麦わらの一味?利害が一致しているから乗っているだけですが? 作:与麻奴良 カクヤ
ネタじゃないからな。ではどうぞ。
何時まで続ければいいのだろうか?
スマラはクロコダイル相手にある瞬間を待っていた。
クロコダイルとスマラが衝突して既に数分が経っていた。広場の爆破まで時間はない。
終わらせようと思えば直ぐに終わらせてしまえるスマラだが、一向にクロコダイルにトドメを指さない。
理由は単純明確。スマラがトドメを指すと目立つからだ。
この国には海軍もいる。既にクロコダイルが黒幕だとバレているので、スマラがクロコダイルを討伐しても世界政府からの反感は買わないだろう。が、王下七武海が国を乗っ取ろうとしたのだ。世界的に目立つのは当然となる。
スマラが一匹狼の賞金稼ぎなら何ら問題も無かっただろう。国を救った英雄として新聞に取り上げられるはずだ。多少問題は起こるが、昔も新聞に取り上げられた事があるのでスルーされるはず。
だが、今は状況が少々混み合っている。スマラは只今海賊船に乗っており、仲間だと言うルフィの姿をスモーカー大佐に見られているのだ。
確実に不味い。賞金稼ぎとして新聞に取り上げられるのは承諾できるが、海賊としては非常に不味い。スマラの今後の人生を左右するレベルの問題だ。
だからスマラはクロコダイル相手に時間稼ぎをしている。
それにもう一つ。
長引いた戦いも、もう直ぐ終わろうとしていた。
スマラは見聞色の範囲内にある気配をとらえると、クロコダイルから一気に距離を置く。そして、天を仰いだ。
太陽にポツンと点が見える。点は次第に大きくなり、その正体を表した。
「クロコダイル~~~~~!!!!!」
ルフィの声だ。ペルーに乗ってこちらに向かって来ている。
そう、スマラが待っていたのはルフィの到着だったのだ。
確かにクロコダイルはルフィを殺したと言った。スマラも死んだのかと思うが、どうしても信じ切れなかった。古来より死んだはずの人が実は生きてました。というのは、典型的なストーリーだからだ。
少し負担になるが、見聞色の覇気をレインベースまで範囲を広げると、生きている事が発覚。それまでの時間稼ぎをしていた。
さらに言えば、スマラは「クロコダイルを倒すつもりはない」と宣言している。ルフィに譲る事も。
スマラは守れない事は口に出さないが、口に出して約束したことは律義に守る。
故に、ペルーから飛び降りたルフィに、選手交代で引き下がるのは当然のこと。
ビビは飛び降りて来たルフィに抱き着いた。
スマラがクロコダイルを止めていても、あと数分後には広場が爆破してしまい、皆が死んでしまう事を嘆く。
ルフィが言った。俺たちに任せろと。
「スマラ!!ビビを守ってくれててありがとな! よし!!交代しろ!!」
「依頼ですからね。 ……それではサー・クロコダイル。麦わらに負けない様に、お気をつけて」
スマラはそう言うと、ルフィと場所を交代した。
クロコダイルは何か言いたげだったが、スマラが自らひいてくれるなら願ってもないチャンスだ。麦わらを倒した後、ビビ抹殺の為に対峙しなければならないが、まずは歴史の本文を読んで古代兵器を手に入れる方が先だ。もしかしたら、広場の爆発に巻き込まれどちらかが死ぬかもしれないし。
ビビの隣に立ったスマラは断りを入れてビビを抱きかかえる。お姫様抱っこだ。百合百合がお好きな方が目にしたら鼻血ものの光景だ。
戸惑うビビを放置して、スマラは城壁を飛び降りる。
「きゃああぁぁ~~~!!!!」
耳元で聞こえる悲鳴の音量を下げて無視して落下。減速や月歩でも方向転換もしない。自然落下。ただ真っすぐに降りる。
数秒間の自然落下も終わり、ストッと音を立てて地面に降り立った。普通なら足の一本や二本、下手すればそれだけで死ねるレベル。
スマラは地面に痕跡一つ残らずにやり遂げた。浮遊感が無くなり、目を開けたビビが啞然としていたが「スマラさんだもの、気にしても仕方ないわ」の一言で終了。酷い言われようだが、スマラはそこまで一般人にこだわりを持っている訳ではないのでスルー。
降り立ったスマラとビビの元に次々とメンバーが集まる。皆満身創痍。無事にオフィサーエージェントとの戦闘に勝ったようだ。
良かった、と安心するのも一瞬だけ。ビビは広場が爆破される事を伝える。皆で手分けして探す事になった。スマラとしてはビビには逃げてもらいたかったが、半径五キロを吹き飛ばす爆弾だ。王宮も無くなる。報酬がなくなるならビビを守る必要はない。精々自分の命を守るだけ。
ペルーが街中を走り探すビビに報告する。空から探したが見つからなかったらしい。
後五分を切っていた。
四分。
まだ見つからない。
三分。
ビビは転けた。今までの疲労が脚に来ているのだ。
まだ見つからない。
「分かったわ!!スマラさん!!」
「ホント?」
「えぇ!!ウソップさん!!」
再び広場に戻って来たビビが、遂にありかを突き止める。
その場に居たウソップに信号弾を撃ってもらい、直ぐに動き始める。が、バロックワークスが行く手を阻んだ。
「キャッホウ~~!!見つけたぜ、ビビ王女!!」
「大人しく………ブゴッ!!」
何かテンプレっぽいセリフを言いかけた敵に、スマラが蹴りをかます。彼らは知らない。これから対峙する相手が、自分たちのボスを軽く捻ったバケモノだということを。
「あなたたちは先に行きなさい。私が行っても無駄だから」
「……で、でも!!」
「そうだ!!スマラが居れば爆弾なんて……」
「私では爆弾の無力化は難しいと言っているの。そうこうしている時間はないのではなくて?」
スマラ居れば爆弾など簡単に無力化出来ると踏んでいたビビやウソップだが、スマラはそれを否定する。
半径五キロを吹き飛ばす爆弾だ。スマラでも簡単に無力化出来ない。後数分で出来る事と言えば、自分の身を守ることくらい。もっと時間があれば無力化も可能だったかもしれないが……。
と言う事でアラバスタに来てから初めてビビから離れるスマラ。実際、依頼はもうどうでも良いと考えている節がある。
スマラに説得されて先を急ぐウソップとビビ。スマラは二人を見送ると、バロックワークスの社員に向き合った。
「オイオイ女。多少腕に自信があるみたいだけど」
「この数に勝てると思っているわけ?」
「ぎゃははは!!!」
「………………れたわ」
何かを呟いたスマラ。聞き返す社員さん。
「ん?なんか言ったか?」
「まぁいい。さっさとビビ王女ぶっ殺して昇進してやるぜ!!」
ヒャッハー!とスマラを襲う社員さん。
彼ら一言。
「疲れたわ。って言ったのよ。……沈みなさい」
辺りが震えた。比喩ではない。物理的にだ。
何か?が突き抜けていく。それを受けた者は例外なく泡を吹いて倒れていく。
王者の覇気。覇王色の覇気だ。
ここ数日、ビビの護衛で碌に読書ができていない。つまり、イライラしていた。
そのイライラをぶちまける様に覇気で雑魚敵を一掃する。覇気を使った後の疲れなど知ったことでない。
「さてと、爆弾はどうなるのかしら?」
一瞬で戦闘を終わらせて、自由時間を得たスマラは高みの見物よろしく時計台を見た。
爆発まで後、三十秒。
時計台の一部が開いていた。そこから見えるのは巨大な砲台。それを使って爆弾を発射するのだろう。
見聞色には反応が二人分見える。四十九、バロックワークスのエージェントだろう。と、人が時計台外壁を飛んでいる。麦わら一味だ。個々では無理でも、集団の力で敵の場所まで進んでいるのだろう。
どうにかしてビビが時計台から敵を落とす。
残り一秒。
何も起きない。だが、ビビが時計台から顔を覗かせて何か叫んでいる。表情からすれば、想定外の事が起こっているのだろう。
残り数秒。
ファルコンが爆弾を時計台から運び出す。
確かに、彼の速度なら可能かもしれない。
スマラは未来を見た。
数秒後、空で大爆発が起きる。しかし、何事も無かったかのように戦いは再開される。
何も変わらない。終わらない。ビビの声はアラバスタには届かない。
地面から何かが打ち上がる。クロコダイルだった。
偉大なる航路の入り口で、傲慢にもルーキー狩りをしていた王下七武海は、己の鍛錬を怠った為にルーキーに負けたのであった。
黒幕は倒れたのに、戦いは一向に終わらない。必死に叫ぶビビ。
ポツリ ポツリ ポツリ
誰かが気づいた。
ポツリ ポツリ ポツリ
気づいた者が行動を止める。
ポツリポツリポツリポツリ
段々と広がっていく。
そして、届いた。
待ち望んだ雨と共にビビの叫び声が届く。
この瞬間、クロコダイルの作戦が終わり、アラバスタ王国の反乱が終結した。
スマラの依頼も、ここに来て完遂だ。
流石に疲れているのか、民家の壁に背を預けて目を閉じる。
終わった。今までで一番面倒くさい依頼だった。
ただし、報酬もまた格別。
知らず知らずのうちに笑みが零れていた。
急いで報酬の下に行かねば。しかし、少しくらい休んでもいいだろう。
その前に………。
「何の用かしら?海軍さん?」
スマラの目線の先には海軍がいた。クロコダイルを運んでいる。
通りかかっただけだろう。だが、スマラに声を掛ける理由がわからない。
女海兵は、何かを決めかねている目をスマラに向けている。
「貴女は、クロコダイルと戦ったと聞いています」
「えぇ、そうね」
「それは麦わらの一味としてで……」
最後まで言わせなかった。
殺気をまとった指先が女海兵の額に触れる。ただそれだけ、スマラは女海兵の殺生権を握った。
力を少しでも込めれば女海兵の頭蓋骨には風穴が空き、脳汁と脳味噌を辺りにぶちまけるだろう。
「冗談でも言わないでくれるかしら?……確かに麦わらの一味の船には乗っているわ。でもそれだけでしょ?肩入れはしていない。仲間でもない。私の知らない場所で推測をたてられるのは仕方ないにしても、聞こえる範囲では許さない。その言葉がどの様な意味を、影響を持つのかよく考えなさい」
「………っ!!」
「周囲の海兵も構えを解きなさい。上司がお亡くなりになってもいいのかしら?」
自分を包囲している海軍に向かって、スマラは喚起を飛ばす。
スマラとしても海軍と事を構えるのは望んでいない。寧ろ良好な関係までとは行かないが、賞金稼ぎとしての普通の関係は結びたい。
「……包囲を解きなさい」
「しかし!!」
「解きなさい!!彼女の噂が本当なら、私達は全滅します。それに、彼女は海賊ではありません」
女海兵が部下に言う。その気迫が通じたのか、海軍は包囲を解く。スマラも円滑なコミュニケーションをとるために女海兵から指を離した。
極度の緊張感から汗が流れ落ちる女海兵。
海賊ではない。その言葉がスマラの気迫を抑えたのだろう。
「それでいいのよ。どうやら、貴女は私の立場について悩んでいたようね。そこに現れた私に問い詰めるつもりだった。……その結論で結構よ。上にはそのまま答えなさい。上がどう考えるかは私には知ったことではないわ」
「……そう、させていただきます」
「失礼いたしました」と女海兵は部下と共に去って行った。
さてこれから何処に向かうべきか。
スマラは泥のように眠る麦わらの一味を見つけてそう思った。皆、満身創痍だ。
このまま待ってもいい。が、雨に濡れるのは得策ではない。スマラとて雨に濡れれば風邪をひくし、体調も崩す。今はクロコダイルとの戦闘、度重なる見聞色の覇気の使用、とどめの覇王色。
最後に食事を取ったのもレインベースの一回きり。そろそろ持たない。
なので、スマラは一人で王宮に向かうことにした。
麦わらの一味を待つ義理はない。元々スマラは仲間じゃないので、島では自由行動を取っていた。
アラバスタではビビの護衛任務により行動を共にしていたが、本来は違う。
一人で王宮に向かっても、何ら問題はない。
王宮に着くと、ビビや王様がまだいた。その他にもイガラムやチャカ、王国軍の皆様も勢揃いだ。
出迎えている。というより、待っていると言った方が正しい雰囲気だ。
「スマラさん!!」
スマラが姿を見せると、ビビが駆け寄って来た。
「あの、みんなは………」
「さぁ?………と言いたい所だけど、それは流石に酷いわね。ここからそう遠くない場所で一同倒れるように寝ているわ」
「ホント!!?パパ…?」
麦わらの一味が王宮に帰っていないことを不安に思ったのだろう。ビビに聞かれたスマラは見つけた場所を教える。
ビビが国王に目線を送ると、
「勿論だ。チャカよ、国を救ってくれた英雄たちを王宮に運び込んでくれ」
「はっ!承知いたしました。そのように手配致します」
国王から命令を受けたチャカは、国王軍数名を引き連れて倒れている場所に向かった。
ビビが安堵の表情を浮かべ、国王も笑顔を向ける。
そろ~りとこの場から離脱しようとしていたスマラに、国王が視線を向ける。
「君も助かった。礼を述べよう。ありがとう!!」
頭を少しだけ下げて、スマラに感謝の気持ちを伝える国王。
スマラはそれを見ると、
「……えぇ、依頼ですから。報酬の前に、休憩出来る場所を頂けるかしら?」
スマラはどこまでもスマラだった。
ビビを王宮から投げ出せなかったクロコダイル
スマラが抑えているからね!よって少しだけ原作と変更。
ストッと音を立てて着地
音量やら衝撃を能力で抑えています。
半径五キロ爆弾
爆弾の威力や、衝撃、中に入っている火力量などを弄れますが、数秒では無理。自分に干渉することはすぐ可能だが、自分以外に能力の影響を及ぼすとなれば時間がかかると考えている。
依頼を放棄し始めているスマラさん
幾度なくビビを救った。最後にクロコダイルと戦ったしいいよね!と思っている。本音→作者が疲れちゃった。てへぺろ。
二十二巻終わり
巻き巻き。
あの状況下でスマラとたしぎが出会うのか?
ご都合展開としてお願いします。遭遇してもおかしくないでしょ?
最後の方「向ける」が多くない?
し、知らない。語彙力がないので……。
やっとアラバスタ編終了。
八話もかかるとは思わなかった。次回ラストです。
今後どんな風に進めていくべきかアンケート!!読者様の意見が聞きたいです。が、アンケート結果が絶対に反映するかは分かりません。結果を意識しながら書いて行けたらなぁ。と思ったアンケートです。
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出来るだけ簡潔に!!
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もっとストーリーに関わって欲しい
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そんなことよりも更新速度早よ!!
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知るか!勝手にやってろ!!