麦わらの一味?利害が一致しているから乗っているだけですが?   作:与麻奴良 カクヤ

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遅くなって申し訳ありません。箱イベと、終わり時が分からず長々と書いてしまいました。


402 三十四頁「さっさと逃げなさい」

 強大な雷エネルギーを自身に纏わせ、雷神と化したエネル。

 対するは、一見非力に見えるお嬢様。

 だがしかし、現状は世界でも最強の部類に入るバケモノ、スマラ。

 

 果たしてどちらが勝つのか!!!

 

 

 とナレーション的に熱く語ったものの、戦局は始まりからずっと傾いたまま。

 神の島で行われているサバイバルゲーム。参加人数も残り十数名を切った頃合い。

 参加者は殆どが島の上昇遺跡に。つまるところ神の島の中央に位置する巨大豆蔓を登った場所に移動していた。

 故に、一番下の大地である此処には戦闘可能な者はスマラとエネルしか残っていない。

 エネルとスマラが幾ら暴れても問題ないと言うこと。

 

 

 

 

 

 神の島に雷面が轟く。

 一度や二度ではない。

 

 十を超えた辺りから、何事かと驚いていた空島の住民達も静まる。

 静まるが、それは慣れたからではない。

 神が何度も何度も、天罰を落とさなければならない事態が起こっている現状に、恐怖を抱いているからだ。

 昨日の不法入国者が関係しているのか?それともゲリラ達が……!!?

 皆家の外に出て、恐怖に震えながらも祈るしかなかった。

 

 

 

 島に雷鳴が轟くその中心。

 大地が削れ、木々が燃えている。

 

「神の力は絶対なのだ!!」

 

 雷神が大地を叩く。

 雷撃が地面を迸りエグる。

 土煙が舞い上がり視界が悪くなる。

 

 その中から影が跳びだした。スマラだ。

 直撃を避け、バックステップで回避したようだ。

 そこへ、雷によって熱せられた高温の雷槍がスマラに狙い定まされた。

 

 空中なら避けられないだろう?

 

 スマラは攻撃を目視すると、腕を黒く硬化させて真っ正面から受け止める。

 力と力がぶつかった事により、衝撃波が巻き起こる。

 拮抗……いや、一瞬拮抗するがスマラが勝った。

 雷槍を押し返すと、態勢を崩した雷神に接近する。

 

 宙を蹴って瞬間移動。

 雷神はその行動を読んでいた。

 「おのれぇ!」と呟くと電圧を上げる。

 向かて来るなら結構。感電死しろ!!

 

 スマラは己に影響を及ぼす電気量をゼロにし近づく。

 そして、黒化したままの腕で雷神を殴った。

 

「ぐぉッ!!」

 

 初めてのダメージ。

 武装色の覇気は、普通なら捉えられることのない雷神を実体として捉える。

 スマラが雷神に与えたダメージは大きい。

 肉体的ダメージも然ることながら、精神的なダメージにも直結する。

 

「ば、バカな!!雷を捉えただと!!」

「見聞色を知っていて、武装色を知らないって新鮮だわね。さぁ、これで私の攻撃は貴方に通るわ、諦めない?」

「………原理は知らぬ。だが、それでも貴様は神に触れる事が出来ると理解した」

「…………」

「あってはならない事だ!!神は絶対なのだ!!」

 

 スマラの言葉はエネルに届かない。

 スマラはこれで理解した。

 エネルには何を言っても無駄だと言う事を。

 

 己が絶対神であると信じているから。

 自分以外の強者を見た事がない、故の傲慢。

 自然系能力者にも攻撃が通るという事実を知らない。

 だから、目を逸らす。

 

 神には攻撃が通るはずがない。

 神よりも見通せる者は居ない。

 神よりも強い者は存在しているはずがない。

 

 そう信じているから、スマラの声はエネルには届かない。

 一種の逃避行動でもある。

 そのくらい、スマラの存在を認めたくなかった。

 

 

 スマラの存在を否定するが如く、エネルの能力は活性化していく。

 エネルを中心に雷が迸る。

 近づくものは全て雷エネルギーで黒焦げになる。

 緑は全てが黒に変わった。

 生きていけるものなど存在しないはずの世界が完成される。

 

 そんな一種の死の世界にスマラは立っていた。

 能力を使い、己に触れる電気量を全てゼロに変換。

 異常な光景の中、たった一人が立っている異常光景。

 

 立ち尽くしているスマラに雷撃が襲い掛かる。

 一つではない。何十という数の雷撃だ。

 だが、スマラは全くもって身動き一つすらしない。

 

 

 考えている。考えているのだ。

 このめんどくさい状況を打破する作戦を。

 

 スマラがどうしようと、「神だから」で返されてしまう。

 ここまで自分の力を過信している者は初めてだ。

 今まで、自分の能力を過信していた敵は皆、スマラの圧倒的な強さを見ると恐怖で引き下がる。

 引き下がらないのは、四皇か王下七武海、世界政府の化け物くらいだ。

 これほどまでに戦力差があるにも拘らず、諦めずに攻撃してくるのは初めて。

 非常に厄介。どう対処する?

 

 わざと負ける。は論外。

 隙を突かれた風に装って、能力を解除して雷を受けると、死ぬ確率がある。

 素の力ではエネルの攻撃に耐えられると断言はできない。

 スマラは死にたくはないのだ。

 

 逃げる。も無理そう。

 相手は雷速で行動可能な雷そのもの。

 空島にいる限り、一瞬で見つかってしまうだろう。

 

 なら一つだけだ。

 もっと痛めつければいいだけの話。

 問題は疲れる。

 基本的に受けで、攻撃を跳ね返すだけで大抵の敵を倒すスマラは、こちらから攻撃を仕掛けるというものが得意ではない。

 攻めは苦手。だからといって出来ない訳ではない。

 

 

 

 

 

 エネルは動かない敵に途切れずに攻撃を放っていた。

 体力を大分消耗するが、この敵が己に与えた衝撃を思えば安い物だ。

 この神の国にいる戦力の中で最も厄介なのが奴だ。

 その最大の脅威を排除出来るとすれば後は問題ない。

 唯一の懸念は『限りない大地』に向かう為の方舟マクシムを動かす体力があるかどうか。

 まぁ、その辺は追々考えれば済む話。

 ただ雷エネルギーを垂れ流すだけで動くのだから。

 

 その他にも、空の騎士ガン・フォールやゲリラの戦士ワイパー、神官を倒せるレベルの青海人など、戦うべき相手は多数存在しているが、雷の前では無力も同然。

 この女が異常なだけだ。

 

 エネルは雷神となり雷エネルギーで形成された拳を叩きつけた。

 何度も同じ事を繰り返したように、また大地が破壊され……なかった。

 

「ッ!!?」

 

 今までと感覚が違う。

 拳全体で地面を破壊することなく、一点で止まっていた。

 一瞬遅れてやってきたのは、腕の痛み。

 

 何故!?

 

 理解した時には、腕がなくなっていた。

 分かったのは奴が腕を吹き飛ばしたことだけ。

 吹き飛ばされた腕は再構築可能だ。

 実態がないのだから当然だ。

 しかし、なら何故痛みがあるのだ!!

 

 続けざまに放った雷撃もこちらに跳ね返ってくる。

 雷で出来ている身体である為、こちらにダメージが入るはずがないのだが、なぜか痛い。

 跳ね返った攻撃を身体に吸収する度に電撃が身体に突き刺さる。

 

 エネルの頭には、何が起こっているのか全く理解できなかった。

 

 

 

 エネルが跳ね返った攻撃を受ける度にダメージを負っている原因は、勿論スマラだ。

 非常にめんどくさい精度を要求されるが、反射する攻撃に武装色の覇気を纏わせる。

 すると、跳ね返す電撃一つ一つがスマラの攻撃になるのだ。

 エネルは当然回避など行わない。

 だから、跳ね返った電撃が当たる度に痛みを伴うのだ。

 

 しかし、それが何十と続くと流石のエネルも気付く。

 跳ね返ってきた電撃全てが自分にダメージを与えていると。

 ならば回避を行うまで。

 元はと言えば、己の攻撃だ。

 心網を使えば、飛んでくる場所など丸わかり。

 己を雷に変化し難なく回避していく。

 

 エネル自身が攻撃を行わなければ、跳ね返ってくる攻撃もなくなる。

 範囲に入る者全てに襲い掛かる電撃の嵐は、いつの間にか収まっていた。

 静けさが舞い戻ってくる。

 

 全く動いていないスマラと、疲労で汗を流しているエネルだけがこの場を支配している。

 いや、この場を支配しているのはスマラだけ。

 

「全くもって気に食わん。お前の能力は大体は把握したぞ」

「把握したからなに?勝機でも見つけたのかしら?」

「攻撃する手段がないのだろう?」

 

 全くもって違いますよ!!

 

「ヤハハハ、図星か」

 

 だから違いますって!!

 

「確かに今のままでは俺には勝てない。だが!!それは貴様も勝てないのと同じことだ!!」

 

 見当違いな推測を、自信ありげに語るエネル。

 スマラはいい加減鬱陶しくなっていた。

 

 だから、地面を蹴った。

 

 エネルからすれば消えたように見えただろう。

 だが、エネルの余裕は消えない。

 心網を使えばスマラの行動などいともたやすく読めるから。

 

 エネルの死角からスマラが現れる。

 スマラはエネルに向けて裏拳を放つ。

 だが、エネルはスマラの行動を読んでいる。

 既に攻撃を避けていた。

 

「今更何を……グフッ!!」

 

 確かに避けていた攻撃が当たった!!?

 エネルは予想外のダメージに一瞬意識を飛ばしてしまう。

 

 スマラの攻撃が当たった理由は実に単純。

 見聞色の覇気で、エネルが自分の攻撃を避ける未来を見て、避けた先に攻撃を放っただけだ。

 見聞色の覇気使い同士の攻防では、読み合いが重要。

 圧倒的な心網で読み合いもくそもなかったエネルは、当然経験不足。

 単純な見聞色の覇気と体術だけの勝負でも、スマラに分があるのは当然のこと。

 

 エネルは痛みを堪えて、距離を置こうとする。

 が、スマラがそれを許さない。

 エネルが移動する場所に先回りして、武装色の覇気を纏った腕を置いておく。

 すると、エネルはその腕に自分からぶつかって行く。

 未来すら見ることの出来る見聞色の覇気あっての先読み攻撃だ。

 腕を置いているだけなので、攻撃ですらないのだがな!!

 

「くそっ!!」

 

 エネルが再び放電。

 スマラは片手間で電気量をゼロにしてダメージを受けない。

 更にエネルの眉間にしわが刻まれる。

 

「いい加減諦めたら?」

 

 エネルは電気エネルギーを活性化され、再び雷神へと変化する。

 巨大化させた電槍でスマラを突く。

 スマラは空中であろうが、地上であろうが関係なく回避。

 突く。回避。突く。回避。突く。回避。突く。回避。突く。

 

 回避、はしなかった。

 いい加減変化が欲しかったスマラは電槍を掴んで止める。

 二万Vもの電気エネルギーがスマラに襲うが、触れた瞬間にゼロに。

 更に能力の影響する範囲を少しだけ広めて……。

 

 何の予兆もなく、エネルが纏っていた電気エネルギーが消え去り、雷神モードが解除された。

 エネルは生身でスマラに捕縛されている。

 

「な、何が!!?」

 

 何が起こっているのか全く理解不能な様子のエネル。

 雷に変換しようが、武装色の覇気で捕まっている為、スマラから逃れる事も出来ない。

 効かないと分かっても放とうとする雷撃も、身体から発生していない。

 

 いや、発動はしているのだ。

 発動していのだが、その瞬間に消されている。

 スマラが能力で触れている限り、エネルは雷を使えない。

 それは、海楼石も同然の力だ。

 

「こんなこともできる。どう?力の差は歴然としているわ。これでもまだ諦めないの?」

「くっ!!?我は神である」

「神なんてこの世には存在してない。四皇すら届かない小物が神だなんて……井の中の蛙大海を知らずって言葉は知らないの?」

 

 発動した瞬間に無効化してくる存在など、この世に何人存在しているのだろうか?

 エネルの能力が覚醒しており、己から離れた場所からの攻撃ならスマラに届いたかもしれない。

 だが、それはエネルの能力が覚醒している事が前提だ。

 現実には覚醒などしてない。

 

 していないからこそ、勝敗は着いたも同然。

 エネルは呆然とした表情でスマラを見つめる。

 

 スマラが呆れ交じりの放った言葉で、エネルはようやく理解した。

 いや、本能では理解していたが、認めたくなかった現実をようやく理解したのだ。

 

 このバケモノには勝てない。

 勝てないどころか、挑むことすら間違っていたのだという現実。

 

 現実は己が思っている以上に残酷である。

 

 

 力なく地面に尻餅をついてしまうエネル。

 神の威厳など頭の中にない。

 あるのはこの目の前の存在から、逃げ切れるかどうか?だ。

 

 エネルはスマラが今更戦闘の中止を受け入れるとは思えなかった。

 向こうは戦いたくないとは言っていたのだ。

 だが、こちらは受け入れなかった。

 自分なら誰が相手だろうが勝てると、信じきって相手にしなかった。

 今更だ。

 

 現に相手はこちらに手を出してきた。

 反撃は、己を敵なのだと認識された今、放棄するなど不可能に近い。

 

 手加減してくれていたから、攻防が成立していたのに。

 本当の実力差は、戦う以前の問題。

 しかし、なにか行動を起こさないとやられる。

 

 

「さて、ようやく己の状況を理解できたようだけど……」

「……俺をどうするつもりだ。青海にも俺と対等以上に渡れる存在がいることは理解出来た。貴様がそうだともな」

「……それで?」

「神が敗者になるのは他のものに示しがつかん。故に戦わずして勝つ」

 

 言い終わると同時にエネルは、スマラの能力封じから逃れる為に動いた。

 能力は封じられているものの、海楼石みたいに身体の力が抜けているわけではない。

 故に、体術を使って逃げることは可能だ。

 

 槍を捻ってスマラが掴んでいる手から離れさせ、槍の自由権を取り戻す。

 同時に雷になってスマラから距離を取った。

 能力の関係上、接近戦が最も危険だから。

 

「あら、逃げられると思っているの?」

「逃げられる。貴様は雷の速度についていけるが、雷の速度で動いているわけではないのだろう。だったら、我が本気で逃げ続ければ逃げ切れるだろう」

 

 圧倒的な実力差には見ないふりをしていたが、観察眼は本物。

 戦いの中できっちりとスマラの行動を観察していたのだ。

 それでいて、早々に引くという結論が出なかったのはアレだ。神という過信が邪魔していたのだ。

 

「そうね。でも、私のこのイライラはどうするつもり?」

「知らぬ」

 

 スマラも黙ってはいられない。

 戦いたくはないが、反撃する程度にはイラついた、

 この落とし前はどう発散させれば良いか。

 

 エネルにも原因の一端があるが、そこは神としての自分勝手な性格で放置。

 スマラさんのイライラが更に深まる!

 

「……せめて一撃」

「ん?」

 

 スマラが呟いた言葉にエネルは惚ける。

 見聞色の覇気で分かっているが、聞こえてないふりだ。

 スマラさん更にイラッとなり、眉間に皺が寄る。

 

 スマラさん、腕を目の前に掲げてスタンバイ。

 エネルはスマラの行動の意図が分からずに首を傾げる。

 

 スマラさん、腕を振って空気を変動させる。

 通常なら空気が少し押される程度。だが、少し押されるだけでも空気の移動は起きている。

 その移動の量、つまり少ししか動かないのが一だとすると、空気砲如く攻撃に変換するのが100。

 その量を変換させ、スマラは空気すら武器にするのだ。

 

「腕など振って何をして……ガハッ!!」

 

 斬撃の如く飛ばされた空気はエネルに直撃。

 スマラの能力で有り得ないほど増加されたスピードでぶつかった為、エネルは今までで一番大きなダメージを受けてしまう。

 勿論武装色の覇気付きなので、雷になって攻撃を受け流す事は出来ない。

 

「私のイライラはどうするつもり?って言ったでしょ。まぁ、この辺にしておいてあげるから、さっさと逃げなさい」

 

 今日一番のダメージ。

 エネルは、スマラの手加減を無くした攻撃を一撃で。たった一撃受けただけでノックアウト。

 あまりの痛さに白目をむいて、意識を手放している。

 

 スマラは伸びているエネルを放置して、移動を開始した。

 目的地は勿論、ゴーイング・メリー号。

 追いつくのは完全に諦め、スマラはトボトボと歩き始めた。

 

 

 

 スマラVSエネル

 結果、スマラの圧勝。

 

 




 同じような内容を繰り返している節がある……。
 目をつむってくれたら嬉しいな!!!!

 これのどこが長いのか説明しなさい。
 後半削って、次話に回した結果です。次回は早く届けられるかも!!?

 周回疲れた……。
 箱イベの話。


 投稿から五時間後の追記です。
 アンケート結果が意外にばらついててビックリしました。
 多くても10くらいかな~って思いつきだったのに、まさかの100を優に超える投票数。
 それだけ多くの方に見てもらえていると言う事ですね。

 アンケート概要でも述べている通り、結果が絶対に反映するわけではありません。
 読者様が思っている事を知るためのアンケートです。
 多少意識するかもしれませんが、基本的には変わらない事をご了承ください。

 沢山のご協力ありがとうございました!!これからも頑張って投稿し続けて行きます。

今後どんな風に進めていくべきかアンケート!!読者様の意見が聞きたいです。が、アンケート結果が絶対に反映するかは分かりません。結果を意識しながら書いて行けたらなぁ。と思ったアンケートです。

  • 出来るだけ簡潔に!!
  • もっとストーリーに関わって欲しい
  • そんなことよりも更新速度早よ!!
  • 知るか!勝手にやってろ!!
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