麦わらの一味?利害が一致しているから乗っているだけですが?   作:与麻奴良 カクヤ

35 / 89
ギル祭周ってますよ!!!リンゴ無くなったから高難易度クエストと箱開け作業なんですけどね!!


411 三十五頁「……疲れたら読書が一番よね」

「――ッ!!まだ、倒れてなどおらんぞ」

 

 スマラが立ち去った直後、エネルは意識を取りもどした。

 時間にして1分未満。

 エネルは心網で周囲の状況を確認し、まだ近く(エネル基準で)に居るスマラの方を睨んだ。

 

「だが、あのまま戦うのは下策。予定通りマクシムを使い、島ごと消し去るのが吉か……」

 

 エネルはスマラに固執する気は消えたらしい。

 あれ程の力の差をみせつけられたのだ。

 まだ抗う者はバカか譲れない誇りを傷つけられた者だけだろう。

 

 

 どうやら、エネルの中では、スマラとの戦闘は無効試合となっているようだ。

 それはそうだろう。主催者側の神が一参加者に負けたとなれば、神の威厳はどうなる?

 絶対で唯一。

 勝てる者どころか同じステージにすら立てる者は居ないと思われていたのが、勝てる存在は世界に多数存在している。現在の空島にも一人居ると、主張しているのと同意儀だ。

 

 エネルにはそれが少々まずい。完璧な計画を持って、神は限りない大地へと向かうのだ。

 空に居る存在を全て地上に還して。

 

 流石に空島を丸ごと消すような攻撃ならば、奴にダメージを与える事が出来るだろう。

 だが、奴の標的にされたら終わりだ。

 先の戦いは幸い、誰にも見られていない。いくらでも無かった事にし易い。

 

 スマラ自身も戦う気がないので、目立ちたくないのだ。

 もし先の戦いがバレて、スマラに「エネルの撃破をしてくれ」と大勢に頼み込まれるとなると、スマラは更にイラつく。

 その発散先が誰?と考えると、エネルに向く可能性大だ。

 それも、先の戦闘よりも手加減なしで………。

 

 故に、先の戦いはなかった事にするのがお互いの為なのだ!!

 

 スマラへ視線を向けるのをやめると、エネルは雷となって消えた。

 消えた様に移動をしたのだ。

 島の上階遺跡で己の名を口にしているゲリラの一人に、恐怖を叩き込む為に……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 スマラもまた、エネルの反応が遠くに消え去ったのを感じ取っていた。

 はーっと大きく息を吐き出しす。

 

「やっと何処かに行ってくれたわね………今度目の前に現れたら、完膚なきまでに叩き潰してやるわ」

 

 スマラさん、かなりイラついていたようだ。

 今この瞬間に、スマラに攻撃を繰り出すバカがいたのなら、反射だけではなく、スマラから攻撃をして、理不尽な八つ当たりを食らったことだろう。

 まぁ、そんな敵は全てスマラから遠い場所に移動しているのだが……。

 

 トボトボと歩くスマラさん。

 その後ろ姿は、何処か疲労が溜まっている様に見えなくもない。

 

 

 それはそのはず。

 エネルとの戦闘は、ここ数十年の中でも最上位にめんどくさい相手だったのだから。

 自然系能力者で、見聞色の覇気の達人。

 空島でしか活動していない為に、慢心している点もあるが、能力ばかりに頼って鍛錬を怠っているわけでない。

 新世界でも十分に生きていける実力。

 

 最近で言うとクロコダイルレベル。

 スマラの敵ではないが、何も考えずに勝てる雑魚敵とは話が違う。

 見聞色の覇気は常に発動状態、能力も反射以上の力を使った。

 鍛錬もくそもないスマラに、疲労が貯まるのも無理はないだろう。

 それでも、汗一つ掻いていないのは、素のポテンシャルが一般人を遥かに凌駕している証拠。

 

 

 フラフラと歩くスマラ。

 エネルとの戦闘で、何時しか島の端から大分移動してしまっていたらしい。

 

 船に戻りたい。だが、反応は曖昧。

 島の中央部にはエネルと生き残った者と思われる反応が数名。

 こうして感じ取っている間にも、一人、また一人と消えていく。

 

 中央部以外に反応があるのは、島の外周、北東付近に四名。

 内二名の反応は薄く、二名の反応は普通だが一般人だと思われる。

 反応が薄い二名は麦わら一味の誰かだとは分かった。

 短いとは言えない間、一緒にいるのだ。

 反応くらい見分けられる。

 

 さて、ここで困ったことがある。

 スマラがいるのは島の南西側。

 最短距離で行くには、中央部を通らなければならない。

 うん。めんどくさい。

 かと言って周り込むのもめんどくさい。

 さてどうしましょうか?

 スマラが出した答えは………。

 

 

「……疲れたら読書が一番よね」

 

 腰を下ろしてリュックサックから本を取り出す。

 そのまま活字を追うだけの機械になり果てた。

 

 そう、読書だ。

 困ったときの読書。時間潰しに持って来いだし、本の世界に入り込むことで精神的な疲労回復にも繋がる。

 スマラの場合、本当に肉体的疲労も回復するらしいが……。

 読書には、我々の常識に測れない不思議な力が宿っているのだ!!(そんなわけありません)

 

 まぁ、移動せずに読書を開始するということは、歩きながら読書をするだけの余裕がなかったと言う事。

 それだけ、エネルとの戦闘はスマラにも疲労を与えるほどの相手だったのだ。

 スマラにここまでの労力を負わせた相手など、世界でも数えるほどしかいない。

 地上を見下さずに、新世界で修行を行っていたのなら、エネルは最も強くなるだろう。

 そんな相手だった。

 

 人知れず高レベルな戦闘を終わらせたスマラは、休憩に入る。

 すでに本の中にのめり込み、現実世界に意識を向けていない。

 

 さぁ、戦闘後の読書を心行くまでご堪能下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 と、そう簡単に物語が終われば、読者もそのような物語を求めないだろう。

 一難去ってまた一難。起承転結。伏線回収。

 言い方はいくつもあるだろう。

 要するに、エネルの野望はこれで終わったわけではないのだ。

 なので、一騒動起こるに決まっている。

 それが物語であり、物語を超える現実なのだから。

 

 

 

 ふと、スマラは嫌な気配を感じて本から顔を上げた。

 見聞色の覇気で索敵は常にしているものの、やはり読書中に無意識で行っているよりも、意識的に行っているのでは精度が段違い。

 意識を現実世界に戻し、意識的に見聞色の覇気を使う……までもなかった。

 

 顔を本から上げると、嫌な気配の原因は空にあった。

 雲だ。

 ただの雲ではない。

 

 雷雲。

 雨こそ降っていないが、見るからに雷が落ちて来そうな雲。

 

 

 自然現象ではない。

 人工的な雷雲だ。

 森の一部を破壊しながら上昇している船の、煙突部分から絶え間なく発生している。

 

 

 この島でそのような現象を引き起こす事が出来る存在は二人だけだ。

 原子レベルの量を操って天候すら自由自在なスマラと、雷そのものであるエネルだ。

 スマラにはこの様な事を行う理由が無いし、いままで読書にいそしんでいた。船なども持っていない。

 ならば、消去法でエネル一択。

 

 

 スマラが見聞色の覇気で島を索敵しながら眺めていると、雷雲から雷が迸る。

 エネルが操作したであろう雷は、エンジェル島にぶち当たり、建物を破壊する。

 

 

 そう言えば……とスマラはエネルの言葉を思い出した。

 『これで勝ったと思うなよ。島ごと消し飛ばせば貴様も生き残れないだろう』

 戦いの最中にそんな事を言っていたような気が……。

 

 その結果がこれなのだろう。

 原理はよくわからない。

 ただ分かるのは、あの船がエネルの力で動いていて、このままでは空島丸ごと消し飛ばす攻撃が降り注ぐと言う事のみ。

 

 流石のスマラでも、島ごと消し飛ばす程の攻撃には対処が難しい。

 ここで重要なのは難しいだけであって、決して出来ない訳ではないと言う事だ。

 スマラだけが生き残るなら対して労力はない。

 普通の攻撃に比べて消費体力が多いが、全体からすれば微々たる差。

 しかし、島全体を消し飛ばす程の高威力で広範囲の攻撃を、丸ごと操作するとなると、途方もない体力と時間がかかる。

 

 さらに言えば、スマラは人が死のうが、島がなくなろうと無関心なのだ。

 自分さえ生き残れればそれだけで十分。

 余裕があるなら人助けをする程度。

 勿論、対価に合った報酬も貰う。

 とことん、この熾烈な海で生き残るのに長けた性格だ。

 

 

 

 時間にして一分程度。

 これからの行動予定を建てたスマラは、軽く走り始めた。

 方向は島の中央部。巨大豆蔓の下だ。

 

 見聞色の覇気で探った結果、巨大な豆蔓付近にはそれなりの反応が多数返ってきた。

 サバイバルゲームの生き残りで、エネルにやられた者達だ。

 麦わら一味のメンバーも二名の反応がある。

 

 

 こんな面倒な事態だけは回避したいが、適当な場所で終わるのを待ってると帰るタイミングが分からない。

 それならば、始めから一緒に居ればいいのだ。

 居るだけで、何も手出しはしないけど……。

 スマラがこの船に乗っている者たちの物語を見たいと思っているなら、近くで観察したほうがより臨場感を味わえる。

 

 常人の発想ではない。

 人の物語の為にわざわざ危険地帯に踏み込むなど、可笑しいと捉えられてもおかしくはない。

 それでもスマラはやる。

 なぜなら本で読むよりも、よりリアルで深く物語を見ることが出来るから。

 

 スマラと言う壊れた人間は、物語を求め続ける。

 物心付いた時から、魂に刻まれているかの様にそう在り続けた。

 常人に理解されなくてもよい、己が楽しければそれでいい。

 仲間なども必要ない。

 それが、壊れている人間スマラの行動原理なのだから………。

 

 

 

 

 

 スマラの能力を持ってすれば、島の中央部にたどり着くのにそう時間はかからない。

 やがて、森を抜けて遺跡に出た。

 

 黄金都市シャンドラだ。

 

 雲に埋まっているのか、遺跡はどれも建造物の上層部に見られる造りばかり。

 中央部には巨大な豆の蔓が更に上空へと伸びている。

 

 そして、上空を見上げているロビンに声を掛ける。

 近くにはゾロとガン・フォール、ゲリラが黒焦げで倒れていた。

 反応はあるので、意識を失っているだけだろう。

 

「久しぶり、でいいのかしら?随分と面倒な事になっているわね」

「貴女は!?一体今まで何処にいたの?」

「森の中よ。適当に過ごしていたわ。神はあそこね」

 

 スマラは蔦の頂上付近を旋回している船を指さした。

 見聞色の覇気で場所など特定しているが、確認は必要。

 

「エネルのことね。えぇ、航海士さんが連れていかれて、船長さんが助けに向かったわ」

 

 流石にエネルの存在は知っていることに、ロビンは内心ほっとしながら現状を伝えた。

 が、スマラの知る状況と少し違う。

 

「船には神の反応しかないのだけれど?」

「え?」

 

 と言った時だった。

 下から声が聞こえて来た。

 

「ロビ~~ン!!スマラ~~~~!!」

「うわぁぁぁぁぁぁぁ~~!!」

 

 同時に、文字通りの飛んでくる子供と空の騎士のペット。

 ロビンが能力を発動して彼女たちを受けとめた。

 

 雲の下から蔓を登ってやって来たのは、やはりと言うべきかルフィだった。

 右手には巨大な黄金の球体が引っ付いている。

 さぞかし重かろうが、それを引っ張りながら登って来れる身体能力は称賛に値する。

 

「ロビン!!この蔓のてっぺんに黄金の鐘があるんだな!!エネルはその鐘を狙っているんだな!!?」

「それは……確かに鐘楼があるとすればそこしかないわ……。だけどもう……」

 

 ルフィとロビンが、スマラには理解出来ない内容の話をする。

 それもそうだ。

 黄金の鐘と言われても、ゾロとしか会ってないスマラからすれば、何のことか分からない。

 ある程度の予想はつくが、思い込みは大きな致命傷になりかねない。

 スマラは自分で調べた事実だけしか信用しないのだ。

 

 やり取りが終わったのか、ルフィは蔓を登り始めようとして……止まった。

 頭だけ振り返ってスマラの方を向く。

 

「スマラ!!!これが終わったらお前の好きな冒険の話を沢山してやるからな!!」

「は?」

 

 「楽しみにしてろよな!!」とルフィは蔓を勢い良く登って行く。

 あっという間に見えなくなる。

 

「……冒険の話が好きなのではなく、物語全般が好きなのだけれど?」

「反応するところがそこなの?」

 

 スマラにツッコミを入れるロビン。

 珍しい組み合わせだ。

 

 ロビンはルフィと一緒に現れた女の子に質問する。

 手が咲くという摩訶不思議な能力を目の当たりにし、先まで叫んでいた女の子はビクッとしながら答えた。

 

「ねぇあなた。航海士さんは何処?オレンジ髪の女の子」

「え?ナミ?ナミならあの船に……」

「いないわよ?」

 

 女の子の言葉を遮ったのはスマラだ。

 ロビンはナミの居場所を知りたがっている様子。

 女の子はナミの居場所を知っているのか、船を指さそうとしたのだ。

 だから、見聞色の覇気で船にはエネルしか乗っていない事を知っているスマラが間違いを正した。

 

 

 情報のすれ違いはない方がいいに決まっている。

 少し前のスマラだったなら、聞かれてもいないのに答えるなどしなかっただろう。

 これはどういう変化なのだろうか?

 麦わら一味と接することで、スマラにも仲間意識が芽生え始めたのふだろうか?

 真相は、スマラ本人にも分からない。

 

 

 スマラの言葉に、女の子もナミの気配が船から消えている事に気が付いた。

 

「ホントだ。空から声が一つしか聞こえない……」

「あら?貴女も見聞色の覇気の使い手なの?」

「けんぶんしょくのはき?心網の事?」

「ここではそう呼ぶのね。まぁ良いわ。意味は同じだから」

 

 スマラはこんな幼い子供が見聞色の覇気の使い手だと言う事に、少しだけ驚く。

 生まれ持っての素質なのだろう。

 あり得ないことではない。

 スマラ自身もこのくらいの年頃には、見聞色の覇気を扱えた。

 でなければ、今のスマラはいないはずだから。

 

 スマラと女の子の会話を聞いて、ロビンはわざわざ女の子に聞かなくても、スマラなら何とか出来ることを思いだした

 

「そういえば、貴女も人の気配を感じ取れるのだったわね」

「難しくはないわよ?死地に接すれば、自然と開花する場合もあるしね。それで、航海士さんの現在地は……」

 

「いた!!」

 

 とスマラがナミの位置をロビンに伝えようとした時。

 遺跡の奥からナミがウェイバーを走らせてやって来た。

 ボロボロになっているウソップと意識を失っているサンジも一緒だ。

 

「うぉ!!ロビン!!げっ!!スマラもいやがる!!」

「アイサ~!!良かった無事なのね」

 

 女の子――アイサがナミに抱きついた。

 嬉しそうにしていることから、そうとう懐かれているのだろう。

 到着した二人はウェイバーと呼ばれる貝を使った乗り物からおり、サンジを雲の上に下した。

 そこでウソップがゾロ、チョッパー、ガン・フォール、ワイパーがボロボロの状態で意識を失っている事に気付く。

 サンジと怪我の見た目が同じことから、エネルにやられたのだと気付き、俺がいたなら……と有り得ない強がりを見せる。

 ナミがアイサにルフィの居場所を聞いた。

 ナミはルフィとアイサが一緒にいるものだと思っていたらしい。

 ここでも情報の伝達の齟齬が発生している。まぁ、この世界で起こっている事を満遍なく知ることが出来る者など、存在しない。

 

 

 スマラが黙ってみていると、空の方でも動きを見せる。

 空島を覆いつくす様に広がっていた雷雲から、雷が落ち始めたのだ。

 何度もの雷が落ち続け、空気は震える。

 

 

「さぁ…宴を始めようではないか。万雷」

 




あと何話で空島終わるかな?下書きなどないし、細かいプロットすら作ってないからこうなる。5話以内に収まったらいいなぁ。げ、空島終わったら青雉じゃんか……。

今後どんな風に進めていくべきかアンケート!!読者様の意見が聞きたいです。が、アンケート結果が絶対に反映するかは分かりません。結果を意識しながら書いて行けたらなぁ。と思ったアンケートです。

  • 出来るだけ簡潔に!!
  • もっとストーリーに関わって欲しい
  • そんなことよりも更新速度早よ!!
  • 知るか!勝手にやってろ!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。