麦わらの一味?利害が一致しているから乗っているだけですが?   作:与麻奴良 カクヤ

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伏線?回収です。
スマラが刀だけでゾロと戦ったらどうなのか。

誤字報告、いつもお世話になっております。ありがとうございます!!!

FGO
スカスカ巌窟王でゴールドタグ級周回。


527 四十六頁「手合せ」

 

 

 次の日の朝がやって来た。

 ロビンとルフィは目を覚まし、チョッパーに安静にするように言われながらも、いつも通りの様子を見せる。

 しかし、肉体的な疲労は勿論、海軍本部の最高戦力に襲われたというのは精神的な疲労を溜めていた。

 航海を急いでいる訳でもないので、養生の為数日間停泊する事になった。

 

 

 一日が経ちルフィが安静にする事に飽きた頃、いつも通り部屋の中で読書に浸っていたスマラに声をかける存在が一つ。

 

「おい」

 

 たった一言。だが、それだけで誰がどんな意味で声かけを行たのか理解できる。

 

「あら、青雉にやられた傷はもういいの?」

「腕が凍っただけだ。すぐ直った」

「へぇ~……で、呼んだ理由は?」

「前から言っていた約束を果たしてもらおうか」

「そう」

 

 栞を挟んで本を閉じる。そのままリュックサックにしまい込むと、軽々しく船を飛び降りた。

 ゾロがスマラに続こうとして……

 

「おいゾロ。何処に行くんだ?」

 

 二人を見ていたウソップがゾロに質問した。何かを作っているのか、『ウソップ工房』と書かれた木箱から作業道具を広げている。

 ゾロは何でもないように言いながら船を跳び降りた。

 

「鍛錬だ」

「そっか~。鍛錬か…………ってスマラ相手にか!!?」

「そうだ!!夕飯前には戻る!!」

「はぁ!!?そんな事を聞きたいんじゃねぇよ!!」

 

 鍛錬。それだけならウソップも「なんだ、何時ものことか」と興味を直ぐに失っただろう。

 だが、ゾロは直前にスマラに声をかけて一緒に降りて行った。そこから導き出される答えは、スマラ相手に鍛錬をするつもりだ、ということ。

 いくら何でも無茶苦茶だ。昨日の夜、ナミから聞いた話では、ルフィ、ゾロ、サンジが手も足も出せなかった大将青雉に互角の勝負をし、そのまま余裕で撃退したそうだ。

 そんな相手に鍛錬。強い相手に修行を積むというのは理にかなっているが、いくら何でも実力差があり過ぎる。

 また一つ、心配事が増えてしまった。この話をオレ一人しか聞いてないのか……とウソップは何時も通りネガティブになるのだった。

 

 

 

 

 

 向かった場所は先日青雉とスマラが争った場所。

 地面が少しだけ凸凹になっているのが、戦闘の激しさを物語っていた。

 前を歩いていたスマラがクルっと周り、後ろを歩いていたゾロに向き合う。

 

「それで、まだ私と戦いたいのかしら?」

「当たり前だ。強い奴と戦うだけで修行になる」

「……私が、貴方たちが手も足も出さなかった青雉と同じくらい強いと知っても?」

 

 圧倒的な戦力差は単なる蹂躙にしかならない。鍛錬や、修行になるわけがないのだ。

 スマラは言外にそう言う。しかし、ゾロの意志は硬い。

 

「お前が俺たちの何倍……何十倍も強い事は分かった。だがな、剣の勝負だけでも勝てると言われるのは俺のプライドが許さねえんだ」

「そう。剣術はほんの少ししか出来ないわよ?」

「はっ!そのちょっとしか出来ねぇ奴が勝てるって言うのはどうなんだ?」

「だから、私と貴方では身体能力が違うわよ。剣術でそれを埋められるのならいいのだけど……」

「つまり、俺の剣術が強ければ倒せるわけだな」

 

 違う。そうではない。

 幾らゾロの剣術が強かろううが、自分の素の身体能力だけで完封出来る。スマラはそう言いたいのだ。

 しかし、戦闘狂のゾロはまるで分かっていない。脳筋で考えることを若干放棄している節がある。

 スマラは仕方ない、何を言っても無駄だろうと早々に切り捨てる。

 

「それで?試合方式は?」

「一本勝負だ。俺は勿論本気で行かせて貰う」

「はいはい。で、私が能力禁止で尚且つ刀を使うのね」

 

 刀なんか持ってないけど……とスマラが言いかけるが、ゾロが持っていた刀を投げよこした。

 なるほど。このために持って来ていたのか。珍しく準備の良いことだ。

 

 ゾロがスマラに渡した刀は、名刀でも両刀でも何でもないただのありふれた刀。船の武器庫に眠っていた一振りだ。

 鞘から抜いて軽く振ってみる。特に違和感もない。極端に軽い訳でもなく、重たくて振れない訳でもない。本当にただの量産品。そんな感じの刀だ。

 対してゾロの使う刀はどれも名刀揃い。大業物工の和道一文字、良業物の雪走、業物の三代鬼徹。どれもこの刀に比べたら、スマラの使う刀はごみ同然。下手したら切れ味の差で折れる。

 

「………」

「なんだ?不満か?」

「いいえ。これでも問題ないわ」

「はっ!そうかい」

 

 刀を使うとは言ったものの、剣士ではないので鞘は邪魔になる。腰にぶら下げず、その辺に置いておく。このくらいは良いだろう。

 

 対峙するゾロとスマラ。

 スマラは刀を中段の構えを取ってゾロの出方を待つ。対してゾロは、手ぬぐいを頭に巻き刀をそれぞれ両手と口で持つ。最初から全力で行くつもりだ。

 そうしないとこのハンデ戦でも勝てないと、青雉とスマラの戦闘を見て思ったからだ。

 

 開始の合図はいらない。準備は既に済んでいる。目と目が交わし合い、ゾロとスマラの戦いが幕を上げた。

 

 

 

 

 

 先に動いたのはゾロだ。地面を蹴ってスマラに肉弾する。両手の刀を巧みに動かし連撃をスマラに打ち出した。

 しかしスマラはこれを難なく捌く。見聞色の覇気を使った行動を読み取って、交わしたり刀をぶつけて流したりするだけで攻撃を寄せ付けない。

 

 ただの素人がゾロの連撃を容易く捌けるわけがない。大抵は一撃目で力負けして攻撃を喰らうか、一撃目を防いでも二撃目、三撃目と二本ある刀を防ぎきるのは不可能に近い。素人ではなく、各地で名をはせている剣士なら捌くくらいなら可能だろうが………スマラにその様な技術は持っていない。

 確かに能力は使っていない。しかし覇気を使うなとは言われていない。

 

「ちっ、空島の神官と同じか……だったらっ!!」

 

 ゾロは空島の神官がマントラを使って攻撃を避けるのと同じように、スマラが同じく力を使って攻撃を予測していると理解する。

 攻撃を避けられるなら、避けるよりも早く攻撃を仕掛ければ良いッ、とゾロは攻撃の速度を上げる。

 

 がしかし、それが神官や少し強いだけの相手なら通じただろう。

 スマラには通じない。能力を使わなくても生まれ持った肉体は一般人の限界を軽く凌駕する。それでなお、見聞色の覇気で未来を見通しているのだ。簡単に当たるわけがない。

 

 

 ならば、硬直状態に持ち込んで力勝負。とゾロは刀と刀がぶつかり合った瞬間に踏む込む。

 暇な時間があれば常に鍛錬を繰り返し、常人には理解不能な筋肉を身につけたゾロと、親から引き継いで細いながらも強靭な肉体、別に欲しくもなんともなかった物を才能だけで制御するスマラ。

 力は互角だ。いや、若干スマラが上回っている。

 ゾロは押され始める腕を見て「化け物かよッ」と心の中で呟いた。通常時ならこれに加えて能力で補助してくるのだ。能力禁止のハンデ戦でなければ、青雉の時のように一蹴されただろう。

 

 

 いい加減硬直状態に飽きたスマラがグッと力を込めてゾロを押し返す。

 ゾロは、このままだと推し負ける事は明確だと判断し、あっさりと引く。

 後ろに跳び退いて距離を置くゾロ。スマラからの追撃は……来ない。基本待ちの戦法だから当然だ。

 

 

 ゾロは次の攻撃に備えて刀を構える。

 

「三刀流『百八煩悩風』!!!」

 

 ゾロが持つ最強の斬撃を飛ばす技である。鉄の硬度すら容易く切り裂き、空島では神官オームを仕留めた技。

 遠距離攻撃故に隙が多く避けられる心配もあるが、これは鍛錬である。だからスマラが避けない事にかけた。

 あれだけ言い張っていたのだ。必殺技なら避ける事をしねぇよな?

 ゾロの目線はスマラにそう言っていた。そしてスマラは動かない。

 

 賭けに勝った。ニヤリとゾロは嗤う。

 この斬撃は鉄すら軽く切り裂くのだ。スマラに渡した刀だと防御は不可能だろう。少々卑怯かもしれないが、それ込みでスマラは了承したのだ。だから仕方ない。

 

 斬撃を目の前に動かないスマラ。そしてついに動いた。

 

「武装色硬化」

 

 スマラが呟くと『黒い何か』がスマラの手を覆った。手だけには収まらず、刀までも黒く染め上げていく。

 そうして出来上がった物はまるで黒刀そのもの。

 ゾロに嫌な予感が走ると同時に、スマラがその刀を斬撃にぶつけた。

 

 技と技の衝突時に起こる衝撃が巻き起こる。砂煙が巻き起こり、互いの様子が目視できなくなった。

 嫌な予感が湧いてならないゾロはそのまま突っ込む。スマラが斬撃でやられたなどとは考えない。考えたら負けだ、手加減しても負けだ。鍛錬などと思うな。

 

「『鬼―――斬り』!!!」

 

 ゾロの十八番の技。刀をクロスさせ、尚且つ三本目の刀を加える事によって逃げ場を無くし、ありったけの力を加えて発動させる。

 今まで最も頼ってきた技とも言えるだろう。

 

 

 しかし、

 

 

「はっ!バケモノかよ」

「………」

 

 その技も止められてしまった。黒くなってる刀によって。

 

 

「それは能力とは別の力なのか?」

「……そうね。万人とはいかないけど、誰だって使えてもおかしくない力よ」

「そうかよ」

 

 膠着状態を使ってゾロはスマラに尋ねた。

 スマラは覇気そのものは教えずに、誰でも使える力だと言う事だけ伝えた。それ以上は教えない。

 聞かれても困るだけだ。概要は知っている。でも、それは自分たちの力で見つけるべき存在だからだ。この先進むのなら、覇気は必ず習得する必要がある。だからスマラは教えない。精々ヒントを渡すだけだ。

 ………それに、やり方を聞かれても困るのはスマラの方だ。何せ、必要に迫られて習得した物だ。習得方法など知る由もない。

 

 

 約束だから仕方なく相手をしているが、そろそろ飽きてきた。単純とは言えないが、これといって頭を使って戦法を立てている訳でもない。力業のオンパレード。

 手合わせなのだから様子見で剣を打ち合っているが、スマラは戦闘が好きではない。というか、読書をしてない時間が勿体無いと感じ始める。

 

 イライラし始めるスマラに気づいたのか、ゾロはスマラの様子がおかしいと感じ取った。

 瞬間、スマラが力を抜いてゾロの体制を崩した。そのままゾロに向かって剣を振り斬る。

 が、ゾロも負けていない。気合で体制を整えると、スマラの攻撃を捌く。つもりだったのだが、スマラがゾロの刀を避けて振り切った。

 

 

「これで、貴方の首は落とされて戦死。流石に首を斬られたら生きていられないでしょ?」

「………あぁ、参った」

 

 

 スマラの刀はゾロの首筋に添えられていた。命の奪い合いだったのなら、ゾロはこと切れていただろう。

 

 完敗だ。連撃は捌かれ、遠距離からの斬撃も落とされた。刀を折るつもりの攻撃も謎の力で防がれ、力業でも負ける。

 スマラの剣術が嗜む程度だったのか、それともゾロが強くなっているからかは分からないが、鷹の目のミホークと戦った時よりは戦闘になっていた。

 しかし、能力禁止でのハンデ戦にしておいて、自分の得意分野での勝負に負けた。

 こんなにも差が空いているとは思わなかった。得意分野で負けたのは恥だ。これまで以上に鍛錬を積み重ねよう。ゾロはそう決意出来た有意義な時間になった。

 

 

 

「あぁ!!!マリモてめぇ!!!スマラさんに何してやがる!!!!」

 

 戦闘が終わって刀を納刀していると、声が響いた。この主はサンジだ。

 汗をかいて刀をそれぞれ持っている様子を見て、サンジは大激怒。ゾロに一直線に向かっていく。

 

「あぁ?単なる手合せだ。お前には関係ねぇ」

「関係大有りだこの野郎!!スマラさんに怪我でも出来てみろッ!俺はテメェを許さねえ!!」

!俺はテメェを許さねえ!!」

「はっ!!手合せなんだから仕方なくねぇじゃねぇか。それに、そいつはピンピンしてるぜ」

「そういう問題じゃねぇんだよ!! スマラさ~ん!!大丈夫ですか!!」

 

 ゾロとの言い争いに見切りを付けて、スマラにくねくねと向かって来るサンジ。

 スマラは何でもないように無事を確認させた。

 

「問題ないわ。少し疲れただけで、怪我は負っていないわ」

「そうですか。……ったく、あのマリモの野郎。スマラさんと手合せなんて……。断って良かったんですよ?あの野郎は俺が下ろすとして……」

「実力を見せるいい機会だったから、良いわ。約束したのは自分だしね」

「………分かりました。帰ったら何か作りましょうか?」

「えぇ、お願い」

「はい!!喜んで!!」

 

 

 サンジは急いで帰って行った。忙しい人だ。

 ボーっと眺めていると、先を歩いているゾロを吹き飛ばす様に妨害し、ゾロがそれに対して怒る、というのいつも通りの喧嘩が始まった。

 

 後は………とスマラは記憶を巡らす。この際だから、約束を一気に終わらせてしまおう。

 古代文字の習得に時間が必要かもしれない。最悪、概要だけ学んで、後は独学でどうにかする必要がある。物語を読むためなら努力も惜しまないスマラであった。

 

 




すみません、もう一話滞在させます。


次回の後半にはウオーターセブンに突入出来たらなぁ~と考えております。
今年中には後二話程更新出来たら良いと思っていますので、残り僅かな2019年をよろしくお願いします!!

次回作品に向けてのアンケート。詳しくは活動報告にて

  • 原作SAO
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