育んだり、四日ぶりのご飯を仕留めようとウミネコに手を出したり(ビビが必死に止めた)と色々あったが、特に苦難と言う苦難はなくアラバスタ王国にたどり着く事が出来た。

 

 食糧難はスマラが生きるのに最低限は与えていた為、ルフィ、ウソップ、チョッパー、ゾロは何とか生きている。が、ルフィは流石に限界だったみたいだ。アラバスタ王国に立ち入る理由をただの食料補給としか思っていない。

 因みに、ゾロまでもが最低限の食料しか与えられいないのは、話し合いの場で寝ていたからで、カルーはビビが大目に見て自分の分を分け与え得ていたからだ。

 

 アラバスタ王国の港町『ナノハナ』に着くとスマラも船を降りる準備をした。

 今回は護衛任務として行動するので、私情に流されて一人行動するわけにもいかない。そこがスマラが唯一残念に思っていることだが、報酬が報酬なのでその思いを封じ込める。本の為なら何でも出来るスマラなのだ。

 護衛と言う事で離れないように、と出発前からビビの近くで待機しているスマラにビビがあることを指摘する。

 

「あの、本当に目印をつけなくて大丈夫なんですか?」

 

「大丈夫よ」

 

 ビビの言う目印とは、腕に×印を書いてその上を包帯で巻いている事だ。敵に姿を真似出来る能力があると知った時、ゾロが提案した見分け方。

 仲間の印と言われたそれを、スマラはしていない。理由は単純明確で、スマラに例え目印だろうが簡易的な物だろうが、仲間となるわけには行かないからだ。何処で情報が漏れるか分からないのがこの世界。何処かの仲間になるわけにはいかないスマラはそれを拒んだ。

 

「私がこの中の誰かと一緒に居ない状況なら、怪しんで攻撃を問答無用で仕掛けても構わない。と言っているから」

 

「でも、それだと本人だった場合物凄い手間がかかるんじゃ……」

 

「そこも含めて問題ないと言っているのよ。受けた依頼は完遂する。私が貴女から離れなければいいだけの事よ。それにもし、一人になってから攻撃を受けたとしても、手間をかけずに終わるからよ」

 

 ルフィだろうが、この船の総力だろうが、スマラは簡単に返り討ちに出来る。スマラはビビにそう説明した。

 ビビはスマラが強い事を知っている。博識である程度のことも落ち着いて対処出来る。だけど、ルフィとスマラを比べるとどちらが強いのかはビビには分からなかった。スマラが強さの片鱗を見せたのは副所長が現れた時だけだ。対してルフィはこれまで敵を何度も倒してきているのを見ている。比べる物差しが無いのだ。

 

 だから、ビビはスマラといえどもこの船の全員が問答無用に攻撃しなければならない条件を良しと思っていなかった。

 ビビは何か別の案があるはず!とスマラに抗議の言葉を発する。

 

「でも、それでもしスマラさんに何か遭ったら」

 

「……私が良いと言っているのを理解出来ないのかしら?人の身を思いやる気持ちをダメだとは言わないけれど、貴女は王族でしょ?」

 

「っ!!……」

 

「そういえば、貴女は見たことが無かったのね、ならしかたないわ」

 

 スマラがゴムを無効化出来る力や殺気を出す場面を見たことがないと思い出したスマラは「仕方ないわね」と首を降った。

 ビビは余計にスマラの事が分からなくなったのか、ただスマラを呆然と見るばかり。

 

 そうこうしているうちに上陸準備が整い、船を町から少し離れた海岸沿いに停めた。

 と同時にルフィが町目掛けて走り去っていく。如何やらお腹の限界が達していたみたいだな。しかし、お金を持って行ったのかは分からない。多分持っていない。

 ビビがルフィが一人町に入っていったことを心配する。ナノハナは広いから探すのが大変だと。

 そんなビビをサンジが大丈夫だと言う。騒がしいところを探せば見るはずだと。理にかなった方法だが、果たしてそんな扱いでいいのだろうか?あんな奴でも船長なのだから。とスマラは密かに思った。

 

 一先ずご飯食べようとゾロが仕切り、スマラを含めた一同は行動を開始する。いつもは一緒に居ていも離れた場所にいるスマラもビビの隣だ。

 スマラはアラバスタ王国に着いてからいつも以上に気を切り詰めた。見聞色の覇気は常時最大展開で敵の位置や地形を把握。読んでいないとイライラするらしい読書もなしだ。全てはアラバスタ王国の王宮図書室の観覧権の為。

 

 歩いている最中、スマラが珍しく意見を述べた。

 

「一先ず、町の中に全員が入るのは賛成しないわ」

 

「どうしてだ?」

 

 ゾロが代表してスマラに疑問を返す。

 スマラはビビの方を向きながら答えた。

 

「もう死んだことになっているといえ、犯罪組織に狙われているのよ。顔がばれている人は行動を控えた方が賢明よ。特に大した戦力を持っていない人はね」

 

「そうね。スマラの判断は正しいわ。町に入って補給物資を調達するのは私とビビと護衛のスマラ以外でお願いね」

 

「楽しようとしてずるいぞ~」

 

「仕方ないじゃない。戦力無いんだし」

 

 ウソップのがぼやきに対して、ナミが残念そうに返した。表情はまったく残念そうでなかったのが、ウソップの癪に障る。ナミやビビの戦力無い組と、ウソップは対して変わらない戦力だったからだ。

 かと言って、知らない街をただ黙って待つほどウソップの忍耐力は強くない。ルフィほどではないが、冒険したい心を持っているからだ。

 

 買い出し組と待機組の組み分けが出来ると、ビビが買わないといけない物をリストアップしていく。

 砂漠渡りの為の水を樽単位、枯渇している食料に備品の少なくなっている物をその他諸々。紙に書いてサンジに渡す。

 それに加えて、ビビが身を隠すための庶民の服を人数分買って来るように頼んだ。

 

「服?それは良いですけど、何でまた」

 

「普通の服だと砂漠越えはキツイいのよ。出来るだけ肌を隠せるものが適しているの」

 

「あぁ分かった!!俺にお任せください!!」

 

 そうこうしているうちに、ナノハナの町にたどり着いた。郊外にある壊れかかったレンガ積みを待機場所として決めた後、買い出し組は町の中に入っていく。

 チョッパーが予想外の事故で残っている以外は全て順調に進んでいる。何も立って待つことも無いのでナミとビビは座った。スマラだけは壁に寄り掛かっただけだ。

 女子だけとなると起こるのは女子トークだ。ナミとビビは楽しそうにお喋りをしている。ナミの気遣いかもしれないが、そこは聞いてはいけないことだろう。

 

 さてと、この辺りで情報整理といきましょうか。見聞色で探ったところ、この街にいる猛者は一人。後、それに少し劣る形で二人の計三人。一人は麦わら一味の船長の気配で、残り二人が一ヶ所にまとまっているわね。

 って、どうして自分から火の中に飛び込んでいくのかしらね。気が知れないわ。一人だけいる猛者がクロコダイルだったらどうするつもりなのかしら?

 

 郊外に入ってから見聞色の覇気で敵を探っていたスマラ。当然、この町にスマラでも勝てるか分からない猛者がいる事をキャッチしていた。

 そんな者の場所に飛び込んで行くルフィに、スマラはため息をこぼさないはずがない。頼むからその猛者を連れて来ないでよね!と心の中で思わずもいられない。

 誰かは知らないが、スマラが全力で戦っても勝てるか分からない力量なのだ。しかも今は護衛任務中、逃げるのは当然だが攻撃を全て逸らせる自信はない。自分一人なら問題無いのは言うまでもない。

 

「ちょっとスマラ!!聞いてんの?」

 

「………何かしら?」

 

 不意に話しかけて来たナミに、スマラはすぐには返せなかった。見聞色で辺りを索敵し続けているたのだから、仕方だないと言えばそうだ。常人なら、戦闘時に一瞬先の攻撃を予測するのが精一杯である見聞色を長時間広範囲に渡って発動しているのだ。一体どれほどの集中力が必要なのか。考えるまでもない。

 が、ナミは覇気のことを知らない。今まで殆ど使い手のいない東の海に居たのだし、スマラもわざわざ伝えていないので当然のこと。

 どちらの条件もあり、スマラが直ぐに返事出来なかったのは仕方のないこと。なのだが、スマラは満足いかなかったみたいだ。

 遠くの索敵に集中するあまり、近場の状況把握を怠った。実践なら命取りになり兼ねない失態。それだけなら何とか対処出来るが、今は護衛任務中。一番大事なのは自分の命だが、その次は護衛対象となる。スマラはビビを守ることを怠ったとも言えるのだった。

 

 それを分かっているからか、少し不機嫌そうにナミに返事をしてしまう。その態度にビビが少しだけうろたえてしまう。

 

「もしかして、やっぱり嫌になりました?」

 

「…いいえ、報酬が報酬だもの。全力で取りかからせてもらうわ。不機嫌だったのは自分の落ち度が酷いものだったからよ。気にしないでくれたらいいわ。それで何の用かしら?」

 

「えっと、スマラはこういう護衛みたいなことを前からやっているの?」

 

 ナミがスマラに聞こうとしていたことを訪ねた。誰かから依頼を受けたりしていたのか?と。

 

「昔何回かやった事はあるわ。報酬が良かったり、金欠で海賊が見つからない場合などに少しね」

 

「だから、手慣れていたのね。てっきりお金持ちのお嬢様育ちだと思っいたから」

 

「お金持ち?今ならばお金は持っているけれど、昔はそうでも無かったわ。無一文で海に飛び出したりしたものだから……」

 

 自発的に己の過去を話してくれそうなスマラ。スマラは何処か遠い場所を見ている目をしていた。

 ナミとビビがスマラを見つめると、スマラは目を瞑って続きを話さなかった。

 

「この話はお終いよ。私の過去は知るべきでは無い。貴方達が偉大なる航路の終着点を目指すなら」

 

「それって…!?」

 

 何かを知っている。そんな雰囲気を出しながら話を終わらせたスマラに、ナミは更に聞き出そうとして……。

 

「おーい!帰ったぞ」

 

「ナミさん!ビビちゃん!!スマラさん!!!怪我はなかったか〜い?」

 

 買い出しから帰って来たメンバーに遮られてしまった。ウソップやサンジには悪気は無かったのだろうが、スマラの事を聞くタイミングを逃してしまい、ナミは少しなからず落胆した。

 

 買い出しから帰って来た男どもは全員着替えていた。なので、女性陣も物陰に隠れて着替える事にする。

 のだが、

 

 

 

 

 

「素敵っ!!こういうの好きよ、私」

 

「でも……頼んだのは私たちだけでも、これ庶民というよりも踊り子の衣装よ?」

 

「………何で私まで………」

 

 サンジがビビに頼まれて買ってきた砂漠越えの為の庶民の服装。それは踊り子の衣装だった。

 上から外套をかぶれば問題ないと言え、サンジの趣味丸出しの買い物だ。

 ナミは素敵な衣装を着れたと喜んでおり、ビビはこれで砂漠越えするのかと微妙な表情だ。疲れたら負ぶってあげるとか、そういう問題ではない。

 そして、スマラ。彼女もサンジが用意していた。断る暇もなくナミにあれよあれよと着替えさせられて、スマラも踊り子の衣装を着ている。ナミは言わずともビビよりも胸元が残念な様子なのは、触れるべきではない。触れたらその者の最後となるであろう。

 

「ねぇ、私は自分で服を持っているし、いざとなれば能力に頼るから問題無いのだけれども……」

 

「そんな事言わないでくださいよ。とても良く似合ってますよレディー」

 

「そうよ!!それに、目立たないようにするためには周りに合わせるのが一番なんだから」

 

「スマラさん、ドラムの時にとても目立ってましたものね」

 

 

 スマラがいやいやと駄々をこねると、サンジ、ナミ、ビビがスマラを諭す。サンジはともかく、ナミやビビの意見はスマラとて邪険に出来ない。

 目立たない。というのは依頼上の関係でとても無視できない事となっているからだ。

 もしビビからの依頼がなかったら?それは勿論、一人でふらっと船を離れて街の本屋を適当に巡りながら、麦わら一味の最終目的地『首都アルバーナ』を目指すはずだった。服装も適当に袖が長く風通しの良い服装を着るはず。

 それが、一緒に行動するだけでこの変わりよう。大抵お嬢様っぽい服を着る事が多いスマラだが、踊り子の衣装やドレスなどは着たことがない。着ようとも思わなかったので、露出の多さやひらひら度合いに落ち着かない様子でいた。

 

 

 

 早速食糧難で満足にならなかったお腹を満たしているゾロとウソップ。サンジが二人の服のセンスを女性陣と比べて笑っているが、ゾロがあきれながら言い返す。サンジと自分、格好がどう違うのだと。確かに似ている。サンジしては精一杯オシャレしているつもりらしい。

 

 まぁ、そんなことは置いておいて、砂漠越えする為の物資はこれで整った訳だ。ビビはこれからの予定を皆に話した。

 今国にある勢力は三つ。王国軍と反乱軍、そして二つの争いを裏から操り漁夫の利を狙っているバロックワークス。ビビはまず先に反乱軍を止める為に動くという。リーダが居ると言われている『ユバ』を目指す。

 そこまで説明して続きを話そうとした瞬間、

 

「隠れなさい!」

 

「え?」

 

 スマラがビビの腕を引っ張り、物陰に隠す。町で起こっていた暴動が近くまで来ていたからだ。

 ゾロも気づいたのか、物陰から奥の様子を伺う。

 

「海軍だ。何でこの街に居やがる」

 

「………っ!!荷物を持って。そろそろこの場を離れないと」

 

 ゾロとウソップが物陰から隠れて様子を伺っていると、スマラが何かを察知した。皆に急いでこの場を離れる様に進めるが…。

 海軍に追い回せれていたルフィに見つかった。スマラは察知したのは、この街に居る少し強い反応が二人こちらに向かって来ており、さらにスマラでも相手になるか分からない猛者がその後追いかけて来ていることだった。

 ルフィに見つかると連鎖的に海軍にも気づかれてしまい、一同は急いで荷物を担いで逃げることに。

 

「ほら、急ぎなさい」

 

「で、でも。荷物を持たなくちゃ」

 

「……はぁ。貴女の分は私が持つから、走りなさい」

 

 スマラは真っ先に依頼主であるビビを逃がそうとする。が、責任感のあるビビは荷物を持とうとしてスマラをイラつかせた。

 迷っている時間はない。スマラはため息をつくと、ビビが持とうとしていた分の荷物と適当な荷物を掴むとビビを先行させる。

 

 後ろでは猛者が接近していたが、狙いはこちらではなさそうなので放っておくことにする。ルフィの知り合いみたいだった。

 スマラは後ろを気にしつつ、ビビの後ろを走って船へと戻っていく。他のメンバーもその後を続いた。

 




次回はユバまでいきたい。願望通りにいくのか?

今後どんな風に進めていくべきかアンケート!!読者様の意見が聞きたいです。が、アンケート結果が絶対に反映するかは分かりません。結果を意識しながら書いて行けたらなぁ。と思ったアンケートです。

  • 出来るだけ簡潔に!!
  • もっとストーリーに関わって欲しい
  • そんなことよりも更新速度早よ!!
  • 知るか!勝手にやってろ!!

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