麦わらの一味?利害が一致しているから乗っているだけですが? 作:与麻奴良 カクヤ
FGO
幕間クエと二部フリクエ周回中。箱開け作業が終わってません……。
ゾロとの手合せから一日後。滞在三日目の事だ。
ルフィは言わずとも超回復を見せ、安静にするのも限界に達して来た頃だ。
ロビンが大分回復してきた。ルフィの様に激しく動いたりするのはまだ無理があるらしいが、会話や食事くらいなら問題なく行えるらしい。
未だに調子が万全ではないロビンの為にと、元気な者どもは皆甲板に出ていた。
そんな中、椅子に座ってゆっくりと朝食を取っていたロビンの前にスマラが座っていた。
朝食は既に食べ終えている。本を取り出していつものように読書に勤しんでいた。
何時もの光景。特に意味がなく、ただ単にスマラが偶々ロビンの前に座っているだけのこと。
ルフィやウソップ、チョッパーたちが見たらそう思うだろう。しかし、ロビンは持ち前の洞察力で何かあると察した。
「何か要件があるのではなくて?」
「あら、どうしてそう思ったのかしら?」
「フフフ、勘よ」
「そう……要件があるのは確かよ。先ずは朝食を食べ終えてから話すわ」
スマラから「要件がある」そう言われれば、未だにこの船の仲間と考えているわけでもなく、海賊船に乗っていながらも海賊ではないスマラを警戒しないわけがない。
毎度毎度、そうやって警戒を怠らなかった故に逃げてこられた。スマラに獲物認定されれば、これまでで最も厄介な相手になるだろう。大将青雉と本気で戦っていながらも無傷で、それも撃退出来る人物など世界に一体何人存在しているだろうか?
慎重に、慎重にいかなければならない。
ロビンは気が気では無かったが、どうにか朝食を全て飲み込む事に成功。途中から味がしなかったが、完食と言えば完食だ。
食器を片付けて元の場所に戻ると、スマラが口を開く。ロビンは気持ちを切り替えた。
「そんなに硬くならなくてもいいわよ」
「……硬くなったつもりはないのだけど?」
「そう、では本題ね。古代文字を教えなさい」
「何の為に?と質問するのは無駄かしら」
「内容を読みたい。ただそれだけよ。空島で約束したのだから、当然引き受けてくれるでしょう?」
「え、えぇ………」
スマラの用事とは、アラバスタ王国を出港した時に交わした約束は果たす事だった。
麦わら一味に乗せてもらえる様に働きかけるから、古代文字を教えろ。
スマラは実際にロビンを援護した。それはたった一言だろうが働きかけたのに違いはない。
ロビンは渋々ながら了承するしかない。
では早速と、スマラはリュックサックの中から絶対に入らないであろう大きさの紙を取り出した。
ロビンにも見覚えがある物だ。
「これは……歴史の本文の写し?」
「そうよ。これをお手本に読み方を教えてもらえると助かるわ。あ、言い回しや文法の手本が足りないのなら、お手本は幾つかあるわよ」
何という事だろう。お手本がまだある。それはつまり、歴史の本文の写しを数枚持っていると言う意味そのものであった。
ロビンが気づかないはずがない。そうこれは「教師役になるなら、見たことのない歴史の本文が読めるわよ?」と言われているようなもの。
スマラがどうして歴史の本文の写しを複数枚持っているかと言われれば、本を求めて世界中を放浪した結果、としか言いようがない。
ここまで来れば断れるわけもなかった。
ロビンが乗り気になると、スマラはニッコリ笑顔でノートとペンを取り出した。
「さぁ、ご教授頂けるかしら?ニコ・ロビン教授」
こうしてロビンが送る『古代文字を読もう講座』が始まった。
二人は何時間も部屋に籠って古代文字の勉強を行う。ロビンが文法や文字を教え、スマラがそれを吸収する。
しかし、ありとあらゆる言語を覚え、読書して来たスマラでも古代文字は難しい。それだけ重要な内容が書かれていると言う事だ。
ロビンはこれを八歳の頃に覚えたというのだから、末恐ろしい。スマラも負けてはいられない。全ては内容が知りたいという、己の欲望のためだけに世界政府が禁忌している文字を覚える。
スマラはスマラであった……。
幾らロビンに気を遣って甲板に出ていると言っても、お昼ご飯の時間はやって来る。
つまり、お昼ご飯の準備にサンジが入って来た。
「あ~済まない。邪魔しました?」
「いいえ、大丈夫よ。そうね……そろそろ休憩をしましょうか?」
「そうね。休憩は大事だわ。一気に詰め込み過ぎても効率悪いわ」
サンジが昼ご飯の支度をしに入って来たのを区切りにして、スマラが受けるロビンの古代文字講座は一旦休憩となった。
スマラとしても、文字を覚えるのは新しい物語を知れるきっかけになるので好きだが、いくらなんでも煮詰め過ぎた。
食事による栄養補給と、読書によるリフレッシュが必要だと本能が騒いでいる。
スマラとロビンが机の上に散らばっている紙やペンを片付けている間に、サンジが手慣れた様子で昼ご飯を調理していく。流石本職、瞬く間に完成する。
サンジが大声を出して外に居る者たちに昼ご飯の完成を伝えると、三人を除いた全員が部屋の中に入って来る。
ささっと席に着くと、大皿に盛り付けた料理をサンジが運んで来る。早速食らいつくルフィとウソップ、見かねたゾロとチョッパーも参戦。うっかりしていると、全部ルフィが食べてしまう。
「ったくあいつら品もねぇ……。さて、こちらがナミさんとスマラさんの分です。ロビンちゃんは別に食べやすい物を作ってるよ~ん!!」
「ありがとう、サンジ君」
「はい!!」
「……ありがとう」
その点女性陣は安心だ。双子岬で大皿に取り付けたエレファントホンマグロをルフィ一人に食べられたのが余程悔しかったのか、サンジは女性陣の分だけ初めから取り皿に分けておいてくれるのだ。
ナミとスマラの分を運んでくると、未だに本調子ではないロビンの為に食べやすい別料理をわざわざ作って持ってきた。
本当に至れり尽くせりだ。女性陣だけの特権であるが……。
「ほうへいばさ」
「飲み込んでから喋れよ」
「んぐんぐ…ゴクン。そういえやさ、ロビンとスマラは部屋に籠って何やってたんだ?」
思いついたことは直ぐに聞くの精神を持っているルフィは、食べ物を口に詰め込んだまま質問を繰り出す。が、隣に座っているウソップがすかさずツッコミを入れる。流石麦わら一味のツッコミ役。
飲み込んだルフィは、スマラとロビン目掛けて質問を繰り出した。内容は午前中の事。ロビンはともかく、ロビンを気遣って皆甲板に出ているはずなのだ。昨日までスマラもそうしていた。
しかし今日はスマラは部屋に籠りっきりだった。気になって窓からチラッと覗いてみた時には、机の上に何かを置いて話し合っていたのは見えたのだ。
好奇心旺盛なルフィは気にならないはずがない。宝の地図でも書いているのか?はたまた冒険の話?
考えることが苦手……というかしないルフィは直球で質問したというわけだ。
これは答えても良い物なのか?判断が付かなかったロビンはスマラに視線を向けた。が………。
スマラはいつも通り、読書をしながら昼食を口に入れていた。目は一切、本に書かれている活字から離れていない。見聞色の覇気を発動してお皿の位置を把握して口に運ぶ。世界一無駄な覇気使い方だろう……。
気が付いていないのか?全くこちらを気にしていないスマラに、頭を悩ませるロビン。言った時に怒られるリスクの方が高いから黙っていよう。そう決めたロビンが口を開きかけた瞬間…。
「文字を教えてもらっていたのよ。考古学者は色んな文字を知っているからね」
「へ~~勉強かぁ!!それも本を読む為なのか?」
「そうよ。色んな言語を理解していないと、それだけ読める本の幅が狭まる。勿体ないと思わない?」
「いや、全然。だって俺は本読むと眠くなるからな!!」
わっはっはと笑うルフィをスマラは可哀想な子を見るような視線を一瞬だけ送った。
というかスマラ。本を読みながらも会話をキチンと聞こえていたらしい。見聞色の覇気で食事をして、意識のほとんどを読書に向けながらも、周囲の会話も聞いている。忙しい奴だ……。
「でも、スマラでも読めない文字があるのね」
「えぇ。とても専門的な知識が必要になる文字なんかそうね。彼女の読書に対する想いは、呆れる程に大きいわね」
ナミが会話に参加して来た。スマラは答える気がないのか、黙ったままなので代わりにロビンが答えた。
古代文字を教えていることは教えない。秘密にしている訳ではないが、先ほどの言葉ではスマラは古代文字について言葉にしなかった。ならば、ロビンもそれに沿って言葉にしないべきだろう。
その後は特にスマラに関しての話題は上がらなかった。昼食が終わると、サンジが食べ終えた食器を片付ける為に残っているのを除いて誰も居なくなる。
それぞれ休息を楽しんでいるのだろう。海の上では常に危険に備えていなければならない。だから、この島に止めている間は良い気分転換にもなる。
サンジが食器洗いをしている生活音が響く中、スマラはパタンと本を閉じてリュックサックの中にしまった。代わりに取り出したのは紙とペン。先ほどの続きをするらしい。が、その前に
「体調は大丈夫かしら?辛いなら今日は止めにするけど……」
「…いえ、このくらいなら大丈夫よ。それにしても、心配するなんて珍しいわね」
「…講師役に無理はさせられないもの」
照れているのか、プイッと横を向いてロビンから視線を外す。
これも重要なことなのだ。私益の為だろうが自分が知らない文字を教えてくれる先生に違いはない。病み上がりなら体調に気を使うくらいやってのける。
巡り巡って自分の為なのだと言い訳をしながら、スマラはロビンとの勉強に戻った。
古今東西ありとあらゆる本を読んでいるおかげか、一般人にしては頭の良いスマラ。しかし、そんな彼女でも古代文字の習得には時間がかかった。
滞在期間最後の四日目、ロングリングロングランドを出港した一日目、二日目と勉強を積むと、ようやくたどたどしいながらも読める様になっていった。
これはスマラの頭が良いのと、内容を読みたいと言う強い意志が成せる事であった。普通の人なら三日で新しい文字を…しかも読める人がニコ・ロビンしか存在していない古代文字を覚えれるはずはない。
それだけスマラの意欲が強かったわけだ。
出港三日目はロビンの体調もようやく戻って来たことと、ロビンが引っ付いて教えるレベルを超えて来たので、勉強会は一旦お開きとなった。
「まさか、三日でここまでくるとはね…。恐ろしいわ」
「褒めたって何も出ないわよ。でも、貴女だって八歳の頃に覚えたんでしょ?そっちの方が称賛に値するわよ」
「ふふふ。私の周りには最高の資料がそろっていたから…」
「全知の樹『オハラの大図書館』ね……。焼け落ちる前に一度訪れて見たかったものだわ」
懐かしむようにしてスマラは目を瞑る。思い出すのは子供のころに本の写真で見た図書館内。どこもかしこも本、本、本、本で囲まれている。樹齢五千年を超える大樹をくりぬいて出来上がった大図書館は、長きにわたり世界中各地から大量の本が運び込まれていた。
世界で最大最古の知識を誇る図書館……それは本好きの人間からしたら聖地だ。スマラとてそれは変わらない。
「焼け落ちる前に……ということは、貴女一度オハラに行ったことがあるのね」
「…えぇ。バスターコールで焼け野原にされようと、島から島民が居なくなろうと、世界地図に載っていなくても、そこに地面がある限り行くことは可能だわ。偉大なる航路を出てから直ぐに向かったわ」
一度行ってみたかった……焼け落ちる前に、とスマラは言う。それはつまり、焼け落ちて、地図上から消え去ってしまったオハラに訪れたことがあるらしい。実にスマラらしい。聖地巡礼は基本中の基本だから……。
オハラの悲劇、当時の事を思い出しながらスマラは軽く殺気が漏れた。
あの時は酷く感情が揺らいだ。多分、生まれて初めて一番怒った日でもあるだろう。
怒りの余り、世界政府及び海軍を壊滅させてやろうかと憎んだ程だ。
実際には、まだ子供で今よりも力がなかったことから、諦めた。他の要因もあったが、ここでは語る必要はないだろう。
もし現在同じような事が起こったなら、自分は果たして感情を抑える事ができるだろうか?………多分、無理だろう。世界政府もそのことを配慮していれば良いが……。
と、この辺でオハラの話題は辞めるべきだろう。唯一の生き残りであるロビンにとっても、聖地と言っても過言ではない場所を破壊されて世界政府に強い怒りを覚えているスマラにとっても良い話題ではない。
勉強会が終わったスマラとロビンの行動はそれぞれだ。
ロビンは久々に甲板に出て、皆に体調の全快を知らせる。スマラはいつも通り、この三日間で読めなかった分を取り戻す勢いで読書に勤しんだ。
つまり、何時も通りの日常に戻ったわけだ。
というわけで、ギリギリ出港まで持っていけました。次回からウォーターセブン編スタートです。
ちょっと思い切った行動させるので、その反応がどう出るのか心配してます……。一回目のターニングポイントですね。
伏線は張っているので、分かる人には分かります。……多分。
では、次回で今年最後の更新になります。といいますが、執筆ペースにもよりますが29日にも投稿できるかも?
年末年始ですが、FGOと執筆作業は通常通り行いますよ。初詣も近くの(歩いて五分くらい)地元民ですら行かないようなとても小さな神社に行くだけですし……。勿論仕事も入ってるよ!!
次回作品に向けてのアンケート。詳しくは活動報告にて
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