麦わらの一味?利害が一致しているから乗っているだけですが?   作:与麻奴良 カクヤ

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 四周年の福袋がショックで立ち直れなかった。が、スタンピード観に行ったのでテンションは上がってます。

 前回サーキースの名前を間違えてました。報告ありがとうございます。今回は直している、はずです。


349 二十八頁「私を倒したかったら、世界レベルを持って来なさい」

 ギャル海賊がやられた。一息ついて漸くその現実を理解したサーキースは眉間に皺を寄せる。

 自分の仲間がやられたのだ。怒らないほうがどうかしている。ベラミー海賊団は北の海である海賊に憧れたチンピラが海賊になった集団だ。仲間想いは強い。

 

 サーキースはククリナイフを取り出してスマラを睨む。

 だが、そんなことは知らないとばかりなスマラは立ち尽くす。その態度が更にサーキースをイラつかせる。

 声を上げてスマラに肉弾戦を仕掛けた。

 

「ナメるんじゃねぇ!!」

「ナメて無いわよ」

 

 一撃目、下ろしたククリナイフ。スマラは一歩立ち位置を変えるだけで難なく避ける。

 二撃目、横薙ぎ払いされたククリナイフ。スマラはまたしも一歩下がるだけで回避。

 三撃目、目にも止まらぬ速さで連続でスマラを襲うククリナイフ。スマラは受け止める場所を武装色の覇気を纏い、的確に全て受け止めた。

 四撃目、は来ない。サーキースは全力で行った攻撃を全て回避、又は防御された。

 

「ヒィッ!!」

「どうしたの?まさかこれで終わりじゃないでしょうね?」

「な、何をしやがった!?悪魔の実の能力者か!!?」

 

 今までこれを受けて立ち上がった者はいない。その攻撃全てを可憐に回避され、謎の黒い肌で受け止められた。

 サーキースは戦慄する。こちらが攻撃しようとしても、事前に察知したかのように逃げられる。かといって、当たれば黒い肌で防御される。

 こんな強さの敵、今まで出会った事がない!スマラに肉弾戦を仕掛けるのは、一番やってはいけない事だった。

 

 

 スマラの覇気を悪魔の実の能力だと判断し、距離を置いて観察するサーキース。

 悪魔の実の能力者に全くの無知ではない。今まで何人も出会っているし、船長だって悪魔の実の能力者だ。弱点は必ずある。

 

 スマラを観察して、間違った解釈を行うサーキース。スマラは悪魔の実の能力者だが、先の戦闘では能力は一切使用していない。

 能力を使った反撃は、反撃とも呼べない惨劇はこれから始まる。

 

「悪魔の実の能力者ね…。正解よ。ただ、それを見せるのは今からだけどね」

「は?何言って……!!」

 

 運動量を上げ、瞬間移動とも取れる速度でサーキースの真ん前まで移動するスマラ。サーキースは反応すらできない。

 そして、スマラの拳が当たる寸前。

 

「ナメているんじゃのよ。ナメる必要が全くないのよ」

 

 そう聞こえた気がした。

 

 

 

 

 

 事の始まりは、酒場で会った麦わら帽子を被ったルーキーだった。彼らはベラミーやサーキースにいくらイジメを受けようが、反撃すらしなかった。

 そんな腰抜け海賊が言った一言が今回の襲撃元だ。『空島について何か知らない?』

 あるはずもない幻想。空島にエメラルドの都、黄金郷、ワンピース。夢を見ない彼らが癪に触るのは当然の事。

 夢を見ているで思い出した、ジャヤの隅っこに暮らす異端者の存在。何と金塊を持っているらしい。

 そんな者に金塊は勿体ない。ならば俺たちが貰ってやろう。

 そう思っての襲撃だった。深く考えずに、酒のツマミになればと思っての行動だ。

 

 襲撃の初めは成功した。護衛であった、ショウジョウとマシラを難なく沈め、後はクリケットを残すのみ。

 己のバネバネの能力を使えば運動レベルで終わる戦い。

 

「スプリング……スナイプ!!」

「…ガハッ!!」

 

 散々痛めつけても立ち上がって来たクリケットも、悪魔の実の能力で強力な攻撃を食らわせれば一発でノックアウト。

 酒場で出会った腰抜け海賊の船を壊している筈のサーキースも、そろそろ終わっている頃合いだろうと振り向いた瞬間!

 

「……あぁ……」

 

「は?サーキース?」

 

 何かがベラミーの真横を通り過ぎて行った。

 一瞬遅れてそれが仲間のサーキースだと理解したベラミーは、驚きまして惚ける。

 何が起こったのか分からない。攻撃を受けた?誰に?サーキース程の奴が負ける相手なんか…。

 

「貴方が船長ね」

「だ、誰だ。…お前がサーキースをやったのか?」

「見て分からない?ベラミー海賊団船長、ハイエナのベラミー」

 

 スマラがベラミーの前に立っていた。服装一つ乱れていない。戦闘など行った形跡が一切見られなかった。

 コイツは危険だ。そう直感的に感じたベラミーは即座にバネバネの能力を開放する。仲間がやられた、手加減など要らない。

 

「スプリング……」

「ベラミー待て!!コイツ、何か可笑しい!!」

「……スナイプ!!」

 

 仲間がベラミーを制止させようとするが、ベラミーに聞こえちゃいない。

 足をバネに変形させ、反動で跳ねる。その速度は、一般人が反応出来る速度ではない。

 だが、相手はバケモノ。スマラだ。

 スマラはベラミーが跳んで来るのを目視すると、身じろぎ一つせずにベラミーの攻撃を受け止めた。反射の設定はしてない。

 反動で距離が開いてしまう。ベラミーは信じられない目でスマラと自分の拳を見つめる。

 

「なんでだ。攻撃は確かに当たった筈だ!どうして倒れない?」

「…それは、貴方の攻撃が弱いからではなくて?」

「…!?……まぁ良い、今度こそ本気で行くぜ!!」

「ベラミー!!やめろ!!そいつに攻撃は……っ!!」

 

 またしても仲間の制止の呼びかけ。だが、ベラミーの耳にはそんな雑音入ってきてはいなかった。

 先ほどよりも強く地面を蹴る。その威力は、地面に小さな凹みが出来る程。

 目にも止まらない速度。普通の海賊なら目視することすらできずに敗れ去るだろう攻撃。

 それをスマラは目視して避け、すれ違いざまに拳を叩き込む。

 一瞬にして意識を失うベラミー。仲間たちも目を開いて啞然とする。スマラが異常なほど強い事はサーキースがやられた事で分かってはいたが、懸賞金5500万ベリーで偉大なる航路で話題のルーキーが呆気なくやられるレベルだとは思わなかったのだろう。

 

 大口を叩いている大型ルーキーもこの程度かと、スマラは興味を失う。仲間達がベラミーに近づいてくるのをと対極に、スマラはクリケットやショウジョウ、マシラに向かって歩く。

 最後にスマラは、意識のないベラミーに向かって呟いた。

 

「情報は武器よ。相手が誰なのか知っていなくてはダメ。情報がなくても、相手の技量を見極めるくらいしないと、この海では呆気なく散っていくわ。覚悟が足りない。ヘラヘラと海賊やっていても、海軍も本物の海賊は本気で相手にしてくれないわ」

 

「ベラミー!!大丈夫か!!?」

 

 仲間が駆け寄って来た。この場にもう用はない。

 やはりただのルーキー。麦わら一味の様に、七武海に喧嘩を売る様な度胸も、覚悟も足りてない。自分の実力で簡単に終わるレベルで満足して止まっているからこうなる。

 やっぱり、麦わら一味は伸び代がある。観察しなくては……。

 

「私を倒したかったら、世界レベルを用意しなさい」

 

 

 

 

 

 地面に倒れて意識を失っているショウジョウとマシラの巨体を難なく持ち上げて一箇所に纏める。

 クリケットは意識はあるものの、怪我が酷すぎて動くのも困難。スマラは流石にこのまま放って置くのも非人道的だと思い、半壊した船に戻って救急セットを持って来る。ノーランドの日誌を見せてくれた恩は返すのだ!

 

 覇気や生まれつきの頑丈さで、怪我など両手で数えるほどしか負った事がないスマラには、怪我の処理はチョッパーほど上手く行えない。本格的な治療は彼にやって貰うとして、それまではスマラが応急処置を行う。

 色々な本を読んでいるスマラにとって、怪我に応急処置を行う事など造作もない。

 

 3人の応急処置を行い、麦わら一味が帰って来るまでスマラはここで待つ事にした。

 本を読んで待っていると、クリケットが話しかけて来る。

 

「すまないな。船を壊させちまっただけでなく、追い返して応急処置もしてもらって…」

「大丈夫よ。それに、日誌を読ませて貰った恩があるもの。突っかかって来た向こうが悪いわ」

「……お前さん、見かけによらず強いんだな」

「えぇ……。少なくともこの島で私に勝てる可能性があるのは一人だけだわ」

「あの麦わらの小僧か?」

「違うわ。――もうしゃべらない方が良いわ。応急処置しか出来てないもの。もう直ぐ帰ってくるはずだから、黙って待ってなさい」

 

 スマラをクリケットを横にさせると、興味を失ったようで読書に戻る。

 恩はあるが、それだけだ。ただの一般人に自分の情報を提供するほど愚かではない。

 

 

 

 

 

 スマラがクリケットに言った通り、十分も経たない内に麦わら一味は帰って来た。

 彼らはまず、壊れたメリー号に目を開き、地面に横たわっているショウジョウとマシラに悲鳴を上げる。

 

「あら?お帰りなさい」

「あら?って!!この状況はどういうことよ!!」

 

 ナミがスマラに詰め寄った。圧倒的実力者であるスマラが居ながら、こんな状況になっているのはおかしいと。

 

「まぁ舩を壊されたのは私の落ち度だわ。ごめんなさい。でも、先に彼らを診てあげてくれるかしら?一応応急処置をしてあるけど、本職に診てもらった方が安全だわ」

「わ、分かった。でも、応急処置は完璧だ。これなら大丈夫だ!」

 

 チョッパーが三人の手当てにかかる。

 その間、スマラは何があったのか伝えた。船で休んでいると急に破壊されたと言う事。歯向かってきた海賊は叩き潰したと言う事。

 全てを話し終えると「それなら仕方ない」ということになった。麦わら一味は優しいぞ。スマラの知っている唯一の海賊なら、責任を取らされた挙句仕事を背負わされる。

 

 そしてもう一つ、スマラが気付かなかった事が一点だけあった。それは、

 

「ねぇみんな!!金塊が取られてる!!」

 

 壊れた小屋を片付けていたナミが足りない物に気が付いた。

 スマラが出てきたのは金塊を盗んだ後だったのか、そこまで頭が回らなかった。所詮金塊。本では無い限りスマラの興味は動かない。だが、所詮金塊と思っているのはスマラとクリケットだけだった。

 その金塊は、クリケットが十年も身体を壊しながら潜水して、海底から拾い上げた黄金郷の手掛かりなのだから。

 そのことをウソップがクリケットに「そんなものじゃないはずだ!!!」と言うが、クリケットの気持ちはただ一つ。麦わら一味を空島に連れていくことだけだ。

 

「なぁスマラ」

「何かしら?」

「ひし形のおっさんを襲ったのはベラミーってやつか」

「そうね。一応潰しておいたけど、船員が残っていたから逃げているでしょうね」

「そうか」

 

 スマラに襲撃した相手の確認をとるルフィ。クリケットの金塊を取り返しに行くつもりだ。

 ナミとクリケットが止めようとするが無駄だ。こうなったら力ずくでしか止まらない。

 ルフィは止まらない。朝までに戻って来ると約束をし、ルフィは海岸沿いを走って行った。

 

 こちらもルフィを待ち惚けているわけにもいかない。チョッパーが制止するのも無視して、クリケット、ショウジョウ、マシラは起き上がる。ルフィが帰ってくるまでに船の改造を終わらせるためだ。麦わら一味も猿山連合軍も総動員して作業に取り掛かった。

 

 スマラ?その辺で読書に勤しんでいますよ?

 

 

 

 

 

 場所は変わってモックタウン酒場。

 スマラに破れ意識を失っていたベラミーとサーキースは、船で移動している間に回復していた。

 体中が痛むが、後遺症は残っていない。それだけスマラは手加減していたということだ。

 最も、彼らは知る由もないが。

 

 酒場に戻ってきたベラミー海賊団は、スマラにやられた事を忘れる様に酒を飲んでいた。

 雰囲気は心非ずと言ったところだろう。だが、そんな雰囲気を変える為に、話題はショウジョウやマシラの話になる。

 

「あの時は笑ったよ!!あの図体で血塗れと鼻水垂らして「おやっさん~~!!」だぜ!!ハハハ!!」

「そんなに大事ならしっかり守ってみろってもんだぜ」

「仕方ねぇさ、相手はベラミーじゃしょうがねぇ」

 

 ショウジョウとマシラを酒の摘まみにして笑い合うベラミー海賊団。だが、話題はスマラの事になる。

 暗い雰囲気になるが、愚痴でも言わないと収まらない。

 

「しかし、あの女は何者だ、ありゃ?」

「さぁな。全く見覚えのないツラだった。もしかしたら新世界から来たバケモノかもな」

「そこまでにしようぜ。そんな話聞きたくはねぇ」

「それもそうか、済まない」

 

 スマラの話題を止めて酒を煽る。場の空気は再び楽しい雰囲気に包まれようとしていた。

 だが、そんな空気も吹き飛ばす情報が酒場に飛び込んでくる。

 

「た、大変だァ~~!!昼間にこの酒場に居た奴………」

「オイ、こんな夜中にうるせぇな」

 

 飛び込んで来たのは一人の男だ。これといった特徴はない。

 彼はベラミーを見つけると「直ぐに逃げた方がいい」と言った。

 ベラミーは気分が悪そうに男を睨み返す。

 

「………あぁ!?俺が誰に殺されるって?」

「あの昼間にこの酒場で虐めた二人だよ!!緑髪の剣士は6000万、麦わら帽子を被った奴に至っては一億!!どっちもあんたよりも懸賞金が上なんだよ!!」

 

 まさかの情報を聞き、酒場は静寂に包まれる。偉大なる航路の前半部分に居る海賊で、億越えなど滅多に存在しない。

 しかも、昼間にこの酒場で笑ってしまった相手だ。なぜその場で反撃しなかったのか不思議だが、海賊である限り報復に来るに決まっている。

 酒場の空気はお通夜状態に。

 

 だが、そんなのどうした!?とベラミーが嗤う。

 当の本人はベラミーにやられても仕返し一つしなかった腰抜だ。手配書の偽造に違いない、ハッタリでのし上がった実力不足だ!!とベラミーは希望願望を言い立てて、場の空気を元に戻した。

 

 だが、それもほんの少しの合間だった。

 

「ベラミーはどこだぁ~!!!」

 

 外から大きな声でベラミーを呼び立てる声が響いたのだ。声の主は話題に上がっていた麦わらのルフィ。

 金塊を取り返しに来たのだった。

 

 

 




 ベラミーww
 流石当て馬キャラ!!二年後では成長してますが、この時点では世界を知らないチンピラです。
 スマラにボコられ、ルフィにやられる。これが成長と言う奴なのだ!!なお、作者はベラミーに特別な感情はありません。

 ショウジョウは海に落ちたはずでは?
 ご都合主義での変化です。スマラは海に入れないので。

 今回進んでない
 まさか、戦闘とちょっとした後日談で一話が終わるとは思いませんでした。作者もビックリです。ジャヤは直ぐに終わるって言ったやつ誰だよ?自分ですね。簡潔に簡潔に……って思っているんですが、中々上手くまとめれない。どうも、ダラダラと書くのが得意な作者です。

 次回は世界政府からの見たスマラです。
 五老星とセンゴク、ドフラミンゴか……。この辺はタイトル通りっぽいかな?次回こそジャヤを終わらせ……。

今後どんな風に進めていくべきかアンケート!!読者様の意見が聞きたいです。が、アンケート結果が絶対に反映するかは分かりません。結果を意識しながら書いて行けたらなぁ。と思ったアンケートです。

  • 出来るだけ簡潔に!!
  • もっとストーリーに関わって欲しい
  • そんなことよりも更新速度早よ!!
  • 知るか!勝手にやってろ!!
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